【2026年度版】都立高校の文化系（吹奏楽・美術・英語・和太鼓 ほか）特別推薦実施校一覧

東京都立高校の文化系推薦は、吹奏楽・美術・英語・和太鼓・書道・ものづくりなど、多様な分野の「表現力・技術」を評価する特別入試です。一般入試とは別枠で選抜されるため、

• 中学時代から特定分野でしっかり取り組んできた生徒
• 部活や習い事で積み上げたスキルを評価してほしい生徒

にとって、大きなチャンスとなる制度です。

2026年度の実施要項はすでに発表されていますので、募集人数や実施検査内容、前年度の実績をまとめました。数字と実技内容をセットで整理しておくことで、「どの分野で、どの高校を狙うのか」 を具体的にイメージしやすくなるはずです。

＜参考リンク＞令和８年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について

＜スポーツ分野の2026年度文化・スポーツ推薦実施校は以下リンクから＞
⚽男子サッカー／⚾硬式野球／🏀男子バスケ／🏀女子バスケ／🏐バレー／👟陸上／🥋武道
その他スポーツ（ハンドボール・ラグビー・水泳・バドミントン・ソフトボール・テニスなど）

2026年度｜文化系推薦の全体傾向

2026年度は募集枠（人数）のみが公表されています。前年比や全体の特徴は以下の通りです。

募集枠の増減があった分野・高校

増枠・新設（前年比＋）

• 美術｜王子総合高校：0 → 2人（＋2人）： 2025年度は募集なし → 2026年度から新たに2名募集開始

募集停止・枠削減（前年比−）

• 理科研究｜多摩科学技術高校：3人 → 0人（−3人）
• 英語｜千早高校：7人 →5人（−2人）
• ビジネス｜千早高校：2人 → 0人（−2人）

千早高校が英語・ビジネスともに募集人数を減らしており、「英語・理科研究・ビジネス」といった学術系では、やや絞り込みの動き が見られます。

＜参考リンク＞令和８年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧

2026年度｜文化系推薦実施種目一覧表

種別	高校名	市区町村	2026年度		2025年度
			募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
吹奏楽	杉並高校	杉並区	6人	0人	24人	4.00 倍	4.00 倍
吹奏楽	片倉高校	八王子市	6人	0人	21人	3.50 倍	3.50 倍
吹奏楽	晴海総合高校	中央区	2人	0人	5人	2.50 倍	2.50 倍
吹奏楽	杉並総合高校	杉並区	4人	0人	9人	2.25 倍	2.25 倍
吹奏楽	足立西高校	足立区	2人	0人	4人	2.00 倍	2.00 倍
吹奏楽	富士森高校	八王子市	5人	0人	10人	2.00 倍	2.00 倍
吹奏楽	小平西高校	小平市	2人	0人	2人	1.00 倍	2.00 倍
吹奏楽	八王子北高校	八王子市	2人	0人	1人	0.50 倍	1.00 倍
美術	大泉桜高校	練馬区	20人	0人	77人	3.85 倍	3.85 倍
美術	福生高校	福生市	1人	0人	2人	2.00 倍	2.00 倍
美術	世田谷総合高校	世田谷区	3人	0人	5人	1.67 倍	1.67 倍
美術	王子総合高校	北区	2人	2人	ー	ー	ー
美術工芸	晴海総合高校	中央区	2人	0人	6人	3.00 倍	3.00 倍
美術・デザイン	つばさ総合高校	大田区	2人	0人	4人	2.00 倍	2.00 倍
英語	飛鳥高校	北区	3人	0人	6人	2.00 倍	6.00 倍
英語	千早高校	豊島区	5人	-2人	11人	1.57 倍	1.57 倍
和太鼓	篠崎高校	江戸川区	2人	0人	2人	1.00 倍	1.00 倍
和太鼓	八潮高校	品川区	3人	0人	3人	1.00 倍	1.00 倍
ものづくり	墨田工科高校	江東区	5人	0人	1人	0.20 倍	1.00 倍
ものづくり(ﾏｲｺﾝﾌﾟﾛｸﾞﾗﾐﾝｸﾞ)	杉並工科高校	杉並区	5人	0人	3人	0.60 倍	1.00 倍
合唱	八潮高校	品川区	3人	0人	0人	0.00 倍	ー
書道	板橋有徳高校	板橋区	3人	0人	7人	2.33 倍	2.33 倍
理科研究	多摩科学技術高校	小金井市	0人	-3人	0人	0.00 倍	ー
ビジネス	千早高校	豊島区	0人	-2人	1人	0.50 倍	1.00 倍

種目別一覧｜文化系推薦の募集状況と2025年度実績

吹奏楽

吹奏楽は、文化系推薦の中でも応募者数・倍率ともに激戦の分野です。2026年度も8校で募集が継続されており、とくに杉並・片倉などは、音楽に力を入れたい生徒から高い人気があります。

高校名	市区町村	2026年度		2025年度
		募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
杉並高校	杉並区	6人	0人	24人	4.00 倍	4.00 倍
片倉高校	八王子市	6人	0人	21人	3.50 倍	3.50 倍
晴海総合高校	中央区	2人	0人	5人	2.50 倍	2.50 倍
杉並総合高校	杉並区	4人	0人	9人	2.25 倍	2.25 倍
足立西高校	足立区	2人	0人	4人	2.00 倍	2.00 倍
富士森高校	八王子市	5人	0人	10人	2.00 倍	2.00 倍
小平西高校	小平市	2人	0人	2人	1.00 倍	2.00 倍
八王子北高校	八王子市	2人	0人	1人	0.50 倍	1.00 倍

• 前年度倍率トップ帯：杉並（4.00倍）、片倉（3.50倍）
• 比較的狙いやすいゾーン：小平西（1.00倍）、八王子北（0.50倍）
• 募集枠は2026年度も全校で据え置き（±0） のため、基本的な人気構図は2025年度と大きく変わらないと考えられます。

美術・美術工芸・美術デザイン

前年度の美術系は 「大泉桜（20名枠）」が圧倒的な規模と応募者数 で、そのほかにも美術工芸・デザイン系を含めて複数校があります。2026年度は、王子総合高校（美術）が0人→2人の新設 となり、美術系全体の選択肢が増えました。

種別	高校名	市区町村	2026年度		2025年度
			募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
美術	大泉桜高校	練馬区	20人	0人	77人	3.85 倍	3.85 倍
美術	福生高校	福生市	1人	0人	2人	2.00 倍	2.00 倍
美術	世田谷総合高校	世田谷区	3人	0人	5人	1.67 倍	1.67 倍
美術	王子総合高校	北区	2人	2人	ー	ー	ー
美術工芸	晴海総合高校	中央区	2人	0人	6人	3.00 倍	3.00 倍
美術・デザイン	つばさ総合高校	大田区	2人	0人	4人	2.00 倍	2.00 倍

• 前年度（2025年度）の大泉桜は20人募集／77人応募（3.85倍） と、文化系全体でもトップクラスの規模＆倍率。
• 晴海総合（美術工芸）も3.00倍と高倍率。
• 王子総合は2026年度から2名枠で新規募集 → 「都心寄りで美術系を考えたい層」の新たな選択肢になりそうです。

英語

英語は、英会話（英語による問答）を中心に評価する文化系推薦 です。2026年度は飛鳥・千早の2校で継続されていますが、千早は募集枠が7人→5人に縮小されています。

高校名	市区町村	2026年度		2025年度
		募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
飛鳥高校	北区	3人	0人	6人	2.00 倍	6.00 倍
千早高校	豊島区	5人	-2人	11人	1.57 倍	1.57 倍

• 飛鳥は前年度応募倍率2.00倍だが、合格者が1人のみのため「合格倍率6.00倍」とかなり厳しめの結果になっている。
• 千早は応募11人／募集7人（1.57倍） と、数字だけ見ればやや抑えめだが、募集枠が2026年度は5人に減っている点に注意。

和太鼓

和太鼓は、都立ならではの文化分野として実施されています。篠崎・八潮の2校で、いずれも2025年度は1.00倍（募集＝応募＝合格）と、「経験者がそのまま枠を埋める」ような形でした。

高校名	市区町村	2026年度		2025年度
		募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
篠崎高校	江戸川区	2人	0人	2人	1.00 倍	1.00 倍
八潮高校	品川区	3人	0人	3人	1.00 倍	1.00 倍

ものづくり・ものづくり（マイコンプログラミング）

ものづくり系は、「作品や活動内容のプレゼン」型と「マイコン（Scratch）によるプログラミング」型に分かれます。
募集枠に対して応募が少ない年が多く、「狙い目」の種目になりやすい分野 です。

種別	高校名	市区町村	2026年度		2025年度
			募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
ものづくり	墨田工科高校	江東区	5人（女子のみ）	0人	1人	0.20 倍	1.00 倍
ものづくり(ﾏｲｺﾝﾌﾟﾛｸﾞﾗﾐﾝｸﾞ)	杉並工科高校	杉並区	5人	0人	3人	0.60 倍	1.00 倍

合唱

合唱は、2025年度は応募者0人という結果でした。倍率だけを見ると「超狙い目」に見えますが、合唱曲の経験・音楽的素養・学校側の求める人物像なども含め、必ず説明会や要項で詳細を確認したうえで判断する必要があります。

高校名	市区町村	2026年度		2025年度
		募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
八潮高校	品川区	3人	0人	0人	0.00 倍	0.00 倍

書道

書道は、板橋有徳高校のみが文化系推薦を実施しています。

高校名	市区町村	2026年度		2025年度
		募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
板橋有徳高校	板橋区	3人	0人	7人	2.33 倍	2.33 倍

理科研究／ビジネス（※いずれも2026年度は募集停止）

種別	高校名	市区町村	2026年度		2025年度
			募集人数	前年比	応募人数	応募倍率	合格倍率
理科研究	多摩科学技術高校	小金井市	0人	-3人	0人	0.00 倍	ー
ビジネス	千早高校	豊島区	0人	-2人	1人	0.50 倍	1.00 倍

2025年度はあまり応募が集まらなかったこともあり、2026年度は募集自体が停止されています。「穴場だから選ぶ」というよりは、そもそも募集がないため、別の文化系・スポーツ系・一般入試で戦略を立て直す必要がある分野 です。

文化系推薦｜種目別の実技内容・選抜ポイント

ここで挙げている内容は、募集要項に記載されている実技検査の一例です。年度や学校によって変わる場合があるため、必ず最新の要項を確認してください。

＜参考リンク＞文化・スポーツ等特別推薦の実技検査の内容等一覧

● 吹奏楽

• 課題曲＋自由曲の個人演奏
• 管楽器・打楽器・コントラバスなど任意の楽器で受験可
• ロングトーン（B dur／Es dur／F dur）
• スケール（同じ調で1〜2オクターブ、レガート／スタッカート／マルカートなどを当日指定）
• 打楽器は小太鼓でのリズム打ち・ロール、マリンバでのスケールなど
• 自由曲は原則独奏、伴奏なしで2〜3分程度

● 美術

• 鉛筆による静物デッサン（A3〜B3画用紙・1.5〜2時間）
• 構図・形・明暗・質感・表現（5観点）で総合評価
• 一部校でポートフォリオを用いた「自己PR」（中学時代の作品を見せながら説明）あり

● 美術工芸

• 自分の手＋当日指定のモチーフを組み合わせた鉛筆デッサン（90分）
• 「モチーフの特徴に興味を持ち、自由にポーズを決める」という条件付き
• 構成力・描写力・表現力の3観点で評価

● 美術・デザイン

• B3画用紙での鉛筆素描（2時間）
• 画用紙・画板は学校側が用意

● 英語

• 英語による問答（インタビュー形式）
• 自己紹介・日常生活・中学での活動などについて英語で質問され、それに応答する形式

● 和太鼓

• テンポ150で8分音符の打ち込み（1分）
• 課題曲1曲（約1分、10月以降に課題発表）
• 太鼓の演奏を含む自己PR（10分以内）
• 使用できる太鼓の種類は学校側が指定（長胴太鼓・締太鼓など）

● 合唱

• 課題曲I（3曲）・課題曲II（2曲）の中から、当日指定の2曲を歌唱
• 課題曲は10月以降に発表

● 書道

• 漢字（臨書）
• 仮名（臨書）
• 漢字仮名交じり（自運／自作）
• すべて半紙で実施

● ものづくり

• 中学校の「ものづくり分野（美術・技術家庭など）」における活動についてプレゼン
• その内容に対する質疑応答（10分程度）

● ものづくり（マイコンプログラミング）

• ビジュアルプログラミング（Scratch）を用いた技術検査
  1. 操作説明（約60分）
  2. 課題に沿ったプログラミングと検査
• 検査内容の例：
  • Scratchの基本操作
  • LEDの点灯・複数点灯制御
  • 光センサによる制御
  • モータの回転制御
  • 簡単なライントレースプログラム

数字と実技の「両方」を見ながら文化系推薦を選ぼう

数字だけでは分からないのが文化系推薦です。同じ「文化系推薦」でも、

• 吹奏楽：課題曲＋自由曲＋スケールなど、演奏技術ががっつり問われる
• 美術：静物デッサンとポートフォリオで、観察力と表現力を見られる
• 英語：英会話中心の問答で、コミュニケーション力が評価される
• 和太鼓・合唱・書道・ものづくり：それぞれ全く違う実技・PR方法が設定される

というように、実技内容も評価ポイントもバラバラ です。

2026年度の文化系推薦は、募集枠の変化こそあるものの、2025年度実績を見ると「吹奏楽・美術系は高倍率」「ものづくり・合唱などは低倍率」 といった傾向が見えてきます。

そのうえで、志望校を考えるときには：

• 自分の得意分野（演奏・描写・プレゼン・語学 など）
• その分野での経験年数・実力
• 通学時間・校風・部活動の雰囲気
• 一般入試との併願バランス（推薦でどこまで攻めるか、安全校をどう組むか）

といった要素を、数字と一緒に冷静に整理すること が大切です。

この高校に入りたい。でも、勉強に不安があるあなたへ

＜参考リンク＞
令和８年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について
令和８年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧
文化・スポーツ等特別推薦の実技検査の内容等一覧