都立武蔵高等学校・附属中学校は、東京都武蔵野市に位置する公立の中高一貫校です。昭和15年(1940年)に東京府立第十三高等女学校として開校して以来、85年の歴史を持つ伝統校です。昭和25年(1950年)に男女共学となり、現在の東京都立武蔵高等学校となりました。
平成20年(2008年)に附属中学校が開校し、中高一貫教育校としてスタートを切りました。現在は高校からの生徒募集を停止し、完全型中高一貫校となっているため高校からの入学はできず、入学するには小学6年生の時に適性検査を受験する必要があります。
教育目標として「豊かな知性と感性」「健康な心と体」「向上進取の精神」を掲げ、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成を目指しています。最大の特色は、総合的な学習(探究)の時間を活用した独自の教育プログラム「地球学」です。地球規模の課題を「自分ごと化」し、課題解決に向けて学び、行動していく生徒を育成します。
国公立大学への現役合格率は50.0%と、都立中高一貫校の中でもトップクラスの実績を誇ります。2025年と2022年には東京大学理科三類(医学部)への現役合格者を輩出し、慶應義塾大学医学部にも同年度に1名ずつ合格するなど、最難関医学部への高い合格実績を示しています。また、数学オリンピックや科学オリンピックなど、学術コンテストでも全国トップレベルの成果を上げています。
都立武蔵高等学校・附属中学校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
都立中高一貫校の入試は、私立中学の学力試験とは異なり、「適性検査」という形式で実施されます。また適性検査だけではなく調査書の内容とともに複合的に合否判定がなされます。そのため、偏差値は参考値として捉える必要があります。各模試における武蔵高等学校・附属中学校の偏差値の目安は以下の通りです。
- 首都圏模試センター:69
- 日能研(R4:80%水準):62
- 四谷大塚(Aライン80):62
これらの数値から、武蔵高等学校・附属中学校は都立中高一貫校の中で最上位レベルに位置していることがわかります。適性検査は教科書の範囲内から出題され、思考力・判断力・表現力を測る問題が中心となるため、私立中学受験とは異なる対策が求められます。
入試倍率
武蔵高等学校・附属中学校の募集定員は80名です。2025年度入試から、従来の男女別定員が廃止され、男女合同定員となりました。この変更により、性別に関わらず公平な選抜が行われるようになっています。
過去10年間の応募倍率と受検倍率の推移は以下の通りです。
全体の倍率推移(2016年~2025年)
年度 | 応募倍率 | 受検倍率 | 受検辞退率 | 入学辞退率 |
---|---|---|---|---|
2016年度 | 4.86倍 | 4.70倍 | 3.3% | 10.0% |
2017年度 | 4.45倍 | 4.15倍 | 6.7% | 7.5% |
2018年度 | 4.46倍 | 4.23倍 | 5.0% | 7.5% |
2019年度 | 4.94倍 | 4.65倍 | 5.9% | 5.8% |
2020年度 | 4.27倍 | 4.10倍 | 3.9% | 9.2% |
2021年度 | 3.21倍 | 3.04倍 | 5.3% | 8.1% |
2022年度 | 3.09倍 | 2.94倍 | 4.8% | 8.8% |
2023年度 | 2.94倍 | 2.83倍 | 3.8% | 7.5% |
2024年度 | 2.63倍 | 2.52倍 | 4.3% | 11.3% |
2025年度 | 2.38倍 | 2.28倍 | 4.5% | 11.9% |

【参考】男子の倍率推移(2020年~2024年)
年度 | 応募倍率(男子) | 受検倍率(男子) | 受検辞退率(男子) | 入学辞退率(男子) |
---|---|---|---|---|
2020年度 | 4.00倍 | 3.83倍 | 4.2% | 10.0% |
2021年度 | 3.66倍 | 3.44倍 | 6.1% | 8.8% |
2022年度 | 3.11倍 | 2.99倍 | 4.0% | 12.5% |
2023年度 | 3.08倍 | 2.98倍 | 3.3% | 8.8% |
2024年度 | 2.58倍 | 2.45倍 | 4.9% | 11.3% |

【参考】女子の倍率推移(2020年~2024年)
年度 | 応募倍率(女子) | 受検倍率(女子) | 受検辞退率(女子) | 入学辞退率(女子) |
---|---|---|---|---|
2020年度 | 4.53倍 | 4.37倍 | 3.7% | 8.3% |
2021年度 | 2.75倍 | 2.64倍 | 4.1% | 7.5% |
2022年度 | 3.08倍 | 2.90倍 | 5.7% | 5.0% |
2023年度 | 2.81倍 | 2.69倍 | 4.4% | 6.3% |
2024年度 | 2.69倍 | 2.59倍 | 3.7% | 11.3% |

倍率は年々低下傾向にあり、2016年度の4.86倍(受検倍率4.70倍)から、2025年度は2.38倍(受検倍率2.28倍)まで下がっています。特に2021年度以降は3倍を下回る状態が続いており、2025年度は過去10年間で最も低い倍率となりました。
都立中高一貫校10校全体の平均と比較すると、武蔵は都立平均よりも低い倍率で推移しており、近年は受験しやすい状況となっています。入学辞退率は11.9%とやや高めですが、これは私立中学との併願による影響と考えられます。
倍率の低下は受験生にとってチャンスが広がっていますが、武蔵は国公立大学合格率50%という高い実績を持つ名門校であり、偏差値も都立トップクラスです。しっかりとした受験対策は依然として必要です。
都立武蔵高等学校・附属中学校の歴史と伝統
都立武蔵高等学校・附属中学校の歴史は、昭和15年(1940年)に東京府立第十三高等女学校として開校したことに始まります。85年の歴史を持つ伝統校です。
主な沿革
- 昭和15年(1940年) 東京府立第十三高等女学校として開校
- 昭和16年(1941年) 東京府立武蔵高等女学校と改称
- 昭和24年(1949年) 東京都立武蔵女子高等学校と改称
- 昭和25年(1950年) 東京都立武蔵高等学校となり、男女共学開始
- 昭和38年(1963年) 旧校舎増改築竣工
- 平成14年(2002年) 新校舎完成
- 平成15年(2003年) グラウンド整地完成
- 平成20年(2008年) 東京都立武蔵高等学校附属中学校開校
- 平成22年(2010年) 創立70周年記念式典
- 平成27年(2015年) プール改修、グラウンド改修・芝生化完成
- 平成28年(2016年) テニスコート改修完成
- 令和4年(2022年) 高校入試停止、完全型中高一貫校化
伝統の「向上進取の精神」
武蔵高校は創立以来、「向上進取の精神」を大切にしてきました。この精神は、常に上を目指し、自ら進んで新しいことに挑戦する姿勢を表しています。附属中学校開校後も、この良き伝統を受け継ぎながら、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成という新たな目標に向かって進化を続けています。
地域に根ざした学校
武蔵野市という文教地区に位置し、地域との結びつきも強い学校です。「地球学」では地域巡検や結い体験学習など、地域との連携を活かした教育活動を展開しています。80年を超える伝統と歴史を有する学校として、地域に根ざしながら世界に目を向けるグローバルな教育を実践しています。
都立武蔵高等学校・附属中学校の立地と最寄り駅、周辺環境
所在地とアクセス
所在地 | 東京都武蔵野市境4-13-28 |
最寄り駅 | JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」 北口下車 徒歩10分 西武新宿線「田無駅」 より西武バス武蔵境駅行「桜橋」下車 徒歩7分 西武池袋線「ひばりヶ丘駅」 より西武バス武蔵境駅行「桜橋」下車 徒歩7分 京王線「調布駅」 より小田急バス武蔵境駅南口行「終点」下車 徒歩10分 |
JR中央線が通る武蔵境駅から徒歩10分という便利な立地です。中央線は新宿まで約20分、東京駅まで約35分とアクセスが良く、都内各地からの通学に便利です。また、西武多摩川線も乗り入れており、複数の路線からアクセス可能です。
バス利用の場合も、西武新宿線、西武池袋線、京王線の各駅からバスが運行されており、多方面からの通学に対応しています。
周辺環境
武蔵高等学校・附属中学校が位置する武蔵野市境エリアは、閑静な住宅街と文教施設が調和する地域です。
周辺の主な施設
- 武蔵野市立境南小学校:隣接
- 武蔵野プレイス(図書館・生涯学習施設):約1km
- 武蔵野中央公園:約1.5km
- 井の頭恩賜公園:約3km
- 武蔵野市役所:約2.5km
学校周辺は武蔵野の緑豊かな環境が残る地域で、落ち着いた雰囲気の中で学習に集中できます。武蔵境駅周辺には商業施設もあり、通学時の利便性も確保されています。
武蔵野の自然を活かした教育
学校の校舎は主に平成15年(2003年)に新築されたもので、約8,000㎡の広大な多目的グラウンドや全天候型テニスコート3面、屋上プールなど、充実した施設を備えています。武蔵野の自然環境を活かし、「尾瀬サマーキャンプ」などの校外学習も実施しています。
都立武蔵高等学校・附属中学校の校風と教育方針
教育目標
「向上進取の精神」で国際社会に貢献するリーダーを育成
都立武蔵高等学校・附属中学校の教育目標は、以下の3つの柱から成り立っています。
- 豊かな知性と感性
- 健康な心と体
- 向上進取の精神
これらの目標のもと、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成を目指しています。
グラデュエーション・ポリシー(育成する生徒像)
- 各教科の学習や特別活動、総合的な探究の時間を通して、言語活動、国際理解教育及び理数教育の推進を図るとともに、豊かな知性と感性をもつ生徒
- 体系的なキャリア教育を通して一人ひとりの高い進路目標を確立し、実現させる生徒
- いじめのない豊かな人間関係づくりや社会生活の基本的ルールを身に付け、社会に貢献しようとする精神を持つ生徒
武蔵が目指す3つの力
- 学習したことを生かす力:社会で求められる知識・技能を学習習慣と生活習慣の定着により育成する
- 課題解決に取り組む力:協働的な学習と体験により視野を広げて主体的に学習する姿勢や態度を育成する
- 自らを社会に活かす力:体系的なキャリア教育をもとに、自身を社会や世界で活かす力を育成する
特色ある教育活動
武蔵の教育は、伝統的な「向上進取の精神」を基盤としながら、現代社会で求められる力を育成する特色ある活動を展開しています。
1. 武蔵の「地球学」
武蔵最大の特色は、総合的な学習(探究)の時間を活用した独自の教育プログラム「地球学」です。
「地球が直面している問題は自分の問題」という認識のもと、附属中学校では年間約50時間、高等学校1年生では週2時間、合計4年間にわたって地球学を学びます。
学びの内容
- 中学1年(基礎講座):尾瀬サマーキャンプでの体験を基にグループ研究、地域巡検を通じた調査活動
- 中学2年(発展講座):結い体験学習(農業体験)を通じた持続可能な社会への理解
- 中学3年(応用講座):模擬国際連合で気候変動や海洋プラスチック問題を議論、個人課題研究の開始
- 高校1年(人間と社会):個人課題研究の完成(研究論文執筆・発表)、SDGsグループ課題研究(新聞製作・ポスター発表)
学習の進め方
「地球と私」をテーマにした自然・社会・人文科学を中心に、教科横断的に学びます。文献調査・実験・観察・インタビュー・アンケート調査などの調査体験活動や、グループワーク・グループディスカッションを通じて課題研究を行い、まとめとして論文作成や研究発表を行います。
2. 確かな学力の定着
質の高い授業と学習習慣の定着により、思考力・判断力・表現力を育成します。
- 45分7時間授業:1日の授業数を増やすことで、予習→授業→復習のサイクルを増やし、学力の伸長と定着を目指す
- きめ細かい学習指導:国語・数学・英語を中心に、多くの教科で少人数・習熟度別授業を実施
- 発展的な内容:中学校では高校の学習内容を取り入れた発展的な授業を実施
- 朝読書・朝学習:1時間目の授業に落ち着いて臨むため、毎朝読書または学習の時間を設定
3. 特色ある英語教育
世界で活躍するリーダーに必要な英語力を育成します。
- TGG(東京グローバルゲートウェイ):中学3年生で体験学習に参加、オールイングリッシュで国際機関や企業との連携プログラムを実施
- オンライン英会話:高校2年生で1人1台のタブレット端末で海外の講師とマンツーマン会話
- オーストラリア語学研修:高校1年生(3月実施)
- 実践的な英語活動:英語スピーチコンテスト、英語ディベートなどで多数の受賞実績
4. 充実したキャリア教育
6年間を見通した体系的なキャリア教育を実施します。
- キャリアパスポート:6年間の学校生活を記録し、振り返りと自己評価を実施
- 職場体験(中2):地元の商店街や企業での体験
- キャンパス訪問(中3):東京大学などの難関国公立大学を訪問
- 大学出張授業(高1・高2):国公立大学の先生による講義
- 卒業生による受験報告会:先輩から直接アドバイスを受ける
独自の校風
武蔵の校風は、生徒が主役となって主体的に活動することを重視しています。
生徒主体の学校運営
- 三大行事:音楽祭・文化祭・体育祭は、高校生の委員長団が中心となり、附属中学校の実行委員会と全校生徒が協働して企画運営
- 生徒会活動:中学生徒会と高校生徒会がそれぞれ独自に活動し、学校生活の改善に取り組む
- 部活動:ほぼ全員が加入し、中高合同で活動する部活も多い
武蔵生としての誇りと品位
武蔵では、「武蔵生としての誇りと品位」を大切にしています。どんな場所・場面でも武蔵生としての自覚を持ち、「基本的な生活習慣」と「礼儀」を身に付け、「自主自立の精神」を育てます。
- 制服着用:中学校では国連ブルーを基調とした制服を着用(高校は服装の指定なし)
- 携帯電話使用禁止:校内では携帯電話等の使用を禁止し、生徒同士の直接的な対話を大切にする
- 給食は教室で学級単位:令和4年度から自校式調理となり、給食も教育の一環として実施
都立武蔵高等学校・附属中学校の進路・進学実績
進路・合格者の推移
2025年3月卒業生(112名)は、2022年度に高校入試が停止されてから初めての卒業生で、附属中学校からの内部進学生のみとなりました。そのため、例年の卒業生数(約190名)と比べて大幅に少なくなっています。
国公立大学への合格者は56名(全体の50.0%)、私立大学への延べ合格者数は385名となっています。卒業生の半数が国公立大学に現役合格するという、極めて高い実績を示しています。
主な大学・短大・専門学校合格実績
2025年3月卒業生の主な合格実績は以下の通りです。
最難関国立大学
- 東京大学(理三含む):5名
- 京都大学:3名
- 一橋大学:9名
- 東京科学大学:2名
- 国公立医学部医学科:2名(理三重複)
難関国立大学(旧帝大)
- 北海道大学:1名
- 東北大学:3名
準難関国立大学(TOCKY)
- 筑波大学:5名
- お茶の水女子大学:1名
- 千葉大学:1名
- 横浜国立大学:5名
私立最難関大学
- 早稲田大学:55名
- 慶應義塾大学(医学部除く):17名
- 上智大学:53名
- 東京理科大学:20名
私立難関大学(GMARCH)
- 明治大学:48名
- 立教大学:17名
- 中央大学:24名
- 法政大学:23名
- 青山学院大学:9名
- 学習院大学:2名
合計123名がGMARCHに合格しており、私立難関大学への進学実績も充実しています。

進路指導の特徴
6年間を通じた系統的な進路指導で「一歩進んだ進路実現」
武蔵の進路指導は、「一歩進んだ進路実現」を目指し、6年間を通じた系統的なプログラムを展開しています。
進路指導の4つの目標
- 自らを律して学習習慣や生活習慣を身につけ、「学習したことを生かす力」を養う
- 集団において他者と協働して、グローバルな視点から「課題解決に取り組む力」を養う
- 社会で求められる学力や幅広い知識・教養を身につけ、「自らを社会や世界に活かす力」を養う
- 自らの意志で進路の方向性を決定し、自己の進路実現を図る
主な進路指導プログラム
- キャリア・パスポート:6年間を通じた学習記録と振り返り
- 三者面談:定期的な面談で生徒・保護者・教員が連携
- 放課後チューター講座:週1~2回、外部講師がサポート
- 実力テスト・模擬試験:定期的に学力を測定
- スプリングセミナー(高1):武蔵高生として必要な学習姿勢を習得
- 夏期講習(高3):集中的な受験対策
- ウィンターセミナー・冬期講習(高2):数学や英語のハイレベル講習
- 大学模擬授業(高1・高2):国公立大学の先生による講義
- 受験報告会(高2):進路が確定した高3が後輩にアドバイス
高い国公立大学合格率の秘訣
武蔵が国公立大学合格率50%という高い実績を維持できる理由は、以下の点にあります。
- 基礎基本の徹底:朝学習、45分7時間授業、少人数・習熟度別授業による確実な学力定着
- 地球学を通じた探究力:4年間の地球学で培われた課題発見・解決能力
- 充実したキャリア教育:6年間を見通した系統的な進路指導
- 手厚い個別指導:放課後チューター講座や三者面談による個別サポート
- 生徒主体の学び:生徒が主役となって主体的に学習に取り組む姿勢
都立武蔵高等学校・附属中学校のイベント・学校行事
主な年間行事
月 | 主な行事 |
---|---|
4月 | 1学期始業式、入学式、新入生歓迎会(中1)、スプリングセミナー(高1)、定期健康診断 |
5月 | 1学期中間考査、地域巡検Ⅰ(中1)、結い体験学習(中2)、生徒会役員選挙(高) |
6月 | 生徒総会、音楽祭 |
7月 | 1学期期末考査、1学期終業式、部活動合宿(高)、尾瀬サマーキャンプ(中1)、夏期講習 |
8月 | 夏期講習、上級学校訪問(中3)、2学期始業式 |
9月 | 模擬国連(中3)、文化祭、体育祭、生徒会役員選挙(中) |
10月 | 2学期中間考査、修学旅行(中3) |
11月 | 大学模擬講義(高1・高2)、職場体験学習(中2)、地域巡検Ⅱ(中1)、地学巡検(中2・中3)、TGG英語研修(中3)、生徒総会(中) |
12月 | 伝統芸能鑑賞会(高)、2学期期末考査、2学期終業式、ウィンターセミナー(高2)、冬期講習 |
1月 | 3学期始業式、開校記念日 |
2月 | マラソン大会(中) |
3月 | 学年末考査、地球学発表会(中3・高1)、球技大会(中)、卒業式、修了式、オーストラリア語学研修(高1) |
特色ある行事
- 音楽祭・文化祭・体育祭: 武蔵の三大行事と呼ばれる音楽祭、文化祭、体育祭は、高校生の委員長団が中心となり、附属中学校の実行委員会と全校生徒が協働して企画運営します。どの行事も学校が一体となって大きく盛り上がります。
- 音楽祭(6月): クラスごとに課題曲と自由曲を歌い、完成度を競います。中高一体となって音楽を楽しむ行事で、武蔵の音楽教育の成果が発揮されます。
- 文化祭(9月): 生徒が主体となって企画・運営する文化祭。各クラスの出し物、部活動の発表、地球学の研究発表など、多彩な企画が並びます。特に中学3年生と高校1年生による地球学発表会は、4年間の学びの成果を披露する重要な場となっています。
- 体育祭(9月): クラス対抗で競技を行い、優勝を目指します。応援合戦も見どころで、中高一体となって盛り上がります。
- 尾瀬サマーキャンプ(中1・7月): 中学1年生全員が参加する宿泊行事。尾瀬の豊かな自然の中で、環境学習や自然観察を行います。この体験をもとに、グループで課題研究を行い、文化祭で発表します。地球学の基礎となる重要な行事です。
- 結い体験学習(中2・5月): 農業体験を通じて、持続可能な社会について学びます。田植えや野菜の収穫など、実際に土に触れることで、食の大切さや環境問題を実感します。
- 模擬国際連合(中3・9月): 中学3年生が各国の大使になりきり、気候変動や海洋プラスチック問題をテーマに議論し、決議案を作成します。国際理解教育と地球学の集大成となる行事です。
- 修学旅行(中3・10月): 中学3年生の修学旅行では、歴史や文化を学びながら、クラスの絆を深めます。
- オーストラリア語学研修(高1・3月): 高校1年生の希望者が参加する語学研修。現地の学校との交流やホームステイを通じて、実践的な英語力と国際感覚を養います。
- マラソン大会(中・2月): 中学生が参加するマラソン大会。健康な心と体を育てる行事として、毎年実施されています。
都立武蔵高等学校・附属中学校の部活動や課外活動
運動部
武蔵には以下の運動部があります。ほぼ全員が部活動に加入しており、学業との両立を図りながら活発に活動しています。
高校運動部
陸上競技部、ラグビー部、サッカー部、バドミントン部、男子バスケットボール部、女子バスケットボール部、男子バレーボール部、女子バレーボール部、男子硬式テニス部、女子硬式テニス部、卓球部、水泳部、剣道部、合気道部、ダンス部、山岳部
中学運動
部 陸上競技部、ラグビー部、サッカー部、女子バスケットボール部、女子バレーボール部、男子硬式テニス部、女子硬式テニス部、卓球部、剣道部
主な実績
- 陸上競技部:令和6年度:都総体個人7種目・リレー2種/都新人大会個人8種目・リレー1種目/東京都50傑表記載種目あり
- ラグビー部:令和6年度:東京都中学ラグビー春季大会Ⅱ部準優勝
- サッカー部:令和6年度:東京都8地区ユースリーグ2部(高)10位/中学7人制サッカー東京大会上位リーグ進出
- 女子バスケットボール部:令和6年度:武蔵野市内中学校大会3位/武蔵野市内中学校一年生大会準優勝
- 男女硬式テニス部令和6年度:都立中高一貫校大会 高校女子3位、高校男子2位/武蔵野市内中学校テニス大会2位、令和5年度:東京都中学校テニス選手権大会 男子シングルス・女子ダブルス・男女団体 都大会本選出場
- 卓球部:令和6年度:秋季武蔵野市民スポーツ祭シングルス優勝(高)/中高一貫校卓球大会男子団体優勝(高)・女子団体準優勝(中)
- 剣道部:令和4年度:武蔵野市内中学校剣道大会 経験者男子の部優勝・準優勝
文化部
武蔵には以下の文化部があります。
高校文化部
吹奏楽部、合唱部、室内楽部、軽音楽部、生物部、天文部、美術部、茶道部、パソコン部、演劇部、文芸部、お菓子研究部
中学文化部
吹奏楽部、合唱部、室内楽部、生物部、美術部、茶道部、パソコン部、文芸部
主な実績と特徴
吹奏楽部
- 令和6年度:東京都高等学校吹奏楽コンクールB組 金賞および最優秀賞
- 令和5年度:東京都高等学校吹奏楽コンクールB組 金賞
- 中高合わせて50人以上の部員が仲良く活動
合唱部
- 東京春のコーラスコンテスト2023 高等学校の部 混声 銀賞
- 週に一度、外部の講師の先生に指導を受ける
室内楽部
- ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスでの弦楽合奏
- 大多数が初心者でありながら、音楽祭、文化祭、地区音楽会、定期演奏会で演奏
生物部
- 室内での研究と屋外でのフィールドワークを実施
- 東京都檜原村で里山の保全活動に参加
- 文化祭では毎年研究発表を実施
美術部
- 日学・黒板アート甲子園2023 審査員特別賞(中学校)
- 日学・黒板アート甲子園2022 優秀賞(中学校)
茶道部
- 令和6年度:東京都高等学校文化連盟 冬の茶会参加(中高)
- 表千家流の薄茶の作法を学ぶ
パソコン部
- 第23回日本情報オリンピック(JOI 2023/2024)本選優秀賞
- AtCoder Junior League 2023 高校部門11位
- 自由な雰囲気で、各自が好きなことに取り組む
特色ある活動
中高合同での活動
武蔵の部活動の大きな特徴は、多くの部活が中高合同で活動していることです。中学生は高校生の先輩から直接指導を受けることができ、高いレベルの技術や経験を学べる貴重な機会となっています。
学術コンテストでの優秀な成績
武蔵の生徒は、学術コンテストでも全国トップレベルの成果を上げています。
令和6年度(高等学校)
- 化学グランプリ2024 銅賞1名
- 青少年英語スピーチコンテスト 東京都知事賞1名
- 日本数学オリンピック(JMO) Aランク賞1名
令和5年度(高等学校)
- アジア太平洋数学オリンピック 個人金メダル
- 第64回国際数学オリンピック 世界大会団体6位/個人金メダル
- 日本生物学オリンピック全国大会 銀賞
- 「iGEM」合成生物学世界大会 高等学校部門優勝
- 第23回日本情報オリンピック 優秀賞1名/敢闘賞4名
- 第13回牧水・短歌甲子園 団体戦優勝
令和6年度(附属中学校)
- 第68回日本学生科学賞東京大会 優秀賞2名/奨励賞1名/努力賞6名
- 中学生の主張東京都大会 教育委員会賞1名/優良賞1名/奨励賞1名
- 都内公立中高一貫教育校英語スピーチコンテスト 準優勝
- 第8回PDA中学生即興型英語ディベート全国大会 第3位
令和4年度(高等学校)
- 日本数学オリンピック全国大会 銀賞
- 第64回国際数学オリンピック 日本代表
- 科学の甲子園東京都大会 東京都知事賞(総合第1位・全国大会出場)
令和4年度(附属中学校)
- 中学生科学コンテスト東京都大会 東京都知事賞(総合第1位・全国大会出場)
- 第10回科学の甲子園ジュニア全国大会 優良賞
これらの実績は、武蔵の質の高い教育と、生徒の主体的な学習姿勢の成果を示しています。
生徒会活動
- 中学生徒会:7人の役員で構成され、全校集会の運営、委員会の統率、高校生徒会と協力してイベント運営。I-posという独自の意見箱を設置
- 高校生徒会:定例会や生徒総会を通じて学校生活の改善に取り組む。文房具や空のコンタクトレンズケースの回収など社会貢献活動も実施
都立武蔵高等学校・附属中学校の施設と環境
主な施設
都立武蔵高等学校・附属中学校の校舎は、主に平成15年(2003年)に新築されたもので、現在ではほとんどの教室にエアコンが完備されています。
教育施設
- 普通教室:各教室にICT用のプロジェクターとスクリーンを設置、エアコン完備
- 自習室:高校3年生専用の自習室を完備
- 視聴覚室:大型スクリーンとプロジェクターを備えた階段教室(ホール)、約300人収容可能
- 図書館:蔵書数約44,000冊、座席数48席、インターネットや蔵書情報の閲覧ができるパソコンコーナーあり
- PC教室:情報教育用の設備
- LL教室:語学学習用の設備
特別教室
- 理科実験室(物理・化学・生物・地学)
- 音楽室
- 美術室
- 調理室
運動施設
- グラウンド:200mトラック(6コース)の設置が可能な野球・サッカー・ラグビーのできる多目的グラウンド(約8,000㎡)
- テニスコート:全天候型(透水性砂入り人工芝)テニスコート3面、全コート夜間照明付き
- 屋上プール:武道棟2階の屋上に設置された見晴らしの良いプール(25m×17m 8コース)
- 体育館:天井までの高さが13m以上の開放感あふれる体育館、冷暖房完備(令和元年7月より)
- 中庭:全天候型舗装材が施され、授業・部活動・行事など様々な活動に使われる多目的スペース
特色ある施設・環境
- 自校式給食: 令和4年度から自校式調理となり、適温での給食の提供が可能になりました。毎月、行事食や東京都産食材を取り入れ、給食も教育の一環となるよう献立作成に力を入れています。給食は教室で学級単位で食べ、栄養士・調理員が生徒や教員とのコミュニケーションを積極的に図っています。
- 武蔵野の自然環境: 武蔵野市という緑豊かな環境に位置し、広大なグラウンドや充実した運動施設を備えています。平成27年にはプール改修、グラウンド改修・芝生化が完成し、より快適な環境となりました。
- ICT環境の充実: 各教室にICT用のプロジェクターとスクリーンが設置され、タブレット端末を活用した授業も実施されています。高校2年生では1人1台のタブレット端末でオンライン英会話を実施するなど、最新のICT教育を取り入れています。
- 全天候型施設: テニスコートは全天候型(透水性砂入り人工芝)で、夜間照明も完備されているため、年間を通して夕方まで使用可能です。中庭も全天候型舗装材が施され、雨天時でも活動できます。
- 開放的な学習環境: 体育館は天井までの高さが13m以上あり、開放感あふれる空間です。冷暖房完備により、一年を通じて快適に活動できます。屋上プールは見晴らしが良く、武蔵野の空の下で気持ちよく水泳の授業を受けられます。
「地球学」と「向上進取」で世界を変えるリーダーへ
都立武蔵高等学校・附属中学校は、昭和15年創立、85年の伝統を持つ公立中高一貫校です。教育目標として「豊かな知性と感性」「健康な心と体」「向上進取の精神」を掲げ、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成を目指しています。
現在は高校入試を停止し、完全型中高一貫校となりました。附属中学校からの内部進学生のみとなったことで、より一貫性のある6年間の教育が可能となっています。武蔵境駅徒歩10分という便利な立地で、JR中央線を利用すれば新宿まで約20分、都内各地からアクセス良好です。
武蔵最大の特色は、独自の教育プログラム「地球学」です。中学1年から高校1年まで4年間にわたり、「地球と私」をテーマに自然・社会・人文科学を教科横断的に学びます。尾瀬サマーキャンプ、結い体験学習、模擬国際連合など、体験を重視した学習を通じて、地球規模の課題を「自分ごと化」し、SDGsと関連させた課題解決能力を育成します。個人課題研究では約1年かけて研究論文を執筆し、プレゼンテーション能力も養います。
進学実績は極めて優秀で、2025年度は国公立大学合格率50.0%を達成しました。卒業生112名中、東京大学5名(うち理三1名)、京都大学3名、一橋大学9名が合格し、早慶は73名、GMARCHは123名という高い実績を残しています。2025年と2022年には東京大学理科三類と慶應義塾大学医学部への現役合格者を輩出するなど、最難関医学部への実績も持ちます。
学術コンテストでも全国トップレベルの成果を上げており、国際数学オリンピックで個人金メダル、合成生物学世界大会で高等学校部門優勝、科学の甲子園で東京都知事賞受賞など、数々の栄冠に輝いています。これらの実績は、質の高い授業と生徒の主体的な学習姿勢の成果です。
三大行事(音楽祭・文化祭・体育祭)は、生徒が主役となって企画・運営し、中高一体となって盛り上がります。部活動はほぼ全員が加入し、多くの部活が中高合同で活動しています。吹奏楽部は金賞および最優秀賞、卓球部は中高一貫校大会優勝など、部活動でも優秀な成績を収めています。
中学受験を控えたお子様と保護者の皆様にとって、武蔵高等学校・附属中学校は、85年の伝統と「地球学」という独自の教育プログラムのもと、国公立大学合格率50%という高い実績を誇り、国際社会で活躍するリーダーを目指せる、魅力的な選択肢といえるでしょう。
<参照元>
ページ内の大学合格実績やデータは各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各都立高校の最新データをご確認ください。
・都立武蔵高等学校・附属中学校公式サイト https://www.metro.ed.jp/musashi-h/
