都立城東高校は、「妥協なき文武両道」を教育理念に掲げ、進学実績と部活動の両立で注目を集める東京都立高校です。進学指導推進校、英語教育研究推進校、Sport-Science Promotion Club(スポーツ特別強化校)の3つの指定を受け、文武両道の実践校として確固たる地位を築いています。特に部活動では甲子園出場2回を含む様々な実績を残し、「スポーツの城東」との愛称でも親しまれています。
2024年3月卒業生の現役での大学合格実績では、GMARCHレベル以上の大学に延べ合格者数の約32%が合格するなど、着実な進学実績を残しています。また、毎年の進路実績は右肩上がりの傾向を示しており、進学校としての評価も年々高まっています。文武両道を実現させるため、生徒たちは時間を有効活用し、学習と部活動の両立に励んでいます。
都立城東高校の歴史と伝統
1978年(昭和53年)に開校した都立城東高校は、45年以上の歴史を持つ伝統校です。開校当初から進学校としての性格を持ち、1990年代半ばまでは毎年東京大学への複数合格者を輩出していました。2007年には進学指導推進校に指定され、その後も再指定を重ねながら、進学実績の向上に力を入れています。
特筆すべき実績として、都立高校では珍しく硬式野球部が1999年と2001年の2度、甲子園に出場しています。これは都立高校では国立高校に次いで2校目の快挙でした。また、なぎなた部や陸上競技部なども全国大会で優秀な成績を収めており、文武両道の実践校として高い評価を得ています。
校内には日本の歌人・伊藤左千夫の歌碑があり、文学的な雰囲気も醸成されています。卒業生にはアナウンサーの下田武史氏や伊藤健太氏、タレントの矢作美樹氏など、メディア関係者を中心に多彩な人材を輩出しています。2018年には体育館棟が完成し、2019年には新校舎の使用が開始されるなど、施設面での充実も図られています。
開校以来、「自律」「友愛」「実践」を教育目標に掲げ、個性を伸ばし自主自律の精神を養うとともに、友情を育て協調心を培い、心身を鍛え旺盛な実践力を養うことを目指しています。この教育方針は現在も脈々と受け継がれ、多くの優秀な人材を社会に送り出しています。
2018年以降の校舎のリニューアルにより、最新の教育設備と伝統的な学び舎としての風格を兼ね備えた環境で、生徒たちは日々切磋琢磨しています。また、学校運営連絡協議会や地域との連携を重視し、地域に開かれた学校づくりも推進しています。
<進学指導重点校についての記事はこちらをどうぞ>
都立城東高校の立地と最寄り駅、周辺環境
東京都江東区に位置する都立城東高校は、かつての日本ロール・東京鋼鉄跡地に建設されました。1976年12月25日に東京都が校地を買収し、1977年から校舎建設が始まりました。近隣には江東区立第二大島中学校があり、緑豊かな環境に恵まれています。
住所 | 東京都江東区大島3-22-1 |
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最寄り駅 | ①JR 総武線/亀戸駅 徒歩6分 ②東武亀戸線/亀戸駅 徒歩12分 ③都営地下鉄新宿線/西大島駅 徒歩8分 |
通学路には緑道が整備されており、生徒たちは地域と連携して定期的な清掃活動を行うなど、地域との結びつきも強く持っています。この活動は奉仕の精神を養うとともに、地域社会への理解を深め、公共心を育てる重要な教育活動の一つとなっています。
学校周辺は閑静な住宅街で、落ち着いた学習環境が整っています。また、通学の利便性も高く、都内各所から多くの生徒が通学しやすい立地となっています。緑道の整備や地域との連携活動により、生徒たちは安全で快適な通学環境を享受しています。
周辺環境の特徴として、文教地区としての性格も強く、教育環境として非常に恵まれた立地となっています。また、学校施設は地域にも開放され、地域のスポーツ活動や文化活動の拠点としても機能しています。
都立城東高校の校風と教育方針
「妥協なき文武両道」を掲げる都立城東高校は、学習活動と部活動の両立を重視する独自の校風を持っています。教育目標として「自律」「友愛」「実践」を掲げ、個性を伸ばし自主自律の精神を養うとともに、友情を育て協調心を培い、心身を鍛え旺盛な実践力を養うことを目指しています。
特徴的な取り組みとして、50分授業で年間20回の土曜授業を実施し、学習時間の確保を実現しています。また、英語・数学・理科では習熟度別授業を導入し、きめ細やかな指導を行っています。1年生では「広く学ぶ」、2年生では「多く学ぶ」、3年生では「深く学ぶ」という段階的な学習方針を採用しています。
部活動においては、「学習と部活動ともに高い成果を上げる」という方針のもと、時間の有効活用を徹底しています。運動部、文化部ともに活発な活動を行い、多くの部が全国大会や関東大会に出場しています。
進路指導では「諦めさせない進路指導」を掲げ、生徒の第一志望実現に向けて組織的な支援を行っています。入学時から3年間を通じたキャリア教育を実践し、進路相談、学習セミナー、ガイダンス、長期休業中の講習など、きめ細かな指導体制を整えています。
生活指導面では、「早寝早起き朝ごはん」「弁当持参」を基本とした生活習慣の確立や、身だしなみ指導、遅刻指導の徹底により、規律ある学校生活を送れるよう指導しています。また、防災教育や安全教育も重視し、宿泊防災訓練や防災体験活動なども実施しています。
都立城東高校の大学合格実績と進路指導
進学指導推進校として指定を受けている都立城東高校は、組織的な進路指導体制を確立しています。特に「諦めさせない進路指導」をモットーに、生徒一人一人の希望進路実現に向けて、きめ細かな指導を行っています。
進路指導の特徴として、入学直後に「入校時学習セミナー」を実施し、学習習慣の確立と進路目標の設定を早期に行います。また、大学授業体験講座「ジョイントセミナー」を設け、多様な分野の講座を用意することで、生徒の進路選択の幅を広げています。
長期休業期間中には自主勉強会や講習を組織的に実施し、各教員が年間20時間以上の講習を担当するなど、手厚い学習支援体制を整えています。さらに、宿題テストや実力試験を計画的に実施し、その分析を通じて進学に向けた学力向上を図っています。
進学実績の特徴として、現役での4年制大学進学率が約8割に達しており、特に近年は右肩上がりの傾向を示しています。国公立大学や難関私立大学への合格者も着実に増加しており、進学校としての評価を高めています。
都立城東高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

2020年3月から2024年3月までの5年間の推移を見ると、着実な進学実績の向上が見られます。卒業生数は各年度310名程度で推移していますが、延べ合格者数は2020年3月の1044人から2024年3月には1249人まで増加しています。
特に注目すべき点として、GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)への合格者数が、2020年3月の157人から2024年3月には301人へと大幅に増加しています。これは全体の約24.1%を占める数字となっています。
また、成成明学國武(成蹊、成城、明治学院、國學院、武蔵)への合格者も56人から116人へと倍増しており、着実な進学実績の向上が見られます。国公立大学については、TOCKY(筑波大学、お茶の水女子大学、千葉大学、神戸大学、横浜国立大学)への合格者が6人から12人に増加するなど、着実な成果を上げています。
国公立大学への現役合格実績としては、TOCKYが12人(1.0%)、関東国公立(医学部除く)が8人(0.6%)となっており、着実に実績を残しています。また、早慶医(早稲田大学、慶應義塾大学、私立医学部)への合格者も21人(1.7%)を占めており、難関大学への進学実績も徐々に向上しています。
都立城東高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(0人):東京大学(0人)、京都大学(0人)、一橋大学(0人)、東京工業大学(0人)、国公立大学医学部(0人)
- 旧帝国大学(2人):北海道大学(0人)、東北大学(1人)、名古屋大学(0人)、大阪大学(1人)、九州大学(0人)
- TOCKY(12人):筑波大学(0人)、お茶の水女子大学(0人)、千葉大学(12人)、神戸大学(0人)、横浜国立大学(0人)
- 早慶上理医(61人):早稲田大学(20人)、慶應義塾大学(1人)、上智大学(14人)、東京理科大学(26人)、私立大学医学部(0人)
- GMARCH(301人):学習院大学(10人)、明治大学(84人)、青山学院大学(22人)、立教大学(43人)、中央大学(21)、法政大学(121人)
都立城東高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)

2024年3月卒業生の現役での大学合格実績を見ると、国公立大学への合格実績としては、TOCKYが1.0%、関東国公立(医学部除く)が0.6%となっており、着実に実績を残しています。また、早慶医(早稲田大学、慶應義塾大学、私立医学部)への合格者も1.7%を占めており、難関大学への進学実績も徐々に向上しています。GMARCHレベル以上の大学への合格者が全体の約32%を占めており、高い進学実績を示しています。
その他内訳を見ると、GMARCHへの合格者が24.1%と最も多く、続いて日東駒専(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)が22.7%、成成明学國武が9.3%となっています。

都立城東高校のイベント・学校行事
城東高校では、年間を通じて充実した学校行事を展開しています。特に伝統的な行事として、6月初旬の体育祭、9月中旬の文化祭(城東祭)、3月の合唱祭があり、生徒たちの青春の思い出として深く刻まれています。
4月は入学式から始まり、新入生向けの入校時学習セミナーや部活動勧誘会が行われ、高校生活のスタートを支援します。5月には生徒総会やクラスレクリエーションを通じて、クラスの団結を深めます。6月の体育祭は、クラスや学年の垣根を越えた交流の場となっています。
夏季休暇中には、3年生を対象とした自主勉強会や各部活動の合宿が行われます。9月の文化祭では、各クラスや部活動による展示や発表が行われ、生徒たちの創造性や協調性が発揮されます。
10月の防災訓練や芸術鑑賞会、11月のレシテーションコンテスト、12月の球技大会など、バラエティに富んだ行事が用意されています。2月には修学旅行とマラソン大会が実施され、3月の合唱コンクールは、1年間の締めくくりとして全校生徒が心を一つにする感動的な行事となっています。
また、生徒の進路実現をサポートする行事として、ジョイントセミナーや冬期セミナーなども実施されています。地域との連携行事として、1月には緑道清掃も行われ、地域社会への貢献も大切にしています。
月 | イベント |
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4月 | 入学式/対面式/入校時学習セミナー/部活動勧誘会/校外学習 |
5月 | 生徒総会/クラスレクリエーション |
6月 | 体育祭/ジョイントセミナー/体力テスト |
7月 | セーフティ教室/「人間と社会」の体験活動(1年生) |
8月 | 合宿(部活) |
9月 | 水泳大会/文化祭 |
10月 | 防災訓練/芸術鑑賞会 |
11月 | レシテーションコンテスト |
12月 | 球技大会 |
1月 | 緑道清掃 |
2月 | 修学旅行/マラソン大会 |
3月 | 合唱コンクール/卒業式 |
都立城東高校の部活動や課外活動
「スポーツの城東」の愛称で知られる通り、部活動が非常に活発です。運動部では18の部が設置され、文化部は10の部が活動しています。特に運動部の活躍は目覚ましく、多くの部が全国大会や関東大会に出場しています。
活発な部活動文化
城東高校は部活動が非常に活発な学校で、「妥協なき文武両道」をモットーに、運動部と文化部が熱心に活動しています。全校を通じて、部活動の果たす役割が極めて大きく、部活動を通して培われる「高い目標に向かって努力する力」「お互いを励まし支え合う力」「時間を有効に使い集中して取り組む力」が学習面でも大きな力を発揮するという考え方が根付いています。
部活動の構成
城東高校には以下の部活動があります。
運動部(18部)
- バスケットボール部(男女)
- バレーボール部(男女)
- バドミントン部
- 卓球部
- 剣道部
- 柔道部
- サッカー部
- 野球部
- ソフトボール部
- 陸上競技部
- 水泳部
- 硬式テニス部(男女)
- ダンス部
- なぎなた部
- チアバトン部
文化部(10部)
- ブラスバンド部
- 軽音楽部
- 茶道部
- イラストレーション部
- コンピュータ部
- 筝曲部
- クッキング部
- 物理部
- 百人一首部
- 園芸同好会
主な実績と特色
城東高校は複数の部活動で全国・関東レベルの実績を持っています。
- 硬式野球部:夏の甲子園大会に2回出場。近年では東京都夏季大会ベスト4(令和4年度)、春季大会ベスト16などの好成績
- なぎなた部:全国大会19回出場の伝統。インターハイ、関東大会での優勝実績あり
- 陸上競技部:全国大会11回出場。インターハイでの準優勝(女子三段跳)など全国レベルの実績
- バスケットボール部:男女ともに関東大会への出場経験あり
- バドミントン部:男女ともに関東大会出場経験あり。東京都国公立大会男女団体優勝(令和5年度)
- 女子バレーボール部:関東大会出場経験あり
- 女子硬式テニス部:関東公立校大会第6位入賞(令和5年度)
部活動の取り組み
各部活の活動内容・目標には、技術向上はもちろん「人間的成長」を重視する要素が多く見られます:
文武両道を実践
多くの部活動が「文武両道」を掲げ、勉強と部活動の両立を目指しています。例えば男子バスケットボール部は「激しく・賢く・楽しく」をモットーに、学習・競技両面での高い目標達成を目指しています。
指導体制の充実
外部指導員を積極的に招聘し、専門的な指導を行っています。例えばサッカー部では日本サッカー協会のライセンス保持者を含む8名の指導体制を整えています。
生徒の主体性重視
ダンス部では振り付けから衣装まで自分たちで考え、軽音楽部ではバンド編成や練習日程も部員で相談して決めるなど、生徒の主体性を重視した活動が行われています。
初心者でも活躍できる環境
多くの部活動が「高校から始める人が多い」「初心者歓迎」と明記しています。なぎなた部や筝曲部など、高校から始める生徒でも丁寧な指導で上達できる環境が整っています。
文化・スポーツ等特別推薦実施部活
令和7年度入学者選抜では、以下の部活動で文化・スポーツ等特別推薦を実施しました。
- バスケットボール部(男3,女3)
- バレーボール部(女3)
- サッカー部(男3)
- 硬式野球部(男3)
- 陸上競技部(男女4)
- なぎなた部(女1)
城東高校の部活動は、高い目標を持ち、日々の努力を積み重ねることで、技術面だけでなく人間的な成長も目指す活動が展開されています。「城東のカ」と称される部活動を通じて培われる力は、生涯の糧となる大切な経験として位置づけられています。
都立城東高校の施設と環境
2018年の体育館棟完成、2019年の新校舎使用開始により、最新の教育環境が整備されています。特にICT機器を活用した授業展開が可能な教室設備や、実験・実習設備の充実が図られています。
施設面では、充実した体育施設を完備しており、2018年に完成した新体育館は、バスケットボールやバレーボールなどの公式試合にも対応できる設備を備えています。グラウンドも整備され、野球部や陸上競技部などの活動の場として活用されています。
教室設備としては、パソコン教室やLL教室を設置し、ICTを活用した学習や語学学習の環境を整えています。また、大講義室も備えており、進路ガイダンスや講演会など、多目的な利用が可能となっています。
図書館も充実しており、進路関連の資料や学習参考書も豊富に取り揃えています。自習スペースとしても活用され、放課後は多くの生徒が学習に励んでいます。
校内には伊藤左千夫の歌碑があり、文学的な雰囲気も醸成されています。また、緑豊かな環境の中で、生徒たちは落ち着いた学校生活を送ることができます。
都立城東高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
城東高校の偏差値は、複数の主要な予備校・教育機関のデータによると、59〜63の範囲に位置しています。
- みんなの高校情報:63(東京96位、都立24位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):61(都立21位)
- V模擬(60%合格基準):59(東京98位、都立18位)
都立城東高校は、都立高校の中でも比較的難関校に位置づけられています。近年の入試動向から、偏差値は60前後で推移しており、都立高校の中堅上位校として評価されています。特に「文武両道」の実践校として知られ、学力と部活動の両面で高い意欲を持つ生徒が多く志願しています。
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトをご確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
また、スポーツ特別推薦として、硬式野球部(3名)、バレーボール部、バスケットボール部で推薦枠を設けています。これは運動能力だけでなく、学力も考慮された選抜となっています。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
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2025年 | 1.62倍 | 3.97倍 | 1.50倍 | 1.48倍 | 1.42倍 | 1.41倍 |
2024年 | 2.01倍 | 4.97倍 | 1.96倍 | 1.91倍 | 1.81倍 | 1.81倍 |
2023年 | 1.91倍 | 4.56倍 | 1.86倍 | 1.86倍 | 1.68倍 | 1.66倍 |
入試倍率の特徴と傾向
城東高校の入試倍率は、2023年から2024年にかけて上昇した後、2025年に大幅な低下を示しています。
2024年は全ての入試区分で倍率が上昇し、特に推薦倍率は4.56倍から4.97倍へ、合格倍率は1.66倍から1.81倍へと増加しました。この年は城東高校への関心が特に高まった年と言えます。
しかし、2025年には全ての区分で大きく倍率が低下しています。校長会調査時倍率は2.01倍から1.62倍へ(約19%減少)、推薦倍率は4.97倍から3.97倍へ(約20%減少)、一般応募倍率は1.96倍から1.50倍へ(約23%減少)と大幅に低下しています。
特に2025年の一般応募倍率と最終応募倍率の低下が顕著で、2024年と比較すると約23%も減少しています。これは一般入試での志願者が大きく減少したことを示しています。
合格倍率も2024年の1.81倍から2025年には1.41倍へと約22%低下しており、全体的な競争率の緩和が見られます。
推薦入試は3年間を通して最も競争率の高い入試区分となっていますが、2025年には3.97倍と4倍を下回る水準に低下しています。それでも他の入試区分と比較すると高い倍率を維持しています。
2025年の倍率低下は、前年の高倍率を見て受験生が敬遠した可能性や、私立高校の授業料の実質無償化の影響で他校への志願者流出などが考えられます。また、入試環境や学校の評判に何らかの変化があった可能性も否定できません。
全体として、城東高校は2025年入試において競争率が大きく緩和されましたが、推薦入試は依然として3倍台後半と比較的高い水準を維持しています。今後の倍率推移に注目する必要があるでしょう。
文武両道の実践校として進化を続ける都立城東高校 〜進学実績向上と部活動の活躍で注目を集める45年の伝統校〜
都立城東高校は、1978年の開校以来、「妥協なき文武両道」を実践する都立高校として、確固たる地位を築いています。2024年3月卒業生の実績に見られるように、GMARCHレベル以上の大学に延べ合格者数の約32%が合格するなど、進学実績は着実に向上しています。特にGMARCH合格者数は2020年3月の157人から2024年3月には301人へと大幅に増加し、進学校としての評価を一層高めています。
部活動においても、硬式野球部の2度の甲子園出場(1999年、2001年)をはじめ、多くの部が全国大会や関東大会で活躍しています。近年では陸上競技部が全国大会で入賞を果たし、なぎなた部も関東大会で優勝するなど、まさに文武両道を体現する成果を上げています。
2018年の体育館棟完成、2019年の新校舎使用開始により、教育環境も大きく進化しました。進学指導推進校、英語教育研究推進校、Sport-Science Promotion Clubの指定を受け、学習面でも部活動面でも充実した指導体制を整えています。50分授業による効率的な学習や、習熟度別授業の導入など、きめ細かな指導により、生徒一人一人の可能性を最大限に引き出しています。
生徒たちは「1年生は広く、2年生は多く、3年生は深く学ぶ」という学習方針のもと、高い目標を掲げて互いに切磋琢磨しています。また、地域との連携活動や防災教育にも力を入れ、社会性豊かな人材の育成にも注力しています。
2024年度入試では応募倍率1.91倍を記録し、入学難易度も年々上昇傾向にあります。今後も都立高校の進学校として、さらなる発展が期待されており、文武両道の理念のもと、次世代を担う人材の育成を続けています。45年以上の歴史と伝統を持つ城東高校は、これからも時代のニーズに応えながら、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。