【2025年都立高校入試】<校長会(第一志望調査)倍率>都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の概況

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2025年1月8日、東京都教育委員会から都立高校入試において、都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査(校長会調査)が発表されました。

令和7年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果について

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/application/release2025010801.html

まず、志願者の動向を示す倍率には下記5種類あります。それぞれの倍率は公表される時期によって異なる特徴を持ち、受験生の志望校選択に重要な指標となっています。

  1. 校長会調査時の倍率(12月中旬調査時点_1月初旬発表) ※本記事で取り扱うデータ
  2. 応募倍率(都立入試の入学願書提出時点_2月上旬)
  3. 最終応募倍率(入学願書取下げ・再提出時点_2月中旬)
  4. 受検倍率(学力検査時点_2月下旬)
  5. 合格倍率(合格者発表時点_3月上旬)

今回発表された校長会調査倍率は、12月の中学校進路希望調査に基づく初期段階の倍率です。私立高校の入試を含めた全体的な進路希望を生徒が申告するため、実際の志願者数とは異なることがありますが、各高校の早期段階での人気度を把握できる重要な指標となります。

目次

令和7年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査(いわゆる校長会調査)を分析

令和7年(2025年)1月8日、東京都教育委員会から令和7年度の校長会調査の結果が公表されました。この調査は昭和51年から実施されており、都立高校への進学志望状況を把握し、進路指導の基礎資料とすることを目的としています。

調査概要:

  • 調査時点:令和6年12月12日
  • 調査対象:都内区市町村立中学校及び義務教育学校(610校)
  • 対象者数:卒業予定者77,856人

主な調査結果:

今回の調査で特に注目すべき点は、都立高校志望率の大幅な低下です。全日制高校志望者のうち都立高校を志望する割合は66.97%となり、前年度の71.98%から5.01ポイントも減少しました。志望者数では45,720人となり、前年度から3,711人の大幅な減少を記録しています。

過去5年間の推移を見ると、都立高校志望率は令和3年度から6年度まで71%前後で安定して推移してきましたが、令和7年度に入って大きく減少に転じました。この背景には私立高校の実質無償化に伴う私立高校への進学希望者の増加があると考えられます。

また、全日制高校全体(国立・私立・他県公立を含む)への進学希望者の割合は88.02%で、前年度の88.39%から0.37ポイント減少しました。実数では68,529人が全日制高校への進学を希望しており、前年度より513人減少しています。

志望校未決定者は261人で、前年度の369人から減少しており、この時点で多くの生徒が進路について一定の方向性を持っていることがわかります。

ただし、この調査は12月時点での初期段階の志望動向であり、今後の私立高校入試の結果によって、2月の実際の出願時期までには変動する可能性があります。最終的な競争率を判断するためには、2月の実際の出願状況を待つ必要があるでしょう。

本記事では、地域ごとの倍率を並べていきます。

普通科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

23区都心部

普通科|23区都心部の校長会調査時志望人数・倍率

23区東部

普通科|23区東部の校長会調査時志望人数・倍率

23区西部

普通科|23区西部の校長会調査時志望人数・倍率

多摩地区(北多摩)

普通科|多摩地区(北多摩)の校長会調査時志望人数・倍率

多摩地区(南・西多摩)

普通科|多摩地区(南・西多摩)の校長会調査時志望人数・倍率

商業、ビジネスコミュニケーションに関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

商業、ビジネスコミュニケーションに関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

工業に関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

工業に関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

農業に関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

農業に関する学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

その他専門学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

その他専門学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

総合学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

総合学科の校長会調査時高校別志望人数・倍率

また、以下に、倍率の高い傾向にある進学指導重点校・進学指導特別推進校・進学指導推進校の今回の校長会調査の倍率をまとめましたので、参考にしてみてください。

進学指導重点校の倍率(校長会調査時)推移

高校名2025年度(昨年との差)2024年度2023年度2022年度2021年度(参考)2024年の最終応募倍率
日比谷1.42+0.051.371.641.521.581.81
西1.22▲0.151.371.561.471.331.70
国立1.42▲0.101.521.441.601.411.56
戸山1.78+0.181.601.741.911.931.98
青山1.75+0.051.701.792.081.972.07
立川1.88+0.271.611.821.691.601.45(1.86)
立川_創造理数2.05+0.701.351.952.082.71
八王子東1.06▲0.051.110.981.401.291.36

※立川高校は普通科と創造理数科の併願が可能なため、昨年度の最終応募倍率のデータは普通科+創造理数科にて不合格となった人数を暫定で算出し、( )書きにて記載しています。

令和7年度 進学指導重点校の志望動向分析

進学指導重点校は都立高校の中でも難関校として位置づけられ、多くの受験生が目指す学校群です。令和7年度(2025年度)の校長会調査における志望動向について、特徴的な点を分析します。

全体的な傾向

令和7年度の調査では、都立高校全体の志望率が大きく低下(前年比5.01ポイント減)する中、進学指導重点校に関しては学校ごとに異なる傾向が見られます。

個別校の分析

立川高校・立川高校_創造理数科が最も大きな注目点です。立川高校は1.88倍(前年比0.27ポイント増)、立川理数科は2.05倍(前年比0.70ポイント増)と、ともに大幅な上昇を示しています。特に理数科の伸びが顕著です。

※立川高校は普通科と理数科の併願が可能なため、現時点での普通科の実質的な倍率はさらに高いと想定されます。

戸山高校は1.78倍(前年比0.18ポイント増)、青山高校は1.75倍(前年比0.05ポイント増)と、ともに前年を上回る人気を維持しています。

一方、西高校は1.22倍(前年比0.15ポイント減)、国立高校は1.42倍(前年比0.10ポイント減)と、やや志望者が減少しています。

日比谷高校は1.42倍(前年比0.05ポイント増)と、ほぼ横ばいで推移しています。

八王子東高校は1.06倍(前年比0.05ポイント減)と、進学指導重点校の中では比較的低い倍率となっています。

今後の展望

この調査は12月時点での初期段階の志望動向であり、前年度の最終応募倍率と比較すると、多くの学校で大きく開きがあることがわかります。例えば昨年度の日比谷高校は校長会調査時の倍率は1.37倍でしたが最終応募倍率は1.84倍、立川理数科は校長会調査時の1.35倍に対し、前年度の最終応募倍率は2.71倍でした。

都立高校全体の志望率が低下傾向にある中で、進学指導重点校、特に立川高校・立川理数科の人気は依然として高く、理数教育への注目度の高まりを示している可能性があります。ただし、これらの数値は今後の私立高校入試の結果によって変動する可能性があり、最終的な競争率を判断するためには2月の実際の出願状況を待つ必要があります。

進学指導特別推進校の倍率(校長会調査時)推移

高校名2025年度(昨年との差)2024年度2023年度2022年度2021年度(参考)2024年の最終応募倍率
小山台1.17+0.071.101.361.321.191.35
駒場1.95+0.371.581.601.431.871.83
駒場_保体1.68+0.181.501.351.181.431.75
新宿1.58▲0.692.271.961.931.432.42
町田1.09▲0.241.331.051.141.201.42
国分寺1.36+0.271.091.531.451.681.45
国際_一般1.51▲0.291.802.342.001.762.42
小松川1.100.001.101.021.281.401.27

令和7年度 進学指導特別推進校の志望動向分析

進学指導特別推進校は、進学指導重点校に次ぐ難関校として位置づけられ、大学進学実績でも注目される学校群です。令和7年度(2025年度)の校長会調査における志望動向について、特徴的な点を分析します。

全体的な傾向

進学指導特別推進校では、学校によって志望動向に大きな差が見られ、特に新宿高校と駒場高校で対照的な変化が表れています。

個別校の分析

駒場高校は1.95倍(前年比0.37ポイント増)と大幅な上昇を示し、特別推進校の中で最も高い倍率となっています。同校の保健体育科も1.68倍(前年比0.18ポイント増)と堅調な人気を維持しています。

新宿高校は1.58倍(前年比0.69ポイント減)と大きく志望者が減少しています。前年度の2.27倍から見ると大幅な低下となりましたが、これは前年度が特に高い倍率だったことも影響していると考えられます。

国際高校も1.51倍(前年比0.29ポイント減)と志望者が減少しています。同校は例年2.0倍前後の高い人気を保っていましたが、今回は比較的低い倍率となりました。

小山台高校は1.17倍(前年比0.07ポイント増)、国分寺高校は1.36倍(前年比0.27ポイント増)と、緩やかな上昇を示しています。

一方、町田高校は1.09倍(前年比0.24ポイント減)、小松川高校は1.10倍(前年変動なし)と、比較的低い倍率にとどまっています。

今後の展望

この調査は12月時点での初期段階の志望動向であり、前年度の最終応募倍率と比較すると、特に人気校で大きな開きがあることがわかります。例えば昨年度の新宿高校は校長会調査時の2.27倍からさらに上げて、最終応募倍率は2.42倍でした。同様に国際高校も1.80倍が最終的には2.42倍まで上昇しています。

都立高校全体の志望率が低下傾向にある中で、駒場高校の両学科で志望者が増加している点は注目されます。ただし、これらの数値は今後の私立高校入試の結果によって変動する可能性が高く、最終的な競争率を判断するためには2月の実際の出願状況を待つ必要があります。特に新宿高校や国際高校は、例年の傾向から見ても最終的な倍率が大きく上昇する可能性があります。

進学指導推進校の倍率(校長会調査時)推移

高校名2025年度(昨年との差)2024年度2023年度2022年度2021年度(参考)2024年の最終応募倍率
三田1.79▲0.222.011.652.082.491.93
豊多摩1.79+0.111.681.601.781.501.87
竹早1.31▲0.501.811.901.891.912.31
北園1.61+0.041.571.751.921.481.78
墨田川0.90▲0.231.131.101.100.861.28
城東1.62▲0.392.011.911.742.021.91
武蔵野北1.19▲0.071.261.521.321.521.35
小金井北1.44▲0.211.651.851.381.321.68
江北1.73+0.291.441.851.311.161.53
江戸川1.44▲0.131.571.461.551.591.71
日野台1.10▲0.311.411.431.411.591.39
調布北1.34+0.031.311.431.561.501.59
多摩科学技術1.07▲0.241.311.421.631.471.71
上野1.81+0.151.661.611.721.801.95
昭和1.75+0.061.692.072.091.491.50

令和7年度 進学指導推進校の志望動向分析

進学指導推進校は、進学指導重点校、進学指導特別推進校に次ぐ大学進学実績校として位置づけられ、地域の進学校として重要な役割を果たしています。令和7年度(2025年度)の校長会調査における志望動向について分析します。

全体的な傾向

進学指導推進校15校の中では、上昇傾向と下降傾向が混在しており、地域による志望動向の差が顕著に表れています。

注目される学校の動向

大幅な上昇を示した学校
  • 上野高校:1.81倍(前年比0.15ポイント増)と最も高い倍率
  • 三田高校と豊多摩高校:ともに1.79倍と高い人気を維持
  • 江北高校:1.73倍(前年比0.29ポイント増)と大きく上昇
  • 昭和高校:1.75倍(前年比0.06ポイント増)と安定した人気
大幅な減少が見られた学校
  • 竹早高校:1.31倍(前年比0.50ポイント減)と大きく減少
  • 城東高校:1.62倍(前年比0.39ポイント減)
  • 日野台高校:1.10倍(前年比0.31ポイント減)
  • 墨田川高校:0.90倍(前年比0.23ポイント減)と唯一1倍を下回る
比較的安定している学校
  • 北園高校:1.61倍(前年比0.04ポイント増)
  • 調布北高校:1.34倍(前年比0.03ポイント増)
  • 江戸川高校:1.44倍(前年比0.13ポイント減)と小幅な変動
地域特性

東京都心部の学校(三田、豊多摩)と、下町地域の一部の学校(上野、江北)で高い人気が見られる一方、多摩地域の学校(日野台、多摩科学技術)では比較的低い倍率となっています。

今後の展望

校長会調査時点の倍率と前年度の最終応募倍率を比較すると、多くの学校で0.2〜0.5ポイント程度の開きがあることがわかります。特に竹早高校は、今回1.31倍ですが前年度最終で2.31倍まで上昇しており、実際の出願時には大きく状況が変わる可能性があります。

都立高校全体の志望率が低下傾向にある中で、進学指導推進校でも全体的に前年を下回る傾向が見られますが、上野、三田、豊多摩、昭和、江北などの学校では依然として高い人気を維持しています。ただし、これらの数値は今後の私立高校入試の結果によって変動する可能性が高く、最終的な競争率を判断するためには2月の実際の出願状況を待つ必要があります。

都立全体の志望率低下の中で浮かび上がる学校群別・地域別の特徴

今回の調査結果からは、都立高校全体の志望率が大きく低下する中で、学校群や地域による志望動向の差異が顕著に表れています。

進学指導重点校では、立川高校・立川理数科が大幅な志望者増加を示し、特に理数教育への関心の高まりが見られました。一方で、西高校や国立高校では志望者の減少が見られ、学校による志望動向の違いが鮮明になっています。戸山高校や青山高校は安定した人気を維持しており、伝統校としての評価が継続していることがうかがえます。

進学指導特別推進校においては、駒場高校の普通科・保健体育科がともに志望者を増やす一方で、例年人気の高い新宿高校や国際高校で大幅な志望者減少が見られました。ただし、これらの学校は例年、最終的な応募倍率で大きく数値が上昇する傾向があり、今後の動向が注目されます。

進学指導推進校では、都心部の三田高校、豊多摩高校や、下町地域の上野高校、江北高校などで高い人気が維持される一方、多摩地域の学校では相対的に志望者が減少するなど、地域特性を反映した志望動向の変化が表れています。また進学指導重点校や進学指導特別推進校と比べると、前年対比で倍率が下がっている高校が多く見受けられます。同レベル帯の私立高校を第一志望としている可能性が考えられます。

ただし、この調査は12月時点での初期段階の志望動向であり、前年度の実績を見ると、最終的な応募倍率では大きく数値が変動する可能性があります。今後の私立高校入試の結果によって、2月の実際の出願時期までには状況が変化することが予想されます。

この結果は、受験生や保護者にとって重要な参考資料となりますが、あくまでも中間的な指標として捉えるべきでしょう。最終的な競争率を判断するためには願書提出後の出願状況を注視する必要があり、柔軟な進路選択を検討することが望ましいと考えられます。

<参照データ>
令和7年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果についてhttps://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/application/release2025010801.html

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