都立田園調布高校は、大田区田園調布南に位置する創立75年の歴史と伝統を持つ都立高校です。「未来社会で活躍できる人材の育成」を目標に掲げ、文理にとらわれない幅広い大学受験に対応した教育を展開しています。近年は「進学校復活」を目指した学校改革により、GMARCH以上の難関大学への合格者が大幅に増加し、注目を集めています。アドバンストクラス(国公立大学選抜クラス)の設置や、Tokyo GE-NET EE、理数研究校の指定により、質の高い教育環境が整備されています。
都立田園調布高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
各進学情報サイトや教育機関の情報によると、都立田園調布高校の偏差値は以下の通りです。
- みんなの高校情報:56
- 市進教育グループ(80%合格基準):52
- V模擬(60%合格基準):51
偏差値51~56程度で、都立高校の中では中堅上位レベルに位置しています。近年の学校改革による進学実績向上に伴い、入学難易度も上昇傾向にあります。
入試倍率
過去3年間の入試倍率は以下のように推移しています。
年度 | 校長会調査 | 推薦応募 | 一般応募 | 一般最終応募 | 受験 | 合格 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.26倍 | 1.96倍 | 1.35倍 | 1.41倍 | 1.23倍 | 1.23倍 |
2024年 | 1.59倍 | 2.52倍 | 1.92倍 | 1.87倍 | 1.66倍 | 1.66倍 |
2023年 | 1.87倍 | 3.28倍 | 2.02倍 | 2.06倍 | 1.87倍 | 1.87倍 |
推薦応募の倍率が高い傾向にありますが、一般入試は1.2~1.9倍程度で推移しています。2023年が最も高倍率でしたが、男女合同定員化、私立高校の授業料の実質無料化などの影響を受け、2025年は1.23倍まで下がっており、受験しやすい水準となっています。
🎓 大学を見据えて高校を選ぶなら…学習習慣の強化も大切です
偏差値や倍率から志望校を考えるのはとても大切ですが、実際に合格をつかむには中学生のうちからの学習習慣もカギになります。高校受験を控える方に向けて、Z会・スタサプの特徴や使い方、両立のコツなどをまとめた記事をご用意しています。ご家庭での対策にぜひご活用ください。
👉 スタサプは中学生におすすめ?評判・料金・活用法を解説
👉 Z会タブレットコースの特徴と口コミ|難関校対策にも対応
👉 Z会とスタサプどっちがいい?中学生向け徹底比較
👉 ”オンライン家庭教師”コースもある個別指導のWAMってどんなサービス?
👉 【文科省調査】中学生の勉強時間はどのくらい?平均と目標の差とは
👉 部活と勉強は両立できる?先輩たちの工夫と学習法を紹介
都立田園調布高校の歴史と伝統
都立田園調布高校は昭和25年(1950年)に東京都立大田高等学校として開校し、昭和28年(1953年)に現在の校名に改称されました。創立75年の歴史を持つ伝統校です。
学校群制度時代には小山台高校と同群を組み、東京大学10名、早慶100名程度の合格者を輩出していた時期もありました。平成元年(1989年)に現校舎に改築され、2008年にアドバンストクラス設置、推奨服導入などの学校改革を実施。2018年からは進学指導研究校に指定されるなど、「進学校復活」を目指した取り組みが続けられています。
校章は「桐の花と葉」で、桐の木の美点である「古来愛されてきた花の品位」「のびのびとまっすぐに伸びてゆく成長ぶり」「幹や葉に見られる雄大さ」「実用に尊ばれる材の良質」が本校教育の象徴とされています。
都立田園調布高校の立地と最寄り駅、周辺環境
所在地とアクセス
所在地 | 東京都大田区田園調布南27-1 |
主要交通アクセス | 東急多摩川線 沼部駅より徒歩5分 東急池上線 御嶽山駅より徒歩10分 東急東横線・目黒線・多摩川線 多摩川駅より徒歩15分 |
周辺環境
田園調布南の閑静な住宅街に位置し、緑豊かな文教地区として知られています。周辺には大田区立東調布第一小学校や大田区立東調布中学校があり、落ち着いた教育環境が整っています。
多摩川河川敷が近く、自然環境にも恵まれています。学校専用の多摩川河川敷グラウンドも所有しており、部活動にも活用されています。都心部へのアクセスも良好で、渋谷まで約30分、新宿まで約40分程度でアクセス可能です。
都立田園調布高校の校風と教育方針
教育目標
「学芸を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、心身共に健康で、公正な判断力と強い実行力のある人間を形成する」
特色ある教育活動
アドバンストクラス(国公立大学選抜クラス)
令和3年度から「国公立大学選抜クラス」として位置づけを見直し、5教科をバランスよく学び、一般入試に対応できる実力養成を目指しています。各学年1クラスずつ編成され、土曜日授業や水曜日放課後の補習が実施されています。
Tokyo GE-NET EE(英語教育推進)
ALTやJET(2名配置)による生きた英語学習、年間20回程度のオンライン英会話、GTEC受検など、英語4技能の向上に力を入れています。

理数研究校
総合科学部を中心とした科学施設見学会、「Tokyoサイエンスフェア」への参加、電気通信大学との高大連携プログラムなど、理系教育の充実を図っています。

独自の校風
- 自学自習の習慣づけ: オリジナルの「ぽろにあ手帳」を導入し、生徒自身が学習計画を立て、学習時間や内容を記録する習慣を身につけます。
- 生活信条: 「誠実・敬愛・自主・自律」を掲げ、挨拶励行、時間厳守を徹底し、規律正しい生活の中で人間性や社会性を育成しています。
- 生徒主体の学校運営: 体育祭、ぽろにあ祭(文化祭)、合唱祭の三大行事は生徒が企画・準備・運営を行い、自主性を重視した教育を展開しています。
都立田園調布高校の進路・進学実績
2025年3月卒業生(73期生)の進路状況
- 大学進学: 81.0%
- 進学準備: 11.2%
- 専門学校: 5.6%
- その他: 1.7%
- 留学: 0.4%
過去5年間で進学実績が大幅に向上しており、特に難関私立大学への合格者数が着実に増加しています。大学進学率が8割を超える水準に達し、進学準備を含めると9割以上の生徒が高等教育への進学を目指していることがわかります。
主な大学・短大・専門学校合格実績
2025年3月卒業生の主要大学群別合格実績
大学群 | 合格者数 | 主要大学 |
---|---|---|
国公立大学 | 6人 | 東京科学大学、大阪大学、東京都立大学 |
早慶上理ICU | 7人 | 慶應義塾大学4人、上智大学1人、東京理科大学2人 |
GMARCH | 63人 | 法政大学25人、中央大学12人、青山学院大学10人 |
成成明学獨國武 | 59人 | 成城大学18人、明治学院大学16人 |
日東駒専 | 109人 | 駒澤大学35人、日本大学31人、東洋大学27人 |
四工大+東農大 | 37人 | 東京農業大学17人、東京都市大学12人 |
詳細な合格実績分析
- 国公立大学(6人):
少数精鋭ながら質の高い実績を残しています。旧帝国大学の大阪大学への合格は特筆すべき成果で、東京科学大学(旧東京工業大学・東京医科歯科大学)への合格と合わせて、最難関国立大学への進学実績を示しています。 - 早慶上理ICU(7人):
2024年の3人から大幅回復し、慶應義塾大学への4人合格が牽引しました。上智大学、東京理科大学への合格も含め、最難関私立大学への進学可能性を示しています。 - GMARCH(63人):
同校の進学実績の中核を担う存在です。法政大学25人という圧倒的な合格者数はじめ、中央大学12人、青山学院大学10人、明治大学7人、学習院大学5人、立教大学4人と、すべてのGMARCH大学への合格実績があることは、多様な進路選択が可能であることを示しています。 - 成成明学獨國武(59人):
GMARCHに次ぐ重要な進学先として定着しています。成城大学18人、成蹊大学7人、獨協大学・國學院大學各8人、武蔵大学2人と、この大学群全体で安定した合格実績を維持しています。 - 日東駒専(109人):
同校史上最も劇的な成長を遂げた大学群です。駒澤大学35人は世田谷区駒沢の立地の良さ、日本大学31人は豊富な学部選択肢により多様なニーズに対応、東洋大学27人は近年の人気上昇を反映しています。専修大学16人は商学部・経済学部への安定した進学先として機能しており、この4大学で中堅私立大学への確実な進路を提供しています。 - 理系大学の躍進(37人):
四工大+東農大への合格者数は5年間で4倍以上の成長を遂げ、理数研究校としての取り組みの成果が表れています。東京農業大学17人は生物系・農学系分野への強い関心を示し、東京都市大学12人は工学系への着実な実績を表しています。
5年間の推移分析
大学群 | 2021年 | 2025年 | 成長率 |
---|---|---|---|
GMARCH | 40人 | 63人 | +58% |
成成明学獨國武 | 37人 | 59人 | +59% |
日東駒専 | 54人 | 109人 | +102% |
四工大+東農大 | 9人 | 37人 | +311% |
この推移は「進学校復活」を目指した学校改革の確実な成果を示しており、準難関以上の私立大学(早慶上理ICU+GMARCH+成成明学國武)への合格者が81人から129人へと約1.6倍に増加したことは特筆すべき成果です。
進路指導の特徴
田高進路プロジェクト
2001年から継続する同校独自の進路指導システムです。3年間を見通した体系的なプログラムにより、「学ぶ意味」の深化から「職業に就くこと」「上級学校への進学」まで、総合的な進路指導を展開しています。
段階的指導体制
- 1年生: 学習習慣の確立、進路意識の醸成、基礎学力の定着
- 2年生: 文理選択、志望校研究、大学出張講義の実施
- 3年生: 受験対策、個別面談の充実、進学ガイダンスの実施
具体的な取り組み
- アドバンストクラス特別指導:国公立大学選抜クラスでは、土曜日授業の午後や水曜日放課後の補習、全国模試の準備と振り返り、大学模擬授業など、きめ細かい指導を実施。夏季休業中には集中型講習も行われ、長時間集中して学習に取り組む力を育成しています。
- 大学連携プログラム:2004年より明治学院大学、2005年より東京都市大学(旧武蔵工業大学)との高大連携を実施。単位修得により高校の単位に加算され、進学時には大学の単位としても認定される制度を活用しています。
- 外部検定活用:英語4技能向上のため、1・2年次全員がGTECを受検。英語検定も1年次から計画的に受検指導を行い、大学受験での活用を図っています。また、漢字検定も1・2年生全員受験を実施し、国語力の向上に努めています。
学習支援体制
- 夏季・冬季・春季休業中の講習実施
- 早朝・放課後補講の充実
- 「ぽろにあ手帳」による学習管理指導
- 自学自習スペースの提供(朝7:30~夕方6:00)
- 三者面談・進路相談の充実
読書活動推進
ビブリオバトルの実施や図書館活用促進により、思考力・表現力の向上を図っています。これらの取り組みにより、大学入学共通テストや総合型選抜にも対応できる総合的な学力を育成しています。
年から継続的に取り組んでおり、夏季講習、大学出張講義、進学ガイダンスなど充実したサポート体制を整備しています。

都立田園調布高校のイベント・学校行事
主な年間行事
月 | 主な行事 |
---|---|
4月 | 入学式、校外学習(1・2・3年) |
5月 | 生徒総会、体育祭、1学期中間考査 |
6月 | 授業公開週間、大学出張講義、フィールドワーク(2年) |
7月 | 1学期期末考査、芸術鑑賞教室、夏期講習 |
9月 | ぽろにあ祭(文化祭) |
10月 | 修学旅行(2年)、2学期中間考査 |
11月 | 授業公開週間、面談週間、生徒総会 |
12月 | 2学期期末考査、ビブリオバトル(1・2年) |
1月 | GTEC(1・2年) |
2月 | 合唱祭(1・2年) |
3月 | 学年末考査、卒業式、進路講演会 |
特色ある行事
- ぽろにあ祭:校章の桐の学名「Paulownia」と芸術都市ボローニャに由来する文化祭。毎年9月下旬の土日に開催され、生徒が主体となって企画・運営を行います。
- 合唱祭:2008年に新設された行事で、学年・クラス対抗で実施。音楽的素養の向上と団結力の育成を図ります。
- ビブリオバトル: 読書活動推進の一環として実施。生徒が本を紹介し合い、最も読みたくなった本を決める知的書評合戦です。
都立田園調布高校の部活動や課外活動
運動部
主要運動部
サッカー(男子)、バレーボール(男女)、バスケットボール(男女)、野球(硬式)、陸上競技、剣道、バドミントン、硬式テニス(男女)、卓球、ダンス、ワンダーフォーゲル、水泳
活動の特徴
- 野球部は校舎隣接グラウンドと多摩川河川敷グラウンドを利用
- ダンス部は外部指導員の指導のもと、年3回の校内公演を実施
- 陸上競技部は都大会出場を目標に切磋琢磨
文化部
主要文化部
吹奏楽、軽音楽、演劇、箏曲、茶道、美術、漫画研究、ピアノ、総合科学、料理研究、かるた
活動の特徴
- 総合科学部は理数研究校の取り組みの中核として活動
- 茶道部は裏千家茶道教授の指導を受け、高文連大会に参加
- 吹奏楽部はコンクールや定期演奏会に向けて活動
特色ある活動
生徒会活動
「田高生による、田高生の、田高生のための生徒会」をモットーに、球技大会や生徒総会の運営、学校説明会のボランティア参加など、積極的に学校運営に参画しています。
都立田園調布高校の施設と環境
主な施設
教育施設
- CALL教室(情報授業や総合的探究の時間に活用)
- 図書館(蔵書約27,000冊、大田区立図書館との連携)
- 視聴覚室(100席設置、授業や講演会で利用)
- 和室(茶道部や筝曲部が活動)
体育施設
- 体育館(メインアリーナ):冷暖房完備、LED照明付き
- 体育館(サブアリーナ):卓球部、ダンス部、学年集会などで活用
- グラウンド:約170m×6コースのトラックと70m×2コースのタータン走路
- プール:25mコース、屋上に設置
- 柔道場・剣道場:各部活動で利用、床と壁が新調
- トレーニングルーム:同窓会からの寄付により様々なトレーニング機器を設置
- 多摩川河川敷グラウンド:サッカー部、野球部兼用
特色ある施設・環境
- ピロティー:昇降口にあり、朝や放課後に生徒の憩いの場として、また自学自習スペースとして活用されています。「壁画前」とも呼ばれる親しまれた空間です。
- 自学自習環境: 校内各所に自学自習スペースが設置され、朝7時30分から午後6時まで自習可能。「ぽろにあ手帳」と合わせて学習習慣の定着を支援しています。
- 施設改修: 令和4年度から施設の改修が進んでおり、屋上防水・外壁改修工事(令和4年)、特別教室空調設備改修工事(令和5年)、便所改修工事(令和6年)などが完了し、学習環境が大幅に改善されています。
進学校復活を目指す改革で難関大合格者が大幅増加!
都立田園調布高校は創立75年の伝統と、「進学校復活」を目指した学校改革により、近年大きく飛躍している注目の都立高校です。GMARCH合格者が5年間で40人から63人へと1.6倍に増加するなど、着実に進学実績を向上させています。アドバンストクラス(国公立大学選抜クラス)の設置、Tokyo GE-NET EEや理数研究校の指定により、質の高い教育環境が整備されており、今後さらなる発展が期待されます。
田園調布南の閑静な住宅街という恵まれた立地、充実した施設設備、生徒主体の学校運営、そして熱心な進路指導により、生徒一人ひとりの「未来社会で活躍できる人材」としての成長を支援しています。偏差値51-56程度で入学でき、入試倍率も1.2倍程度と受験しやすい水準でありながら、難関大学への進学も十分に狙える、コストパフォーマンスの高い都立高校として、中学生とその保護者に強くおすすめできる学校です。
この高校を目指すなら、まずは「過去問」でレベルを確認!
都立高校入試では「共通問題」と呼ばれる全校共通の筆記試験が実施されます。
この高校を本気で目指すなら、まずはその出題傾向を知ることが合格への近道です。
2019年~2025年(昨年度)の全教科の問題を掲載し、すべての問題にわかりやすい解説つき。
各教科の出題傾向と対策、公立高校合格のめやす、選抜のしくみ、入試情勢など、受験に役立つ情報が1冊にまとめられています。
※リスニング音源は出版社ホームページで聴くことができます。
👉【2026年度入試対応】都立高校共通問題の過去問はこちら

👉【2026年度入試対応】併願校探しや優遇基準の確認はこちら

この高校に入りたい。でも、勉強に不安があるあなたへ
調べた高校に魅力を感じて、「ここに入りたい」と思った方もいるのではないでしょうか。
でも、「内申が足りるかな…」「苦手教科がある…」と不安に感じる中学生も少なくありません。
そんなときに頼りになるのが【スタディサプリ】です。
学校の授業をわかりやすく復習できる講座や、都立・私立など志望校別の対策講座も充実。
スマホ1つで、いつでも・どこでも、自分のペースで勉強できます。
塾が合わなかった人や、これから本気で勉強を始めたい人にもおすすめです。

「スタサプは10分だけでも勉強できるから、通学中とか寝る前とかスキマ時間に使えるんだって!」
部活や学校で忙しくても、スキマ時間に学べるのがスタサプの強み。
映像授業だから、自宅でいつでも自分のペースで復習や予習ができる!
今ならコスパ抜群のスタサプで5教科対応の本格学習を始めよう。
\ スキマ時間で、今すぐスタート! /
スタサプ





<参照元>
ページ内の大学合格実績やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各都立高校の最新データをご確認ください。
・田園調布高校公式サイト https://www.metro.ed.jp/den-enchofu-h/