学園祭の中夜祭で、ギター部の3年生がステージに立った。大観衆が待つ体育館に足を踏み入れた瞬間、緊張で手が震えた。けれど演奏が始まると、客席の歓声と手拍子がすべてを吹き飛ばしてくれた。
進学クラスからギター部で3年間を過ごし、早稲田大学文学部に合格した齋藤壮輝さんは、あの日のことをこう振り返っています。「八学の”一体感”を感じた瞬間でした」。
この学校には、東京大学文科一類に合格した生徒が車人形同好会で八王子の郷土芸能を継承していたり、吹奏楽部の部長が東京藝術大学音楽学部に進んでいたり、総合コースから慶應義塾大学文学部に合格した生徒がいたりします。偏差値54から64まで、文理も音楽も美術もスポーツも——ここまで多彩な顔を持つ私立高校は、多摩地区ではなかなか見当たりません。
八王子学園八王子高等学校。通称「八学(はちがく)」。2028年に創立100周年を迎えるこの学校の併願優遇制度と、進学先としての魅力を詳しくお伝えします。
学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 八王子学園 八王子高等学校 |
| 所在地 | 東京都八王子市台町4-35-1 |
| 最寄り駅 | JR中央線「西八王子」駅南口 徒歩5分 |
| 設立年 | 1928年(多摩勤労中学として創立) |
| 種別 | 私立・共学・中高一貫校(高校募集あり) |
| コース | 文理コース(特選・特進・進学)、総合コース(リベラルアーツ系・音楽系・美術系)、アスリートコース |
| 学園モットー | 「人格を尊重しよう 平和を心につちかおう」 |
併願優遇のポイント
八王子高校の併願優遇は、志望順位を問いません。都立が第一志望でも第三志望以下でも、基準に達していれば入試相談が可能です。さらに延納手続きが不要で、都立一般一次発表の翌日まで入学の権利が自動で担保されます。ただし文理コース特選クラスには入試相談の制度がなく、特進または進学で入試相談をしたうえで当日の得点によるスライド合格を目指す仕組みになっています。この点は後半のセクションで詳しく解説します。
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併願優遇についてまとめた以下の記事もあわせてお読みください。自分の内申で届く学校を探すなら、以下のリストが便利です。
偏差値54〜64——都立の文京・日野台レベルから錦城特進レベルまで1校でカバーする幅
八王子高校は3コース7クラス・類系の構成で、偏差値帯が幅広いのが特徴です。以下、Vもぎ(進学研究会)の偏差値60%基準で、コースごとに同偏差値帯の都立・私立を並べます。
文理コース 特選クラス
| 偏差値 | 都立の例 | 私立の例 |
|---|---|---|
| 65 | 青山高校 | 法政大学高校、中央大杉並、桐朋 |
| 64 | 立川高校(普通科) | 錦城(特進)、城北、立教池袋 |
| 63 | 新宿高校、八王子東高校 | 青稜、拓大一(特進) |
特選クラスは2023年に新設された最上位クラスで、東大をはじめとする最難関国公立大学と早慶上理への現役合格を目指します。入試問題は他コース・クラスとは異なり、都立自校作成校レベルの独自問題が出題されます。
文理コース 特進クラス
| 偏差値 | 都立の例 | 私立の例 |
|---|---|---|
| 62 | 小山台高校、竹早高校 | 芝浦工大附属、成蹊、國學院久我山 |
| 61 | 国分寺高校、三田高校 | 國學院、東洋(特選)、安田学園(S特)、日大三(特進) |
| 60 | 小松川高校、武蔵野北高校 | 錦城(進学)、日大第二 |
難関国公立大学と早慶上理を目標に、独自カリキュラムで学習するクラスです。夏期講習が必修で、受験に向けた指導が手厚い一方、部活動との両立も可能な設計になっています。京都大学農学部に合格した西村月彩さん、一橋大学経済学部に合格した西谷壮志朗さんも特進クラスの出身です。
文理コース 進学クラス
| 偏差値 | 都立の例 | 私立の例 |
|---|---|---|
| 57 | 上野高校、多摩科技 | 駒澤大、かえつ有明、日大三(普通)、桐朋女子 |
| 56 | 文京高校 | 創価、郁文館(特進)、日大櫻丘(総進S) |
| 55 | 井草・小平・狛江・南平 | 専修大学附属、多摩大目黒、日大鶴ケ丘(総進) |
2023年に旧「選抜クラス」と統合されて生まれ変わったクラスです。質の高い授業と講習で難関大学を目指しつつ、クラブ活動や委員会活動にも時間を使える、高いレベルでの文武両道を実現する設計。進学クラスから早稲田大学文学部に合格した齋藤さん、群馬大学理工学部に合格した宮本さんのように、国公立・難関私大への進学実績もしっかりあります。
総合コース(リベラルアーツ系・音楽系・美術系)
| 偏差値 | 都立の例 | 私立の例 |
|---|---|---|
| 55 | 井草・狛江・南平 | 専修大学附属、多摩大目黒 |
| 54 | 石神井・神代・豊島 | 明法(総進)、目黒日大(N進学) |
| 53 | 江戸川・墨田川 | 日大豊山(進学)、玉川学園 |
リベラルアーツ系は2023年に旧「文科系」から改称・進化したもので、文系・理系を問わないカリキュラムに変更。総合型選抜や学校推薦型選抜を視野に入れた大学受験も可能です。音楽系は入試当日に任意の自由曲1曲を暗譜で3分程度演奏、美術系は鉛筆デッサン3点の提出を求められますが、いずれも合否には影響しません。総合コースの美術系出身で武蔵野美術大学に合格した東山雪乃さんは「未経験で入ったけれど、好きであることが何より大切」と語っています。
西八王子駅から徒歩5分——JR中央線1本で立川・国分寺・新宿方面からアクセスできる立地
最寄り駅はJR中央線の西八王子駅で、南口から徒歩5分です。中央線は立川まで約12分、国分寺まで約20分、新宿まで約50分。多摩地区全域から無理なく通学できる距離にあります。京王線の京王片倉駅からも徒歩15分、京王八王子駅からは徒歩20分ほどで、京王沿線の生徒にとっても選択肢に入る立地です。
西八王子駅の周辺は住宅街が中心で、繁華街のような誘惑は少なく、通学路は落ち着いた雰囲気。駅から学校までほぼ一本道なので、初めて訪れる説明会の日でも迷う心配はありません。
校風——「個性的な人が多くて、自分に合う友だちが絶対見つかる」
学園モットーの「人格を尊重しよう 平和を心につちかおう」は、18世紀ドイツの哲学者カントの「人格の尊厳」とユネスコ憲章の前文を基礎にしたものです。こう書くと堅い印象を受けますが、卒業生たちの言葉を聞くと、このモットーが日常の空気としてどう機能しているかが見えてきます。
一橋大学経済学部に進んだ西谷壮志朗さんは
「自分の個性を大切にするという意識をみんなが共通して持っている。その一方で、他の人の意見を取り入れて尊重することの大切さも同時に学べた」
と話しています。大阪大学外国語学部に進んだ卯月美穂さんは
「生徒数が多く、多様なクラスもある関係で個性的な人がたくさん集まる。本当に賑やかな雰囲気」
と振り返ります。総合コースから慶應義塾大学文学部に合格した博登捷さんは
「今まで出会ったことのないタイプの人とも接することができた」。
文理コースの受験勉強に打ち込む生徒、音楽系でトロンボーンを磨く生徒、アスリートコースでインターハイを目指す生徒——まったく違う目標を持った人間が同じ校舎にいるからこそ、自然と「人は違って当たり前」という感覚が育つのでしょう。千葉大学理工学部に合格した後藤凌央さんは「個性的な人が多く、自分に合う友だちが絶対見つかる」と語っていますが、この言葉が八学の空気を最もよく表しているかもしれません。
校則については「The 私立の校則」という声が在校生から聞かれます。突飛な制限があるわけではないものの、都立高校のような自由さを期待すると少し窮屈に感じる可能性があります。
3コース・3クラス・3類系——2023年の改革で特選クラス新設、進学クラス再編、リベラルアーツ系へ進化
2028年の創立100周年を見据え、八王子高校は2023年度に「3つの改革」を実施しました。
- Step 1:文理コース 特選クラスの新設。 志望大学への合格にとどまらず、その先にある人生を見据えた教育を展開するために設けられたクラスです。最難関大学合格を実現するための学習指導に加え、自ら考え動ける力や社会を生き抜いていく力を身につける探究型のプログラムが充実しています。
- Step 2:文理コース 進学クラスの再編。 特選クラスの新設に伴い、従来の選抜クラスと進学クラスを統合。質の高い授業や講習によって難関大学への進学を目指しつつ、クラブ活動や委員会活動にも時間を有効に使える設計で、高いレベルでの文武両道を実現できるクラスになりました。
- Step 3:総合コース 文科系をリベラルアーツ系へ改称・進化。 従来の文系進学のみだったカリキュラムを文系・理系を問わないスタイルに変更し、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用した大学受験も視野に入れた、より幅広い分野を学べる環境に進化しました。
これに加え、制服リニューアル(2025年度)と校舎リニューアル(2026年度~)も進行中です。
転クラス制度
入学後も固定されるわけではありません。1年から2年に進級する際に、進学クラス→特進クラス、特進クラス→特選クラスへのチャレンジが可能です。1年次の成績、生活態度、面接、転クラス試験の結果を総合的に判断して決定されます。「入学時の偏差値がゴールではない」という学校の姿勢が、この制度に表れています。
中高一貫と高校入学生の関係
八王子高校には附属の八王子中学校から進学する内進生もいます。東京大学文科一類に合格した佐藤諒さんは中学校の東大・医進クラスから高校の特進クラスに進んだ内進生で、車人形同好会や囲碁・将棋部、生徒会活動にも積極的に参加していました。高校から入学する生徒が大多数を占めるため、高入生が馴染みにくいということはなく、コースやクラスの垣根を越えた交流が日常的に行われています。
大学合格実績——東大合格と東京藝大合格が同じ年に出る学校
過去3年間(2024~2026年)の合計で、国公立大163名、早慶上理245名、MARCH766名の合格者を出しています。以下、主要な大学群ごとに3年分の推移を見ていきます。
国公立大学(主要校)
| 大学名 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | — | — | 1 |
| 京都大学 | — | 1 | — |
| 東京科学大学 | 2 | 2 | 2 |
| 一橋大学 | 2 | 1 | 1 |
| 北海道大学 | 3 | — | 1 |
| 東北大学 | 1 | 1 | 1 |
| 筑波大学 | — | 2 | 2 |
| 千葉大学 | 2 | 1 | 2 |
| 東京外国語大学 | — | 4 | 2 |
| 東京藝術大学 | 1 | 2 | 2 |
| 東京農工大学 | — | 2 | 4 |
| 横浜国立大学 | — | 1 | 3 |
| 東京都立大学 | 11 | 12 | 16 |
| その他国公立 | 20 | 23 | 26 |
| 合計 | 42 | 55 | 66 |
早慶上理
| 大学名 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 17 | 31 | 31 |
| 慶應義塾大学 | 13 | 21 | 16 |
| 上智大学 | 3 | 15 | 23 |
| 東京理科大学 | 19 | 32 | 24 |
| 合計 | 52 | 99 | 94 |
MARCH
| 大学名 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 明治大学 | 42 | 64 | 63 |
| 青山学院大学 | 35 | 37 | 35 |
| 立教大学 | 20 | 45 | 37 |
| 中央大学 | 35 | 75 | 78 |
| 法政大学 | 61 | 74 | 65 |
| 合計 | 193 | 295 | 278 |
注目すべきポイント
この3年間の推移で目を引くのは、まず国公立大学の合格者数が42名→55名→66名と着実に伸びていることです。なかでも東京都立大学は11→12→16名と毎年増え、地元多摩地区の国公立として安定した進学先になっています。東京農工大学も0→2→4名、横浜国立大学も0→1→3名と、近隣の国公立大学への合格が年々厚くなっています。
早慶上理は2024年の52名から2025年に99名へほぼ倍増し、2026年も94名を維持。上智大学が3→15→23名と大きく伸びているのが特徴的です。MARCHでは中央大学が35→75→78名と2年で倍以上に増えました。
もうひとつ見逃せないのが四工大の伸びです。芝浦工業大学が2→7→28名と3年で14倍に急増し、工学院大学も12→27→29名と倍以上になっています。理系志向の高まりがデータにはっきり表れています。
そして八王子高校ならではの特色が、音大・美大への実績です。東京藝術大学に音楽・美術合わせて毎年2〜3名が合格。多摩美術大学15→18→19名、東京造形大学11→11→10名と、美術系大学への進学が総合コースを中心に安定しています。「東大合格と藝大合格が同じ年に出る」——この事実だけで、この学校の幅の広さが伝わるのではないでしょうか。
指定校推薦枠も豊富で、早稲田大学(先進理工)、中央大学(商・文・法)、法政大学(経済・社会・生命科・理工)、青山学院大学(法・理工)、明治大学(総合数理・理工)、東京理科大学(経営・創域理工・薬)、東京都立大学(経済経営・システムデザイン・人文社会・都市環境)など、難関大学を含む幅広いラインナップが揃っています。
高大連携事業として東京都立大学・東京薬科大学との協定も結ばれており、都立大の大学セミナー(高1特進対象)や見学会(全学年対象)、東京薬科大学の生命科学ガイダンスなど、大学の学びに早くから触れる機会も用意されています。
来場11,000人の八学祭と中夜祭——体育祭・球技大会も「全力投球」
八王子高校の学校行事は、生徒の規模が大きいぶんスケールも桁違いです。
八学祭(文化祭) は9月に2日間で開催され、2025年度は約11,000人が来場しました。クラスごとの出し物に加え、吹奏楽部やダンス部のステージ発表、書道パフォーマンスなどが並びます。なかでも名物は「中夜祭」。有志のバンド演奏やパフォーマンス、時には先生もステージに上がり、体育館が熱狂に包まれます。
前述の齋藤さんが「八学の一体感を感じた瞬間」と語ったのがまさにこの中夜祭です。総合コースの博登捷さんは
「飲食店はできないけど、来客者のイラストを描くメイド喫茶ならできるのでは?」
というクラスメイトの発想に驚いたと振り返っています。コースの違いが生む発想の多様さが、行事の面白さにつながっているようです。
体育祭は広い競技場を貸し切って開催されます。クラスごとに色とりどりのオリジナルTシャツを作り、観ているだけで楽しくなると卯月さんは語っています。京都大学に合格した西村月彩さんは生徒会に所属し、高3の春に自分たちの代が仕切る最後のビッグイベントとして体育祭の運営に奔走しました。
「先輩がいない中での試行錯誤は苦労の連続。何とか無事に終えたときの達成感は格別でした」。
と語っています。
修学旅行は高2で沖縄へ。美ら海水族館の見学や、今帰仁村・本部町での民泊体験のほか、2025年度からは「プロジェクトマナティ」というビーチクリーン活動も始まりました。環境問題やSDGsを体感する新しいプログラムとして、生徒たちは想像以上のゴミの量に悪戦苦闘しながらも夢中で取り組んでいたそうです。
また、総合コースの希望者はヨーロッパ芸術研修旅行にも参加できます。文理コース対象では、毎年夏にアメリカ・コロラド州デンバーへの約1カ月間のホームステイプログラムも用意されています。
吹奏楽全国金賞2年連続・男子バスケ都大会6連覇・野球部からプロへ——全国区の部活が何層にも重なる私学
八王子高校の部活動は約40。そのうち全国大会レベルの実績を持つ部が片手では収まらないほどあります。
吹奏楽部(週6日)
テレビ番組「笑ってコラえて!」の「吹奏楽の旅」で密着取材されたことでも知られる吹奏楽部は、近年の実績が圧倒的です。2024年の第72回全日本吹奏楽コンクールで創部以来初の全国金賞を受賞。過去6回の全国出場で一度も届かなかった金賞を、ついに掴みました。翌2025年も第73回全日本吹奏楽コンクールで2年連続金賞。さらに同年の全日本マーチングコンテストでも金賞を獲得し、吹奏楽・マーチング・アンサンブルの3部門すべてで東京代表として全国大会に出場しています。2026年にも全日本アンサンブルコンテストで打楽器8重奏が金賞(2年連続)を受賞しており、金賞ラッシュが止まりません。部長を務めた飛川希さんは中学でのサックスから高校でコントラバスに転向し、ゼロから始めて藝大合格を果たしました。
男子バスケットボール部(週6日)
東京都高等学校バスケットボール春季大会で6年連続優勝という記録を更新中。2025年のインターハイでは準優勝(2010年以来15年ぶりの決勝進出)、ウインターカップ2025ではベスト8の成績を収めています。卒業生にはBリーガーが多数おり、名実ともに東京を代表する強豪校です。
女子バスケットボール部(週6日)
2025年のウインターカップに創部以来初の全国大会出場を果たし、2026年春季大会でも準優勝で関東大会出場を決めました。下級生中心の若いチームながら着実に力をつけており、東京都優勝とインターハイ出場が現実的な目標になりつつあります。
野球部(週6日)
2016年夏に八王子市から初の甲子園出場を果たした実績を持ちます。2025年には春季東京都大会でベスト4(二松学舎大附を完封)、夏の西東京大会でもベスト4(2017年以来8年ぶり)と上位進出が続きました。同年のドラフト会議では新井唯斗選手が埼玉西武ライオンズに育成1位指名。八学OBの羽田慎之介選手と同球団でのプレーが注目されています。
その他の全国レベルの部活
陸上競技部は2025年のインターハイで男子200m 7位、女子三段跳6位、男子砲丸投8位と複数種目で入賞。水泳部からはアーティスティックスイミング日本選手権優勝者(田中ひなのさん)も出ています。柔道部は関東高校柔道大会に4年連続出場し、関東体育系大会でも優勝。男子サッカー部は地区ユースリーグ1部に所属し、全国高校サッカー選手権予選決勝進出の経験もあります。コーラス部はNHK全国学校音楽コンクール東京都予選で金賞を受賞。
文化部も侮れません。美術部は全日本学生美術展で推奨をダブル受賞(学校史上初)。写真部は東京私立中高生写真・美術展で会長賞(グランプリ・本校初受賞)を獲得しています。
八王子の郷土芸能を継承する車人形同好会も八学ならではの存在です。定期的に家元のもとで直接指導を受けており、東大に合格した佐藤諒さんもこの同好会に所属していました。
「八学の一体感」——UNITED ARROWSコラボの新制服と2026年からの校舎リニューアル
制服
創立100周年記念事業の一環として、2025年度から制服が一新されました。コラボレーション相手はUNITED ARROWS。「ひとつの目標に向かって直進する矢(ARROW)を束ねた(UNITED)もの」という社名に込められた意味が、学問・スポーツ・芸術など多様な個性を持つ生徒たちが一体となって学園生活を創り上げる八王子学園と親和性があるとして実現したタイアップです。
夏服・冬服の明確な違いはなく、「基本スタイル」と「カジュアルスタイル」の複数アイテムを組み合わせることで、季節や気温の変化に柔軟に対応できる機能的なデザインになっています。
校舎・施設
2026年度から校舎リニューアルが進行中です。既存の施設としては、卒業生が口を揃えて推すのが進路指導室。各大学の過去問がかなり以前のものから揃っており、齋藤さん(早稲田大学文学部)は「受験勉強に集中できる環境が整った学校。特におすすめの施設」と語っています。東北大学工学部に合格した川上流之介さんは
「自習室やコミュニティエリアなどの施設も整っているので、勉強する環境として最高の場所」
と評価。食堂も完備されています。
年間費用と就学支援金——入学から卒業まで約313万円
入学時にかかる費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 250,000円 |
| 制服代 | 約70,000円 |
| 学用品代(ネクタイ・リボン・バッグ・上履き・体育用品等) | 約100,000円 |
| 合計 | 約420,000円 |
年額学費(1年分)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 授業料 | 468,000円 |
| 施設維持費 | 192,000円 |
| 教育充実費 | 38,400円 |
| 冷暖房管理費 | 14,400円 |
| 図書費 | 1,800円 |
| 合計 | 714,600円 |
その他の費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学諸経費・1年次学年諸経費 | 200,000円 |
| 2年次学年諸経費 | 約100,000円 |
| 2年次修学旅行費 | 約150,000円 |
| 3年次学年諸経費 | 約120,000円 |
| 合計 | 約570,000円 |
入学から卒業までの費用合計は約3,133,800円です。
就学支援金と特奨生制度
2026年度から、国の就学支援金制度が改定され、私立高校の授業料支援が年間最大457,000円(年収制限なしに引き上げられました。これにより、授業料468,000円のうち大部分がカバーされ、実質的な授業料負担は年間約11,000円にまで下がります。
八王子高校独自の特奨生制度もあります。入試結果で上位の成績を収めた生徒は、全コース・全入試区分を対象に入学金と授業料が免除されます。入学後も学業成績が優秀な生徒は学年末に次年度からの特奨生に認定される可能性があり、1年ごとの見直し制です。兄弟姉妹が在学中の場合は入学金免除制度もあります。
2026年度 併願優遇の基準——特選クラスは「入試相談なし」、チャレンジ出願とスライド合格の仕組みを理解しておくこと
入試相談基準(内申点)
| クラス・類系 | 第一志望 | 併願 |
|---|---|---|
| 文理 特選クラス | 特進クラスか進学クラスでの 入試相談が出願資格(特選クラスの優遇なし) | 同左 |
| 文理 特進クラス | 9科39 or 5科22 or 3科14 | 9科41 or 5科23 or 3科15 |
| 文理 進学クラス | 9科35 or 5科20 or 3科12 | 9科37 or 5科21 or 3科13 |
| 総合コース(リベラルアーツ系・音楽系・美術系) | 9科34 or 5科19 | 9科36 or 5科20 |
| アスリートコース | 9科27 or 5科15 or 3科9 | 第一志望のみ |
加算ポイント制度
文理コース(特進・進学) では、英検・漢検・数検のいずれか3級以上で9科に最大1ポイント加算、卒業生の子や在校生の兄弟姉妹で9科に最大1ポイント加算(合算可能、最大2ポイント)。
総合コース では上記に加え、体育・音楽・美術の評定に「5」がある場合に9科に最大1ポイント加算、関東大会レベル以上の大会出場やコンクール受賞で9科に最大1ポイント加算(合算可能、最大4ポイント)。
特選クラスには加算ポイント制度はありません。
チャレンジ出願制度とスライド合格制度
八王子高校の併願優遇で最も理解しておくべきなのが、特選クラスには入試相談がないという点です。特選クラスを受験するには、まず特進クラスまたは進学クラスで入試相談を行い、その上で特選クラスに「チャレンジ出願」する形をとります。
チャレンジ出願とは、入試相談をしたクラスより上位のクラスに出願し、当日の得点次第で合格を目指す制度です。チャレンジ先のクラスへの優遇措置はなく、純粋に試験の得点で合否が判定されます。なお、特選クラスの入試問題は他コース・クラスとは異なる独自問題(都立自校作成校レベル)です。
チャレンジ出願で上位クラスに不合格だった場合は、スライド合格制度により、得点次第で入試相談をしているクラスに合格が判定されます。つまり「特選にチャレンジして不合格→特進にスライド合格」「特選にチャレンジして不合格→進学にスライド合格」といったパターンが成立します。
具体例:進学クラスで入試相談済み → 特選クラスにチャレンジ出願 → 特選の独自問題を受験 → 特選に合格すれば特選へ、不合格なら得点次第で特進または進学にスライド合格。
併願時の注意事項
八王子高校の併願には志望順位の制限がなく、第三志望以下でも入試相談が可能です。入学手続きの締切は各都県の公立校一般一次発表の翌日で、延納手続きは不要。一般第1回入試と第2回入試の両日に出願・受験することもできます(それぞれ受験料が必要)。なお、総合コースとアスリートコースはスライド合格の対象外です。
この学校が合う受験生、合わない受験生
八王子高校は「やりたいことが決まっている人」にも「まだ決まっていない人」にも居場所がある学校です。特選クラスで東大を目指す受験勉強に集中するもよし、音楽系で藝大を見据えた専門的な学びに打ち込むもよし。入学後も転クラス制度で進学→特進→特選とステップアップできるので、入学時点で将来の方向性が固まっていなくても、3年間のなかで進路を見定めていくことができます。多摩地区に住んでいてJR中央線で通学しやすい受験生、部活と勉強のどちらも諦めたくない受験生、美術や音楽に興味はあるけれど専門校に行く覚悟はまだできていないという受験生にとっては、かなり有力な選択肢になるはずです。
一方で、1学年の生徒数が多いマンモス校ですから、「少人数のきめ細かい指導」を最優先にする受験生にはミスマッチが起きるかもしれません。また、校則はいわゆる私立高校の標準的なもので、都立高校のような自由さを重視する受験生は事前にしっかり確認しておいたほうがよいでしょう。そして特選クラスを併願で狙う場合は、入試相談なし+独自問題という条件をクリアする必要があるため、都立自校作成校レベルの学力がないと現実的には難しいという点も押さえておくべきです。
「勉強も、部活も、行事も。欲張りな青春がここにある」
八王子高校の公式Instagramに掲げられたこのフレーズは、取材を進めるほどに実感が増していきました。
吹奏楽部の全国金賞2年連続と東京藝大合格。男子バスケ都大会6連覇とインターハイ準優勝。野球部からのプロ野球選手輩出。国公立大学合格者が3年で42名から66名に伸びる進学実績。美術部の全国展ダブル受賞。水泳部員のアーティスティックスイミング日本選手権優勝。そして来場11,000人の八学祭に、UNITED ARROWSとコラボした新制服——どれか一つだけなら他校にもある話かもしれません。けれどこれが全部、同じ校舎の中で同時に起きているのがこの学校です。
東京科学大学理学院に合格した大河原悠帆さんは「自分が知らなかったことをそのままにせず、どんどん積み重ねたい」と語り、慶應義塾大学理工学部に合格した眞野マイケルアンジェロさんは「登山のように一歩ずつ確実に歩み続けます」と語りました。2028年の創立100周年に向けて、八王子高校はいま、また新しい一歩を踏み出しています。
多摩地区で都立高校との併願を考えている受験生にとって、「滑り止め」ではなく「ここに通いたい」と思える学校になり得るか。ぜひ一度、説明会や八学祭に足を運んで、その空気を肌で感じてみてください。
<参照元>
本ページ内の情報やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各高校の最新データをご確認ください。
・八王子学園八王子中学校・高等学校公式サイト https://www.hachioji.ed.jp/





