東京都調布市に位置する都立調布南高校は、1977年に開校し、「至誠・創造・力行」の校訓のもと45年以上の歴史を刻んできた全日制普通科高校です。生徒の成長を大切にする校風と、充実した進路指導により、国公立大学から私立大学まで幅広い進学実績を誇ります。特に2024年度の45期生は国公立大学に14名、GMARCHに67名など多くの合格者を出し、体系的な3年間の進路指導プログラムの成果が表れています。
本記事では調布南高校の特色や進路実績、教育活動について詳しく紹介します。
都立調布南高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
- みんなの高校情報:58(東京181位、都立40位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):56(都立37位)
- V模擬(60%合格基準):53(東京234位、都立37位)
都立東大和南高校の偏差値は、おおよそ53~58程度とされています。調布南高校は都立高校の中では中堅校として位置づけられており、平成28年4月には東京都教育委員会より「普通科中堅校における学習指導・進路指導に関するモデル校」に指定されています。
入試倍率推移
年度 | 校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.39倍 | 2.15倍 | 1.71倍 | 1.67倍 | 1.52倍 | 1.50倍 |
2024年 | 1.63倍 | 2.19倍 | 1.76倍 | 1.73倍 | 1.54倍 | 1.54倍 |
2023年 | 2.18倍 | 2.70倍 | 2.18倍 | 2.18倍 | 1.84倍 | 1.82倍 |
調布南高校は「学習、学校行事、部活動に努力したいと考えている、元気のよい生徒の入学を期待している」とアドミッション・ポリシーで明示しています。特に、「何事にも積極的に取り組み、自ら課題を見つけ解決していきたい生徒」や「中学時代にリーダー経験があり、何事にも頑張ることのできる生徒」の入学を期待しています。
2024年の男女合同定員化、私立高校授業料の実質無料化の影響を受け、倍率が大きく下がりましたが、それでも都立高校全体の平均倍率よりも高く人気の高校となっています。
都立調布南高校の歴史と伝統
都立調布南高校は1977年(昭和52年)に開校した都立高校です。角川大映スタジオに隣接する土地に設立され、当初は調布市公民館で第1回入学式を挙行したのち、東京都立稲城高等学校内の仮校舎を経て、現在の地に移転しました。
年月 | 沿革 |
---|---|
1976年11月 | 野々山正司が開設準備担当に任命される |
1976年12月 | 都条例により設立認可、野々山正司が初代校長に就任 |
1977年1月 | 校訓、校樹(若松)、校服を制定 |
1977年4月8日 | 第1回入学式を調布市公民館で挙行 |
1977年6月12日 | 創立記念日に制定 |
2010年 | 大規模改修工事竣工 |
2018年11月 | 創立40周年記念式典挙行 |
2023年4月 | 荒井篤校長就任(第15代) |
2024年4月 | 久保剛校長就任(第16代) |
校章は多摩川の水を表すコバルトブルーの地に銀線で「若松」を浮き立たせ、中央に「高」の文字を配した意匠となっています。校木は「若松」、創立記念日は6月12日に定められています。
都立調布南高校の立地と最寄り駅、周辺環境
最寄り駅からのアクセス
住所 | 東京都調布市多摩川6-2-1 |
---|---|
最寄り駅 | ・京王相模原線「京王多摩川駅」徒歩3分 ・京王線 「調布駅」徒歩12分 |
周辺環境
調布南高校は東京都調布市多摩川六丁目に位置し、多摩川のほとりに立地するという恵まれた自然環境にあります。校地は角川大映スタジオが縮小された際に東京都に売却されたものであり、映像文化の拠点に隣接しています。周辺は住宅地でありながら、多摩川の自然も身近に感じられる環境です。校歌にも「松の緑」「多摩川」といった周辺の風景が歌われ、自然と調和した学習環境が整っています。
都立調布南高校の校風と教育方針
校訓
調布南高校は「至誠・創造・力行」を校訓としています。
教育目標
- 明朗にして、心豊かな人間を育てる
- 知性ある、想像力豊かな人間を育てる
- 自主性のある、個性豊かな人間を育てる
特色ある教育活動
調布南高校では、3つの校訓に基づく資質・能力の育成を目指し、特色ある教育活動を展開しています。
校訓 | 育成する能力 | 教育活動 |
---|---|---|
至誠 (生きる力・態度の育成) | 協働力 コミュニケーション能力 多様性・他者理解力 | ・学校行事の生徒主体運営 ・部活動での協働体験 ・”半教半学”の精神による学び合い |
創造 (思考力・判断力・表現力の育成) | 発想力 主体性 論理的思考力 | ・課題研究(探究活動) ・プレゼンテーションワークショップ ・英語教育の重視 |
力行 (基礎的な知識・技能の習得) | 基礎的な学力 実践力 課題解決力 | ・ICT活用による学び ・自習室の活用促進 ・進路実現に向けた体系的指導 |
特に注目すべき教育活動として、以下の4つが挙げられます。
- 英語教育の重視: 3年次に7単位の必修授業と習熟度別クラス編成による英語教育を実施
- ICT活用教育: 1人1台端末を活用した学びを推進し、1年と3年次に情報科目を必修で設定
- 課題研究(探究活動): 生徒自らの興味関心から問いを発見し、少人数ゼミ形式で探究を行う
- 自習室の積極活用: 個別ブースを設置した自習室で朝や放課後の自学自習を促進
独自の校風
調布南高校は「生徒の成長を大切にする学校」として、明るく素直でまじめな生徒が多く集まる校風が特徴です。学習・部活動・行事に全力で取り組む姿勢があり、部活動加入率は100%を超えています。
校長の言葉にもあるように、「”自主的にやる”から”主体的にやる”への転換」を促し、「規範意識の高い行動」の定着を目指しています。生徒が主体となって委員会や部活動、体育祭や文化祭といった行事を進める校風が根付いており、落ち着いた環境の中で充実した高校生活を送ることができます。
「横を見れば自分も頑張ろうと思える仲間や先輩がたくさんいる」という言葉に表れているように、互いに高め合う協働的な雰囲気も調布南高校の魅力となっています。
都立調布南高校の進路・進学実績
大学合格者(現役)の推移
主要大学群別の合格者数推移は以下の通りです。
大学群 | 2019年度 (2020年3月卒) | 2020年度 (2021年3月卒) | 2021年度 (2022年3月卒) | 2022年度 (2023年3月卒) 2023年度 | 2023年度 (2024年3月卒) |
---|---|---|---|---|---|
国公立大学 | 7名 | 13名 | 12名 | 11名 | 14名 |
早慶上理 | 4名 | 12名 | 3名 | 8名 | 0名 |
GMARCH | 55名 | 121名 | 80名 | 78名 | 64名 |
成成明学國武 | 29名 | 72名 | 52名 | 38名 | 42名 |
日東駒専 | 86名 | 135名 | 165名 | 138名 | 136名 |
2024年度の主な合格実績
2024年3月卒業の45期生の主な大学合格実績は以下の通りです。
国公立大学(14名)
大学名 | 合格者数 |
---|---|
東京都立大学 | 5名(現役4名、既卒1名) |
筑波大学 | 2名 |
国立看護大学校 | 2名 |
その他(埼玉大学、東京学芸大学、東京海洋大学、前橋工科大学、長野大学、防衛大学校) | 各1名 |
私立大学
大学群 | 大学名 | 合格者数 |
---|---|---|
早慶上理 | 早稲田大学 | 2名(浪人) |
GMARCH | 中央大学 法政大学 立教大学 明治大学 学習院大学 青山学院大学 | 18名 16名(現役15名、既卒1名) 12名 9名 8名(現役7名、既卒1名) 4名(現役3名、既卒1名) |
成成明学國武 | 成蹊大学 武蔵大学 成城大学 國學院大学 明治学院大学 | 16名 14名 5名 4名 3名 |
日東駒専 | 日本大学 東洋大学 専修大学 駒澤大学 | 45名 38名 38名 15名 |
短期大学・専門学校
進学先 | 人数 | 内訳 |
---|---|---|
短期大学 | 2名 | 駒沢女子短期大学(1名)、日本大学短期大学部(1名) |
専門学校 | 15名 | 都立府中看護専門学校(3名)、都立南多摩看護専門学校(2名)、慈恵第三専門学校(2名)、その他各校(1名) |
スタサプ なら、1回10分の映像授業でスキマ時間を有効活用。 通学中や寝る前に、サクッと勉強したい中学生にぴったり!です。月1,980円〜で5教科対応。自宅で本格学習スタート!


進路指導の特徴
調布南高校では、「3年間を通して、自ら学ぶ意欲や主体性を高め、他者と協働する能力を養い、『自立した人間』を目指す」という理念のもと、体系的な進路指導を行っています。
学年 | 進路テーマ | 主な活動 |
---|---|---|
1年次 | 自己理解と職業・社会理解 | ・進路オリエンテーション ・チームコンセンサス・ワークショップ ・職業人インタビューワークショップ ・各種進路ガイダンス |
2年次 | 学問・大学研究と科目選択 | ・学問・学術研究(科目選択指導) ・大学入試科目研究 ・志望理由書研修会・模試 ・進路保護者会 |
3年次 | 実力養成と進路実現 | ・共通テスト対策模試 ・面接指導 ・三者面談 ・受験対策講座 ・大学入学共通テスト結果出願指導 |
特色ある進路指導として、以下の5つが挙げられます。
- 段階的な進路テーマ設定: 各学年に適した進路テーマを設定
- 多様な進路ガイダンス: 看護医療系、就職・公務員、専門学校など多様な進路に対応
- きめ細かな個人面談: 各学年で複数回実施
- 実践的なワークショップ: 職業人インタビューなど実践的なキャリア教育
- 計画的な模試実施: ベネッセや河合塾など複数の模試を計画的に実施
都立調布南高校のイベント・学校行事
主な年間行事
月 | 主な行事 |
---|---|
4月 | 入学式、新入生歓迎会、勉強合宿(1年)、遠足(2,3年)、定期健康診断 |
5月 | 生徒総会、中間考査、若松祭体育部門(体育祭) |
6月 | 地域防災訓練(1年)、芸術鑑賞教室(2年) |
7月 | 期末考査、セーフティ教室、終業式、夏期講習 |
8月 | 夏期講習、学校見学会 |
9月 | 始業式、若松祭文化部門(文化祭) |
10月 | 学校説明会、中間考査 |
11月 | 学校説明会、修学旅行(2年) |
12月 | 期末考査、課題研究発表会、終業式、冬期講習 |
1月 | 冬期講習、始業式 |
2月 | マラソン大会(1,2年) |
3月 | 学年末考査、卒業式、球技大会、セーフティ教室 |
特色ある行事
若松祭(体育部門・文化部門)
調布南高校の「若松祭」は学校最大のイベントで、6月の体育部門と9月の文化部門に分かれて実施されます。両部門とも生徒主体の企画・運営が大きな特徴です。
体育部門(体育祭)
- 学校全体が縦割りの赤・黄・青の3つの団に分かれて競い合う
- 全員リレーや学年種目などでクラスの団結力を高める
- 1ヶ月間練習する応援団演舞が学校の一体感を生み出す
文化部門(文化祭)
- 各クラスで映画上映や演劇、飲食店などを催す
- 部活動や有志団体も出し物を行う
- 夏休みを使って準備し、一般公開も実施
勉強合宿(1年生)
令和6年度は4年ぶりに2泊3日の「勉強合宿」を4月15日~17日で実施しました。この合宿の目的は下記のとおりです。
- 入学当初に高校での学習の進め方を習得する
- 「自主的にやる」から「主体的にやる」への転換を促す
- 「規範意識の高い行動」の定着を図る
- 90分の自習時間を確保し学習習慣の重要性を感じてもらう
課題研究発表会
生徒自らの興味関心や社会の課題から問いを発見し、探究のプロセスを踏みながら課題解決を目指す「課題研究」の成果を発表する場です。学校を挙げて教員が関わり、少人数のゼミ形式で行われる探究活動の集大成として12月に開催されます。
都立調布南高校の部活動や課外活動
調布南高校では15の運動部、5つの文化部、6つの同好会が活動しており、部活動加入率は100%を超えています。
運動部
運動部 | 特徴・実績 |
---|---|
男子バレーボール部 | 都ベスト32を目標に活動。部員のほとんどが初心者 |
女子バレーボール部 | ベスト32を目標に練習。「百折不撓」の精神で取り組む |
男子バスケットボール部 | 「戮力同心」「不撓不屈」をモットーに春夏5リーグ・支部大会優勝を目指す |
女子バスケットボール部 | 都ベスト32を目標に「全員で全力で!」をスローガンに活動 |
バドミントン部 | 男女合わせて73名で活動。国公立大会ベスト8、関東公立校大会出場の実績 |
水泳部 | 男女29名で自己タイム更新を目標に活動 |
硬式野球部 | 「驚心動魄~感動を生む集団へ~」をモットーに甲子園を目指す |
サッカー部 | 都大会上位を目指し、外部コーチの指導も受ける |
陸上競技部 | 都大会常連を目指し活動。200m、800m、1500m、投擲種目で都大会出場実績 |
男子テニス部 | 週5日活動し、大会本戦出場を目標とする |
女子テニス部 | 週5日活動し、外部コーチの指導も受ける |
ユニバーサルホッケー部 | 珍しい競技に取り組む。ほぼ全員が初心者から開始 |
卓球部 | 基礎練習から試合形式まで幅広く取り組む |
ハンドボール部 | 東京都ベスト8を目標に技術面・精神面の成長を目指す |
ダンス部 | 校内ライブと大会を中心に活動。各学年ごとにチーム名がある |
文化部・同好会
文化部・同好会 | 特徴・活動内容 |
---|---|
吹奏楽部 | 夏のコンクールや多数の演奏会を開催 |
演劇部 | 秋の地区大会での奨励賞受賞と都大会進出を目指す |
ファッション部 | 文化祭のファッションショーに向けた服作りが中心 |
茶道部 | 表千家の流派で稽古。文化祭や東京大茶会に参加 |
イラスト・アート部 | 様々な画材・技法で自由に創作活動 |
音楽同好会 | バンドを組み、文化祭や校内ライブで演奏 |
コンピュータ同好会 | ゲーム制作や動画編集、プログラミング技術習得 |
自然科学同好会 | 主に生物の飼育・採集を行う |
合唱同好会 | 週3回昼休みに活動。様々なジャンルの曲を歌う |
英語同好会 | JETプログラムの先生と共に英語を楽しむ |
剣道同好会 | 週2回、初心者も経験者も互いに高め合う活動 |
特色ある活動
調布南高校では、部活動以外にも様々な特色ある活動が行われています。
- 課題研究: 生徒の興味関心から出発する探究活動
- 自習室の活用: 朝や放課後に積極的に自学自習を行う文化
- 生徒会執行部: 学校行事の企画・運営を主体的に担当
- チームコンセンサス・ワークショップ: 協働力を育成する活動
- 職業人インタビューワークショップ: キャリア意識を高める取り組み
都立調布南高校の施設と環境
主な施設
施設区分 | 主な施設 |
---|---|
教室棟 | 普通教室、自習室、ピロティ |
特別教室棟 | 図書室、被服室、音楽室、進路指導室 |
体育棟・グラウンド | 体育館(アリーナ)、グラウンド、テニスコート |
その他 | 生徒玄関、正門、体育館・部室棟 |
特色ある施設・環境
自習室
調布南高校の特色ある施設として「自習室」が挙げられます。多くの生徒が朝や放課後の時間を有効活用するために利用しており、個別ブースも設置されています。自分で計画し、自己管理する力を養う場として重要な役割を果たしています。
ICT環境
令和4年度入学生より生徒1人1台の端末を活用した学びが始まり、情報教育の充実が図られています。1年次と3年次に必修の情報科目を設定し、ICTを活用した教育を推進しています。
周辺環境との調和
多摩川のほとりに位置する立地を活かし、自然と調和した教育環境が整っています。京王多摩川駅から徒歩3分という好アクセスでありながら、落ち着いた環境で学習に取り組むことができます。
体系的な教育と進路指導で生徒の成長を支える調布南高校
都立調布南高校は、「至誠・創造・力行」の校訓のもと、生徒の成長を大切にする教育と体系的な進路指導で多くの卒業生を社会に送り出してきました。2024年3月卒業の45期生では、国公立大学に14名、早慶上理に2名、GMARCHに67名、成成明國武に42名、日東駒専に136名の合格者を出すなど、都立高校としては高い進学実績を誇っています。
学習面では英語教育の重視やICT活用、課題研究による探究活動を実施し、自習室の整備など「学校で学ぶ」環境づくりにも力を入れています。加えて、若松祭をはじめとする生徒主体の学校行事や100%を超える部活動加入率など、授業以外の活動も充実しています。
調布南高校の魅力は何よりも「生徒」にあります。明るく素直でまじめな生徒たちが学習・部活動・行事に全力で取り組み、互いに高め合う校風は、「自立した人間」の育成という学校の目標を体現しています。多摩川のほとりの恵まれた環境の中で、調布南高校は今後も生徒の多様な可能性を広げ、進路実現をサポートする教育を続けていくことでしょう。

部活に定期テストに忙しい中学生でも、スタサプならスキマ時間や寝る前にサクッと復習できるよ!月額2,178円でプロ講師の授業が見放題!
部活や学校で忙しくても、スキマ時間に学べるのがスタサプの強み。
映像授業だから、自宅でいつでも自分のペースで復習や予習ができる!
今ならコスパ抜群のスタサプで5教科対応の本格学習を始めよう。
\ スキマ時間で、今すぐスタート! /
スタサプ
