「担任の先生に『併願校として』紹介されて、見学に行ったんです。でも校舎に足を踏み入れた瞬間、ここを第一志望にしたいと思いました」——現在は大手メーカーの技術職として働く卒業生のM.O.さんは、朋優学院との出会いをそう振り返ります。
都立を目指す受験生に「安全な滑り止め」として紹介されることの多い朋優学院高等学校ですが、いざ入学してみると、国公立大学や早慶上理への道が確かに見えてくる環境がそこにあります。「まず朋優に行ってみて」と言われた学校が、3年後に「行って良かった学校」になる。そういう卒業生が多いことが、この学校の本質です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学校名 | 朋優学院高等学校 |
| 所在地 | 東京都品川区西大井6-1-23 |
| アクセス | 都営浅草線「馬込駅」徒歩10分/JR横須賀線・湘南新宿ライン「西大井駅」徒歩13分 |
| 校種 | 私立・共学 |
| 偏差値 | V模擬:SGコース(62)/AGコース(64)/ TGコース(67) みんこう:SGコース(62)/AGコース(64)/ TGコース(67) |
| 特徴 | 高校単独校(附属中学なし)、大学受験特化の進学校 |
偏差値で見る「朋優学院と同じレベル帯」の高校
コースによって偏差値の幅が大きく異なるのが朋優学院の特徴です。都立を第一志望にしている受験生にとって、自分がどの層と同じ土俵に立つのかを確認しておきましょう。
| コース | 偏差値 | 同水準の都立の例 | 同水準の私立の例 |
|---|---|---|---|
| TG | 68 | 西高校(杉並・68) | 広尾学園(68)、明大明治(68〜69) |
| AG | 65 | 国立高校(67)、戸山高校(66)、青山高校(65) | 青山学院高等部(67〜69)、ICU高校(67〜68)、法政大学高校(65) |
| SG | 62 | 小山台高校(62)、竹早高校(62)、新宿高校(63) | 青稜(63)、芝浦工大附属(62)、成蹊(62〜63) |
SGコースで入学しても、AGコース・TGコースを狙う実力がある受験生であれば、当日の得点次第でスライド合格の可能性もあります。
品川区西大井——2路線で都内各地からアクセスできる立地
JR横須賀線・湘南新宿ラインの「西大井駅」と、都営浅草線の「馬込駅」の2路線が使えるのは大きなアドバンテージです。品川区という立地から、大田区・目黒区・世田谷区・港区のほか、神奈川県北部からの通学者も多く見られます。東京・品川・渋谷・横浜と主要ターミナルにアクセスしやすいエリアです。
校風——「見学に行ったら第一志望にしたくなった」理由
朋優学院が卒業生に語られるとき、「勉強だけの学校」というイメージと、実際の体験との間にギャップがあることが多い。課題は多く、学習密度は高い。でも、それが苦痛ではなかったという声が続きます。
株式会社オリエンタルランドに勤務するN.M.さん(文系卒)は、高校での学びをこう振り返ります。
「多くの課題に取り組む中で、ただ答えを覚えるのではなく、なぜこれが正解で、なぜこちらは違うのかを自分の言葉で説明できるまで調べ尽くしていました。その姿勢は今の仕事にも生きています」。
高校単独校のため、中高一貫の学校にありがちな「内部生と外部生」という見えない壁がありません。全員が4月1日に同じラインに立ち、同じカリキュラムから3年間を積み上げます。
M.O.さんは
「推薦入試でSGコースへの進学となったが、今振り返るとそのときの悔しさが勉強への良いモチベーションになっていた」
と語ります。その後、2年次からAGコース(当時の国公立コース)に進み、国立大学への進学を果たしました。
こういう「入学後に上を目指せる余地」があることが、朋優学院を単なる「安全圏の私立」と一線画す理由のひとつです。
SG・AG・TG の3コース——1年次は全員が同じスタートライン
1年次は全コース共通カリキュラムで基礎固めを行い、2年次から文理・志望校別に分かれます。
| コース | 目標大学 | 受験型 |
|---|---|---|
| TGコース(トップグレード) | 東大・京大・医学部など最難関国立大 | 5科目型のみ |
| AGコース(アドバンスグレード) | 旧帝大・横国・千葉大・早慶上理など | 3科・5科どちらも可 |
| SGコース(スタンダードグレード) | GMARCH以上の難関私立大 | 3科・5科どちらも可 |
ICT活用(1人1台端末)と自習スペースの整備が進んでおり、「塾なしで難関大に届いた」という卒業生の声は多い。一方で、授業のペースと課題量に対応できる自己管理力が求められる学校でもあります。
大学合格実績——医学部医学科が前年比2倍、国公立97名に回復
主要大学合格者数の推移(延べ人数)
| カテゴリ | 2026年度 | 2025年度 | 前年比 | |
|---|---|---|---|---|
| 国公立大学 | 合計 | 97名 (現役91名) | 86名 (現役78名) | +11 |
| 東大・京大・一橋・東京科学 | 9名 | 11名 | ▲2 | |
| 横浜国立大 | 7名 | 12名 | ▲5 | |
| 千葉大 | 14名 | 5名 | +9 | |
| お茶の水女子大 | 6名 | 5名 | +1 | |
| 東京都立大 | 4名 | 5名 | ▲1 | |
| 医学部医学科 | 15名 | 7名 | +8 | |
| 早慶上理 | 合計 | 221名 | 284名 | ▲63 |
| 早稲田大 | 58名 | 70名 | ▲12 | |
| 慶應義塾大 | 34名 | 41名 | ▲7 | |
| 上智大 | 54名 | 59名 | ▲5 | |
| 東京理科大 | 75名 | 114名 | ▲39 | |
| GMARCH | 合計 | 514名 | 739名 | ▲225 |
| 明治大 | 133名 | 191名 | ▲58 | |
| 法政大 | 123名 | 198名 | ▲75 | |
| 立教大 | 84名 | 132名 | ▲48 | |
| 中央大 | 97名 | 104名 | ▲7 | |
| 青山学院大 | 58名 | 91名 | ▲33 | |
| 学習院大学 | 19名 | 23名 | ▲4 | |
2026年度のキーストーリー
2026年度でもっとも注目される動きは医学部医学科の15名です。前年7名から一気に倍増しており、TGコースを中心とした理系教育の成熟を示す数字です。国公立大学全体でも97名(前年比+11名)と回復基調にあります。
その一方で、早慶上理とGMARCHは前年より落ち着いた年になりました。延べ人数での比較のため、進学先の変化や学年規模の影響も含まれます。なお、千葉大学は5名から14名へと大幅に増加しており(+9名)、首都圏国立の安定した合格者層が形成されていることがわかります。
生徒が動かす行事——虹色祭・若葉音楽祭・ドバイ修学旅行
朋優学院の行事は、「先生が決めて生徒が動く」のではなく、企画の段階から生徒が動いていることが特徴です。
最大の行事は9月の文化祭「虹色祭」。2025年度は初めて3日間開催となり、一般公開日(土・日)は事前予約制で来場者を迎えました。テーマは「三原色」——クラス企画・部活公演・有志企画それぞれが個性を出しながら全体のテーマを体現する、生徒主体の文化祭として定着しています。虹色祭の2日目にはホームカミングデーも開催され、節目の年齢を迎えた卒業生が母校に集い、在校生と交流する場になっています。
体育祭は大井埠頭中央海浜公園ホッケー競技場のメインピッチという、都内高校では異色のスケールある会場で行われます。
修学旅行は2年次に沖縄(4日間)・シンガポール(6日間)・ドバイ(6日間)の3コースから選択できます。「帰国後に価値観が変わった」「もっと学んでみたい」という感想が多く寄せられたというドバイコースは、メディアでも注目される近未来都市と砂漠・旧市場(スーク)を同時に体感できる旅です。
ユニークな文化として、在校生2名の発案から生まれた音楽イベント「若葉音楽祭」があります。世界的ピアニストの角野隼斗(かてぃん)のアップライトピアノを学校に迎え、地域にも開放する形で開催されており、「音楽を通じて人と人が自然につながれる場を」という生徒の思いから続いています。
夏には勉強合宿も実施されます。SGコースは湯河原のホテルで、AGコース・TGコースは山梨県西湖でそれぞれ数日間の集中学習に取り組み、受験への意識を切り替える場となっています。
全国大会常連のダンス部、sumikaを生んだ軽音楽部
強制加入ではなく自由参加で、兼部も一般的です。体育部・文化部・同好会・サークルを合わせると30以上の団体が活動しています。
中でも存在感が際立つのがダンス部(部員110名)です。2026年4月のマイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION全国大会では、「白ツメ草」という作品で出場し、大会のDJから”架空の部族”と評されるほど独自の世界観を持つステージを披露。前年度(2025年)には銅賞・審査員特別賞を受賞しており、全国大会連続出場を果たした形です。「進学校のダンス部」という言葉では収まらない実力を持つ部です。
代表的な部活動
| 部活 | 主な実績 |
|---|---|
| ダンス部(110名) | 全国大会連続出場(2025年銅賞・審査員特別賞、2026年も出場) |
| 硬式野球部 | 2025年 東東京大会ベスト16 |
| eスポーツ部 | STAGE:0 関東ブロック優勝・全国大会ベスト8(2019年) |
| 吹奏楽部 | 東京都高等学校吹奏楽コンクール A組 銅賞 |
| 男子バドミントン部(85名) | 都内有数の部員規模 |
| 軽音楽部(94名) | 東京都高等学校軽音楽コンテスト特別賞 |
| ESC(英語部) | 上智大学主催ジョン・ニッセル杯 本戦出場 |
| 華道部 | 池坊花の甲子園 関東大会優勝・全国大会出場4回 |
sumikaの片岡健太さんが卒業生
人気バンドsumikaのボーカル・片岡健太さんが朋優学院の卒業生です。2025年5月には母校を訪れ、校長先生との対面も実現。サインは事務室・図書室に展示されており、片岡さんのエッセイ『凡者の合奏』も図書室に所蔵されています。「特別じゃない自分だからこそ、誰かと合奏する意味がある」というメッセージは、朋優学院の校風と重なるものがあります。
「綺麗さに驚いた」——校舎と学習環境
校舎は見学した卒業生が「その綺麗さに驚いた」と語るほどの整備水準です。自習スペース・図書室・カフェラウンジ・トレーニングルームが充実しており、放課後を学校で過ごしやすい環境が整っています。全生徒に1人1台の端末が配備され、授業から自習まで一貫したICT環境が整っています。
年間費用と就学支援金
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 270,000円 |
| 授業料(年額) | 480,000円 |
| 施設設備費(年額) | 180,000円 |
| 保護者会費(年額) | 15,600円 |
| 1年次合計(上記計) | 約625,200円 |
| 入学時の制服・教材等 | 約170,000円 |
東京都の授業料軽減助成金・高等学校等就学支援金の対象校です。世帯収入によって実質的な授業料負担が大きく異なります。入学金は5万円を納めることで3月まで延納できる制度もあります。
2026年度 併願優遇の基準——神奈川の「確約」とは別物です
朋優学院の一般入試(併願優遇)は、当日の3科目(国語・数学・英語)合計が130点未満の場合は不合格となる仕組みです。内申基準を満たしていても当日点が伴わなければ合格は保証されません。これは神奈川県でよく使われる「併願確約」とは根本的に異なります。
ただし、都立中堅〜上位校を第一志望に据えられる実力があれば、3科130点は現実的なラインです。
成績基準
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 5科内申点 | 25以上(オール5)※後述の加点要素あり |
| 9科内申点 | 2以下がないこと |
| 3年次の欠席 | 10日以内(保健室登校等も欠席扱い) |
| 生活指導 | 問題がないこと |
| 心身の健康 | 本校での学校生活に支障がないこと |
| 当日試験 | 3科目合計130点以上でSGコース確約。得点次第でAGコース・TGコース(5科目型受験者)へのスライドあり |
| 併願の自由度 | 他校との組み合わせは一切問わない。他校を併願優遇で受けることも可 |
加点条件
| 要件 | 加点 |
|---|---|
| 英検準2級以上 または 数検準2級以上を取得 | +1(両取得でも+1まで) |
| 本校卒業生・在校生の子・弟妹 | +1 |
推薦入試(単願)の基準
| コース | 5科内申 |
|---|---|
| AGコース | 25以上 |
| SGコース | 24以上 |
| TGコース | 推薦なし(上位コース合格制度で対応) |
この学校が合う受験生、合わない受験生
- 都立と本気で戦いながら、万一のリスクも消しておきたい受験生には、最もフィットする私立のひとつです。「どの組み合わせでも併願可」という柔軟さは、都立・私立の複数校を同時攻略したい受験戦略と相性がいい。
- 進学した場合に大学受験で粘れる環境を求めている家庭にも響きます。SGコースで入学しても、2年次の成績次第でコースを上げることができる。学年全体で国公立大合格者を毎年90名以上出しており、「入学時の位置がゴールではない」という証拠がここにあります。
卒業生のN.M.さんはこう締めくくっています。
「努力すれば必ず報われるわけではありませんが、努力しなければ何も始まりません。朋優にはひたむきに努力するあなたを心から支えてくれる先生方がいらっしゃいます」。
「滑り止め」と呼ぶには惜しすぎる学校
「滑り止め」として調べ始めたはずが、学校説明会や見学で印象が変わる——朋優学院にはそういう力があります。品川区という利便性の高い立地、高校単独校のフラットなスタート、コース制による大学受験への明確な道筋、そして卒業生が語る「3年間で変われた」という実感。都立第一志望でありながら、進学先として前向きに検討できる私立高校を探しているなら、一度説明会に足を運んでみる価値があります。
<参照元>
本ページ内の情報やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各高校の最新データをご確認ください。
・朋優学院高校公式サイト https://www.ho-yu.ed.jp/




