都立高校の推薦入試(1月26日、27日)を控え、推薦入試の応募締め切りが間近となっています。今回は、2020年~2024年度の推薦入試の倍率をまとめました。
全日制の推薦入試では、約1万人の定員のうち、普通科が約3分の2(65~66%)、専門学科が約4分の1(26~27%)、総合学科が約8%を占めています。推薦入試は学力検査の前に実施され、調査書(内申点)に加えて、作文や小論文、面接などの結果を総合的に評価して合否が決定されます。各校の定員の10~20%を推薦入試で確保する普通科では、学力検査に先立って実施されることから、例年高い倍率となる傾向にあります。
今回は進学指導重点校7校、進学指導特別推進校7校、進学指導推進校15校の推薦入試について、過去5年間の倍率推移を分析するとともに、2025年入試に向けた動向を探ります。
<2025年入試の推薦倍率はこちら>
都立入試における推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

普通科 | 普_男子 | 普_女子 | 商業科 | 工業科 | 農業科 | 専門学科計 | 総合学科 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 2.87 | ー | ー | 1.44 | 1.25 | 1.84 | 1.56 | 2.29 |
2023年 | 2.87 | 2.60 | 3.20 | 1.39 | 1.21 | 1.99 | 1.55 | 2.21 |
2022年 | 2.96 | 2.69 | 3.25 | 1.38 | 1.35 | 1.99 | 1.63 | 2.08 |
2021年 | 3.18 | 2.87 | 3.58 | 1.60 | 1.44 | 2.26 | 1.89 | 2.29 |
2020年 | 2.92 | 2.64 | 3.34 | 1.69 | 1.39 | 1.95 | 1.71 | 2.13 |
直近5年の倍率を見てみると、普通科については、2020年から2021年にかけて上昇し、2021年にピークを迎えました。男女別では女子が3.58倍、男子が2.87倍でした。その後は減少傾向となり、2024年からは男女合同定員となり2.87倍となっています。
専門学科については、商業科は2020年の1.69倍から緩やかに減少し、2024年は1.44倍となっています。工業科は1.39倍から1.25倍の間で推移し、全体的に比較的低い倍率を維持しています。農業科は2021年に2.26倍でピークを迎えた後、減少傾向となり2024年は1.84倍となっています。
専門学科全体(専門学科計)は、2021年に1.89倍でピークを迎えた後、減少傾向となり2024年は1.56倍となっています。総合学科は2.1倍前後で推移し、2024年は2.29倍となっています。
全体的な特徴として、普通科の倍率が他の学科と比べて高く推移していることが挙げられます。これは普通科が全体の定員の約3分の2を占める一方で、推薦入試が学力検査の前に実施されることから、受験生が推薦入試に積極的にチャレンジする傾向があるためと考えられます。また、2024年からの男女合同定員化は、普通科の受験動向に大きな変化をもたらす制度改革となっています。
以下にて進学指導重点校・進学指導特別推進校・進学指導推進校の推薦入試の倍率推移について考察していきます。
2025年入試の推薦倍率はまだ出ていませんので、2024年までのデータになります。
進学指導重点校(日比谷・西・国立・戸山・青山・立川・八王子東)の推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

日比谷 | 西 | 国立 | 戸山 | 青山 | 立川 | 八王子東 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 2.55 | 2.95 | 3.55 | 3.34 | 3.79 | 2.95 | 2.27 |
2023年 | 3.32 | 4.37 | 3.32 | 3.68 | 3.82 | 3.50 | 1.57 |
2022年 | 3.44 | 3.81 | 3.73 | 4.61 | 7.70 | 3.33 | 2.66 |
2021年 | 3.76 | 3.95 | 4.06 | 4.50 | 7.89 | 3.98 | 3.26 |
2020年 | 3.39 | 3.39 | 3.79 | 4.10 | 5.67 | 3.08 | 2.02 |
進学指導重点校7校(日比谷・西・国立・戸山・青山・立川・八王子東)の2020年から2024年までの推薦入試倍率の推移について調査しました。
全体的な傾向
- 進学指導重点校の推薦入試倍率は、普通科全体(2.87~3.18倍)と比較して概ね高い水準で推移
- 2021年をピークに全体的に下降傾向
- 2024年は私立高校の実質無償化の影響を受け、多くの学校で倍率が低下
学校別の特徴
青山高校
- 2021年に7.89倍、2022年に7.7倍と突出して高い倍率を記録
- 1クラス分の募集定員が少なく、2022年までは定員の10%のみ推薦入試で募集
- 2023年から推薦枠を20%に拡大し、倍率は3.82倍まで低下
戸山高校
- 2020年の4.1倍から2022年の4.61倍まで上昇
- その後減少に転じ、2024年は3.34倍に
国立高校
- 2022年の定員減少(1クラス分)の影響で倍率が上昇
- 2024年は3.55倍と、比較的高い倍率を維持
立川高校
- 2022年以降の創造理数科設置の影響もあり、3.98倍から2.95倍で推移
2024年入試の状況
3倍を下回った学校
- 日比谷高校:2.55倍
- 西高校:2.95倍
- 立川高校:2.95倍
比較的高い倍率を維持
- 青山高校:3.79倍
- 国立高校:3.55倍
2025年入試の見通し
1月8日に発表された都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査(校長会調査)によると、都立高校全体の志望度は前年度から5.01ポイント減少(71.98%→66.97%)していますが、進学指導重点校の志望倍率に大きな変化はありませんでした。
大学進学実績をひとつの指針に志望されることの多い進学指導重点校ですが、進学指導重点校よりも進学実績の高い国立・私立高校は限られており、高校募集人数もさほど多くはありません。そのうえで進学指導重点校7校の募集定員に変更はないため、2024年入試とさほど変わらない(影響はあっても微減)のではないかと想定できるのではないでしょうか。
進学指導特別推進校(小山台・駒場・新宿・町田・国分寺・国際・小松川)の推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

小山台 | 駒場 | 新宿 | 町田 | 国分寺 | 国際 | 小松川 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 2.56 | 3.05 | 7.66 | 2.48 | 2.25 | 3.67 | 2.19 |
2023年 | 3.52 | 3.35 | 5.91 | 1.84 | 2.94 | 4.24 | 2.32 |
2022年 | 3.23 | 2.67 | 6.53 | 2.16 | 2.50 | 3.62 | 2.62 |
2021年 | 2.84 | 4.44 | 4.59 | 2.59 | 3.58 | 3.86 | 3.38 |
2020年 | 3.61 | 2.56 | 5.41 | 1.73 | 3.11 | 3.64 | 2.52 |
進学指導特別推進校7校(小山台・駒場・新宿・町田・国分寺・国際・小松川)の2020年から2024年までの推薦入試倍率についてみてみると、以下のような傾向があるようです。
全体的な傾向
- 普通科全体(2.87~3.18倍)と比較して、学校によって大きな差がある
- 進学指導重点校(2.55~7.89倍)と比較すると、新宿高校を除き、比較的安定した倍率で推移
特徴的な学校の状況
- 新宿高校推薦入試の定員が32人と少ないため、一貫して高倍率を維持 2020年の5.41倍から2024年の7.66倍まで上昇傾向。2024年は都立高校の中で最も高い倍率を記録
- 国際高校都内唯一の国際科として、3.5~4.2倍の安定した倍率を維持 明確な目的意識を持った受験生が集中 2024年は3.67倍と、比較的高い水準を維持
- 町田高校1.73~2.59倍と、比較的低い倍率を維持
2024年入試の特徴
- 私立高校の実質無償化の影響により、多くの学校で倍率が変動
- 新宿高校(7.66倍)と国際高校(3.67倍)を除き、3倍前後かそれ以下に
- 倍率が3倍を下回った学校は、町田高校:2.48倍、国分寺高校:2.25倍、小松川高校:2.19倍
2025年入試の見通し
2025年入試の見通しについては、いくつかの重要な要因が絡み合っています。まず、駒場高校では1クラス分の募集定員減少が予定されており、これにより必然的に倍率の上昇が予想されます。2024年入試で3.05倍だった倍率は、定員減少の影響を直接受けて大きく上昇する可能性があります。
また、都立高校全体の志望動向にも注目が必要です。校長会の調査によると、都立高校への志望度は前年度の71.98%から66.97%へと5.01ポイントも減少しています。この大幅な減少は、私立高校の実質無償化による影響が顕在化してきていることを示唆しています。従来は経済的な理由で都立高校を選択していた層が、私立高校へとシフトしている可能性が高いと考えられます。
このような志望動向の変化は、進学指導特別推進校にも少なからず影響を与える可能性があります。ただし、学校の特色や教育内容を重視して志望校を選択する受験生も多いため、その影響は学校によって異なることが予想されます。特に、新宿高校や国際高校など、独自の特色を持つ学校については、引き続き一定の志望者を確保できる可能性が高いと考えられます。
進学指導推進校①(三田・豊多摩・竹早・北園)の推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

三田 | 豊多摩 | 竹早 | 北園 | |
---|---|---|---|---|
2024年 | 5.31 | 2.89 | 3.62 | 2.31 |
2023年 | 2.95 | 2.79 | 3.48 | 3.33 |
2022年 | 3.62 | 3.42 | 3.52 | 3.90 |
2021年 | 6.12 | 3.32 | 3.95 | 3.27 |
2020年 | 3.86 | 2.61 | 3.75 | 2.34 |
進学指導推進校15校の内、まずは23区内の4校(三田・豊多摩・竹早・北園)の2020年から2024年までの推薦入試倍率について、まとめました。
全体的な傾向
- 進学指導推進校全体(3.00倍)、進学指導重点校(3.06倍)、進学指導特別推進校(3.41倍)と比較すると、三田高校を除き、やや低めの倍率で推移しています
- 4校の中でも倍率の二極化が進んでおり、特に三田高校と他校との差が顕著です
三田高校の状況
- 定員変更の影響を強く受け、倍率の変動が大きい学校です
- 2024年入試では5.31倍と高倍率を記録
- しかし、校長会調査では志望倍率が1.79倍(前年比▲0.22)と低下
- 2025年入試では、2024年の高倍率の反動と私立高校の実質無償化の影響により、倍率低下の可能性があります
竹早高校の動き
- これまで3.5~4.0倍と安定的に推移
- 2025年入試では1クラス分の定員増が予定
- 校長会調査で志望倍率が1.31倍(前年比▲0.50)と大幅低下
- 定員増と志望度低下の双方の要因により、2025年入試では倍率の大幅な低下が予想されます
その他の学校の動向
- 豊多摩高校 2024年入試は2.89倍とやや低調。2025年校長会(第一志望)調査では1.79倍(前年比+0.11)と微増
- 北園高校 2024年入試は2.31倍と4校中最低。2025年校長会(第一志望)調査では1.61倍(前年比+0.04)と横ばい
2025年入試の見通し
2025年入試に向けては、複数の要因が絡み合って各校の状況に影響を与えることが予想されます。最も注目すべきは私立高校の実質無償化の影響であり、これが各校の志望動向に大きな変化をもたらしています。特に竹早高校では志望倍率が1.31倍(前年比▲0.50)と大幅に低下し、三田高校でも1.79倍(前年比▲0.22)と顕著な減少が見られます。
一方で、この影響は学校によって異なる様相を見せています。豊多摩高校は志望倍率が1.79倍(前年比+0.11)と微増し、北園高校も1.61倍(前年比+0.04)と横ばいを維持しています。この違いは、各校の特色や地域性、これまでの入試実績などが複雑に関係している可能性があります。
さらに、学校ごとの構造的な要因も2025年入試の結果に大きく影響すると考えられます。竹早高校では1クラス分の定員増が予定されており、これに志望度の低下が重なることで、推薦入試の倍率に大きな変動が予想されます。また、三田高校については2024年入試での高倍率(5.31倍)の反動が懸念され、私立高校人気と相まって、例年とは異なる展開となる可能性があります。これらの要因が複合的に作用し、2025年入試では各校の個性がより際立つ結果となることが予測されます。
進学指導推進校②(墨田川・城東・江北・江戸川・上野)の推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

墨田川 | 城東 | 江北 | 江戸川 | 上野 | |
---|---|---|---|---|---|
2024年 | 3.11 | 4.97 | 2.56 | 3.64 | 2.61 |
2023年 | 2.55 | 4.56 | 3.81 | 3.7 | 2.84 |
2022年 | 2.84 | 4.48 | 2.68 | 3.41 | 3.27 |
2021年 | 2.52 | 5.98 | 2.47 | 3.68 | 3.89 |
2020年 | 2.58 | 4.79 | 3.03 | 4.11 | 3.40 |
続いて、進学指導推進校の内、23区内の5校(墨田川・城東・江北・江戸川・上野)の2020年から2024年までの推薦入試倍率について、まとめました。
全体的な傾向
- 進学指導推進校全体(2024年:3.00倍)と比較すると、城東高校は大きく上回り、その他は同程度の水準に落ち着いている。
- 進学指導重点校(3.06倍)や進学指導特別推進校(3.41倍)と比較すると、城東高校を除き、やや低めの倍率で推移
城東高校の特徴的な動き
- 5校の中で一貫して最も高い倍率を維持
- 2020年から2024年まで4.5倍以上を維持。2021年に5.98倍で高倍率となり、 2024年も4.97倍と依然として高倍率を維持。
- 2025年は1クラス分定員減により、さらなる倍率上昇の可能性
その他の学校の推移
- 江戸川高校3.4倍から4.1倍の間で比較的安定。2024年は3.64倍と5校中2番目の高倍率
- 墨田川高校2.5倍から3.1倍の間で推移。2024年は3.11倍と若干上昇傾向
- 上野高校2021年の3.89倍をピークに下降傾向。2024年は2.61倍まで低下
- 江北高校2023年に3.81倍まで上昇するも、2024年は2.56倍と大幅に低下
2025年入試への展望
2025年入試に向けた校長会調査(2024年12月実施、1/8発表)の結果からは、都立高校の志望動向に大きな変化が見られます。特に注目すべきは、墨田川高校の志望倍率が0.90倍(前年比▲0.23)と1倍を下回り、従来高い人気を誇ってきた城東高校も1.62倍(前年比▲0.39)と大幅な低下を示している点です。一方で、上野高校(1.81倍、前年比+0.15)と江北高校(1.73倍、前年比+0.20)は志望倍率を伸ばし、江戸川高校(1.44倍、前年比▲0.13)は比較的小幅な減少に留まっています。
この結果には、私立高校の実質無償化政策の影響が色濃く反映されていると考えられます。特に、これまで高い倍率を維持してきた学校での志望度低下が顕著であり、学校選択の多様化が進んでいることを示唆しています。
2025年入試では、実際の推薦倍率と志望度調査の結果との間に興味深い乖離が生じる可能性があります。特に城東高校については、1クラス分の定員減少が予定されているため、志望倍率の低下にも関わらず、実際の推薦入試では高い倍率となる可能性があります。また、学校間での志望度の差が広がっていることから、推薦入試の倍率にも従来以上の格差が生じることが予想されます。
これらの動向は、都立高校の入試システム全体に対して新たな課題を投げかけており、今後の推移が注目されます。
進学指導推進校③(武蔵野北・小金井北・日野台・調布北・多摩科学技術・昭和)の推薦入試倍率の推移(2020年~2024年)

武蔵野北 | 小金井北 | 日野台 | 調布北 | 多摩科学技術 | 昭和 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 2.04 | 2.63 | 2.52 | 1.79 | 1.68 | 3.34 |
2023年 | 2.43 | 1.67 | 2.78 | 2.22 | 1.97 | 3.40 |
2022年 | 2.02 | 2.35 | 2.45 | 2.48 | 1.71 | 3.77 |
2021年 | 3.48 | 2.61 | 2.70 | 2.54 | 2.24 | 3.05 |
2020年 | 2.70 | 2.09 | 2.73 | 2.09 | 2.00 | 3.44 |
進学指導推進校の多摩地区6校の推移について、2024年入試結果と2025年入試に向けた校長会調査の結果を踏まえて分析をまとめました。
全体的な傾向
- 進学指導推進校全体(3.00倍)と比較すると、昭和高校を除き、全体的に低めの倍率で推移
- 進学指導重点校(3.06倍)や進学指導特別推進校(3.41倍)と比較しても、総じて低い水準
昭和高校の特徴的な動き
- 6校の中で一貫して最も高い倍率を維持
- 2020年から2024年まで3倍台を継続(3.34~3.77倍)
- 校長会調査でも1.75倍(前年比+0.06)と、6校中最も高い志望度を維持
その他の学校の推移
- 武蔵野北高校2021年の3.48倍をピークに大きく低下し、2024年は2.04倍まで下降。2025年の校長会調査では1.19倍と更なる低下傾向
- 小金井北高校2024年は2.63倍と持ち直すも、校長会調査では1.44倍と大幅な志望度低下
- 日野台高校2.4~2.8倍の間で比較的安定して推移も、校長会調査で1.10倍と大きく低下
2025年入試への展望
- 私立高校の実質無償化の影響が顕著に表れており、6校中4校で志望倍率が大幅に低下
- 特に日野台高校(1.10倍)と多摩科学技術高校(1.07倍)は1倍台前半まで低下
- 一方で昭和高校は相対的に高い志望度を維持
- 定員の増減予定がないため、志望度の変化が直接的に倍率に影響する可能性が高い
多摩地区の進学指導推進校においては、私立高校の実質無償化の影響が地域全体に強く表れています。校長会調査の結果を見ると、調布北高校(前年比+0.03)と昭和高校(前年比+0.06)がわずかながら志望倍率を伸ばした一方で、その他の学校では軒並み志望倍率が低下しており、特に日野台高校(1.10倍)や多摩科学技術高校(1.07倍)では大幅な減少が見られます。
この傾向は、多摩地区特有の教育環境が影響している可能性があります。地域内に複数の私立高校が存在し、通学圏内に有力私立校を多く抱える地理的特性から、実質無償化の影響がより顕著に表れているものと考えられます。
2025年入試に向けては、昭和高校が1.75倍と比較的高い志望倍率を維持している一方で、他校との志望度の差が広がりつつあります。各校の定員に変更がない中で、この志望度の差は実際の入試倍率にも反映される可能性が高く、学校間での二極化が進むことが予想されます。このような状況下では、各校が持つ独自の教育特色や進学実績をより一層アピールし、受験生や保護者に対して都立高校ならではの魅力を示していくことが求められています。
都立トップ校の推薦入試、私立無償化で志望動向に変化 | 高倍率校と低倍率校の二極化の可能性も
都立高校の推薦入試倍率は、学校によって大きく異なる結果となっています。2024年入試では、三田高校(5.31倍)や新宿高校(7.66倍)、城東高校(4.97倍)など一部の学校で高倍率を記録。一方で、多くの学校では前年を下回る結果となり、特に進学指導推進校では3倍を下回る学校が目立ちました。
2025年入試に向けては、複数の要因が倍率に影響を与えそうです。三田高校や城東高校では1クラス分の定員減少が予定されており、竹早高校では定員増が見込まれています。また、私立高校の実質無償化の影響も顕著に表れており、校長会調査では多くの学校で志望倍率の低下が確認されています。特に多摩地区の進学指導推進校では、日野台高校(1.10倍)や多摩科学技術高校(1.07倍)など、軒並み志望倍率が低下しており、地域による影響の差も浮き彫りとなっています。
ただし、その影響は一様ではありません。新宿高校(32名の少人数募集)や国際高校(都内唯一の国際科)、三田高校(帰国生枠併設)など、特色ある入試形態や教育プログラムを持つ学校では、依然として高い倍率が予想されます。また、調布北高校や昭和高校など、一部の学校では志望倍率が微増するなど、学校による差も見られます。
2025年入試では、各校の募集定員の変更と志望動向の変化が相まって、推薦入試倍率の学校間格差がより広がる可能性があります。今後は、各校がいかに特色ある教育内容や進学実績をアピールできるかが、志望者確保の重要なポイントとなりそうです。
<参照元>
ページ内のデータは東京都教育委員会発表資料・各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ修正・変更となっている場合もありますので、正確なデータは東京都教育委員会、各都立高校の最新データをご確認ください。