東京都小金井市に位置する都立小金井北高校は、1980年の開校以来、「創造」「自律」「努力」を教育目標に掲げ、次代の日本を支えるリーダーの育成を目指してきました。2010年からは東京都教育委員会より「進学指導推進校」の指定を受け、さらに2016年からは「英語教育推進校」「理数研究校」としても指定されるなど、文理両面での教育の充実を図っています。また、年間20回の土曜授業の実施や、入試問題を分析した教材を用いた授業、平日の早朝や放課後の補習など、現役合格を重視した進学指導体制を確立しています。
2019年に創立40周年を迎え、2020年にはオーストラリアのウヌーナハイスクールと姉妹校協定を結ぶなど、グローバルな視点を持つ人材育成にも力を入れています。
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都立小金井北高校の歴史と伝統
1979年11月に都立砂川高校内に開設準備事務所が設置され、同年12月に東京都立小金井北高校として設立されました。1980年1月には武蔵野北高校内に一時移転し、翌1981年1月に現在の地に新校舎が完成。同年11月には運動場も完成し、1982年6月に開校記念式典が挙行されました。
校名の由来は、小金井市で唯一の普通科都立高校であることから、1950年~1958年の間存在した東京都立小金井工業高等学校との混同を避けるため「北」が付けられました。同じ頃に開校した東京都立武蔵野北高等学校、東京都立調布北高等学校も他校との混同を防ぐために「北」が付けられており、3校合わせて「サンキタ」と呼ばれることもあります。
学校の伝統を象徴する校章は、周辺の桜にちなんで桜の花びらを配し、校名の頭文字「小」を組み込んで図案化されています。三枚の花びらは教育目標の「創造」「自律」「努力」を表すとともに、生徒・保護者・教職員を象徴し、周囲の円は「円満」を表しています。なお、この桜はソメイヨシノではなく、小金井市のシンボルであるヤマザクラがモチーフとなっています。
都立小金井北高校の立地と最寄り駅、周辺環境
学校は東京都小金井市緑町四丁目に位置し、JR中央線東小金井駅から徒歩11分という好立地にあります。また、武蔵小金井駅からも徒歩15分とアクセスが良好です。バス路線も充実しており、西武新宿線や西武池袋線からもアクセス可能です。
住所 | 東京都小金井市緑町4丁目1番1号 |
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最寄り駅 | ①JR中央線「東小金井」駅 徒歩11分 ②JR中央線「武蔵小金井」駅 徒歩15分 |
現在の校地は、かつて郵政省電波研究所があった場所です。1975年に電波研究所が小金井市内の貫井北町に移転した後、その跡地が本校の用地となりました。電波を送受信するためのアンテナが立っていた場所は現在の第二グラウンドとなっています。特筆すべきは、正門前から西側にかけての大きなヤマザクラの並木で、これは電波研究所時代から残る歴史的な景観となっています。
都立小金井北高校の校風と教育方針
教育目標として掲げる「創造」「自律」「努力」には、それぞれ明確な意味が込められています。「創造」は個性を発揮して自主的に研究し活動すること、「自律」は秩序を重んじて規律を守りよく協調すること、「努力」は目的をもって持てる能力のすべてを投入することを示しています。
同校のスクール・ミッションでは、英語4技能をバランスよく育成する英語教育の推進、海外の学校との相互交流による国際理解教育の推進、理数系の素養を持つ生徒の裾野を拡大する教育活動や、将来の東京の教育を担う人材の育成に向けた高大連携による教育活動等を通して、次代の日本を支えるリーダーを育成することを掲げています。
都立小金井北高校の大学合格実績と進路指導
進路指導は同校の特色の一つで、親切できめ細かな指導を行っています。進路便りや3年間を見通した計画的なガイダンス、模擬試験や基礎学力テストの実施と、そのデータを活用した学習指導や出願指導など、体系的な進路指導体制を確立しています。
特に、年間20回の土曜授業実施、入試問題を分析した教材を用いた授業、平日の早朝や放課後、長期休業中の補習・講習、予備校の通信衛星講座など、学校を頼りにした勉強で現役合格できる体制を整えています。また、東京農工大学との高大連携や大学模擬授業、卒業生による進路体験講話なども実施しています。
都立小金井北高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

※2024年卒の大学合格実績について、小金井北高校公表資料では大学の合格人数は現浪合計での記載のため、合計人数のみ記載しています。また、2020年卒のデータがないため、0人表記となっています。
都立小金井北高校の2021年度から2024年度までの大学合格実績を分析すると、国公立大学においては、最難関国立(東京一工)で2021年度以降毎年2~3名の合格者を維持し、2024年度は0.2%の合格率となっています。旧帝大(医学部除く)では2021-2022年度は2名でしたが、2024年度には3名(0.3%)と増加傾向を示しています。TOCKYグループ(医学部除く)においては3名から7名(0.7%)へと着実に増加し、関東主要国公立大学でも26名から30名(3.1%)へと安定した実績を残しています。
私立大学では、最難関校である早慶上理において27名→18名→21名→27名(2.8%)で推移し、上智・東京理科は29名から19名(2.0%)となっています。特にGMARCHでは254名から288名(30.1%)と高水準を維持しており、準最難関私大での強さが際立っています。また、成成明学國武は76名から74名(7.7%)で推移し、四工大+東農は39名から33名(3.5%)となっています。日東駒専においては161名から184名(19.2%)と増加傾向にあり、着実な実績を積み重ねています。
全体の延べ合格者数を見ると、2021年度の952名から2024年度は956名とほぼ同水準を維持しており、その他私立(海外含む)は327名から285名(29.8%)へと推移しています。この推移からは、より上位校への合格実績にシフトしている傾向が読み取れます。また、1人あたりの私立大学合格数が3.5~3.9で推移していることは、多くの生徒が複数の大学に合格していることを示しており、同校の進学指導の充実度を表す重要な指標となっています。
都立小金井北高校高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(2人):東京大学(1人)、京都大学(0人)、一橋大学(1人)、東京工業大学(0人)、国公立大学医学部(0人)
- 旧帝国大学(3人):北海道大学(1人)、東北大学(1人)、名古屋大学(0人)、大阪大学(1人)、九州大学(0人)
- TOCKY(7人):筑波大学(3人)、お茶の水女子大学(1人)、千葉大学(2人)、神戸大学(1人)、横浜国立大学(0人)
- 早慶上理医(46人):早稲田大学(22人)、慶應義塾大学(5人)、上智大学(10人)、東京理科大学(9人)、私立大学医学部(0人)
- GMARCH(288人):学習院大学(11人)、明治大学(71人)、青山学院大学(21人)、立教大学(46人)、中央大学(62人)、法政大学(77人)
都立小金井北高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)

2024年度の都立小金井北高校における現役生の延べ大学合格実績を分析すると、全体の合格状況には明確な特徴が見られます。
最も大きな割合を占めているのはGMARCHで、全体の30%を占めています。これに成成明学國武の8%を加えると、準難関私立大学群での合格者が全体の約38%となり、同校の中核となる合格層を形成しています。
また、日東駒専への合格者は全体の19%を占めており、これは2番目に大きな割合となっています。四工大+東農は4%の合格率で、理工系私大への進学実績も着実に残しています。
国公立大学については、東京一工や旧帝大(いずれも医学部除く)がそれぞれ0%台、TOCKY(医学部除く)が1%、関東主要国公立(医学部除く)が3%となっており、合計で約4%の合格率となっています。最難関私立大学である早慶は3%、上智理科大は2%の合格率を示しています。
なお、その他の大学への合格者が30%を占めており、生徒の多様な進路選択に対応していることが窺えます。
このような合格実績の分布から、同校は特にGMARCHを中心とした準難関私立大学への進学に強みを持ち、同時に国公立大学から中堅私立大学まで幅広い進路実績を有していることが分かります。また、全体の約40%が難関・準難関大学への合格という実績は、都立高校としては極めて優れた成果といえるでしょう。

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都立小金井北高校のイベント・学校行事
「体育大会」「合唱コンクール」「桜樹祭(文化祭)」の3つを「小北三大行事」と総称し、学校行事の中心となっています。体育大会と合唱コンクールは5~6月頃、桜樹祭は9月に開催され、それぞれの行事の5日前からは行事優先期間として、部活動よりもクラスの行事を優先する時間を設けています。
特に合唱コンクールは例年、埼玉県の所沢市民文化センター「ミューズ」で開催され、2週間という限られた練習時間の中でクラスが一致団結して取り組む人気行事となっています。
月 | イベント |
---|---|
4月 | 入学式、新入生オリエンテーション |
5月 | 体育大会、生徒総会 |
6月 | 合唱コンクール |
7月 | 部活動合宿 |
8月 | 部活動合宿 |
9月 | 桜樹祭(文化祭) |
10月 | – |
11月 | 修学旅行(2年生)、 校外学習(1年生) |
12月 | – |
1月 | – |
2月 | 能楽鑑賞教室 |
3月 | 卒業式、球技大会 |
都立小金井高校の部活動や課外活動
運動部は、男女バスケットボール部、バレーボール部、バドミントン部、ハンドボール部をはじめ、サッカー部、陸上競技部、水泳部など17の部があります。文化部も、写真部、文芸部、コーラス部、吹奏楽部など12の部が活動しています。9割以上の生徒が部活動に参加しており、勉強との両立を図りながら、各大会で優秀な成績を残しています。
尚、勉強と部活動の両立のため、延長届を出しても18時には完全下校となっています。
都立小金井北高校の施設と環境
2013年から2015年にかけて校舎の改築が行われ、現在は新しい校舎で授業が行われています。特筆すべき施設として、音楽室には上野の東京文化会館で第一号として使用されていたスタインウェイのピアノが設置されています。このピアノは、立川の社会教育会館、多摩教育センターを経て、同校に移設されました。
また、正門前から西側にかけての大きなヤマザクラの並木は、電波研究所時代からの歴史的な景観として保存されており、小金井市の景観を特徴づける一要素となっています。
都立小金井北高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
小金井北高校は東京都から指定された進学指導推進校の1つであり東京都内の都立高校の中では入試難易度は上位に位置します。進学指導推進校として、難関大学を目指す生徒が多く集まり、入学時点から高い学力が求められます。
- みんなの高校情報:64(東京76位、都立20位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):61(都立21位)
- V模擬(60%合格基準):59(東京98位、都立18位)
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトをご確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.44倍 | 1.96倍 | 1.51倍 | 1.49倍 | 1.41倍 | 1.39倍 |
2024年 | 1.65倍 | 2.63倍 | 1.79倍 | 1.68倍 | 1.57倍 | 1.55倍 |
2023年 | 1.41倍 | 1.67倍 | 1.41倍 | 1.41倍 | 1.28倍 | 1.27倍 |
小金井北高校の入試倍率は、2023年から2024年にかけて大きく上昇した後、2025年には再び低下するというV字型のパターンを示しています。
2024年は全ての入試区分で倍率が上昇し、特に推薦倍率は2023年の1.67倍から2024年には2.63倍へと約57%も上昇しました。一般応募倍率も1.41倍から1.79倍へと増加し、合格倍率も1.27倍から1.55倍へと上昇しています。この年は小金井北高校への関心が特に高まった年と言えます。
2025年には、全ての区分で倍率が低下していますが、2023年よりは高い水準を維持しています。推薦倍率は2.63倍から1.96倍へと低下しましたが、2023年の1.67倍よりは高い状態です。同様に、一般応募倍率も1.79倍から1.51倍へと低下していますが、2023年の1.41倍より高くなっています。
校長会調査時倍率の推移(1.41倍→1.65倍→1.44倍)も同様のV字パターンを示しており、2025年は2024年に比べて初期段階での関心がやや低下したものの、2023年と同程度の水準に戻っています。
合格倍率の推移(1.27倍→1.55倍→1.39倍)からも、入試競争率が2024年に高まった後、2025年には若干緩和されたものの、2023年よりは競争が激しい状態が続いていることがわかります。
最終応募倍率と受検倍率の差は比較的小さく、出願後に受検を取りやめる受験生の割合が低いことがわかります。これは小金井北高校を真剣に志望する受験生が多いことを示唆しています。
全体として、小金井北高校は2024年に一時的に人気が高まり、2025年には若干低下したものの、2023年と比較すると依然として人気が維持されていると言えるでしょう。この倍率変動は、学校の評判の変化や入試環境の変化を反映していると考えられます。
進学校としての実績と誇り | グローバル人材を育む小金井北の挑戦
都立小金井北高校は、1980年の開校以来、「創造」「自律」「努力」を教育目標に掲げ、45年の歴史の中で都立進学校としての地位を着実に確立してきました。2024年度の大学合格実績は、国公立大学では東京大学や一橋大学といった最難関大学への現役合格を実現し、私立大学でも早稲田大学22名、慶應義塾大学5名をはじめとする充実した成果を残しています。特にGMARCHでは288名という高い合格実績を誇り、準最難関私立大学での強さを見せています。
全体の延べ合格者数956名は、1学年241名の生徒数に対して約4倍の合格数を達成しており、年間20回の土曜授業や入試問題を分析した教材を用いた授業、平日の早朝や放課後の補習など、きめ細かな進学指導体制の成果を如実に示しています。また、2010年からの「進学指導推進校」指定に加え、「英語教育推進校」「理数研究校」として文理両方での教育に注力してきた結果、バランスの取れた進学実績につながっています。
同校の特徴は、東大や一橋大などの最難関国立大学から、早慶上理、GMARCH、日東駒専まで幅広い層での合格実績があり、生徒一人一人の進路希望に応じた丁寧な指導が行われていることです。2024年度入試では応募倍率1.68倍、受検倍率1.57倍と高い人気を誇り、その教育力への信頼の高さを示しています。また、9割以上の生徒が部活動に参加し、文武両道を実践していることも特筆すべき点です。
このように、充実した進学実績と部活動の両立を実現する一方で、2020年にはオーストラリアのウヌーナハイスクールと姉妹校協定を結ぶなど、グローバルな視点を持つ人材の育成にも力を入れています。「次代の日本を支えるリーダーの育成」という使命のもと、文理両道、文武両道、そしてグローバルな視野を備えた人材の育成に取り組む同校は、都立高校における進学校のモデルケースとして確固たる地位を築いています。
東京都による私立高校の実質無償化という新たな環境変化の中でも、その教育力と進学実績への期待は一層高まっており、今後もさらなる発展が期待されます。45年の伝統と実績を基盤に、これからも多くの優秀な人材を社会に送り出し続けることでしょう。
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