東京都調布市若葉町に位置する都立神代高校は、1940年(昭和15年)に東京府立第十五高等女学校として創立された歴史ある学校です。「学び、鍛え、輝け」を教育目標に掲げ、「責任を伴う自由」の校風のもと、生徒の自主性と主体性を重視した教育を実践しています。充実した学校行事や部活動、進学実績など、多方面で特色ある教育活動を展開し、社会に貢献できる人材を数多く輩出しています。
近年は大学進学実績も向上し、特に難関私立大学への合格者数が大幅に増加するなど、進学校としての評価も高まっています。本記事では、神代高校の魅力や特色、進路状況を詳しくご紹介します。
都立神代高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
- みんなの高校情報:59(東京157位、都立34位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):56(都立37位)
- V模擬(60%合格基準):54(東京204位、都立34位)
近年の進学実績から、中堅レベルの都立高校として位置づけられています。GMARCHや日東駒専といった私立大学への進学者が多いことから、都内の公立高校の中では中堅~上位層に相当すると考えられます。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.95倍 | 2.67倍 | 2.09倍 | 1.98倍 | 1.84倍 | 1.82倍 |
2024年 | 1.89倍 | 2.77倍 | 1.89倍 | 1.81倍 | 1.65倍 | 1.63倍 |
2023年 | 1.99倍 | 3.08倍 | 1.99倍 | 1.99倍 | 1.78倍 | 1.76倍 |
男女合同定員化、私立高校の授業料の実質無償化の影響か、2023年から2024年にかけて一般入試の倍率は若干下がりましたが、2025年には再び上昇傾向にあることがわかります。特に一般入試の応募倍率は2024年の1.89倍から2025年には2.09倍へと上昇しています。
推薦入試については、2023年の3.08倍をピークに2024年は2.77倍、2025年は2.67倍と若干の減少傾向にありますが、依然として高い競争率を維持しています。これは神代高校の教育内容や進学実績に対する地域からの評価が高いことを示しています。
全体として約1.8倍~2.0倍の倍率を維持しており、安定した人気のある都立高校として認識されています。近年の施設改修や進学実績の向上により、今後も一定の競争率を維持していくことが予想されます。
都立神代高校の歴史と伝統
神代高校は1940年(昭和15年)1月12日に東京府立第十五高等女学校として設立され、1941年(昭和16年)に東京府立神代高等女学校に改称されました。1942年(昭和17年)9月9日に現在の校地である調布市若葉町(当時の神代村入間)に移転し、1943年(昭和18年)に都制実施に伴い東京都立神代高等女学校となりました。
学制改革により1948年(昭和23年)4月1日に東京都立神代新制高等学校となり、1950年(昭和25年)に現在の東京都立神代高等学校に改称されました。創立から80年以上の歴史を持ち、2022年3月14日には創立80周年記念式典が挙行されています。
校章は校内に約50本植えられているイチョウの葉をモチーフにデザインされており、1950年の創立10周年記念事業として全校生徒から募集されたデザインの中から選ばれました。校歌は「武蔵野大野にいだかれて わがまなびやはそびえたつ」という歌詞に表されるように、地域の自然や環境を大切にする精神が込められています。
都立神代高校の立地と最寄り駅、周辺環境
学校は調布市の東端に位置し、市内の都立高校3校の中で最も歴史が古い学校です。周囲は寺社に囲まれた静かな環境で、近隣には桐朋学園大学や武者小路実篤記念館があります。敷地面積は約24,000㎡と広く、緑豊かな環境に恵まれています。
学校名の「神代」は、かつて存在した神代村(町)に所在していたことに由来しています。地域に根差した高校として、長年にわたり地元から親しまれています。
住所 | 東京都調布市若葉町1-46-1 |
---|---|
最寄り駅 | 京王線仙川駅より徒歩 約7分 |
最寄り駅からのアクセス
- 京王線仙川駅から南へ徒歩約7分
バスを使う場合
- 小田急線成城学園前駅から小田急バス調布駅南口行き「神代高校前」下車すぐ
- 小田急線狛江駅から小田急バス成城学園前駅行き「神代高校前」下車すぐ
- JR三鷹駅・吉祥寺駅から小田急バス仙川行き終点から徒歩約10分
※調布市・三鷹市・狛江市、世田谷区・杉並区からは自転車通学可能
都立神代高校の校風と教育方針
校訓
神代高校では明確な校訓は示されていませんが、教育理念として「学び、鍛え、輝け」を掲げています。
教育目標
「学び、鍛え、輝け」という教育目標のもと、以下の3つの柱で教育を展開しています。
- 自ら進んで意欲的に「学び」、平和で民主的な国家・社会の形成者として貢献できる人物を育成する。
- 学校のあらゆる教育活動の機会を通し、自分を「鍛え」、自己の未来を逞しく切り拓き、創造的かつ主体的な生き方ができる人物を育成する。
- 人権を尊重し、自他を慈しみ、生命を大切にする人間性豊かな「輝き」に満ちた、心身ともに健全で、知性高く、感性豊かな人物を育成する。
特色ある教育活動
- 学校行事や部活動・生徒会活動の重視:三大行事(体育祭・文化祭・音楽祭)などの学校行事や部活動・生徒会活動等のすべての教育活動を重視し、生徒が中心となって運営する主体的な活動を大切にしています。
- 進学指導の充実:オンライン個別学習の活用、放課後や長期休業中の補習・講習の実施、自習室の開放、少人数授業の実施など、一人ひとりの進路実現をサポートする体制が整っています。
- 「教わる」から「主体的に学ぶ」への転換:生徒が自ら考え、判断し、行動する力を育むため、アクティブラーニングなど主体的な学びを促進する教育活動を展開しています。
独自の校風
神代高校の大きな特徴は「責任を伴う自由」の伝統です。制服ではなく標準服を採用するなど、他校と比べて高校生活のルールが少なく設定されています。これは、ルールで縛られなくても、マナーを守り、周囲への気配りを忘れず、正しく判断し行動できる人間性・社会性豊かな生徒の育成を目指しているためです。
標準服は紺のブレザーで左胸ポケットに校章が刺繍されており、ズボンはグレー、スカートはグレーと赤のチェック柄の2種類があります。儀式的行事や始業式、終業式では標準服を着用することが定められていますが、通常の登校では高校生らしい服装であれば自由となっています。
昔ながらの自由な校風を大切にしながらも、社会人として真に自立できる人材の育成を目指す教育が行われています。
都立神代高校の進路・進学実績
合格者の推移
2024年3月卒業生(269名)の進路状況は以下の通りです。
- 大学進学率:84.4%(227名)
- 短期大学進学率:1.1%(3名)
- 専門学校進学率:5.6%(15名)
- 就職・その他:0.4%(1名)
- 進路決定率:91.4%
特に女子生徒の進路決定率は97.9%と高く、男子生徒(84.4%)を大きく上回っています。
国公立大学合格実績
国公立大学への合格者数(現役生のみ)の推移
大学区分 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
国立大学 | 3名 | 2名 | 2名 |
公立大学 | 2名 | 2名 | 3名 |
合計 | 5名 | 4名 | 5名 |
2024年度卒業生の主な合格大学
- 信州大学
- 電気通信大学
- 東京農工大学
- 東京都立大学
- 会津大学
- 防衛大学校
- 長岡造形大学
私立大学合格実績
私立大学への合格者数(現役生のみ)の推移
大学グループ | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
早慶 | 0名 | 2名 | 14名 |
上理ICU | 4名 | 6名 | 1名 |
GMARCH | 92名 | 76名 | 131名 |
成成明学獨武 | 78名 | 76名 | 73名 |
日東駒専 | 134名 | 135名 | 162名 |
四理工+東農大 | 31名 | 17名 | 14名 |
私立大学合計 | 660名 | 590名 | 709名 |
2024年度は特に早慶グループ(早稲田大学12名、慶應義塾大学2名)とGMARCHグループ(明治大学32名、立教大学26名、中央大学31名、法政大学26名など)への合格者が大幅に増加しました。
進路指導の特徴と傾向
神代高校では「志望大学への合格を支援」を特色の一つとして掲げており、以下のような進路指導の特徴があります。
- 多様な入試形態への対応:一般入試だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜(AO入試)など多様な入試形態に対応した指導を行っています。指定校推薦として約140の大学・短大から約530名の推薦枠があります。
- 学習サポート体制の充実:オンライン個別学習の活用、放課後や長期休業中の補習・講習、学年別自習室の開放など、生徒の学力向上を支援する体制が整っています。
- 進路実現への総合的サポート:個別面談や進路ガイダンスの充実、担任教諭との連携強化など、一人ひとりの適性や希望に合わせたきめ細かな指導を行っています。
近年は特に難関私立大学への合格者増加が顕著で、特に早慶グループへの合格者は2022年の0名から2024年には14名と劇的に増加しています。GMARCHグループも同期間で92名から131名へと大幅増となっており、進学実績の向上が見られます。
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都立神代高校のイベント・学校行事
主な年間行事
神代高校の年間行事は以下の通りです。
- 4月:1学期始業式、入学式、部活動紹介
- 5月:遠足、生徒総会、中間考査
- 6月:体育祭
- 7月:期末考査、終業式
- 8月:夏期講習、部活動合宿
- 9月:2学期始業式、文化祭(神高祭)
- 10月:中間考査、修学旅行
- 12月:期末考査、2学期終業式
- 1月:3学期始業式
- 2月:音楽祭
- 3月:卒業式、修了式、球技大会
特色ある行事
神代高校の特色ある行事として以下が挙げられます。
- 体育祭:毎年6月上旬に校内グラウンドで開催されます。クラスごとにオリジナルカラーのTシャツを身につけて競技し、男女騎馬戦、全員リレー、部活対抗リレー、代表リレーなどが行われます。
- 神高祭(文化祭):毎年9月中旬または下旬に開催される文化祭です。生徒会主導で行われ、クラスや部活動を始めとした各団体が創意工夫溢れる企画を披露します。一日目の終わりには中夜祭があり、校内バンドグループが演奏を披露します。パンフレットやポスターに関わるイラストも生徒が手掛けるなど、生徒の主体性が発揮される行事です。
- 音楽祭:毎年2月に調布市のホールで開催されます。1、2年生がクラスごとに合唱し、課題曲と自由曲2曲を披露して点数を競います。
これらの行事は「生徒が中心となって運営する」という神代高校の特色が最も表れる活動であり、生徒の自主性や協調性、創造性を育む重要な機会となっています。
都立神代高校の部活動や課外活動
運動部
神代高校には以下の運動部があります。※( )内は2025年3月時点の人数
- ダンス部(103名)
- 男子バスケットボール部(27名+マネージャー5名)
- 女子バスケットボール部(11名)
- 男子ハンドボール部(23名+マネージャー6名)
- 女子ハンドボール部(12名)
- 男子硬式テニス部(32名)
- 女子硬式テニス部(15名)
- 女子バレーボール部(18名)
- バドミントン部(81名)
- 剣道部(1名)
- 卓球部(22名)
- 水泳部(15名)
- サッカー部(50名+マネージャー4名)
- 陸上競技部(17名+マネージャー2名)
- 硬式野球部(16名+マネージャー3名)
定時制が設置されているため部活動は原則17時までですが、校舎を使用しない部活動に限り火~木曜日は18時までの特別延長が認められています。ハンドボール部の実力が高く、過去に全都3位入賞の実績があります。
文化部
神代高校には以下の文化部があります。
- 吹奏楽部(17名)
- 写真部(12名)
- 文芸部(4名)
- 文芸漫画部(25名)
- 茶道部(14名)
- 華道部(8名)
- ハンドメイキング部(46名)
- 音楽部(31名)
- 演劇部(9名)
- アコースティックギター部(125名)
- コンピュータ部(33名)
- 自然観察部(18名)
- 美術部(18名)
- トレーニング同好会(活動休止中)
特色ある活動
神代高校の特色ある部活動としては以下が挙げられます。
- アコースティックギター部:125名の部員を擁する大規模な部活動で、「演奏技術を高め、親睦を深める」を方針としています。都内有数の音の大きさと評されるほど活発で、ライブ活動も多く行っています。
- ダンス部:103名の部員がおり、外部指導員によるレッスンも定期的に実施しています。活動の様子はインスタグラムで公開するなど、積極的な情報発信も行っています。
- 華道部:「全国高校生花生けバトル」に毎年出場し、2023年度は関東大会3位に入賞しています。外部の先生の指導のもと、伝統文化に触れる機会を提供しています。
- コンピュータ部:学校行事での動画撮影や映像・音響機材の操作、撮影した動画の編集など、学校紹介動画の作成を行っています。学校行事により深く関わることのできる部活動です。
部活動は「学び、鍛え、輝け」という教育目標を体現する場として重視されており、生徒の自主性や協調性、創造性を育む重要な活動となっています。
都立神代高校の施設と環境
主な施設
神代高校の敷地面積は約24,000m²弱で、以下の施設が整備されています。
- 校舎(南北にあり、東西2箇所に南北校舎を結ぶ連絡通路がある)
- 体育館
- 格技棟
- プール
- グラウンド
- テニスコート3面
- 食堂(定時制専用)
- CALL室
- 音楽室
- 美術室
- 図書室
- 視聴覚室
- 屋上庭園
2019年(令和元年)8月1日に新校舎が完成し、2022年(令和4年)7月31日には体育館、プール・柔剣道場、体育館附属棟、自転車置場などが落成、2023年(令和5年)3月31日にはグラウンド整備および外構工事が完成しています。
特色ある施設・環境
- 校内の自然環境:校章のモチーフとなっているイチョウの木が校内に約50本植えられているなど、緑豊かな環境が特徴です。校歌にも「武蔵野大野にいだかれて」と歌われるように、自然に恵まれた環境に立地しています。
- 新しい施設・設備:近年、校舎や体育館、プールなどの施設が次々と新しくなり、学習環境が大幅に向上しています。南校舎にはエレベーターが設置されるなど、バリアフリー対応も進んでいます。
- CALL室:2008年(平成20年)9月1日に完成したCALL教室は、語学学習や情報教育に活用されています。
静かな住宅地に位置しながらも、仙川駅から徒歩7分という好立地で、通学の便も良好です。周辺は寺社に囲まれた落ち着いた環境で、学習に適した静かな環境が整っています。
難関私大への合格者大幅増加と「責任を伴う自由」の伝統を継承する神代高校
2024年度の神代高校の進路実績は、全体として着実な向上が見られました。特に早慶14名、GMARCH131名と難関私立大学への合格者が大幅に増加し、私立大学合格者総数も前年の590名から709名へと増えています。これは「学び、鍛え、輝け」という教育目標のもと、生徒の主体的な学びを促進する教育活動の成果と言えるでしょう。
「責任を伴う自由」という伝統的な校風は、制服ではなく標準服を採用するなど形式的なルールにとらわれない教育環境を提供しながらも、自ら考え、判断し、行動する力を育むことで、社会で真に自立できる人材育成を目指しています。
学校行事や部活動を生徒が主体的に運営する文化は、協働性や創造性、リーダーシップを育む貴重な機会となっています。体育祭、文化祭、音楽祭といった三大行事は生徒の自主性が最も発揮される場として重視されています。
創立80年以上の歴史を持つ神代高校は、これからも「一人ひとりの夢の実現」を支援し、生徒が自らの力で未来を切り拓いていけるよう、教育活動の充実を図っていきます。地域に根差した学校として、これからも多くの有為な人材を社会に送り出していくことでしょう。

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