東京都立北園高等学校は、1928年(昭和3年)に東京府立第九中学校として創立された90年以上の歴史を持つ都立高校です。「自由と責任を重んじ、自立の精神に充ちた個性豊かな人間の育成」を教育目標に掲げ、制服のない自由な校風と確かな進学実績を両立させている進学指導推進校です。
早慶上理などの難関私立大学から国公立大学まで幅広い進学実績を持ち、特に2024年度は早稲田大学に32名、上智大学に15名、東京理科大学に13名の現役合格者を出すなど、着実な成果を上げています。また、第二外国語教育やドイツ語教育推進校(PASCH)としての国際交流、長野県との連携による環境教育「信州北園プロジェクト」など、特色ある教育活動も展開しています。
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都立北園高校の歴史と伝統
1928年の開校以来、都立高校の中でも独自の発展を遂げてきた北園高校。戦前は他の府立中学と同様に軍国主義的な教育を行っていましたが、戦後はその反省から、生徒の自主性を重視する教育方針へと大きく転換しました。1948年の新制高校への改組時から私服校として、生徒の自主性と良識を信頼する姿勢を貫いています。
1950年代から1960年代にかけては、年間10-40名を東京大学に、100名以上を早慶に輩出する進学校として名を馳せました。新制高校になった当初は、ホームルーム担任を生徒が選択できる指導教官制や、時間割を自由に設定できるモザイク制など、全国でも類を見ない先進的な制度も導入していました。
校名の由来は「城北の学園」に基づいており、シンボルとなっているヒイラギの木は創立時から受け継がれている伝統の象徴です。90年以上の歴史の中で、政界、経済界、文化・芸術、教育など、様々な分野で活躍する卒業生を輩出し続けています。
都立北園高校の立地と最寄り駅、周辺環境
板橋区の東端に位置する北園高校は、複数の路線からアクセスが可能な好立地を誇ります。最寄り駅は、JR埼京線「板橋駅」(徒歩8分)、東武東上本線「下板橋駅」(徒歩7分)、都営地下鉄三田線「新板橋駅」(徒歩6分)と、3路線が利用可能です。また、国際興業バス「板橋四丁目停留所」からは徒歩2分と、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。
住所 | 東京都板橋区板橋4-14-1 |
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最寄り駅 | ①東武東上線「下板橋駅」徒歩7分 ②JR埼京線「板橋駅」徒歩9分 ③都営三田線「新板橋駅」徒歩6分 |
学校の敷地は、かつて加賀藩前田家の下屋敷があった歴史ある場所に立地しています。隣接する板橋区立板橋第四小学校とは交流活動も行われており、地域との連携も活発です。国道17号(中山道)からも近く、周辺には商業施設や公共施設も充実しており、学習環境としても恵まれた立地となっています。
都立北園高校の校風と教育方針
北園高校の最大の特徴は、制服が無く、生活面を細かく規定する校則が存在しないという、生徒の自主性を重視した校風です。これは戦前の軍国主義的な教育への反省から、「生徒の中に芽生えたもの、自主独立の気風を、傷つけることなく育て上げる」という方針に基づくもので、70年以上にわたって受け継がれています。
教育目標として「自由と責任を重んじ自立の精神に充ちた、個性豊かな人間を育成する」を掲げ、確かな学力の育成と人間性の涵養を両立させることを目指しています。特に「地球的視野で物事を考え、行動できる、知・徳・体のバランスのとれた良識あるリーダー」の育成に力を入れており、進学指導推進校としての学習指導とともに、学校行事や部活動なども生徒の自主性を重視して運営されています。
また、独自の教育プログラムとして、第二外国語教育(ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語)や、長野県との連携による「信州北園プロジェクト」など、特色ある取り組みも展開しています。
都立北園高校の大学合格実績と進路指導
北園高校は都立高校の中でも屈指の進学実績を誇り、東京都教育委員会から「進学指導推進校」の指定を受けています。2024年度の合格実績では、国公立大学では一橋大学や筑波大学への現役合格者を輩出し、私立大学では早稲田大学32名、慶應義塾大学7名、上智大学15名、東京理科大学13名など、最難関私立大学でも優れた実績を残しています。
進路指導の特徴として、習熟度別授業(英語・数学)による個別最適化された学習指導や、夏期特別講習、校内予備校講座、大学入学共通テスト直前集中講座などの充実した課外講習が挙げられます。また、約160人収容の自習室を完備し、放課後から夜7時までの学習スペース確保など、自主的な学習をサポートする体制も整っています。
推薦入試対策も充実しており、総合型選抜など多様化する入試に対応したきめ細かな指導を実施。早稲田大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学など、多数の有名私立大学への指定校推薦の枠も確保しています。
都立北園高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

2020年3月から2024年3月までの5年間において、国公立・私立ともに着実な合格実績の向上が見られます。難関国公立大学では、2022年3月と2023年3月に東北大学・大阪大学への現役合格者を輩出するなど、一定の成果を上げています。
私立大学では、特に早慶上理への現役合格者数が増加傾向にあり、2024年3月には67名という好実績を達成。GMARCHへの現役合格者数も192名から277名へと着実に増加し、2024年3月は264名と高水準を維持しています。
また、理工系大学への進学実績も向上しており、東京理科大学や四工大(芝浦工業大学、東京電機大学など)への合格者数が増加傾向にあります。
都立北園高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(1人):東京大学(0人)、京都大学(0人)、一橋大学(1人)、東京工業大学(0人)、国公立大学医学部(0人)
- 旧帝国大学(0人):北海道大学(0人)、東北大学(0人)、名古屋大学(0人)、大阪大学(0人)、九州大学(0人)
- TOCKY(7人):筑波大学(4人)、お茶の水女子大学(2人)、千葉大学(0人)、神戸大学(0人)、横浜国立大学(1人)
- 早慶上理医(67人):早稲田大学(32人)、慶應義塾大学(7人)、上智大学(15人)、東京理科大学(13人)、私立大学医学部(0人)
- GMARCH(264人):学習院大学(22人)、明治大学(57人)、青山学院大学(23人)、立教大学(50人)、中央大学(33)、法政大学(79人)
都立北園高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)

2024年度の現役生の合格実績を詳しく見ると、国公立大学では最難関の東京一工医は1名名、TOCKY(筑波・お茶の水女子・千葉・神戸・横浜国立)に7名、関東圏国公立に34名が合格。私立大学では早稲田・慶應に39名、上智・東京理科大に28名、GMARCHに264名が合格するなど、国公立よりは私立難関に充実した実績を残しています。
私立大学では、国公立・私立含めた延べ合格数に対し、GMARCHへの合格が全体の4分の1の25.5%を占めており、早慶上理が6.5%、難関私大への合格者が多いのが特徴です。また、成成明学國武への94名(9.7%)、日東駒専への209名(21.5%)など、幅広い層での合格実績も見られます。

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都立北園高校のイベント・学校行事
北園高校の学校行事は、生徒の自主性を重視した運営が特徴です。特に文化祭「柊祭」は、毎年9月中旬に開催される学校の一大イベントです。1948年の「記念祭」を起源とし、1992年から現在の名称となりました。服飾部によるファッションショーやストリートパフォーマンス部によるダンスパフォーマンス、フリーミュージック部による後夜祭ライブなどが看板企画となっています。
体育祭は令和元年度より6月上旬の開催となり、クラスマッチ(球技大会)も学年ごとに開催されています。これらの行事は生徒主体で企画・運営され、自主性と協調性を育む機会となっています。
また、長野県との連携による「信州北園プロジェクト」では、新入生セミナー合宿や森林保全合宿、勉強合宿などを実施し、環境教育とキャリア教育を融合させた特色ある取り組みを展開しています。
月 | イベント |
---|---|
4月 | 入学式/オリエンテーション |
5月 | 新入生セミナー(1学年)/森林保全合宿(2学年)/生徒大会 |
6月 | 体育祭 |
7月 | 部活動合宿 |
8月 | 部活動合宿/オーストラリア海外語学研修 |
9月 | 文化祭《柊祭》 |
10月 | ー |
11月 | 開校記念日(2日)/生徒大会 |
12月 | 修学旅行(2学年)/森林保全講演会(1学年) |
1月 | ー |
2月 | ー |
3月 | 環境講演会(1学年)/卒業式 |
都立北園高校の部活動や課外活動
運動部、文化部ともに活発な活動が行われており、加入率も高いことが特徴です。運動部では、かつてバスケットボール部が国民体育大会で全国2位(1952年)、3位(1956年)という輝かしい実績を残しています。
現在の主な運動部には、ラグビー部、サッカー部、バスケットボール部、陸上部、剣道部、硬式テニス部などがあり、各種大会で成果を上げています。文化部では、演劇部、吹奏楽部、写真部、天文地球科学部など、多様な部が活動しています。
特筆すべきは、第二外国語教育と連動したドイツPASCHクラブの活動で、ドイツ語の学習や国際交流に力を入れています。全国高校生ドイツ語スピーチコンテストでは優勝者も輩出するなど、成果を上げています。
都立北園高校の施設と環境
校舎は冷暖房完備で、学習環境が整っています。約160人収容可能な大規模自習室を完備し、放課後から夜7時まで利用可能な学習スペースとして活用されています。
昇降口前の中庭には学校のシンボルであるヒイラギの木が2本植えられており、創立時からの歴史を伝えています。かつては長野県諏訪市に霧ヶ峰北園寮という合宿施設も保有していましたが、2022年に売却されています。
都立北園高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
都立北園高校の偏差値は、複数の主要な予備校・教育機関のデータによると、59〜64の範囲に位置しています。
- みんなの高校情報:64(東京76位、都立20位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):60(都立24位)
- V模擬(60%合格基準):59(東京98位、都立18位)
都立高校の中でも難関校として知られ、都立高校の中では上位に位置しています。特に文系・理系ともに高い学力水準を維持しています。
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトをご確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.61倍 | 2.61倍 | 1.90倍 | 1.84倍 | 1.70倍 | 1.68倍 |
2024年 | 1.57倍 | 2.31倍 | 1.81倍 | 1.78倍 | 1.64倍 | 1.62倍 |
2023年 | 1.75倍 | 3.33倍 | 1.83倍 | 1.83倍 | 1.68倍 | 1.66倍 |
入試倍率の特徴と傾向
北園高校の入試倍率は、2023年から2024年にかけて全体的に低下した後、2025年に再び上昇に転じています。
2023年と比較して2024年は、校長会調査時倍率が1.75倍から1.57倍へ、推薦倍率は3.33倍から2.31倍へと大きく低下しました。一般応募倍率もわずかに低下(1.83倍→1.81倍)し、全体的に競争率が緩和されました。
2025年には再び全ての区分で倍率が上昇しており、特に推薦倍率は2.31倍から2.61倍へと約13%上昇しています。一般応募倍率も1.81倍から1.90倍へと増加し、合格倍率も1.62倍から1.68倍へと上昇しています。
校長会調査時倍率は2024年の1.57倍から2025年には1.61倍へとわずかに上昇していますが、2023年の1.75倍には届いていません。これは初期段階での関心はやや回復したものの、2023年ほどの水準には戻っていないことを示しています。
推薦入試は3年間を通して最も競争率の高い入試区分となっていますが、2023年の3.33倍という高い水準からは低下しています。それでも2025年の2.61倍という数値は、推薦入試への関心が依然として高いことを示しています。
最終応募倍率から受検倍率への低下は比較的小さく、出願者の多くが実際に受検していることがわかります。これは北園高校を志望校として真剣に考える受験生が多いことを示唆しています。
全体として、北園高校は2024年に一時的に倍率が低下したものの、2025年には回復傾向にあり、特に一般入試での人気が高まっていることが特徴的です。合格倍率は1.6倍台で安定しており、都内の高校としては中程度の競争率と言えるでしょう。
自由と自主性を重んじる伝統校が実現する、確かな進学実績と充実の教育活動
都立北園高校は、1928年の創立以来、90年以上の歴史の中で培ってきた「自由」と「自主性」を重んじる校風と、確かな進学実績を両立させている進学指導推進校です。戦後、それまでの軍国主義的な教育を反省し、「生徒の中に芽生えたもの、自主独立の気風を、傷つけることなく育て上げる」という教育方針を確立。制服がなく、細かい校則もない自由な環境の中で、生徒たちは自らの良識と責任感を育みながら、高い学力を身につけています。
2024年度の進学実績では、早稲田大学32名、慶應義塾大学7名、上智大学15名、東京理科大学13名など、難関私立大学への現役合格者を多数輩出。GMARCHでは264名の現役合格者を出すなど、安定した実績を残しています。国公立大学でも、一橋大学や筑波大学への現役合格者を輩出するなど、着実な成果を上げています。
教育活動の特徴として、ドイツ語をはじめとする第二外国語教育が充実しています。PASCHパートナー校として毎年留学生を送り出すほか、長野県との連携による「信州北園プロジェクト」では、環境教育とキャリア教育を融合させた特色ある取り組みを展開しています。
学校行事も生徒の自主性を重視した運営が特徴で、文化祭「柊祭」では服飾部やストリートパフォーマンス部による個性豊かな表現活動が展開されています。部活動も運動部、文化部ともに活発で、約160人収容の自習室や夜7時まで利用可能な学習スペースを完備するなど、学習環境も充実しています。
このように北園高校は、生徒の自主性を重んじる自由な校風のもと、確かな進学実績と充実した教育活動を実現している学校です。政界、経済界、文化・芸術、教育など、様々な分野で活躍する卒業生を輩出してきた伝統校として、今後もさらなる発展が期待されます。



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