東京都立西高校は、東京都杉並区に位置する都立の進学校であり、自由な校風と高い進学実績で知られています。多くの生徒が自主的に学業や部活動に取り組み、幅広い分野で活躍しています。本コラムでは、西高校の歴史から校風、進学実績、学校行事、部活動、施設、入試情報まで、その魅力を詳しくご紹介します。
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都立西高校の歴史と伝統
東京都立西高等学校は、1937年に東京府立第十中学校として開校しました。その後、戦後の学制改革により、現在の都立西高等学校へと改称されました。創立以来、80年以上にわたり、都内のトップ進学校として質の高い教育を提供してきました。戦時中は一時期校舎が空襲で被害を受けるなどの困難もありましたが、教職員と生徒たちが一丸となって復興し、再び高い教育水準を取り戻しました。
緑豊かな杉並の地で、「文武二道」「自主自律」を教育理念として、国際社会で活躍する器の大きな人材の育成を目指して様々な教育活動を行っています。
西高校は、多くの著名な卒業生を輩出しており、政治、経済、文化など様々な分野で活躍する人物を育成してきたことから、都内外で高い評価を受けています。
都立西高校の立地と最寄り駅
都立西高校は、東京都杉並区宮前に位置し、静かで落ち着いた住宅街に囲まれています。学校の周囲は緑が多く、勉強や部活動に集中しやすい穏やかな環境が整っています。最寄り駅はJR中央線の「西荻窪駅」で、駅から徒歩約10分の距離にあり、交通アクセスも便利です。西荻窪駅からは都心へのアクセスも良好で、中央線を利用すれば新宿や東京への移動も簡単です。
住所 | 東京都杉並区宮前4-21-32 |
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最寄り駅 | ①京王井の頭線「久我山」駅下車 徒歩10分 ②JR中央線「荻窪」駅より関東バス宮前3丁目行き「宮前4丁目」下車 徒歩3分 ③JR中央線「西荻窪」駅より南北バスすぎ丸「久我山駅」行き「西高校西門前」下車すぐ |
また、学校周辺には公園やカフェが点在し、生徒たちは放課後に友人と一緒にリフレッシュすることも可能です。近隣の落ち着いた雰囲気と利便性を兼ね備えた立地は、西高校での学校生活を一層豊かにしています。
明大前駅から10分、渋谷駅から20分、国分寺駅から24分、新宿駅から25分、池袋駅から31分、調布から35分、自由ヶ丘駅から36分、品川駅から38分、練馬駅から39分、八王子駅から47分、西日暮里駅から49分、町田駅から51分となっています。※久我山駅からの所要時間
都立西高校の校風と教育方針
西高校の最大の特徴の一つは、その自由な校風です。制服がなく、私服通学が認められているため、生徒一人ひとりが自分らしさを大切にしながら学校生活を送っています。
校則も比較的緩やかで、生徒たちの自主性を尊重した運営がされています。これは「自分で考え、自分で行動する力を養う」という学校の教育方針に基づいています。
また、教師と生徒の距離が近く、自由な討論や意見交換が行われる授業が展開されています。単なる知識の詰め込みではなく、深く考える力や表現力を伸ばすことが重視されています。
学校内の委員会活動や生徒会活動も非常に活発で、生徒たちが自主的に学校運営に参加する機会が多く与えられています。このような教育環境の中で、生徒たちはリーダーシップやコミュニケーション能力を育み、社会で必要な力を身につけていきます。
都立西高校の大学合格実績
都立西高校は、全国屈指の進学校として難関大学への高い進学実績を誇っています。毎年、東京大学や京都大学、一橋大学、東京工業大学などの国公立大学に多数の合格者を輩出しており、特に東京大学への進学者数は都内の公立高校の中でも上位に位置しています。さらに、早稲田大学や慶應義塾大学といった私立大学への合格者も多数います。
西高校では、大学進学を目指す生徒に対して、個別の進路指導が行われています。3年生になると、特別な補習授業や模試が頻繁に実施され、生徒たちは受験に向けて徹底した準備を行います。
また、進路相談や面談を通じて、個々の生徒に合った大学選びや受験戦略がサポートされるため、非常に手厚い受験指導が受けられる環境が整っています。難関大学合格を目指すためのノウハウが蓄積されているため、学力を伸ばしたい生徒にとっては最適な環境といえるでしょう。
都立西高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

2020年から2024年までの現役生の大学合格実績をまとめました。大学受験の最難関と言われる東京一工医(東大・京大・一橋大・東京工業大・国公立医学部)に例年30~50人ほど現役で合格しています。
さらに、私立大学の合格者数も例年最難関の早慶医(早稲田・慶應義塾・私立医学部)に100~150人、上智大・理科大で100人弱、GMARCHで200人前後の現役合格者を出しています。
都立西高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(35人):東京大学(6人)、京都大学(10人)、一橋大学(9人)、東京工業大学(4人)、国公立大学医学部(6人)
- 旧帝国大学(21人):北海道大学(8人)、東北大学(8人)、名古屋大学(2人)、大阪大学(3人)、九州大学(0人)
- TOCKY(18人):筑波大学(5人)、お茶の水女子大学(4人)、千葉大学(2人)、神戸大学(0人)、横浜国立大学(7人)
- 早慶上理医(203人):早稲田大学(71人)、慶應義塾大学(36人)、上智大学(39人)、東京理科大学(51人)、私立大学医学部(6人)
- GMARCH(200人):学習院大学(6人)、明治大学(91人)、青山学院大学(10人)、立教大学(24人)、中央大学(38人)、法政大学(31人)
都立西高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)

西高校はその自由な校風からか、他の都立進学校に比べ京都大学の合格者が多かったり、浪人での合格者数が多い傾向にあります。西高校の現役生の延べ合格者数に占める各大学の合格者数の割合を算出してみると、最難関の東京一工医で全体の約5%、旧帝大+早慶医を加えるとその比率は約25%と、現役合格者の内4分の1の学生が日本トップクラスの大学に合格しています。
また現役合格者のうち、難関大の基準と言われるGMARCH以上に合格している西高生は77%以上(1学年の4分の3以上)という素晴らしい実績となっています。

都立西高校のイベント・学校行事
西高校では、年間を通じて数多くの行事が開催され、学業以外でも生徒が充実した学校生活を送ることができます。
最も大規模な行事として、毎年9月に開催される「記念祭」があります。記念祭は生徒が主体となって企画・運営される文化祭で、クラスや部活動ごとに展示や発表が行われます。地域の人々や卒業生も訪れるこのイベントは、学校全体が一体となる最大のイベントで、生徒たちが自分たちのアイデアを形にする貴重な機会です。
その他3月と6月にクラスマッチで運動を促進していますし、運動会も西高校の伝統的な行事の一つです。運動会では、クラスや学年を超えた競技が行われ、生徒同士の団結力が強まります。
その他にも、修学旅行や文化講演会など、生徒が多様な体験を積むことができるイベントが豊富に用意されています。これらの行事は、単に楽しむだけでなく、仲間との絆を深めたり、リーダーシップを発揮したりする機会となっており、学校生活の大切な一部を形成しています。
月 | イベント |
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4月 | 入学式、新入生歓迎会 |
5月 | 体験活動(1年)、遠足(2,3年)、生徒会役員選挙、運動会 |
6月 | 生徒総会、クラスマッチ |
7月 | 林間学校(1年)、部活動合宿 |
8月 | 部活動合宿 |
9月 | 記念祭 |
10月 | 修学旅行(2年)、生徒会役員選挙 |
11月 | 文化講演会(2年) |
12月 | ー |
1月 | ー |
2月 | ー |
3月 | 卒業式、クラスマッチ、芸術鑑賞教室 |
都立西高校の部活動や課外活動
「文武二道」を教育理念として掲げているように、学業と部活動の両立が推奨されており、多くの生徒が積極的に部活動に参加しています。西高(東京都立西高等学校)には、運動部・文化部・同好会・サークルなど多岐にわたる部活動があり、生徒が積極的に取り組んでいます。
運動部では、アメリカンフットボール部や硬式テニス部、バスケットボール部、ハンドボール部が毎年活躍し、陸上競技部のOBには東京高校記録を保持していた選手もいます。
文化部も多彩で、囲碁将棋部、化学部、演劇部、管弦楽部、美術部などが活動しています。吹奏楽部は全国大会に出場して金賞を受賞した経験があり、2023年にも都のアンサンブルコンテストで銅賞を受賞しました。クイズ研究会は2023年に「東大王クイズ甲子園」で準優勝を果たしました。その他、映画研究部や生物部、歴史研究部なども活発です。
また、軽音楽やシブ楽隊といった音楽関連の同好会、ディベート部、数学研究同好会、ポケモンサークルなどもあり、生徒の多様な興味に応える場が提供されています。
都立西高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
西高校は、東京都内の公立高校の中でもトップレベルの偏差値を誇ります。その偏差値は各情報サイトを確認すると下記のようになっています。
- みんなの高校情報:72(東京11位、都立3位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):69(都立2位)
- V模擬(60%合格基準):68(東京10位、都立2位)
都立高校では日比谷高校に次いで2番手、日比谷・国立・西の3つの都立高校を合わせて都立御三家として非常に高い入試難易度となっています。
全国の私立中高一貫校や各都道府県のトップ校と比べても引けを取らない大学合格実績を誇っていますので、入試時点でも高い学力と内申点を求められます。都内の多くの中学生にとって西高校の入試は非常に難易度の高いチャレンジとなります。
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトを確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
尚、西高校は日比谷・国立・戸山・青山・立川・八王子東とともに東京都より進学指導重点校に指定されています。理社は他の都立高校受験と同じく共通問題となりますが、高い学力を判定するために、英国数の3教科は西高校独自の問題となります。
また、推薦入試も行われており、学力だけでなく部活動や課外活動での活躍が評価されることもあります。推薦入試では、面接や小論文が課されるため、学問だけでなく、自己表現力や将来の目標に対する明確なビジョンが重要視されます。都立西高校に入学するためには、学力とともに人間的な成長が問われるため、受験生は総合的な準備が必要です。
入試倍率(一般)
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.22倍 | 2.77倍 | 1.60倍 | 1.62倍 | 1.31倍 | 1.27倍 |
2024年 | 1.37倍 | 2.95倍 | 1.71倍 | 1.70倍 | 1.46倍 | 1.42倍 |
2023年 | 1.56倍 | 4.37倍 | 1.87倍 | 1.87倍 | 1.61倍 | 1.55倍 |
入試倍率の特徴と傾向
西高校(都立御三家の一つ)の入試倍率は、3年間を通して徐々に低下する傾向を示しています。最も顕著な変化は推薦入試倍率で、2023年の4.37倍から2024年には2.95倍へと約32%も低下し、2025年にはさらに2.77倍へと低下しています。この大幅な低下は注目に値します。
校長会調査時倍率も3年間で着実に低下しており、1.56倍→1.37倍→1.22倍と推移しています。これは西高校への初期段階での関心が年々低下していることを示しています。一般応募倍率も同様に低下傾向にあり、2023年の1.87倍から2025年には1.60倍へと減少しています。合格倍率も1.55倍から1.27倍へと約18%低下しています。最終応募倍率から受検倍率への低下も見られ、これは出願後に受検を取りやめる受験生が一定数存在することを示しています。この傾向は都立御三家で多く見られる現象で、国立高校や難関私立高校との併願層が多いことを示唆しています。
全体として、西高校は都立御三家としての地位を持ちながらも、近年は入試倍率が継続的に低下しています。この背景には以下のような要因が考えられます。
- 他の難関校(国立・私立)への志向の高まり
- 私立高校の授業料実質無償化による影響
- 特色ある教育を提供する他の都立高校への分散
御三家の一角を担う高校としては低めの倍率となりつつありますが、それでも推薦入試では2.77倍と比較的高い競争率を維持しています。推薦入試の倍率が一般入試よりも高い点は、西高校の教育内容や進学実績への信頼を示していると考えられます。
自由で自主性を重んじる校風と充実した大学合格実績を誇る西高校
東京都立西高等学校は、自由で自主性を重んじる校風、充実した学校行事や部活動、高い進学実績、そして優れた学習環境を誇る名門校です。多様な活動を通じて生徒たちは学業に加えて社会性やリーダーシップを育み、将来に向けた土台を築いています。都内屈指の進学校として、多くの生徒がここでの学びを通じて自らの可能性を広げ、次のステップへと進んでいます。
西高校は東京都のほぼ中央(杉並区)に位置しており、令和6年現在、23区、24市から生徒が通学しています。日比谷高校が群を抜いて高い合格実績を出していますが、西高校も最難関大学に毎年現役合格者を輩出する全国的に有数の進学校です。
都立高校ですので、私立高校と違い入試の得点が高ければいいだけではなく、中学3年生2学期の内申点も高い水準を求められます(ほぼオール5が求められる)。
しかし、東京一工医・早慶上理医などの難関大学を目指すのであれば、西高校は非常に有力な選択肢となるでしょう。自由な校風も将来や大学選びにポジティブな影響を与えていますし、文武二道を目指したい都内の中学生は西高校を目指してみてはいかがでしょうか。

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