東京都立国立高等学校は、東京都国立市にある都立高校で、通称「国高」と呼ばれています。1940年に東京府立第十九中学校として開校し、1950年に現在の名称となりました。進学指導重点校に指定されており、かつては学校群制度の下で東大合格者を多数輩出していました。校則が少なく自由な校風が特徴で、生徒の自主性を重視しています。1学年8クラスで3年間クラス替えのない「持ち上がり制」を採用しています。部活動が盛んで、ほぼ全員が参加する中で文武両道の進学指導が行われています。自習室の開放や夏期講習、高大連携の取り組みなど、進路支援が充実しています。さて、2024年度卒業生は、コロナ禍が明け、日本一の文化祭と言われる「国高祭」の一般公開が復活した年の卒業生となります。受験学年である高校三年生も全力で「国高祭」の準備に明け暮れると言われる国立高校の合格実績はどうだったのでしょうか。<国立高校について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftokyo-metropolitan-high-school.com%2Fcontents%2Fintroduction-to-kunitachi%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FVmCKjUQ%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E【2024年度】都立国立高校の最難関国公立大学(東京一工+医学部)合格者数大学名現役浪人合計東京大学11617京都大学347一橋大学15419東京工業大学369国公立大学医学部639合計(医学部重複除く)382361都立国立高校の2024年度における、東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学、そして国公立大学医学部医学科といった最難関国公立大学への合格者数は、合計で61名となりました。この内訳は、現役合格者が38名、浪人生の合格者が23名という構成になっています。大学別の合格者数を詳しく見ていくと、東京大学への合格者は17名(現役11名、浪人6名)です。受験情報サイト「インターエデュ」の調査によると、都立国立高校の東京大学合格者数は全国の高校別ランキングで都立西高校と並んで36位にランクインしています。都立の中でも上位校としてしっかりした実績を出しており、全国的にも一定の評価を得ています。参考:インターエデュ「東大・京大・難関大学合格者ランキング_東京大学」次に京都大学ですが、こちらの合格者数は7名(現役3名、浪人4名)です。同じ都立高校の御三家と括られる日比谷高校(11名)や西高校(19名)と比較すると、やや合格者数は少なめではあるものの、それでも関東圏の高校では京都大学を志望する生徒は少ない傾向があるため、この数字でも立派な成果といえるでしょう。一橋大学に関しては、合格者数が19名(現役15名、浪人4名)と非常に多く、全国的に見ても優秀な結果となっています。この数字は現役・浪人を合わせた合格者数で全国4位という驚異的な実績です。さらに、現役合格者数に限っても全国4位にランクインしています。一橋大学は都立国立高校と同じくJR国立駅を最寄り駅としていることから、物理的な距離の近さが影響し、受験者数が多いのも一因として挙げられるでしょう。参考:インターエデュ「東大・京大・難関大学合格者ランキング_一橋大学」東京工業大学への合格者数は9名(現役3名、浪人6名)です。例年、国立高校からは10名から15名程度の合格者が出ていますが、2024年度はやや少なめの結果となりました。しかしながら、都立高校の中でも東京工業大学への進学者数が比較的多い点は評価すべきポイントです。国公立大学医学部の合格者は9名(現役6名、浪人3名)となっています。現役・浪人合わせた例年10人前後合格していますので、ほぼ例年通りの結果となりました。東京大学・京都大学の医学部には現役合格はでていませんので、医学部の重複はなく、合計では、最難関とされる国公立大学には、現役38名・浪人23名の合計61名が合格しています。浪人生の合格者が23名ということから、全合格者に占める浪人生の割合は37.7%です。都立日比谷高校の浪人率27.9%、都立西高校の48.5%と比較すると、都立国立高校の浪人率はその中間に位置しています。都立国立高校といえば、毎年多くの生徒が日本一とも称される「国高祭」に多くのエネルギーを注ぎます。特に高校3年生にとっては受験勉強と両立しながらも、文化祭に全力を尽くす姿勢が特徴的です。そのため、現役合格よりも浪人を見据えた受験戦略を取る生徒も少なくないと言われています。このように、国立高校は学問と行事の両立を大切にしつつ、毎年最難関大学への合格者を多く輩出しており、都立のトップ校としての地位を確立しています。都立国立高校の最難関国公立大学(東京一工+医学部)の現役合格者数_5カ年推移都立国立高校は、例年、最難関国公立大学に50人以上の現役合格者を輩出してきましたが、2024年度は38人と大幅に減少しています。東京大学の合格者数は前年より3名増加したものの、京都大学では8名、東京工業大学でも8名の減少が見られ、これが結果的に最難関大学全体の現役合格者数の減少に繋がっています。都立国立高校といえば、都内だけでなく全国的にも有名な文化祭「国高祭」を毎年開催しており、来場者数が1万人を超える大規模な行事です。2023年の国高祭は、コロナ禍後初めて一般公開が再開された年でもあり、その影響が2024年卒業生の受験にも少なからず影響を与えた可能性があります。都立国立高校現役生の最難関国公立大学(東京一工+医学部)の大学別合格者数・1学年に占める人数比都立高校の1学年の人数は例年おおよそ320人前後です。都立トップ校は浪人してでも最難関を目指す学生が多い傾向があると言われていますが、都立国立高校はその傾向に加え、日本一と称される文化祭も浪人を生み出す要因となっているとまことしやかにささやかれています。卒業する学生の内、最難関国公立大学に現役で合格する人数比率を調べてみました。東京大学への現役合格者数は11人と2桁にのせ、現役合格者人数比率は3.5%となりました。都立高校内で比較すると、日比谷高校が飛びぬけていますが、その他同レベル帯の進学校として語られる西高校は現役合格者6人、同じく戸山高校は8人とほぼ同じくらいの2番手群となっています。例年2桁前後の合格者を輩出し、2024年も11人の現役合格を出していますので、国立高校内の最上位層は文化祭の影響は受けていないのかもしれません。京都大学への現役合格者は3人(現役合格者人数比率は1.0%)と直近5年間で最も少なくなりました。昨年、一昨年ともに2桁合格を出していましたので、2024年に大幅減となっています。一橋大学への2024年度の現役合格者数は15人、現役合格者人数比率は4.8%となりました。毎年2桁、多い時は20人に迫る現役合格者を輩出しています。地の利というわけではありませんが、学校同士が近いことで一橋大学の志望度が強い可能性も大いにあるでしょう。東京工業大学の現役合格者は3人、1学年に占める現役合格者人数比率は1.0%となりました。直近5年間は11人~16人と2桁合格でしたので、2024年は大きく合格実績が減少しています。国公立医学部の現役合格者は例年5人前後、1学年に占める現役合格者者人数比率は1~2%で推移しており、直近5年間で大きな増減はありません。2024年は6人(1.9%)と例年通りとなりました。国立高校の卒業生の最難関国公立大学への現役合格者人数比率は、直近5年間では16~17%(50人前後)でしたが、2024年は12%(38人)と減少しています。一般公開が解禁となった文化祭の影響を受けたのか、たまたま苦戦する代だったのかは2025年の結果を見ての判断になるかと思います。しかしながら、東京大学に2桁の現役合格者を輩出し、最難関大学に現役生の10%強の学生が合格するわけですから、都立御三家として面目躍如の素晴らしい成果と言えるでしょう。【2024年度】都立国立高校の旧帝大(東大・京大除く)+TOCKY合格者数旧帝大(旧帝国大学)合格者数大学名現役浪人合計北海道大学819東北大学7411名古屋大学101大阪大学112九州大学314合計20727TOCKY合格者数大学名現役浪人合計筑波大学314お茶の水女子大学235千葉大学112横浜国立大学8513神戸大学022合計141226都立国立高校の2024年度における、最難関国公立大学(東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学・国公立大学医学部)に次ぐ難関大学群として知られる旧帝大(東京大学・京都大学を除く)および、最近注目されている新たな難関国立大学群「TOCKY」(筑波大学・お茶の水女子大学・千葉大学・神戸大学・横浜国立大学)の合格者数をまとめました。この難関国公立大学(旧帝大+TOCKY)に合格した国立高校の生徒は、合計で60名(現役39名、浪人21名)となりました。現役合格者数39名は、最難関国公立大学(東京一工医)の現役合格者数35名とほぼ同等です。一方で、浪人合格者数21名は、最難関大学(東京一工医)の浪人合格者数33名と比較するとやや少ない結果となっています。これから考えると、浪人してまで挑戦する場合、東京一工医などの最難関大学を目指す層が多いことが伺えます。旧帝大の中で最も合格者数が多かったのは、東北大学の14名(現役8名、浪人6名)です。次いで北海道大学が12名(現役8名、浪人4名)となり、これら2大学が最も現役合格者を多く出した結果となりました。また、次点には横浜国立大学が続いており、都立国立高校では東北大学・北海道大学が特に人気の高い選択肢となっていることがわかります。旧帝大の合格者数をさらに分けて見ると、現役合格者は21名、浪人合格者は13名でした。一方、「TOCKY」大学群への現役合格者数は18名、浪人合格者は8名でした。このデータからは、旧帝大とTOCKYの合格者数は、現役・浪人ともにバランスよく分布していることが分かります。興味深いのは、都立トップの一校である日比谷高校と比較すると、国立高校生の志望大学には大きな偏りがないという点です。日比谷高校の場合、最難関である東京一工医を目指す層とそれ以外の層がはっきりと分かれている傾向がありますが、国立高校では東京一工医、旧帝大、TOCKYの間で現役合格者数の大きな差は見られません。これは、国立高校の生徒が多様な志望校を目指していることを示しているといえるでしょう。このように、国立高校の生徒たちは、最難関国公立大学に加え、旧帝大やTOCKYといった難関国立大学にも多くの合格者を輩出しており、特定の大学に偏らず広範な進学先を選ぶ傾向が見られます。浪人してまで最難関大学を狙う生徒が多い一方で、現役の段階で幅広い選択肢を見据えた進路を描く生徒も多いのが国立高校の特徴といえるでしょう。都立国立高校の旧帝大(東大・京大除く)+TOCKYの現役合格者数_5カ年推移このグラフは、2020年から2024年までの都立国立高校における「旧帝大+TOCKY」大学群の現役合格者数の推移を示しています。合格者数の変化は、各年度によって異なる結果を示しています。2020年卒では、合計38名が合格しており、北海道大学や東北大学はじめ旧帝大、TOCKY全体でバランスよく合格者が出ています。2021年卒では、現役合格者数が42名と直近5年間ではピークに達しており、筑波大学や横浜国立大学の合格者が多かったようです。2022年卒では、現役浪人合わせて35名と減少していますが、前年同様横浜国立大学や北海道大学への合格が多く出ています。2023年卒では、合格者数は再び増加し、37名となりました。筑波大学の合格が増加し、また神戸大学の合格者も出ています。2024年卒では、合格者数は34名となり、再び減少しましたが、北海道大学や東北大学の合格は依然として多く出ています。全体として、国立高校の生徒は旧帝大やTOCKY大学群に幅広く合格者を輩出していることが伺えますが、年度ごとの合格者数には変動が見られます。特に2021年が42人と最も多く、2024年では合格者数がやや落ち込んでいますが、一定の実績を維持しています。都立国立高校の旧帝大+TOCKYの現役合格者数・1学年に占める現役合格者人数比都立国立高校の卒業生における旧帝大への現役合格者数は、直近5年間でおおむね10人から20人前後となっており、1学年に占める割合としては4%~6%程度となっています。2023年度は12名とやや少なめでしたが、それでも一定の合格者数を維持しています。2024年度には再び20名(6.4%)と回復し、例年の水準に戻りました。旧帝大の中でも特に合格者が多いのは、北海道大学と東北大学です。北海道大学には例年5名から10名程度、東北大学には4名から7名程度の現役合格者が出ています。これらの大学は首都圏からは距離があるものの、安定して志望する生徒がいることが特徴です。また、大阪大学や九州大学にも毎年1名から4名程度の合格者を輩出しており、地理的な要因に左右されない進学志向が見られます。国立高校の生徒は、エリアにこだわらず、旧帝大各校を広く視野に入れていることが窺えます。一方で、新たな難関国立大学群として注目されている「TOCKY」(筑波大学・お茶の水女子大学・千葉大学・神戸大学・横浜国立大学)への現役合格者数も、近年の傾向において注目すべきポイントです。直近5年間のTOCKYへの現役合格者数は、14名~26名の範囲で推移しており、1学年に占める比率としては4%~8%程度となっています。2024年度は14名(4.5%)と、この5年間で最も少ない合格者数となりましたが、依然として安定した実績を示しています。TOCKYの中では、筑波大学と横浜国立大学が特に人気で、毎年複数人、多い年には2桁の現役合格者を輩出しています。これらの大学は首都圏に近く、交通の便も良いため、地元志向の強い生徒にとって魅力的な選択肢となっていると考えられます。神戸大学に関しては、合格者数はやや少なめで、数年に一度数名が合格する程度となっています。こうしたデータを総合すると、都立国立高校の卒業生の中で旧帝大およびTOCKYに現役で合格する生徒はおおよそ35名程度であり、全体の約11%~約13%がこれらの大学に進学していることになります。この割合は直近数年間で大きな変動はなく、安定して同程度の生徒がこれらの難関国公立大学に現役合格を果たしていることがわかります。国立高校の生徒は、文化祭やその他の行事に力を注ぎつつも、旧帝大やTOCKYといった全国有数の難関大学への進学実績を堅持していることが見て取れます。特に現役合格者数の安定性は、学校としての教育力や学力の底上げを示しており、毎年確実に多くの生徒が最難関の進路を選んでいることが特徴です。【2024年度】都立国立高校の関東主要国公立大学合格者数関東主要国公立大学合格者数大学名現役浪人合計茨城大学000宇都宮大学000群馬大学000埼玉大学101東京藝術大学000電気通信大学505東京医科歯科大学213東京外国語大学11112東京学芸大学415東京農工大学9716東京海洋大学000東京都立大学8311横浜市立大学101関東主要国公立大学_合計411354都立国立高校の2024年度における、東京一工医や旧帝大(東大・京大を除く)+TOCKYに次ぐ、関東主要国公立大学の合格者数をまとめたところ、合計で54名(現役41名、浪人13名)の合格者が確認されました。この結果は、御三家で比較されることの多い都立西高校比較しても興味深いものとなっています。西高校の関東主要国公立大学への現役合格者数は30名であり、国立高校の41名と比べると、国立高校の方が現役合格者数で大きく上回っています。関東の主要国公立大学の中で最も合格者数が多かったのは、東京農工大学で、合計16名(現役9名、浪人7名)となっています。次に多かったのは東京外国語大学で、合計12名(現役11名、浪人1名)の合格者が出ました。特に東京外国語大学においては、現役合格者が10名と最も多く、国立高校の生徒にとって人気の進学先の一つであることが伺えます。興味深いのは、東京一工医(東京大学・一橋大学・東京工業大学・国公立大学医学部)への現役合格者数が32名、旧帝大(東大・京大を除く)への現役合格者数が20名、TOCKYへの現役合格者数が14名と比較して、関東主要国公立大学への現役合格者が41名に達している点です。これにより、国立高校では幅広い層の生徒が難関大学を目指していることがわかります。大学の難易度に応じて、バランスよく合格者が出ている点が特徴です。特に西高校と比較しても、国立高校は関東主要国公立大学への合格者が多く、地域性や志望校の分布に違いが見られるようです。都立国立高校が多摩地区に位置しているため、同じレベル帯の西高校や戸山高校と比べても、東京農工大学や東京都立大学、東京学芸大学といった多摩地区の国公立大学への現役合格者が多い傾向が見られます。東京農工大学が最多の16名の合格者を出している点を見ても、国立高校がある多摩地区に根差した大学として、国立高校の生徒にとっては身近な選択肢であることを反映しています。東京都立大学や東京学芸大学も同様に、多摩地域の学術拠点として受験生に人気があることがうかがえます。まとめると、国立高校の生徒たちは、東京一工医や旧帝大といった全国的な難関大学を目指す一方で、関東圏の主要国公立大学にも多数の合格者を輩出しています。特に多摩地区に位置する大学への進学者数が多いのは、地理的な要因も影響していると考えられます。また、西高校と比較しても、関東の主要国公立大学への合格者数では国立高校が優位に立っており、地域の特性を生かした進学傾向が見られます。全体として、国立高校の生徒たちは、大学の難易度に応じてバランスよく進路を選択しており、進学先に多様性があるのが特徴といえます。都立国立高校の関東主要国公立大学の現役合格者数_5カ年推移このグラフは、2020年から2024年にかけての都立国立高校における「関東主要国公立大学」の現役合格者数の推移を示しています。全体的な傾向として、合格者数は2021年に50名を超え、その後2022年には45名に減少しましたが、2023年には再び増加し58名と最も多くなっています。2024年は41名と再び減少傾向にあります。合格者数の推移からも、年度ごとに一定の変動はあるものの、安定して40~60名の範囲で推移していることがわかります。総じて、国立高校の生徒は、関東の主要な国公立大学に安定して多くの合格者を送り出していますが、例年合格者数が多い東京都立大学、東京学芸大学、東京農工大学の現役合格者の増減に影響され全体の数字が増減しています。直近5年間で見ると、2024年に合格実績を落としています。例年2桁合格を出している東京農工大学、東京学芸大学、東京都立大学の3校において、3校とも2桁合格に届かなかったことが影響しています。都立国立高校現役生の関東主要国公立大学別合格者数・1学年に占める人数比都立国立高校における、東京一工や旧帝大、TOCKYを除く関東主要国公立大学(茨城大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学、東京藝術大学、電気通信大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京学芸大学、東京農工大学、東京海洋大学、東京都立大学、横浜市立大学)への現役合格者数は、直近5年間で40~60名程度となっています。この合格者数は、1学年の生徒数に対する割合として13~18%に相当します。2024年度はやや少なく41名となっていますが、これに関しては、文中でも触れたように文化祭の影響があるかどうかは、今後の結果を見てから判断することになりそうです。特に目立つのは、外国語大学の中でも最高峰とされる東京外国語大学への現役合格者数です。毎年5名~10名の生徒が合格しており、語学力や国際的な視野を持つ生徒にとって、魅力的な進学先となっています。東京外国語大学は、国立高校の生徒の中でも、特に言語や国際交流に興味を持つ層に根強い人気を誇っているようです。また、東京都立大学にも毎年多くの生徒が現役合格しています。特に多い年には、20名弱の現役合格者を輩出しており、都立高校として地元志向の強い生徒にとって魅力的な選択肢となっています。東京都立大学は、法学や都市政策、環境科学など、東京という大都市に位置する利点を生かした学問領域が豊富であり、これが国立高校の生徒にとっても大きな魅力の一つといえるでしょう。東京農工大学は多摩地区に位置し、特に農学部で名門として知られています。毎年15名~20名程度の現役合格者が出ており、農学や工学に興味を持つ生徒たちにとって重要な進学先となっています。地元である多摩地域の国公立大学という点で、アクセスの良さも志望動機の一つになっている可能性があります。一方で、関東以外の地方国公立大学(医学部を除く)への現役合格者数も一定数存在します。直近5年間では、毎年3名~9名の現役合格者を輩出しており、1学年の生徒数に占める割合としては1%~3%程度となっています。この層は大きな増減もなく安定していることが特徴です。このように、国立高校では東京一工や旧帝大、TOCKYといった全国的に難関とされる大学に加え、関東圏の主要な国公立大学にも多くの合格者を送り出しています。特に東京外国語大学、東京都立大学、東京農工大学といった地元に根ざした大学への合格者が多いのは、国立高校の地理的な要素や生徒たちの興味・関心の幅広さが反映されているといえるでしょう。また、地方の国公立大学への進学者数も安定しており、地元志向だけでなく、全国的な視野を持った進路選択をしている生徒が一定数存在することが伺えます。全体として、国立高校の生徒はバランスの取れた進学傾向を示しており、進路選択においては、関東圏の主要国公立大学を重要な選択肢として捉えていることがわかります。これらの大学群に対しても、例年安定した合格者数を維持していることが、国立高校の教育力の高さを裏付けているといえます。都立国立高校の現役生に占める国公立大学群別合格人数比2024年に、都立国立高校の卒業生に占める国公立大学への現役合格者割合は40%を下回りましたが、直近の4年間ではおおむね45%前後を維持し、高い現役合格率を誇っていました。内訳としては、最難関とされる東京一工医で15~17%程度、旧帝大およびTOCKYで11~13%、関東主要国公立で14~18%となっています。日比谷高校、西高校と並んで「御三家」と称される都立国立高校ですが、日比谷高校が際立った実績を誇るため、直接的なライバルは西高校と考えられます。西高校と比較すると、最難関大学や旧帝大・TOCKYへの合格者数に大きな差はないものの、西高校は浪人して最難関大学を目指す傾向が強いのに対し、国立高校は現役で関東主要国公立大学を現実的な目標として定める生徒が多い傾向が見られます。とはいえ、都立国立高校は毎年、最難関大学を含めて国公立大学に120人以上、場合によっては150人もの現役合格者を輩出しており、学年の約半数が国公立大学に合格していることから、その実力は確かなものと言えます。都内でも屈指の国公立大学合格率を誇る都立国立高校ですが、私立大学への合格実績についてはどのようになっているのでしょうか。以下にその概要をまとめました。【2024年度】都立国立高校の難関私立大学(早慶上理+医学部)合格者数大学名現役浪人合計早稲田大学514293慶應大学412263上智大学402060東京理科大学314879私立大学医学部000合計(医学部重複除く)163132295※国立高校のサイト上の合格実績レポートには、私立大学医学部合格の単独記載がなかったため0人表記とさせていただいています。2024年の国立高校の最難関私立大学(早稲田大学・慶應大学・上智大学・東京理科大学・私立大学医学部医学科)の延べ合格者数は、合計295名(現役163名、浪人132名)となりました。都立トップの日比谷高校は現役484人・浪人171人の655人、御三家で並び称される西は現役203人・浪人214人の417人、都立2番手群に食い込んできた戸山高校は現役218人・浪人78人の296人ですから、国立高校はこれら3校と比べると、総数は戸山と同程度、現役合格者はやや少なめという結果になりました。現役浪人合計の合格者に対して浪人生の合格者比率がやや高めなのは西高校と同じ傾向ですが、複数年浪人を避けるため、押さえもしくは志願先変更で私立最難関を受験し合格となる浪人生が多いのかもしれません。大学別の内訳をみると、早稲田大学への合格者数は93名(現役51名、浪人42名)となりました。昨年は現役生が89人、浪人生が42名合格していましたので、現役生の合格数が大きく減少しています。慶應大学の合格者数は63名(現役41名、浪人22名)となりました。早稲田大学と異なり、昨年とほぼ変わらない結果(現役45名、浪人23名)となっています。上智大学は60名(現役40名、浪人20名)。インターエデュの調査によると高校別の上智大学合格者ランキングでは、都立新宿と都立西が61名で全国12位(都立2位)となっていますので、それに次ぐ全国14位相当の高い実績となります。参考情報:インターエデュ「東大・京大・難関合格者ランキング_上智大学」東京理科大学の合格者は79名(現役31名、浪人48名)。私立理系最難関と言われる東京理科大学に現浪合わせて80名弱の合格者を出しています。浪人生の合格が昨年とほぼ同数、現役生の合格は4割程度減少しています。私立大学医学部の合格者は0名(現役0名、浪人0人)となっています。※国立高校のサイト上の合格実績レポートでは言及がなかったため、0人表記とさせていただいています。最難関私立大学には、現役163名・浪人132名の合計295名が合格しています。国立高校現役生が合格した私立大学延べ合格者数が501人ですから、国立高校で私立大学に合格した約3割(約32.5%)の現役生が私立最難関大学に合格しています。国立高校は多摩地方にあり、都心の都立高校に比べ例年国公立志向の高い傾向にありますが、それを加味しても他の都立の進学指導重点校と比較すると昨年対比で現役生の合格者数が減少しているようです。国公立大学においては、最難関の東京一工医含め、国公立大学の現役合格者数も昨年対比で約30人減少し、私立大学の延べ現役合格者数も120人以上減少しています。最難関私立大学(早慶上理医)の現役合格者数は、進学指導重点校の中では、日比谷、西、戸山、青山(私立傾向が強い)に次いで5番手となっています。2004年卒の学生は、コロナ禍が明けてはじめて高校3年次の文化祭をフルパワーでやった世代となります。コロナ禍で私立最難関大学への合格者数を増やしてきた国立高校でしたが、文化祭復活に伴い国公立大学・私立大学ともに合格実績が減少しています。日本一と言われる文化祭を企画・準備・運営するわけですから、文化祭がなかったときの受験戦略とは異なるでしょう。数年ぶりに文化祭を一般公開しコロナ禍前と同様に文化祭を実施したはずですので、学校としては今年の経験を活かして、来年現役生の合格者を伸ばしていってくれることを期待します。もちろん、文化祭に全力を注ぎ現役で最難関を目指すことも素晴らしいですし、文化祭にフルパワーで臨むから現役合格のためには受験大学の目線を下げる、または浪人する予定であるなど考え方は人それぞれです。日本一の文化祭を開催する国立高校ならではの悩みになりますが、青春と受験と双方妥協することなく充実した高校生活を送ってほしいところです。都立国立高校の最難関私立大学(早慶上理+医学部)の現役合格者数_5カ年推移直近5年間においては、コロナ禍に突入した2020年から2022年までは順調に現役合格者数は増加しましたが、2023年、2024年と減少しコロナ禍前に戻ったような実態です。ここ2年は東京一工医といった最難関国公立の現役合格者数も同様に減少傾向にあり、文化祭への力の入れ具合を反比例したような結果となっています。2024年卒の学生がコロナ禍前と同じ熱量で日本一と言われる文化祭に臨んだ結果、コロナ禍前と同じような合格実績となりましたので、減少したのか元に戻ったのか判断が難しいところです。来年以降、文化祭含めてイベントが当たり前にある中で最難関私立大学への合格実績がまた増加傾向になるのか、一定数に落ち着くのか、2025年を見てみましょう。都立国立高校の現役生の延べ合格者に占める最難関私立大学(早慶上理+医学部)の合格者の割合都立高校の1学年の人数は例年おおよそ320人前後です。国立高校の1学年の現役生がどれくらいの私立大学に現役で合格しているのか、また現役生の延べ合格者数に占める各大学の合格者数の割合を調査しました。2024年の国立高校の現役生の私立大学の延べ合格者数は501人。卒業生が312人ですから、1人あたり約1.6の私立大学(学部)に合格しています。進学指導重点校7校のうち、この数値が2校を下回っているのは国立高校と西高校のみになります。浪人合格者数の多い2校でもあり、特に国立高校は2024年卒生の現役での私立合格者数が大きく減っています。最難関国公立を目指しながら、最難関含め難関私立の対策もすることはただでさえ困難なところに、国立高校は文化祭の一般公開復活が大きな要因となっているでしょう。反面、浪人時の最難関国公立・私立大学へは多数の合格者を出していますので、国立・西の2校は現役生のときには最難関国公立を目指すため私立最難関は受験せず、浪人したら最難関国公立も目指しながら最難関私立も受験し、合格していく傾向にあるのではないでしょうか。※2020年卒のデータは私立大学の延べ合格者数が不明であるため表示されていません。早稲田大学への2024年の現役合格者数は51人、延べ合格者数に占める割合は、10.2%となりました。2022年には現役で121人、延べ合格者に占める割合は18%でしたので、この2年で大きく減少した結果となりました。慶應義塾大学への2024年の現役合格者数は41人。ここ5年では2022年がピークで61人の現役合格をだしていましたが、早稲田大学と同様に逓減傾向にあります。延べ合格者に占める合格率は8.2%となりました。上智大学の2024年度の延べ合格者に占める合格率は8.0%。前年度よりは7名プラスの40人の現役合格者を出しました。しかし、増加傾向というわけではなく、2022年を起点に見ると減少しています。東京理科大学の合格者数は31名。昨年より20名弱少なくなりました。延べ合格者に占める合格率は6.2%と早稲田・上智と同様に逓減傾向です。国立高校の現役生の延べ合格者に占める最難関私立大学合格者比率は、2022年には現役合格者の半数近くの約47%となっていまし。しかし、2024年は32.5%と直近5年で最も少なくなっています。【2024年度】都立国立高校のGMARCH合格者数GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)合格者数大学名現役浪人合計学習院大学617明治大学8559144青山学院大学37946立教大学131730中央大学601979法政大学222143合計223126349最難関私立大学(早慶上理医)に次ぐ難関大学として、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)の現役合格者数を調査しました。国立高校の2024年度のGMARCHの合格者数は、合計349名(現役223名、浪人126名)となりました。日比谷高校は早慶上理>GMARCH、西高校は早慶上理≒GMARCHでしたが、2024年の国立高校は早慶上理<GMARCHとなっており、御三家三様で傾向は異なるようです。また浪人合格者数が126人と西高校を除く同レベル帯の高校に比べ、浪人生の合格が多くなっています(日比谷は75人、西は180人、戸山は44人)。現役生の内、また浪人時も第一志望は最難関国公立、浪人となったら複数年浪人を避けるため、保険でGMARCHの合格も確保しにいくため浪人生の合格者数が多いのではないでしょうか。最も合格者数が多いのは明治大学の144人(現役85人、浪人59人)、次いで中央大学の79人(現役60人、浪人19人)となりました。また最も現役合格者数が多いのは明治大学の85人となりました。都立国立高校のGMARCHの現役合格者数推移_5カ年推移2020年卒は受験時にコロナ禍突入のタイミングだと思いますが、それ以降は安定して200~250の現役合格者数となっています。直近5年間においては、さほど大きな変化はないようです。しかし、前述しましたが2024年は最難関の東京一工医と早慶上理医の現役合格者数が昨年対比で大きく減少しています。次ぐレベル帯の旧帝大やTOCKY、GMARCHの合格者数が大きく増えているわけでもなく全体的に合格者数が減っています。何度も触れていますが、大きな要因は文化祭にあると思いますので、2024年の実績がおおよそのデフォルトの数値であるのかもしれません。都立国立高校の現役生の延べ合格者に占める難関私立大学(GMARCH)の合格者の割合都立国立高校における私立大学の延べ現役合格者数のうち、GMARCHへの現役合格者は44.5%を占めており、全体のほぼ半数に達する勢いです。この割合は直近5年間にわたって安定しており、例年おおよそ40%前後で推移しています。特に2022年には一度比率が低下しましたが、2023年、2024年には再び増加傾向を示し、合格者数は回復しています。大学別に詳細を見ると、GMARCHの中で最も多くの合格者を出しているのは明治大学です。例年、全体の14~20%が明治大学に合格しており、他の大学に比べて突出した人気を誇っています。この傾向の要因としては、明治大学の学問分野の多様さや、校舎の立地などが挙げられるでしょう。一方、学習院大学への合格者は少なく、例年1%前後にとどまっているのが特徴です。また、中央大学への合格者数も他の都立高校と比較すると多めで、例年50~60人(全体の8~12%)が中央大学に合格しています。特に、多摩地区に位置しているため、国立高校の生徒にとっては通学圏内であり、地理的な要因も合格者数が多い理由の一つとして考えられます。総じて、都立国立高校の私立大学への現役合格者数のうち、GMARCHの占める割合は非常に大きく、特に明治大学や中央大学への進学が際立っていると言えます。これらの大学への合格者数が安定して多いことは、都立国立高校の生徒たちが幅広い進学先を現実的に視野に入れていることを示しており、進学指導がしっかりと機能していることがうかがえます。都立国立高校の現役生の延べ合格者に占める私立大学群別合格人数比の推移2024年度、都立国立高校の私立大学現役延べ合格者数のうち、私立最難関である早慶上理医への合格者は全体の32.5%を占め、次いでGMARCHが44.5%となっています。つまり、GMARCH以上の難関私立大学に合格した現役生は全体の77%に達し、実に8割弱の生徒が難関大学への進学を果たしていることになります。しかし、文化祭の部分的な再開を経て、2024年度には一般公開も再び盛り上がりを見せた一方で、早慶上理医への合格比率が相対的に減少し、代わりにGMARCHへの合格が増加していることが見て取れます。文化祭の復活が生徒たちのエネルギーの分散を引き起こした可能性も考えられます。都立国立高校の受験生は、日比谷高校に次ぐ2番手として西高校とともに挙げられることが多いですが、国立高校には西高校や都心の都立高校と比べて難関私立大学よりも難関国公立大学を志望する傾向が強く見られます。そのため、早慶上理医への合格者数自体は他校と比べて控えめかもしれませんが、それでも全体の8割弱がGMARCH以上の大学に現役で合格しているという点は、非常に立派な実績といえるでしょう。受験と学校生活を両立しながらこの結果を出している国立高校の生徒たちは、勉強だけでなく、文化祭などのイベントも楽しみつつ、見事に結果を残しているのが印象的です。最難関国公立を目指しつつ多摩地区の難関大学、難関私立にて合格実績を積んでいる国立高校。復活した文化祭の影響が今後どう出るか...都立国立高校は、西高校や日比谷高校と並んで「御三家」と呼ばれる名門校ですが、他校と比較して難関国公立大学を志望する生徒が多いのが特徴です。例年、現役合格者の約半数が国公立大学に進学しており、2024年には40%をやや下回ったものの、直近4年間では45%前後の高い水準を維持しています。特に、最難関の東京一工医や旧帝大への合格者も多く、難関国公立大学への強いこだわりを持っていることがわかります。また私立大学への現役合格者の内訳を見ると、最難関私立である早慶上理医への合格者が32.5%、GMARCHへの合格者が44.5%を占め、GMARCH以上の難関私立大学に合格した生徒が全体の77%に達するという驚異的な実績を残しています。注目すべきは、この高い進学実績が、学校行事の復活と並行して達成されたことです。2024年度には文化祭の一般公開が再開され、これが進学実績に微妙な影響を与えた可能性があります。具体的には、東京一工医の現役合格者数が減少、早慶上理医の合格比率がやや減少、その分GMARCHの合格者が増加しました。この変化は、文化祭などの行事が受験生のエネルギーを分散させた結果かもしれません。しかし、それでもなお高い合格率を維持していることは、国立高校の教育の質の高さを物語っています。このように、国立高校は私立大学と国公立大学の両方で高い進学実績を誇っています。2024年度の現役生はGMARCH以上の難関私立大学に77%の生徒が合格し、同時に約40%の生徒が国公立大学に合格するという実績は、同校の教育の質の高さと、生徒たちの学力の高さを如実に示しています。さらに特筆すべきは、これらの高い進学実績が、文化祭などの学校行事の復活と両立して達成されていることです。学業と学校行事のバランスを取ることは容易ではありませんが、国立高校の生徒たちはこの難題を見事にクリアしています。文化祭の復活が今後の進学実績にどのような影響を与えるかは引き続き注目されるところですが、現時点では学業と学校行事の両立を高いレベルで実現している国立高校の生徒たちの姿勢は高く評価されるべきでしょう。彼らの努力と才能、そして学校の指導力が相まって、これらの素晴らしい結果が生み出されていると言えます。ページ内の大学合格実績は各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各都立高校の最新データをご確認ください。<国立高校について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftokyo-metropolitan-high-school.com%2Fcontents%2Fintroduction-to-kunitachi%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FVmCKjUQ%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E