東京都立立川高等学校(通称:立高)は、東京都立川市に位置する都内有数の伝統校で、進学指導重点校のひとつです。1901年の創立以来、120年以上にわたり「質実剛健」「自主自律」の校風を貫き、多摩地区を代表する進学校として数多くの優秀な人材を輩出してきました。
普通科に加えて2022年から創設された「創造理数科」では、先進的な理数教育を提供しており、文系・理系の両面で生徒の学力を伸ばす体制が整っています。私立・国公立を問わず難関大学への進学実績が豊富で、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、理系に強いカリキュラムを展開するなど、さらなる進化を遂げています。
ここでは、立川高校の歴史、校風、進学実績、施設、部活動、入試などについて詳しくご紹介します。
都立立川高校の歴史と伝統
東京都立立川高等学校の歴史は、1901年(明治34年)に「東京府立第二中学校」として設立されたことに始まります。当時、多摩地域での中等教育機関のニーズが高まり、それに応える形で設立されました。戦前から戦後にかけて、多摩地域においては「府立二中(立高)あり」と言われ、地域のリーダーを数多く輩出しました。特に市町村長などの自治体のリーダーや、教育、政治、経済の分野で活躍する人材を育て、多摩地区における教育の礎を築いてきました。
1960年代には、東京大学へ20~30名もの合格者を輩出するほどの進学校としての実績がありました。進学実績においても、立川高校は常に高い評価を受けており、2003年には「進学指導重点校」に指定され、さらに進学指導に力を入れるようになりました。また、2018年度からはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)にも指定され、2022年度には都立高校で初めて「創造理数科」を設置。これにより、伝統と革新を融合させた先進的な教育を展開しています。
都立立川高校の立地と最寄り駅
立川高校は、東京都立川市錦町二丁目に位置し、JR中央線・青梅線・南武線の立川駅から徒歩約8分、多摩都市モノレールの立川南駅から徒歩5分という非常に交通アクセスの良い場所にあります。東京都心からも比較的近く、通学には便利な立地です。
住所 | 東京都立川市錦町2丁目13番地5 |
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最寄り駅 | ①JR立川駅より 徒歩8分 ②多摩都市モノレール線 立川南駅 徒歩6分 |
立川駅周辺は再開発が進み、IKEAやららぽーと立川立飛といった大型商業施設が立ち並ぶ賑やかなエリアとなっています。一方、学校周辺は住宅街に囲まれており、比較的静かな環境で落ち着いて学習できる環境が整っています。立川市は自然と都市機能が共存するエリアであり、学校生活においてもリラックスした空間とアクセスの良さを両立しています。
都立立川高校の校風と教育方針
立川高校は「質実剛健」「自主自律」という伝統的な校風を持ち、自由な学びと責任ある行動を尊重する学校です。制服や校則がなく、生徒は私服で登校し、髪型やメイクなども自由です。これは、生徒一人ひとりが自己表現を大切にしながらも、学業や行事において自主的に取り組む姿勢を育むことを目的としています。校内では、自らの意思で学ぶ力と協調性が強調され、学びの自由と責任がバランスよく求められます。
また、2022年には「創造理数科」が設立され、SSH指定校として理数教育に重点を置いたカリキュラムが導入されています。これにより、生徒は科学的思考力や課題解決能力を育むことができ、理系分野での将来の活躍を目指すことができます。教育目標には「7つのC」(挑戦する心、協働する姿勢、集中力、創造性、自信、批判的思考力、市民としての義務)が掲げられ、幅広い能力の育成を目指しています。
都立立川高校の大学合格実績と進路指導
立川高校は、難関大学への進学実績が非常に高く、2024年度もその実績を維持しています。国公立大学への現役合格者数は卒業生の40%を超え、東京大学、一橋大学、東京工業大学などの難関国公立大学に毎年多数の合格者を輩出しています。また、私立大学においても、早稲田大学や慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といった最難関私立大学(早慶上理医)への合格者も多く、現役で141名が合格しています。
さらに、GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)への合格者数は2024年度には369名にのぼり、私立大学進学における立川高校の強さを示しています。進路指導においては、個別面談や進路資料を活用し、生徒一人ひとりに合った進路を徹底的にサポートしています。こうした充実した進学指導体制により、国公立・私立ともに幅広い進路が開かれています。
都立立川高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

東京都立立川高校は、都内有数の進学校として知られ、毎年多くの生徒を国公立大学や私立大学に送り出しています。2020年から2024年にかけての現役生の大学合格実績を見ると、その高い進学実績が如実に表れています。
国公立大学への進学実績において、立川高校は特筆すべき成果を上げています。東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、そして国公立医学部を含む「東京一工医」への合格者数は安定して高い水準を保っています。2024年には19名がこれらの大学に合格しており、前年の21名からわずかに減少したものの、依然として優れた実績を維持しています。
さらに、旧帝大(医学部を除く)への進学も堅調で、2024年には12名の合格者を出しています。また、TOCKY(筑波大学・お茶の水女子大学・千葉大学・神戸大学・横浜国立大学)への合格者数は15名と、例年の10~20名程度を維持しつつ、2024年はやや増加傾向を示しています。
関東の国公立大学(医学部を除く)への合格者数も63名と安定しており、2024年度も60名を超える合格者を出しています。東京農工大学、東京学芸大学、東京都立大学など、多摩地域に近い立地の立川高校の生徒にとって人気の高い大学への進学が目立ちます。
私立大学への進学実績も極めて顕著です。特に早慶上理医(早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・東京理科大学・私立医学部)への合格者数が際立っており、2024年度には合計141名の現役合格者を輩出しています。その内訳を見ると、早稲田大学に48名、慶應義塾大学に18名、上智に36名、東京理科に38人が合格しており、立川高校の生徒が私立難関大学に強いことが明らかです。
さらに、GMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)への合格者数も非常に多く、2024年には369名と前年より100名以上増加しています。これは私立大学への延べ合格者数の約46.6%を占めており、立川高校の私立大学進学者の大多数がこの層に合格していることを示しています。
このように、立川高校は国公立大学から私立大学まで幅広い進学実績を持ち、特に難関大学への合格者を多数輩出しています。2020年から2024年にかけての実績を見ると、その高い教育水準と進学指導の成果が明確に表れており、都内屈指の進学校としての地位を確固たるものにしていることがわかります。
都立立川高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(19人):東京大学(1人)、京都大学(3人)、一橋大学(8人)、東京工業大学(4人)、国公立大学医学部(3人)
- 旧帝国大学(12人):北海道大学(4人)、東北大学(6人)、名古屋大学(1人)、大阪大学(1人)、九州大学(0人)
- TOCKY(15人):筑波大学(4人)、お茶の水女子大学(1人)、千葉大学(4人)、神戸大学(1人)、横浜国立大学(2人)
- 早慶上理医(141人):早稲田大学(48人)、慶應義塾大学(18人)、上智大学(36人)、東京理科大学(38人)、私立大学医学部(1人)
- GMARCH(352人):学習院大学(12人)、明治大学(106人)、青山学院大学(32人)、立教大学(58人)、中央大学(79人)、法政大学(82人)
都立立川高校現役生の延べ大学合格人数に占める大学群別人数比(2024)

東京都立立川高校は、2024年度においても全国的に高い大学合格実績を誇る学校の一つです。同校は、「東京一工医」(東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、国公立大学医学部)といった日本の最難関国公立大学への合格者を毎年安定して輩出しています。
さらに、東京一工医に加えて、旧帝大(北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学など)と私立の最難関大学である早慶医(早稲田大学、慶應義塾大学、私立医学部)を含めると、全体の約10%の現役生がこれらの大学に合格しています。これにTOCKY(筑波大学、お茶の水女子大学、千葉大学、神戸大学、横浜国立大学)や上智大学、東京理科大学、さらには関東や地方の国公立大学の合格者を合わせると、全体の約30%が難関国公立・私立大学に合格していることになります。
また、私立大学進学希望者にも強い合格実績を誇り、難関私立大学群「GMARCH」(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)においても、非常に多くの合格者を出しています。2024年度の現役合格者数では、GMARCHに合格した生徒は全体の約46.6%を占めており、前述の難関国公立・最難関私立に加算すると、GMARCH以上の難関私立大学に現役合格した立川高校生は全体の約70%にも上ります。
ちなみにGMARCHへの現役合格者数については、2024年度において進学指導重点校の中で最も多くの現役合格者を輩出しており、都立全体で見ても新宿高校に次いで2番目の実績を誇っています。これは、立川高校が私立大学進学においても非常に強い実績を持ち、多くの生徒が難関私立大学への進学を果たしていることを示しています。
さらに、2024年度における国公立大学の現役合格者数は、全体の40%以上を占めており、日比谷高校に次ぐ都立2番手の実績となっています。国公立大学は、私立大学と異なり、原則として1人1校しか合格できませんが、これだけ多くの生徒が国公立大学に合格していることは、立川高校が高い教育水準を提供している証拠といえます。
このように、立川高校は国公立大学と私立大学の両方で非常に高い進学実績を持つ学校です。多様な進路選択が可能であり、生徒一人ひとりが自分に合った進路を実現できる環境が整っています。最難関国公立大学を目指す生徒も、私立難関大学を志望する生徒も、立川高校での学びを通じて、自分の目標に向かって力強く歩んでいくことができるでしょう。

都立立川高校のイベント・学校行事
立川高校では、学業だけでなく、充実した学校行事も魅力の一つです。5月には体育祭、6月には合唱祭が行われ、生徒たちはクラス対抗で競い合い、チームワークを深める機会となります。また、9月には文化祭と演劇コンクールが開催され、生徒主体で運営されるこれらの行事は、創造力や自主性を育む場として重要な役割を果たしています。
特に1年生が参加する臨海教室は、千葉県館山市の同窓会寮「清明寮」で行われ、遠泳などの活動を通じて生徒同士の絆を深める伝統的なイベントです。こうした行事は、生徒の人間力を高めるだけでなく、学校生活全体の充実にも寄与しています。
月 | イベント |
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4月 | 入学式、新入生歓迎会 |
5月 | 体育祭 |
6月 | 開校記念日、合唱祭 |
7月 | 防災訓練(1年)、臨海教室 |
8月 | 部活動合宿 |
9月 | 演劇コンクール、文化祭 |
10月 | ー |
11月 | 修学旅行 |
12月 | ー |
1月 | |
2月 | ー |
3月 | 卒業式、クラスマッチ、探究課題発表 |
都立立川高校の部活動や課外活動
立川高校では、運動系、文化系を問わず多様な部活動が盛んに行われており、生徒の部活動加入率は98%を超えています。部活動の数は38あり、さらに数学研究同好会や歴史研究同好会といった同好会も存在しています。部活動は兼部が可能で、定時制がある関係で17時以降の校内活動はできませんが、朝や昼休みなどを活用して工夫しながら活動が行われています。
運動系の部活動では、都大会や関東大会を目標に掲げ、日々の練習に励んでいます。例えば、サッカー部は都大会出場を目指し、学業との両立を大切にしながら活動しています。硬式野球部は甲子園大会への出場を目標とし、文武両道を追求しています。また、陸上競技部は自己ベストの更新を目指し、部員が自己成長できる環境を提供しています。さらに、水泳部や男子バスケットボール部、剣道部なども関東大会やインターハイといった高い目標に向けて取り組んでいます。
文化系の部活動も非常に充実しており、全国規模の大会で成果を上げる部も少なくありません。例えば、天文気象部は1946年から続く太陽や気象の観測データを用いて研究発表を行い、科学普及活動にも取り組んでいます。化学部や生物部も自然現象を多角的に研究し、部員同士が協力して発表を行うことで科学的探究力を高めています。吹奏楽部や室内楽部は演奏技術を磨きながら、コンクールでの金賞獲得や定期演奏会の成功を目標にしています。
特に注目すべきは演劇部やクイズ研究部の実績です。演劇部は過去に東京都高校演劇研究会で賞を受賞しており、外部の大会や校内公演でその実力を発揮しています。クイズ研究部は都立高校の中でも上位の成績を誇り、クイズ大会に積極的に参加しています。また、文芸部は部誌の充実を目指し、高文連文芸部門の大会にも参加しています。
このように、立川高校の部活動は、生徒たちが自主的に学び、成長できる場として機能しています。文化祭や体育祭といった学校行事とも密接に連携し、学校全体を活気づける役割も果たしています。生徒はそれぞれの部活動を通じて、自己の成長や仲間との協力を深め、学業と活動を両立させながら充実した高校生活を送っています。
都立立川高校の施設と環境
立川高校は、広大なグラウンドやテニスコート、体育館など、スポーツ施設が充実しており、部活動や体育の授業が活発に行われています。さらに、物理、化学、生物、地学の各実験室や天体観測ドームなど、SSH指定校にふさわしい高度な理数系の施設も整備されています。学習環境も整っており、自習室やカウンセリングルームが設けられているため、生徒たちは放課後や休日も自主的に学習に取り組むことができる環境が整っています。自習室は夜間も利用でき、長時間集中して学習できるようになっており、多くの生徒が日々自主学習に励んでいます。特に、受験期には自習室の利用率が非常に高く、受験勉強の場としても重要な役割を果たしています。
また、立川高校には天文気象部が長年活用している天体観測ドームや気象観測設備が設置されており、天文や気象に興味を持つ生徒が研究を進めています。これらの設備は、立川高校が進めるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)活動の一環として、科学技術や研究に興味のある生徒にとって非常に魅力的な学習環境となっています。
さらに、体育館や格技棟には、柔道場、剣道場、プールなどが完備され、運動部の活動にも十分な設備が整っています。テニスコートや多目的コート、広々としたグラウンドも備えられており、体育の授業や部活動において多彩なスポーツ活動が可能です。
このように、立川高校は文武両道を実現できる施設環境が整っていることが特徴であり、学業と部活動を両立させたい生徒にとって理想的な学校です。
都立立川高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
東京都立立川高等学校は、東京都から進学指導重点校に指定されており、都内の都立高校の中でも特に進学実績が優れている学校です。加えて、都立高校の中で初めて創造理数科が設置されており、理系教育に特化した新たな教育体制が整えられています。立川高校は、普通科と創造理数科の2つの学科を持っており、併願受験が可能な仕組みが設けられているため、どちらの学科も受験生にとって選択肢が広がっています。
創造理数科は、日比谷高校や西高校、国立高校と並んで都立高校の中でもトップクラスの難易度を誇っており、2025年には初めての卒業生が輩出されます。この学科が持つ強力な理数系カリキュラムとSSH(スーパーサイエンスハイスクール)としての指定を背景に、今後さらに高い大学合格実績を積み重ねることが予想されています。これにより、立川高校の受験難易度がさらに上昇し、受験生にとってますます挑戦しがいのある学校となるでしょう。
普通科についても、都立青山高校や八王子東高校と同程度の難易度を持ち、都内でも屈指の進学校として知られています。立川高校の普通科は、幅広い学問分野に対応した教育を提供しており、特に文理問わず難関国公立大学や私立大学への進学を強くサポートしています。
<創造理数科>
- みんなの高校情報:創造理数科71(東京14位、都立4位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):創造理数科69(都立2位)
- V模擬(60%合格基準):創造理数科67(東京14位、都立3位)
<普通科>
- みんなの高校情報:70(東京20位、都立6位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):66(都立7位)
- V模擬(60%合格基準):64(東京31位、都立7位)
立川高校の立地も非常に優れており、JR立川駅が最寄り駅という交通の便の良さが受験生にとって大きな魅力となっています。立川駅周辺は商業施設や文化施設が充実しており、学習環境としても生活の利便性が高い地域に位置しています。この立地条件に加え、学力面での充実したサポートがあることから、立川高校は毎年高い受験倍率を記録しています。特に多摩地域を中心に、多くの受験生が立川高校を目指しており、その人気は年々高まっています。
また、立川高校の特色として、国公立大学や私立難関大学への合格実績が非常に強いことが挙げられます。さらに、2025年に創造理数科の初の卒業生が出ることで、理数系の大学進学実績が大幅に増えることが予想されています。SSHとしての取組をさらに強化しながら、立川高校の理数教育の成果が見える形で表れてくる時期となり、同校の受験難易度がますます高くなる可能性があります。
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトを確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
尚、立川高校は日比谷・西・国立・戸山・青山・八王子東とともに進学指導重点校に指定されています。入試時の試験は、理科社会は他の都立高校受験と同じく共通問題ですが、英国数の3教科は立川高校独自の難易度の高いいわゆる自校作成問題となっています。
また、創造理数科ができたことにより、
- 普通科と創造理数科が併願できる
- 創造理数科の推薦入試は、個人面接や小論文のほかに、「研究実績に基づく口頭試問」がある
など入試形式にも他の都立高校にはない特徴が見られます。
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入試倍率(推薦・一般)
創造理数科(男女合同)の倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 2.05倍 | 1.13倍 | 4.57倍 | 4.51倍 | 4.20倍 | 3.97倍 |
2024年 | 1.35倍 | 1.13倍 | 2.71倍 | 2.71倍 | 2.44倍 | 2.31倍 |
2023年 | 3.63倍 | 1.50倍 | 3.63倍 | 3.66倍 | 3.63倍 | 3.43倍 |
創造理数科の倍率の特徴と傾向
2023年から2025年にかけての創造理数科の入試倍率は、非常に興味深い変動パターンを示しています。2023年に高い倍率であったものが、2024年には大幅に下落し、2025年に再び上昇するというV字回復の形を描いています。
特に注目すべきは2025年の一般入試における応募倍率が4.57倍と、過去3年間で最も高い数値を記録していることです。この急激な上昇は、創造理数科への関心が再び高まっていることを示しており、STEM教育(科学・技術・工学・数学)への社会的関心の高まりや、立川高校の理数教育の評判向上が背景にあるものと推測されます。
推薦入試に関しては、2023年の1.50倍から2024年・2025年は共に1.13倍と低下しています。立川高校創造理数科の推薦入試は特別推薦入試となっており、「科学分野等の研究に関するレポート」に関する口頭試問が含まれているため、応募難易度の時点でのハードルが高いことによると想定されます。
普通科(男女合同)
※2023,2024年度は立川高校公表データより、2025年度は創造理数科の合格人数を除く受検者数を併願受検者と仮定し加算
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.88倍 | 3.43倍 | 2.16倍 | 2.07倍 | 1.91倍 | 1.87倍 |
2024年 | 1.61倍 | 2.95倍 | 1.69倍 | 1.86倍 | 1.54倍 | 1.51倍 |
2023年 | 1.41倍 | 3.50倍 | 1.82倍 | 1.96倍 | 1.71倍 | 1.67倍 |
普通科の倍率の特徴と傾向
普通科の倍率は3年間を通じて比較的安定した推移を見せていますが、細かく分析すると興味深い傾向が浮かび上がります。
校長会調査時倍率は、2023年の1.41倍から2025年の1.88倍へと着実に上昇しており、普通科への初期関心が年々高まっていることを示しています。これは立川高校の普通科教育の評判向上や、進学実績の改善が背景にある可能性があります。
特に顕著なのは推薦入試の高倍率です。2023年に3.50倍、2024年に若干下落して2.95倍、そして2025年に再び上昇して3.43倍となっています。普通科の推薦入試が創造理数科のそれよりも大幅に高い倍率を維持していることは、普通科においても特色ある教育プログラムや進学実績が評価されていることを示唆しています。
一般入試においても、2025年は2.16倍と過去3年間で最も高い倍率を記録しており、全体的な人気上昇が見て取れます。
立川高校、国公立大学に加え私立難関大学の現役合格者数も増加中
立川高校は、国公立大学と私立大学の両方で高い進学実績を誇る進学校です。特に国公立大学への現役合格者数は都内トップクラスであり、2024年度も多くの生徒が東京大学、一橋大学、東京工業大学などの難関国公立大学に合格しています。また、国公立大学進学率が高いだけでなく、私立大学でもGMARCH以上の難関大学に現役生の約64%(早慶上理・GMARCH合格者数/私立大学延べ合格者数)の生徒が合格しており、私立難関校への進学実績も増加しています。
さらに、立川高校の大きな特徴は、「創造理数科」を設置している点です。2025年に創造理数科の初の卒業生が出る予定であり、理系大学進学の実績が加わることで、立川高校の評価はさらに高まることが期待されています。SSH指定校として高度な理数教育を展開し、文系・理系問わず幅広い進路を提供しています。
自由な校風の中で生徒の自主性を重んじた教育も魅力で、進学指導重点校としての伝統的な指導体制と相まって、毎年多くの生徒が難関大学へ進学しています。立川高校は今後も、国公立・私立ともに高い進学実績を維持し続けるでしょう。