都立小石川中等教育学校は、東京都文京区に位置する公立の中高一貫校です。大正7年(1918年)に府立五中として創立された伝統ある学校の歴史を継承し、平成18年(2006年)に中等教育学校として新たなスタートを切りました。
中高一貫校のため、高校からの入学はできません。入学するには小学6年生の時に適性検査を受験する必要があります。6年間の一貫教育により、「立志・開拓・創作」の教育理念のもと、国際社会で活躍できる次世代のリーダーを育成しています。
文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、理数教育に力を入れているほか、「Global Education Network 20」の指定校として国際理解教育も推進しています。充実した進路指導のもと、東京大学をはじめとする難関国公立大学や私立大学への高い進学実績を誇ります。
都立小石川中等教育学校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
都立中高一貫校の入試は、私立中学の学力試験とは異なり、「適性検査」という形式で実施されます。また適性検査だけではなく調査書の内容とともに複合的に合否判定がなされます。そのため、偏差値は参考値として捉える必要があります。各模試における小石川中等教育学校の偏差値の目安は以下の通りです。
- 首都圏模試センター:74
- 日能研(R4:80%水準):68
- 四谷大塚(Aライン80):65
これらの数値から、小石川中等教育学校は都立中高一貫校の中でも最難関レベルに位置していることがわかります。ただし、適性検査は教科書の範囲内から出題され、思考力・判断力・表現力を測る問題が中心となるため、私立中学受験とは異なる対策が求められます。
入試倍率
小石川中等教育学校の募集定員は160名です。2025年度入試から、従来の男女別定員が廃止され、男女合同定員となりました。この変更により、性別に関わらず公平な選抜が行われるようになっています。
過去10年間の応募倍率と受検倍率の推移は以下の通りです。尚、応募倍率・受検倍率ともに特別枠の合格確定後の一般枠の募集定員を母数として算出しています。
特別枠募集について
小石川では、自然科学分野の全国的なコンクール等で上位入賞した児童を対象とした特別枠募集も実施しています。全国学芸サイエンスコンクール、自然科学観察コンクールなどでの実績がある場合は、応募を検討してみるとよいでしょう。
全体の倍率推移(2016年~2025年)
年度 | 応募倍率 | 受検倍率 | 受検辞退率 | 入学辞退率 |
---|---|---|---|---|
2016年度 | 6.36倍 | 5.81倍 | 8.7% | 17.5% |
2017年度 | 6.24倍 | 5.75倍 | 7.8% | 18.1% |
2018年度 | 6.53倍 | 5.95倍 | 9.0% | 16.4% |
2019年度 | 6.49倍 | 5.87倍 | 9.5% | 13.2% |
2020年度 | 5.62倍 | 5.10倍 | 9.2% | 17.8% |
2021年度 | 4.98倍 | 4.64倍 | 6.8% | 14.5% |
2022年度 | 4.45倍 | 4.15倍 | 6.7% | 11.9% |
2023年度 | 4.66倍 | 4.28倍 | 8.1% | 18.1% |
2024年度 | 4.33倍 | 3.90倍 | 9.9% | 10.1% |
2025年度 | 3.44倍 | 3.13倍 | 9.1% | 15.6% |

【参考】男子の倍率推移(2020年~2024年)
年度 | 応募倍率(男子) | 受検倍率(男子) | 受検辞退率(男子) | 入学辞退率(男子) |
---|---|---|---|---|
2020年度 | 5.43倍 | 5.04倍 | 7.1% | 10.0% |
2021年度 | 4.94倍 | 4.71倍 | 4.6% | 20.3% |
2022年度 | 4.33倍 | 4.06倍 | 6.1% | 15.0% |
2023年度 | 4.45倍 | 4.06倍 | 8.7% | 15.0% |
2024年度 | 3.89倍 | 3.61倍 | 7.1% | 12.5% |

【参考】女子の倍率推移(2020年~2024年)
年度 | 応募倍率(女子) | 受検倍率(女子) | 受検辞退率(女子) | 入学辞退率(女子) |
---|---|---|---|---|
2020年度 | 5.82倍 | 5.17倍 | 11.2% | 26.0% |
2021年度 | 5.03倍 | 4.58倍 | 9.0% | 8.8% |
2022年度 | 4.58倍 | 4.24倍 | 7.4% | 8.8% |
2023年度 | 4.86倍 | 4.50倍 | 7.5% | 21.3% |
2024年度 | 4.78倍 | 4.19倍 | 12.3% | 7.7% |

2016年度から2019年度までは6倍台の高い倍率でしたが、2020年度以降は徐々に低下傾向にあります。2025年度は過去10年で最も低い3.44倍(受検倍率3.13倍)となりました。
男女別で見ると、2020年~2024年の期間では、女子の方が男子よりも倍率が高い傾向にありました。特に2024年度は男子3.89倍に対し女子4.78倍と、約0.9の差がありました。2025年度からの男女合同定員化により、このような男女間の倍率差は解消されることになります。
都立中高一貫校10校全体の平均と比較すると、ほぼ同じような水準となっており、一定の人気の高さがうかがえます。ただし、近年は倍率が下がってきているため、受験生にとってはチャンスが広がっていると言えるでしょう。
小石川中等教育学校の大きな特徴として、受検辞退率と入学辞退率が都立中高一貫校10校全体の平均と比較して顕著に高いことが挙げられます。
小石川の受検辞退率は6.7%~9.9%(都立10校平均4.1%~5.1%)、入学辞退率は10.1%~18.1%(都立10校平均5.1%~6.9%)で推移しており、いずれも都立平均の約2倍の水準です。
これは、小石川を受検する児童の多くが、開成、麻布、桜蔭、女子学院、渋谷教育学園幕張といった私立最難関中学を併願しているためです。都立の適性検査は私立入試の2日後に実施されるため、私立に合格した時点で都立を辞退するケースや、両方合格後に私立を選択するケースが相当数あります。
この高い辞退率は、小石川の受検生の学力レベルの高さを示すものであり、公立でありながら私立最難関校と競合できる教育環境と進学実績を持っていることの証左といえるでしょう。
都立小石川中等教育学校の歴史と伝統
都立小石川中等教育学校の歴史は、大正7年(1918年)に東京府立第五中学校として創立されたことに始まります。100年以上の長い歴史を持つ伝統校です。
初代校長の伊藤長七は、開校時から「詰め込み受験教育を否定し、自ら究める力を養う」「自律の精神を養う」「科学する研究心を養う」という3つの教育信念を掲げ、革新的な教育を実践しました。この理念を象徴する標語「立志・開拓・創作」は、100年以上たった現在でも小石川の校是として受け継がれています。
主な沿革
- 大正7年(1918年) 東京府立第五中学校として創立(男子校)
- 大正10年(1921年) 第1回創作展覧会を開催
- 昭和24年(1949年) 男女共学制実施
- 昭和25年(1950年) 東京都立小石川高等学校と校名変更
- 平成18年(2006年) 東京都立小石川中等教育学校として開校、SSH第1期指定
- 平成23年(2011年) 東京都立小石川高等学校閉校
- 平成30年(2018年) 小石川創立100周年記念式典挙行
- 令和4年(2022年) SSH第4期指定
伊藤長七初代校長の栄誉を称えて造られた胸像が校舎内に設置されており、毎年3月の修了式では、その年度にコンクールや部活動等で活躍した生徒に「伊藤長七賞」が授与されています。在校生で初代校長の名を知らない生徒はいないほど、創立の精神が今も生きています。
府立五中時代から小石川高校を経て、現在の中等教育学校に至るまで、「自ら考え、自ら行動する」という教育方針は一貫して継承されています。卒業生は各界で活躍しており、特に外務省、大学研究者、法曹界、医療界などに多くの人材を輩出しています。
都立小石川中等教育学校の立地と最寄り駅、周辺環境
所在地とアクセス
所在地 | 東京都文京区本駒込2-29-29 |
最寄り駅 | 都営三田線「千石」駅 徒歩3分(最寄り) JR山手線/都営三田線「巣鴨」駅 徒歩10分 JR山手線/東京メトロ南北線「駒込」駅 徒歩13分 |
都営三田線の千石駅から徒歩3分という非常に便利な立地です。また、JR山手線の巣鴨駅や駒込駅からも徒歩圏内にあり、都内各地からのアクセスが良好です。複数の路線が利用できるため、通学の選択肢が広いのも魅力です。
周辺環境
小石川中等教育学校が位置する文京区本駒込は、閑静な住宅街と文教施設が調和した環境です。
周辺の主な施設
- 小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科附属植物園):徒歩圏内にあり、生物研究会の生徒が調査研究に利用しています
- 東京大学本郷キャンパス:約2km圏内
- 東洋文庫:アジア最大級の東洋学研究図書館
- 六義園:国の特別名勝に指定されている日本庭園
学校周辺は文京区の中でも特に治安が良く、教育熱心な家庭が多く住む地域として知られています。近隣には大学や研究機関、図書館、博物館などの文化施設が充実しており、知的刺激に満ちた環境で6年間を過ごすことができます。
また、生徒たちは「東京寺子屋」や「職場体験」などの活動で、地域の商店街や企業、公的機関と交流する機会も多く、地域に根ざした教育活動が展開されています。
自転車通学は安全面を考慮して禁止されていますが、複数の駅から徒歩圏内にあるため、電車通学には非常に便利な立地です。
都立小石川中等教育学校の校風と教育方針
教育目標
「立志・開拓・創作」の理念で、自ら未来を切り拓く人材を育成
小石川中等教育学校の教育理念は、創立時から100年以上継承されている「立志・開拓・創作」です。この理念のもと、「自ら志を立て、自分が進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す」ことのできる人材の育成を目指しています。
育てたい生徒像
- 現状に満足せず、高い志をもち、自らの個性と能力を自ら開拓する生徒
- 国際社会に生きる日本人として、幅広い教養と豊かな感性及び高い語学力を身に付けた生徒
- 自然科学など様々な場面・分野で活躍できるリーダーを目指す志の高い生徒
特色ある教育活動
3つの柱で未来のグローバルリーダーを育成
小石川の教育は、「小石川教養主義」「理数教育」「国際理解教育」の3つを柱としています。
1. 小石川教養主義
文系・理系にクラスを分けず、すべての生徒がすべての教科・科目をバランスよく学びます。広く深い知識に裏付けられた教養を養うことで、どの分野でも活躍できる基礎力を身につけます。
- 全科目履修:6年間を通して文理分けをせず、全教科を深く学習
- 小石川フィロソフィー:1年生から6年生まで週1~2時間の課題探究型学習
- 第2外国語:4年生から中国語・ドイツ語・フランス語を選択可能(約7割の生徒が履修)
- 小石川セミナー:第一線で活躍する研究者や卒業生による講演会
- 充実した図書館:蔵書約4万冊、コンピュータ20台設置
2. 理数教育(SSH)
平成18年からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、令和4年には第4期指定を受けました。国際社会でリーダーとして活躍できる科学技術人材の育成を目指しています。
- 実験重視の授業:Advanced Chemistry では授業の8割以上が実験
- 理数探究基礎:4年生で理科と数学の教員が共同で指導
- オープンラボ:放課後や休日に実験室を開放し、自主研究を支援
- 科学系コンテスト:国際科学オリンピックなどに多数参加、金・銀・銅メダル獲得実績あり
- 大学との連携:東京農工大学との高大連携・共同研究協定、東京大学グローバルサイエンスキャンパスへの参加
- サイエンスカフェ:年間10回以上、大学や企業の研究者を招いた講座
3. 国際理解教育
Global Education Network 20の「対話・理解グループ」に指定され、グローバル人材の育成に力を入れています。
- 海外語学研修(3年生全員、2週間):オーストラリア・アデレードでホームステイ
- 海外研修旅行(5年生全員、5日間):シンガポール・マレーシアで学校交流
- SSH海外派遣(希望者):アメリカ東海岸での研修
- オンライン英会話:3年生と5年生全員が授業で実施
- 東京外国語大学との連携:令和3年から協定締結
- 外国人講師6名:ALT・JETが通年で学校生活に関わる
- 留学支援:次世代リーダー育成道場など、年間約10名が1年間留学
独自の校風
「生徒自治」が根付いた自主・自立の精神
小石川の最大の特徴は、生徒による「生徒自治」です。委員会活動では生徒が自ら考えたことを実行し、試行錯誤しながらも主体的に活動します。
行事週間の完全生徒運営
9月に開催される「行事週間」では、芸能祭・体育祭・創作展という3つの大きな行事を10日間で実施します。これらすべての企画・運営を生徒が行うのが小石川の伝統です。6年生は1年前から創作展の準備を始めるほど、生徒たちは真剣に取り組みます。
バランスの取れた学校生活
「あれか、これか」ではなく、「あれも、これも」が小石川生の真骨頂です。多くの生徒が複数の部活動を掛け持ちし(加入率約150%)、行事にも全力で取り組みながら、学業でも高い成果を上げています。
自ら考え、行動する文化
小石川セミナーや大学研究室訪問、サイエンスカフェ、グローバルカフェなど、自由参加型の講座や活動が豊富に用意されています。生徒たちは自分の興味関心に応じて、主体的に学びの機会を選択していきます。
このような環境で育った卒業生からは、「小石川での6年間が人生の基盤となった」「困難に直面しても自ら解決策を見出す力が身についた」「多様な価値観を尊重する姿勢を学んだ」という声が多く聞かれます。
都立小石川中等教育学校の進路・進学実績
進路・合格者の推移
2025年3月卒業生(151名)のうち、国公立大学への合格者は72名(47.7%)となり、約半数の生徒が国公立大学に進学しています。私立大学への延べ合格者数は402名で、卒業生1人あたり約3.1件の合格を獲得しています。
過去5年間の国公立大学合格者数の推移は以下の通りです。
年度 | 卒業生数 | 国公立合格者数 | 国公立合格率 |
---|---|---|---|
2025年 | 151名 | 72名 | 47.7% |
2024年 | 149名 | 64名 | 43.0% |
2023年 | 153名 | 72名 | 47.1% |
2022年 | 158名 | 88名 | 55.7% |
2021年 | 155名 | 78名 | 50.3% |
国公立大学への合格率は年度によって変動がありますが、おおむね40%後半~50%台を維持しており、安定した実績を示しています。
主な大学・短大・専門学校合格実績
2025年3月卒業生の主な合格実績は以下の通りです。
最難関国立大学
- 東京大学:16名
- 京都大学:5名
- 一橋大学:3名
- 東京科学大学:6名
- 国公立医学部医学科:4名
難関国立大学(旧帝大)
- 北海道大学:6名
- 東北大学:1名
- 九州大学:1名
準難関国立大学(TOCKY)
- 筑波大学:8名
- お茶の水女子大学:1名
- 千葉大学:3名
- 神戸大学:1名
- 横浜国立大学:2名
私立最難関大学
- 早稲田大学:50名
- 慶應義塾大学(医学部除く):24名
- 上智大学:23名
- 東京理科大学:47名
私立難関大学(GMARCH)
- 明治大学:50名
- 立教大学:30名
- 中央大学:22名
- 青山学院大学:15名
- 法政大学:11名
- 学習院大学:8名
合計136名がGMARCHに合格しており、私立難関大学への進学実績も充実しています。

進路指導の特徴
前期課程(1~3年)
- 東京寺子屋(1年):各分野の職業人との交流で職業観を育成
- 職場体験(2年):地域の商店街や企業で実際に働く体験
- 進路意識の形成(3年):将来の自分を実現するための進路指導開始
後期課程(4~6年)
- 大学研究室訪問:卒業生の大学教授の研究室を訪問
- 分野別大学模擬講義:大学教授による本格的な講義を体験
- オープンキャンパス参加:各自が志望大学を訪問
- 特講(6年):週21時間の自由選択科目で受験対策
進路指導のポイント
- 国公立大学志望者が多数:生徒の大半が国公立大学を目指し、学校がそれをサポート
- 小石川教養主義に基づく学力形成:5年生までに全教科を深く学び、難関大学入試に対応
- チューター制度:卒業生の大学生や退職教員が放課後に学習指導・進路相談
- 充実した講習:夏季は6年生向けに48講座を開講
- 自習室の充実:44ブースの自習室を年末年始を除き土日祝日も開放
小石川での6年間の学びを通じて、生徒たちは「現状の延長線上ではなく理想の将来像を自ら設定し(立志)、実現に必要な努力を怠らず(開拓)、自らの未来を創造(創作)」していきます。
都立小石川中等教育学校のイベント・学校行事
主な年間行事
月 | 主な行事 |
---|---|
4月 | 入学式、対面式、校外学習(全学年) |
5月 | 生徒自治会選挙、中間考査、結団式 |
6月 | 移動教室(1年)、職場体験(2年)、生徒総会、体育祭予備大会 |
7月 | 期末考査、小石川セミナー、部活動合同合宿、夏季講習 |
8月 | 海外語学研修(3年)、社会体験活動(4年)、夏季講習 |
9月 | 行事週間(芸能祭・体育祭・創作展) |
10月 | 防災訓練、SSH生徒研究成果発表会、中間考査 |
11月 | 東京寺子屋(1年)、国内語学研修(2年) |
12月 | 期末考査、分野別大学模擬講義(4・5年)、小石川セミナー |
1月 | 合唱発表会(1~3年)、海外研修旅行(5年) |
2月 | 生徒総会、小石川フィロソフィーⅡ・Ⅴ発表会 |
3月 | 学年末考査、卒業式、小石川フィロソフィー発表会、小石川セミナー |
特色ある行事
小石川で最も特徴的な行事が、9月に開催される「行事週間」です。この名称は小石川独自のもので、「短期間に小石川高校の三大行事を行う」という生徒の発想から名づけられました。
芸能祭
一般的な文化祭における舞台発表を行う行事です。部活動団体や、バンド、大道芸、ダンスなどの個性あふれる一般団体によるパフォーマンスが繰り広げられます。舞台に立つにはオーディションを通過する必要があり、芸能祭を目標に日々練習する生徒も多くいます。
体育祭
1年生から6年生までの学年を貫いた団(クラス)対抗で行います。本番前には球技を競う「予備大会」があり、ここでの得点が本大会の持ち点になるため、予備大会も大いに盛り上がります。予備大会は6月から9月にかけて放課後や休日に行われます。
創作展
一般的な文化祭におけるクラス発表・部活発表を行う行事です。各クラスは教室とは思えない舞台を完成させ、その中でクラス劇を上演します。6年生は1年前から準備を始め、来校者と生徒の投票で決まる「創作展大賞」を目指して全力で取り組みます。毎年、外部からも多くの来校者が訪れる人気の行事です。
行事週間の教育的意義
すべての企画・運営を生徒が行うため、試行錯誤しながら主体的に活動することで得られる達成感と経験は、学校生活を支える基盤となります。多くの生徒が「行事週間に向けての取組」を小石川の最大の魅力として挙げています。
その他の特色ある行事
- SSH生徒研究成果発表会:全国のSSH校が集まり研究成果を発表(文部科学大臣賞受賞実績あり)
- サイエンステクノロジーフェスタ:地域の小学生向けに理数系部活動が演示実験やポスター発表
- Adv.小石川フィロソフィー発表会:32のテーマについて研究発表
- 合唱発表会(1~3年):各クラスが合唱を披露
- 小石川フィロソフィー発表会:6年間の課題研究の集大成を発表
都立小石川中等教育学校の部活動や課外活動
運動部
小石川には以下の17の運動部があります。
サッカー部、ラグビー部、ソフトテニス部、硬式テニス部、軟式野球部、女子バスケットボール部、男子バスケットボール部、女子バレーボール部、男子バレーボール部、バドミントン部、陸上競技部、水泳部、卓球部、柔道部、剣道部、体操部、ラクロス部
主な実績
- 軟式野球部:令和6年春季東京都大会第3位→関東大会出場、令和元年夏季選手権大会準優勝
- 陸上競技部:短距離・ハードル種目で都大会上位入賞
- 水泳部:令和6年度東京都中学校学年別水泳競技大会入賞、国公立中高一貫校大会男子団体2位
- 剣道部:令和4年度都立八校戦男子個人第2位
文化部
小石川には以下の21の文化部があります。
音楽研究会、吹奏楽部、軽音楽研究会、小石川フィルハーモニーオーケストラ部、フォークソング研究会、物理研究会、化学研究会、生物研究会、天文研究会、数学研究会、パソコン研究会、漫画研究会、演劇部、美術部、華道部、茶道部、英語研究会、料理研究会、文芸部、競技かるた部、将棋・チェス部
加えて、クイズ研究会(同好会)も活動しています。
主な実績
科学系部活動: 全校生徒の約30%が科学系部活動に所属しており、活発に活動しています。
- 国際物理オリンピック:2015年銅メダル
- 国際地学オリンピック:2017年金メダル
- 国際化学オリンピック:2021年銅メダル
- 国際生物学オリンピック:2022年日本代表、2024年銀メダル
- ヨーロッパ女子情報オリンピック:2022年銅メダル
- ロボカップジュニア世界大会:2019年サッカー部門総合2位、2017年レスキュー部門総合3位
- 日本学生科学賞:文部科学大臣賞、科学技術政策担当大臣賞、旭化成賞など多数
- SSH全国生徒研究発表会:文部科学大臣賞(令和元年、令和4年)
英語・国際系
- 高校生英語弁論大会:2023年外務大臣賞(全国1位)
- 東京都中高一貫教育校英語スピーチコンテスト:優勝(複数回)
- 全国高校生模擬国連大会:全国大会出場
- PDA高校生即興型英語ディベート:全国大会出場
芸術系
- 茶道部:2022年全国高等学校総合文化祭茶道部門東京代表
- 小石川フィルハーモニーオーケストラ部:全国高等学校文化連盟広島大会参加
- 体操部:2019年第46回体育実技研究発表会審査員特別賞
特色ある活動
小石川の部活動の最大の特徴は、兼部が推奨されていることです。加入率は約150%に達し、多くの生徒が複数の部活動に所属しています。例えば、平日は運動部、休日は文化部といった活動も可能です。
前期生と後期生が一緒に活動
1年生から6年生までが同じ部活動で活動するため、先輩後輩の縦のつながりが強く、幅広い交流を通じて絆を深めることができます。後期生の高いレベルの技術や経験を前期生が学べる貴重な機会となっています。
生徒主体の運営
部活動も生徒自治の精神に基づき、生徒が主体的に運営します。特に科学系部活動では、生徒が研究テーマを設定し、自ら実験計画を立てて研究を進めていきます。
充実したサポート体制
- オープンラボ:放課後や休日に実験室を開放し、自主研究を支援
- サイエンスカフェ:外部講師を招いた講座(年間10回以上)
- 小石川メンターバンク:卒業生や外部専門家が研究をサポート
- 大学との連携:東京農工大学との共同研究協定など
このように、小石川の部活動は単なる課外活動ではなく、教育理念「立志・開拓・創作」を実践する重要な場となっています。
都立小石川中等教育学校の施設と環境
主な施設
小石川中等教育学校には、6年間の学校生活を支える充実した施設が整っています。
運動施設
- アリーナ:体育の授業や部活動、行事で使用
- プール:25mプール
- テニスコート
- グラウンド
- 柔道場
- 剣道場
学習施設
- 図書館:蔵書約4万冊、インターネット接続可能なコンピュータ20台設置。生徒の学習の場として活用され、情報活用能力を高めるとともに知的好奇心を育む
- 自習室:44ブースを持つ自習室は年末年始を除き土日祝日も開放。ピーンと張りつめた緊張感の中で集中して学習できる環境
- CALL教室:語学学習用の教室
- PC教室:情報の授業や課題研究で使用
理数教育施設
- 物理室
- 化学室
- 生物室
- 地学室
- 理科室
各実験室には最新の実験設備が整っており、SSH指定校として高度な実験・研究活動が可能です。
芸術・家庭科施設
- 音楽室
- 美術室
- 工芸室
- 調理室
- 被服室
- 和室:茶道部などが使用
その他の施設
- 多目的ホール
- 光庭:中庭で、休み時間や放課後に生徒が集う憩いの場
- 面接室
- 給食発券機:前期生は給食を利用
特色ある施設・環境
SSHコーナー
5年生の教室付近に設置された、過去の課題研究の成果を自由に閲覧できるオープンスペースです。生徒が課題設定や研究方法を考えるときに活用しています。先輩たちの研究から学び、自分の研究をさらに深めることができます。
図書館内メディア学習コーナー
図書館内には、インターネットを活用した調べ学習ができるメディア学習コーナーが設けられています。課題研究や授業の調べ学習で活用されています。
チューター室
卒業生の大学生や退職教員、医学系予備校講師が常駐するチューター室(第2自習室)が設置されています。受験の学力向上だけでなく、進路選択や心構えなどの相談にも乗ってもらえます。
開拓館(旧図書館)
開校当時の図書館として使用されていた歴史ある建物が保存されており、小石川の伝統を感じることができます。
立地の良さを活かした環境
都心の文教地区に位置しながら、閑静な環境で学習に集中できます。近隣の東京大学小石川植物園は生物研究会の調査フィールドとして活用されているほか、東京大学や東京外国語大学との連携教育も地の利を活かして実施されています。
伝統と革新が融合する小石川で、未来を切り拓く力を
都立小石川中等教育学校は、大正7年創立の伝統を受け継ぎながら、SSH指定校・Global Education Network 20指定校として先進的な教育を展開する公立中高一貫校です。
小石川の魅力
- 確かな進学実績:東京大学16名をはじめ、国公立大学に約50%、早慶に74名、GMARCHに136名が合格
- 3つの教育の柱:小石川教養主義、理数教育(SSH)、国際理解教育のバランスの取れた教育
- 生徒自治の文化:行事週間をはじめ、生徒が主体的に活動する環境
- 文理分けない教育:全教科を深く学ぶことで、幅広い教養と思考力を育成
- 6年間の課題研究:小石川フィロソフィーで「課題発見力」「継続的実践力」「創造的思考力」を養う
- 充実した国際教育:海外語学研修、海外研修旅行、留学支援など豊富な機会
- 科学教育の実績:国際科学オリンピックで金・銀・銅メダル獲得、全国コンクールで多数受賞
- 活発な部活動:加入率150%、17運動部・21文化部で多様な経験
- 好立地:都営三田線千石駅徒歩3分、文教地区の落ち着いた環境
- 伝統の継承:100年以上続く「立志・開拓・創作」の理念
入試について
2025年度の応募倍率は3.44倍(受検倍率3.13倍)と、近年では比較的落ち着いた数字となっています。ただし、偏差値74(首都圏模試)という高い学力が求められ、都立中高一貫校の中でも最難関レベルに位置しています。
中高一貫校のため高校からの入学はできません。小学6年生の時に適性検査を受験する必要があります。適性検査は私立中学の学力試験とは異なり、思考力・判断力・表現力を測る問題が中心です。
中学受験を控えたお子様と保護者の皆様にとって、小石川中等教育学校は、確かな進学実績と豊かな人間形成を両立させ、「自ら志を立て、自分が進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す」力を育む、魅力的な選択肢といえるでしょう。
<参照元>
ページ内の大学合格実績やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各都立高校の最新データをご確認ください。
・小石川中等教育学校公式サイト https://www.metro.ed.jp/koishikawa-s/
