【2025年都立高校入試】<推薦入試|応募倍率>専門学科・総合学科の推薦入試応募状況

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都立高校の専門学科では、実践的な学びを通じて、将来の職業や進路に直結する専門的な知識・技術を習得することができます。2025年度入試の推薦では、商業・ビジネス、工業、農業、その他専門学科、総合学科において、各校・各学科の特色を活かした選考が実施されました。今回は、専門学科における推薦入試の志願状況について、各学科群の動向を分析していきます。

目次

商業、ビジネスコミュニケーションに関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

商業・ビジネス系の専門学科では、簿記会計やビジネス実務、情報処理など、将来のビジネスパーソンとして必要な専門知識と実践力を養います。近年では、ビジネスコミュニケーション科が新設されるなど、時代のニーズに応じた教育改革も進められています。

商業、ビジネスコミュニケーションに関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

募集人員の状況

募集人員については、8校全てが前年度と同じ人数を維持しています。ビジネス科は70名~84名、ビジネスコミュニケーション科は70名~84名の募集となっており、大きな変更は見られません。

応募状況の特徴

  • 第一商業が前年度比+16名と大きく志願者を伸ばし、125名の応募がありました。
  • 第五商業は169名(前年比+6名)と、依然として多くの志願者を集めています。
  • 一方、第三商業は前年度から23名減の91名と、志願者数が大きく減少しました。
  • 大田桜台、千早のビジネスコミュニケーション科は、ほぼ前年並みの志願者数を維持しています。

倍率の変動

  • 最も大きな変動があったのは第三商業で、前年度の1.63倍から1.30倍へと大きく低下しました。
  • 第五商業は2.01倍と、唯一2倍を超える高倍率となっています。
  • 工芸高校は1.07倍と、調査校の中で最も低い倍率となりました。
  • 第一商業(1.49倍)、芝商業(1.53倍)は比較的安定した倍率を維持しています。

2025年度の商業・ビジネス系専門学科の推薦入試では、学校間で志願動向に大きな差が見られました。第一商業の志願者増加と第三商業の志願者減少が特に顕著で、その結果として倍率にも大きな変動が生じています。

全体的な傾向としては、前年度から募集人員の変更がない中で、志願者数の変動が各校の倍率に直接的な影響を与える結果となりました。第五商業の高倍率が継続している一方で、その他の学校では1.1倍から1.5倍程度の比較的安定した倍率となっています。

工業に関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

工業系の専門学科では、機械、電気、情報、デザイン、自動車など、多岐にわたる専門分野で実践的な技術教育が行われています。実習や課題研究を通じて、将来のスペシャリストとして必要な知識と技術を習得し、資格取得にも力を入れています。

工業に関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

募集人員の状況

ほとんどの学科で前年度と同じ募集人員を維持しています。六郷工科高校は「Society5.0を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクト Next Kogyo START Project」に基づく学科の改編に伴い、5学科の募集を停止。2025年度から新たに「ものづくり工学科」として募集を開始しています。工業系の募集人員は学科によって大きく異なり、10名から70名までの幅広い設定となっています。

応募状況の特徴

  • 最も注目すべき変化は、墨田工科の自動車科で、前年度から10名増の37名と大きく志願者を増やしました。
  • 一方、葛飾工科のキャリア技術では、前年度から38名減の83名と大きく志願者を減少させています。
  • 荒川工科の電子科では志願者が1名と極端に少なく、前年度から4名減少しています。
  • 工芸のアートクラフト科(34名)やデザイン科(51名)は安定した志願者数を維持しています。

倍率の変動(特に顕著な変化が見られた高校・学科)

  • 工芸のデザイン科が5.10倍と最も高い倍率となっています
  • 墨田工科の自動車科が2.64倍と大きく上昇
  • 荒川工科の電子科が0.07倍と極めて低い倍率
  • 多くの学科で前年度と比較して倍率が変動しており、学科による志願動向の差が顕著です

2025年度の工業系専門学科の推薦入試では、学科間で志願動向に非常に大きな差が見られました。デザインや自動車関連の学科が人気を集める一方で、電子や機械系の一部の学科では志願者が減少傾向にあります。

募集人員はほぼ全ての学科で維持されている中、志願者数の増減が各学科の倍率に大きな影響を与えています。特に、工芸高校のデザイン系学科や墨田工科の自動車科などでは高い倍率となっており、専門分野による志願傾向の違いが明確に表れた結果となっています。

農業に関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

農業系の専門学科では、栽培、畜産、食品加工、環境保全など、農業に関する幅広い分野の学習が行われています。実習を重視した実践的な教育活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を目指しています。

農業に関する学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

募集人員の状況

農業系専門学科では4校(園芸、農芸、農産、瑞穂農芸)全てにおいて、前年度と同じ募集人員を維持しています。学科ごとの募集人員は10名から28名と比較的小規模な募集となっています。

応募状況の特徴

  • 瑞穂農芸の畜産科学科が39名(前年比+18名)と志願者を増やしました。
  • 農産の都市園芸科では47名から27名へと20名の大幅な減少が見られました。
  • 一方で、農産の園芸デザイン科では31名から47名と16名増加しています。
  • 農芸の園芸科学科では16名から28名と12名増加し、前年度を大きく上回る志願者数となっています。

倍率の変動

  • 最も高い倍率となったのは瑞穂農芸の畜産科学科で3.90倍(前年度2.10倍から大幅上昇)
  • 園芸の動物では3.60倍と高い倍率を維持していますが、前年度の4.20倍からは低下
  • 農産の都市園芸科は1.93倍と、前年度の3.36倍から大きく低下
  • 全体的に見ると、1.29倍から3.90倍まで学科により大きな差が見られます

2025年度の農業系専門学科の推薦入試では、畜産系学科への志願者増加が目立つ結果となりました。特に瑞穂農芸高校の畜産科学科では大幅な倍率上昇が見られ、畜産分野への関心の高まりが伺えます。一方で、都市園芸科のような従来人気のあった学科では志願者の減少が見られ、志願動向に変化が生じています。全体として各校の募集人員は安定している中で、学科による志願者数の増減が顕著となり、結果として倍率にも大きな変動が生じる結果となりました。

その他専門学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

海洋、科学技術、福祉、芸術など、特色ある専門教育を行う学科群です。それぞれの分野で高度な専門性を持つ教育が展開され、特定の職業分野や進学に向けた専門的な知識・技術を習得することができます。各校とも独自の教育活動を通じて、専門分野のスペシャリストの育成を目指しています。

その他専門学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

募集人員の状況

ほとんどの学科で前年度と同じ募集人員を維持していますが、八王子桑子の4学科(デザイン科、クラフト分野、システム情報分野、ビジネス情報分野)のみ、前年度から4~7名の増員が見られました。

応募状況の特徴(注目すべき志願動向)

  • 大島海洋国際の海洋国際科は54名(前年比+6名)と増加
  • 総合芸術の美術は122名(前年比-9名)ながら依然として高い志願者数を維持
  • 瑞穂農芸の生活デザイン科は49名(前年比+18名)と大幅増加
  • 赤羽北桜の調理は40人→20人と志願者が半減
  • 科学技術の科学技術科は84名(前年比-22名)と大きく減少
  • 国際の国際科は124名(前年比-30名)と志願者が大きく減少

倍率の変動(注目すべき動向)

特に顕著な倍率:

  • 総合芸術の美術が5.08倍と最も高倍率
  • 駒場の保健体育が5.00倍と続く
  • 科学技術の創造理数は0.63倍と低倍率
  • 八丈の農芸・家政は志願者0名で倍率0倍

主な変動:

  • 赤羽北桜の調理は4.00倍から2.00倍へと大きく低下
  • 赤羽北桜の介護福祉は1.10倍から2.50倍へと上昇
  • 野津田の福祉は0.70倍から1.20倍へと改善

2025年度のその他専門学科の推薦入試では、芸術系や探究系の学科で高い倍率が維持される一方、実学系の学科では志願動向に大きな変化が見られました。特に総合芸術の美術や駒場の保健体育といった特色ある学科では5倍を超える高倍率となっています。

一方で、海洋や科学技術といった分野では志願者の減少が目立ちました。八王子桑子では募集人員を増やす改革を行いましたが、その効果は学科によって異なる結果となっています。全体として、学科の特色による志願動向の差が顕著に表れた入試結果となりました。

総合学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

都立高校の総合学科は、生徒の興味・関心や進路希望に応じて、普通科目と専門科目の中から自由に科目選択ができる特色を持つ学科です。生徒の多様なニーズに応える教育を展開している総合学科では、各校とも特色ある教育活動を行っており、推薦入試においても学校独自の選考が行われています。

総合学科の推薦入試概況 | 高校別募集人数・応募人数・倍率

募集人員の状況

全ての総合学科高校において、前年度と同じ募集人員を維持しています。募集人員は60名から84名の範囲で、比較的大規模な募集となっています。

  • 最大:晴海総合(84名)
  • 最小:若葉総合(60名)
  • その他の学校:66名~72名

応募状況の特徴(大きな変動が見られた高校)

  • 晴海総合:242名(前年比-35名)と大幅減少
  • 世田谷総合:96名(前年比-42名)と大きく減少
  • 玉子総合:154名(前年比-36名)と志願者減
  • 一方、杉並総合は209名(前年比+13名)と増加
  • 東久留米総合も200名(前年比+62名)と大幅増加

倍率の変動

  • 最高倍率:杉並総合の3.17倍(前年度2.97倍からさらに上昇)
  • 最低倍率:世田谷総合の1.33倍(前年度1.92倍から大きく低下)
  • 大きな上昇:東久留米総合が1.92倍から2.78倍へ(+0.86)
  • 大きな低下:世田谷総合が1.92倍から1.33倍へ(-0.59)

2025年度の総合学科の推薦入試では、学校間で志願動向に大きな差が見られました。全体的な傾向として、従来から人気の高い杉並総合がさらに倍率を上げる一方で、晴海総合や世田谷総合では志願者が大幅に減少しました。特筆すべきは東久留米総合の躍進で、62名もの志願者増加により倍率が大きく上昇しています。各校の募集人員は安定している中で、志願者数の増減が各校の倍率に直接的な影響を与える結果となりました。全体として、総合学科高校間での志願動向の二極化が進んでいる傾向が見られます。

専門性と時代のニーズが交差する都立専門学科の推薦入試、志願動向に明暗

2025年度の都立高校専門学科推薦入試では、各分野で特徴的な志願動向が見られました。工芸のデザイン科(5.10倍)や総合芸術の美術(5.08倍)、駒場の保健体育(5.00倍)などの学科で高倍率となる一方、一部の工業系学科や海洋系、国際学科では志願者が減少しました。

商業・ビジネス系では第五商業が2.01倍と安定した人気を示し、農業系では畜産系学科への関心が高まりを見せています。工業系では、デザインや自動車関連学科に志願が集中する傾向が顕著となりました。総合学科では、学校間での志願動向の差が広がり、特に杉並総合(3.17倍)や東久留米総合(2.78倍)が高い倍率を記録しました。

全体として、Society5.0時代を見据えた創造的な分野や、持続可能な社会の実現に関わる分野への志願者が増加傾向にある一方で、従来型の専門分野では志願者の減少が目立つ結果となりました。この傾向は、産業構造の変化や社会のニーズの変化を反映したものと考えられ、今後の専門高校教育のあり方を考える上で示唆に富むものとなっています。


<参照元>
ページ内のデータは東京都教育委員会発表資料・各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ修正・変更となっている場合もありますので、正確なデータは東京都教育委員会、各都立高校の最新データをご確認ください。

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