「自主・自治・自律」の精神のもと、制服のない自由な校風で知られる中央大学附属高等学校(通称:中附)。
東京都小金井市の広大なキャンパスには、大学並みの設備とアカデミックな環境が整っており、MARCH附属校の中でもトップクラスの人気を誇ります。卒業生の約87%が中央大学へ進学できる安定感に加え、国公立大学や他大学への進学サポートも手厚いのが特徴です。
本記事では、2026年度入試に向けた最新情報に加え、「内部進学生とのクラス編成」「併願時の延期手続き」「通学事情」など、パンフレットだけでは見えにくい学校生活のリアルまで徹底解説します。
中央大学系列4校の比較と中附の位置づけ
中央大学の附属高校は首都圏に4校(中附・中杉・中大高・中横)あります。それぞれ運営母体や校風が大きく異なります。
中央大学系列4校の違い一覧
| 高校名 | 通称 | 所在地 | 制服 | 特徴・校風 |
| 中央大学附属高等学校 | 中附 | 東京・小金井 | なし | 最も自由。キャンパスが広大。SSH指定校。 |
| 中央大学杉並高等学校 | 中杉 | 東京・杉並 | あり | 伝統的で落ち着いた校風。緑豊かな住宅街。 |
| 中央大学高等学校 | 中大高 | 東京・文京 | あり | キャンパスが大学(後楽園)内。小規模でアットホーム。 |
| 中央大学附属横浜高等学校 | 中大横浜 | 神奈川・横浜 | あり | 近年人気急上昇。進学校的な側面も強い。 |
中附だけの特徴:「日本一自由な高校」の理由
校訓「自主・自治・自律」のもと、細かい校則で生徒を縛ることはありません。制服はなく(私服通学)、頭髪やアクセサリーなども生徒の自主的な判断に委ねられています。
中央大学の法曹教育の伝統を受け継ぎ、自分で考え行動する「自主・自治・自律」を重んじています。中学・高校・大学の一貫教育体制の中で、受験勉強に縛られず、幅広い教養と豊かな人間性を育む環境が整っています。
中央大学附属高等学校の偏差値と入試難易度
中央大学附属高等学校の偏差値は65〜69(各種模試による)で、早慶附属に次ぐ難関私立高校のポジションにあります。
偏差値
- みんなの高校情報:69
- 市進教育グループ(80%合格基準):男子68/女子69
- V模擬|高校情報ステーション(60%合格基準):65
| 偏差値 | 該当校 |
|---|---|
| 70~ | 筑波大学附属駒場、開成、東京学芸大学附属、筑波大学附属、早稲田実業学校高等部、慶應義塾女子、渋谷教育学園幕張、慶應義塾志木、お茶の水女子大附属、慶應義塾、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院 |
| 69 | 都立日比谷、市川、明治大学付属明治(女)、青山学院(女) |
| 68 | 都立西、広尾学園、明治大学付属明治(男)、国際基督教(女)、栄東(東医) |
| 67 | 都立国立、都立立川(創造理数)、昭和学院秀英、青山学院(男)、国際基督教(男)、明治大学附属八王子、法政大学第二 |
| 66 | 都立戸山、中央大学 |
| 65 | 都立青山、中央大学附属、中央大学杉並、法政大学、明治大学付属中野、巣鴨、桐朋 |
| 64 | 都立立川、城北、立教池袋、帝京大学 |
2025年度入試結果と倍率推移
近年の附属校人気を背景に、倍率は高いですが、直近3年間で見ると倍率は下降傾向にあります。
【一般入試 実質倍率】
| 年度 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 2.58倍 | 3.03倍 |
| 2024年度 | 3.36倍 | 3.65倍 |
| 2023年度 | 3.42倍 | 3.91倍 |
【推薦入試 実質倍率】
| 年度 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 2.14倍 | 2.39倍 |
| 2024年度 | 2.90倍 | 2.83倍 |
| 2023年度 | 3.78倍 | 3.57倍 |
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【2026年度】中央大学附属高等学校の入試情報と対策
推薦入試(一般公募制・単願)
- 募集人員: 男女約80名
- 試験日: 1月22日
- 選考方法: 内申点(180点)+ 基礎学力試験(120点)= 300点満点
- さらに小論文の評価(A〜D)が加わります。D判定の場合は、点数が高くても不合格になる可能性があるため対策必須です。
- 出願資格: 9教科に「1・2」の評定がないこと等が条件です。
合否のポイント 「内申点重視」の配点です。オール5に近い成績(45×4=180点)を持つ受験生が多く集まるため、当日の基礎学力試験でのミスは許されません。
一般入試
- 募集人員: 男女約120名
- 試験日: 2月10日
- 試験科目: 国語・英語・数学(各100点・計300点)
- 合格者平均点(2025年度): 男子 227.9点 / 女子 228.3点
合否のポイント合格するには7割5分〜8割近い得点率が求められるハイレベルな争いです。苦手科目を作らず、全教科で75点以上を目指す安定力が求められます。
【重要】一般入試の併願延期制度
公立高校や他の私立高校を第一志望とする場合、入学手続き(学費納入)を待ってもらえるかどうかが重要です。中附の規定は以下の通りです。
- 延期対象: 一般入試での合格者のみ(推薦合格者は不可)。
- 延期期限: 各都道府県の公立高校一般入試(東京・神奈川・埼玉・千葉)の合格発表日の翌日まで延期可能です。
- 手続き方法:
- 所定の期間内に入学手続時納入金290,000円を納付する。
- 延期の手続きを行う。
- 注意点:
- 一旦納入した29万円は、入学辞退をしても返還されません。
- 授業料等の残りの学費は、入学決定後に納入します。
中央大学附属高等学校の学校生活と通学
高入生と内進生のクラス編成
付属校を受験する際、「中学からの内部進学生(内進生)の輪に入れるか」と心配する声がありますが、中附では配慮されたクラス編成が行われています。
- 生徒数構成:
- 中学入試での募集:約150名
- 高校入試での募集:約200名(推薦80名+一般120名)
- 高校受験組(高入生)の方が人数がやや多い構成です。
- クラス編成:
- 高校1年生: 内進生と高入生は別クラスになります。まずは新しい環境や学習進度に慣れるため、高入生のみのクラスでスタートします。
- 高校2年生以降: 内進生・高入生の区別なく混合クラスになります。
土曜授業と時間割
週6日制を採用しており、土曜日も授業があります。
- 月〜金: 6時間授業
- 土: 3時間授業
- 50分授業で行われます。
通学時間とエリア
東京都小金井市(武蔵小金井駅・小平駅)に位置するため、広範囲から生徒が通学しています。
- 通学時間調査:
- 30〜60分:約5割
- 60〜90分:約4割
- 90分以上かけて通う生徒も一定数おり、中には片道2時間の生徒も在籍しています。
- 通学制限: 保護者のもとから通学可能な者(寮はありません)。
中央大学附属高等学校の進路・進学実績
中央大学への内部進学(約87%)
2024年度卒業生の約87%が中央大学へ進学しました。1年生からの定期試験と学力テストの結果で席次が決まり、上位者から希望の学部・学科を選択できます。
【2025年3月卒業生 学部別進学状況】
- 法学部: 104名(法律63、政治28など)
- 経済学部: 60名
- 商学部: 63名
- 理工学部: 26名
- 文学部: 32名
- 総合政策学部: 22名
- 国際経営学部・国際情報学部: 計18名
看板学部である法学部へ100名以上が進学しているのが大きな特徴です。
他大学併願受験制度
中央大学への推薦権を持ったまま、国公立大学や中央大学にない学部(医学部など)を受験できる制度があります。
- 主な実績:
- 国公立: 一橋大学、東京工業大学、北海道大学、東北大学、筑波大学、東京医科歯科大学など
- 私立: 慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学、医学部医学科など
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中央大学附属高校の立地とアクセス
所在地
- 住所:184-8575 東京都小金井市貫井北町3-22-1
交通アクセス
電車
JR中央線:武蔵小金井駅から徒歩18分
バス
- JR中央線武蔵小金井駅北口より:中大循環(約6分)
- 西武新宿線小平駅南口より:小平国分寺線(約12分)
中央大学附属高等学校の特徴的な教育プログラム
1. スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
文部科学省指定のSSH校として、フィールドワークや研究活動が充実しています。
- 教養総合: 文系・理系の枠を超えた探究学習。
- 卒業研究: 高校3年次に論文執筆や研究発表を行います。

2. 世界とつながる「グローバル教育」
- 英国短期語学研修(希望者): 夏休みに3週間、イギリスでホームステイ研修。
- ターム留学(高1・2希望者): 3学期(1月〜3月)にニュージーランドへ留学。単位認定されるため留年せずに進級できます。
- 台湾・ベトナム交流: 姉妹校訪問などの国際交流が盛んです。

3. 大学の単位も取れる!充実の「高大連携」
中央大学の附属校としてのメリットを最大限に活かした連携プログラムが用意されています。
- 大学科目の先行履修(単位認定):
- 高校在学中に、中央大学の一部の科目を履修できます。
- 対象科目例: 「経済入門」(経済学部)、「文学部の基礎」(文学部)、「AI・データサイエンスと現代社会」(全学部共通)など。
- ここで修得した単位は、中央大学進学後に卒業単位として認定されます。一足先に大学生の学びをスタートできる大きなアドバンテージです。
- 専門職ガイダンス:
- 法職ガイダンス: 現役の弁護士や検察官を招き、法曹界の仕事について学びます。法学部が強い中央大学ならではの企画です。
- 会計士ガイダンス: 公認会計士として活躍する卒業生などから、資格取得や実務の話を聞くことができます。
- ステップ講座・学部選択セミナー:
- 大学の先生が高校に来て専門分野の講義を行う「ステップ講座」や、キャンパスで実際の授業や研究に触れるセミナーなど、学部選びのミスマッチを防ぐ機会が豊富です。
4. 伝統の「課題図書100冊」と図書館
卒業までに名著100冊を読む伝統の課題図書。国語の授業や定期テストとも連動しており、深い教養と読解力を養います。 この学びを支えるのが、蔵書数約20万冊を誇る図書館です。大学図書館並みの規模で、生徒の知的好奇心に応えます。
中央大学附属高等学校の部活動・学校行事
部活動
広大なキャンパスと充実した施設を活かし、部活動は非常に活発です。1年生の加入率は約80%で、文武両道を実践しています。
全国レベルの活躍を見せる強豪部活
- ソングリーディング部: 全米大会(USA School & College Nationals)で3位入賞、国内大会でも優勝多数の実力派です。
- ライフル射撃部: 全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会で女子団体準優勝など、輝かしい実績を誇ります。
- 生物部 (Wild Life): 日本霊長類学会で最優秀賞を受賞するなど、研究活動で高い評価を得ています。
- マンドリン部: 全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールで文部科学大臣賞(全国1位)を受賞しています。
部活動一覧
【運動部】
- 硬式野球部、アメリカンフットボール部、サッカー部、ダンス部
- バスケットボール部(男女)、バレーボール部(男女)、バドミントン部
- 硬式テニス部(男女)、陸上競技部
- 水球部、軟式野球部、卓球部、ハンドボール部(※これらは2029〜2030年度にかけて順次廃部予定)
【文化部】
- 吹奏楽部、マンドリン部、合唱部、演劇部
- コンピュータ部、ESS部
- 生物部、地学研究部、物理部
- 美術・書道・文藝部、茶華道部
学校行事
生徒の自主性が光る行事が目白押しです。
| 月 | 行事 | 備考 |
| 4月 | 入学式、オリエンテーション旅行(1年) | クラスの仲を深める最初のイベント |
| 6月 | 体育祭 | クラス対抗で熱く盛り上がる |
| 8月 | 英国短期語学研修 | 希望者対象の海外研修 |
| 9月 | 白門祭(文化祭) | 最大のイベント。一般公開あり |
| 10月 | 教養総合研究旅行(2年) | 2年生は沖縄・北海道などへ |
| 1月 | ターム留学出発 | ニュージーランドへ約3ヶ月 |
| 2月 | 教養総合成果発表会 | 1年間の探究成果を発表 |
中央大学附属高等学校の施設・環境
中附のキャンパスは、高校とは思えないほどのスケールと充実度を誇ります。「大学のキャンパスに高校がある」といっても過言ではありません。
1号館:学びと交流のランドマーク
7階建てのメイン校舎。教室だけでなく、生徒がくつろげるスペースが随所にあります。
- 生徒ホール・コミュニティプラザ: 生徒同士や先生と気軽に話せる開放的なラウンジ。
- Tatami Room: その名の通り畳敷きの部屋。茶道・華道の授業や部活だけでなく、憩いの場としても機能しています。
- 多目的ホール: スタインウェイのピアノが設置され、演奏会や講演会に使用されます。
図書館:知性のゆりかご
- 蔵書数: 約20万冊。これは一般的な高校図書館の数倍の規模で、大学図書館に匹敵します。
- 設備: 閲覧席は266席。自習スペースも充実しており、オンラインデータベースでの検索も可能。100冊の課題図書や卒業論文の執筆を強力にバックアップします。
その他の充実施設
- 講堂: 1,564席を有する大ホール。式典や芸術鑑賞教室などで全校生徒を収容できます。
- 食堂: 176席。安くて美味しいメニューが豊富で、お昼時は生徒で賑わいます。
- スポーツ施設:
- 人工芝グラウンド: アメフト部やサッカー部が活動する広大なフィールド。
- 野球場: 両翼を備えた本格的な球場。
- プール: 25mプール(温水シャワー完備)。
- 柔道場・剣道場: 武道もしっかり学べる専用道場。
- 2号館: 晴れた日には教室から富士山を望むことができる校舎です。
- 図書館: 蔵書数約20万冊。「知性のゆりかご」と呼ばれ、大学図書館並みの規模を誇ります。
- 食堂: 176席あり、豊富なメニューが提供されています。
- 講堂: 1,564席を有する大ホールです。
- スポーツ施設: 人工芝グラウンド、野球場、プール、柔剣道場などを完備。
中央大学附属高等学校の学費
2026年度入学生の学費(予定)は以下の通りです。
- 入学金: 290,000円
- ※一般入試で手続き延期をする場合も、この金額の納入が必要です(返還不可)。
- 年間納入金:
- 1年生:969,000円(授業料、施設費、後援会費、学年費等)
- 2年生:936,000円
- 3年生:936,000円
- その他費用(目安):
- 教科書代:約50,000円
- 学校指定用品:約49,000円
- ICT端末代:約180,000円(3年間分)
初年度にかかる費用総額は、入学金+年間納入金+その他費用で、約150万円前後が目安となります。なお、国の就学支援金や東京都の授業料軽減助成金制度の対象校です。
制服はいらない。必要なのは「自分」。中附が約束する、最高の青春と確かな未来。
中央大学附属高等学校は、「自由」な校風の中で、勉強だけでなく部活や行事、趣味に没頭できる環境です。
- 高入生が過半数で馴染みやすい(高1は別クラス)。
- 制服や細かい校則に縛られない「自由」な校風
- 約87%が中央大学へ進学できる安心感。
- SSHや国際教育で将来の可能性を広げられる。
これらが揃った環境で、勉強だけでなく、部活、趣味、読書に没頭できる3年間は、一生の財産になるはずです。「自分の頭で考え、行動できる大人になりたい」と願う受験生にとって、中附は最高の選択肢となるでしょう。
<参照元>
本ページ内の情報やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各高校の最新データをご確認ください。
・中央大学附属中学校・高等学校公式サイト https://www.hs.chuo-u.ac.jp/

