【都立入試】進学指導推進校の入試倍率を徹底分析_01|三田・豊多摩・竹早・北園・上野・江北・城東・江戸川・墨田川

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東京都の進学指導推進校は、2007年より東京都教育委員会が指定を開始した都立高校の一区分です。地域のニーズやバランスも考慮し、進学指導特別推進校に次ぐ進学校として15校(2024年時点)が指定されています。

現在の指定校は、三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、武蔵野北、小金井北、江北、江戸川、日野台、調布北、多摩科学技術の13校に、2024年度から新たに上野、昭和の2校が加わりました。

進学指導推進校の選定基準について、「都立高校における進学指導重点校等の指定について」では、「進学指導特別推進校に次ぐ大学合格実績をあげる学校の中から、地域ニーズ・地域バランスや学校の取組状況等を総合的に勘案」して指定すると記されています。

指定校では進学指導の充実を図り、進学実績の向上に重点を置いています。主な取り組みとして以下が挙げられます。

  • 放課後や長期休暇中の補習・講習の実施
  • 進路指導体制の整備
  • 学習環境の整備(自習室の開放など)
  • 習熟度別授業の導入
  • 個別指導の充実

これらの取り組みにより、各校とも着実に進学実績を向上させています。特に注目すべきは地域バランスを考慮した配置で、23区内から多摩地区まで、都内各地域の進学校としての役割を担っています。

このように進学指導推進校は、進学指導重点校、進学指導特別推進校に次ぐ位置づけながら、地域における進学指導の中核として重要な役割を果たしています。今後も各校の特色を活かしながら、さらなる教育の充実と進学実績の向上が期待されています。

国公立・私立難関大学への進学を念頭に置いた場合に、志望高校選びにて重要な選択肢となり得る進学指導推進校。全15校の倍率の変遷をみていきたいと思います。

目次

三田高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

三田高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1923年に東京府立第六高等女学校として創立され、大正自由教育運動のさなかで近代的な英才教育を行ってきた伝統校である都立三田高校の2024年度入試では、前年度を上回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は2.01倍で、前年度の1.65倍から大きく上昇し、進学指導推進校平均(1.57倍)を上回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.98倍となり、前年度の1.72倍を上回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.93倍と若干低下したものの、前年度の1.71倍を維持。受検倍率(2月下旬)では1.76倍となり、前年度の1.57倍と比較すると0.19ポイント高い結果となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.73倍となり、前年度の1.54倍を上回りました。

JR山手線田町駅から徒歩13分という好立地に位置し、進学指導推進校として英語教育推進校や言語能力向上拠点校の指定も受ける同校は、2024年度入試において特徴的な動きを見せました。2021年度の高い倍率(校長会調査時2.49倍)には及ばないものの、2022-23年度と比較すると、すべての段階で高い倍率を維持しました。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更がある中でも、同校は着実に倍率を伸ばしています。充実した国際教育プログラムや、授業を重視した進学指導体制への評価が、倍率上昇につながったと考えられます。

倍率推移のパターンを見ると、校長会調査時から最終応募倍率まで比較的安定した水準を保っており、志願者の意思が固かったことがうかがえます。2024年度の倍率上昇は、100年以上の歴史の中で培われてきた三田高校の教育の特色が、受験生とその保護者から改めて評価された結果といえるでしょう。

豊多摩高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

豊多摩高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1940年に東京府立第十三中学校として創立され、「自主自律」の校風と「文武両道」を掲げる都立豊多摩高校の2024年度入試では、前年度と同程度の倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.68倍で、前年度の1.60倍からわずかに上昇し、進学指導推進校平均(1.57倍)を上回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.89倍まで上昇したものの、前年度の1.95倍をやや下回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.87倍とほぼ横ばいながら、前年度の1.94倍をやや下回りました。受検倍率(2月下旬)では1.62倍まで低下し、前年度の1.74倍と比較すると0.12ポイントの減少となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.60倍となり、前年度の1.72倍を下回る結果となりました。

宮崎駿や谷川俊太郎など著名な文化人を輩出し、伝統的に文化活動が盛んな同校は、2024年度入試において新たな動きを見せました。2021-22年度の高い倍率(2022年度応募倍率2.11倍)には及ばないものの、進学指導推進校平均を上回る水準を維持しています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更の中で、豊多摩高校は比較的安定した倍率を維持しています。京王井の頭線浜田山駅からのアクセスも良く、生徒会を「学友会」、生徒を「学友」と呼ぶ独自の校風や、2007年からの進学指導推進校としての実績が、継続的な人気につながっているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、校長会調査時から最終応募倍率にかけて上昇する傾向が見られ、出願期間中に志願者の関心が高まったことが特徴として挙げられます。全体としては前年度をやや下回る結果となりましたが、安定した水準を維持できたことは、同校の教育の特色が受験生とその保護者から一定の評価を得ている証左といえるでしょう。

竹早高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

竹早高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1899年創立の「東京府立第二高等女学校」を前身とし、「浅草の第一(白鷗)、小石川の第二(竹早)、麻布の第三(駒場)」と称された伝統校である都立竹早高校の2024年度入試では、やや低下傾向の倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.81倍で、前年度の1.90倍からやや低下したものの、進学指導推進校平均(1.57倍)を上回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.79倍となり、前年度の1.99倍を下回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.77倍と若干低下し、前年度の1.90倍を下回りましたが、進学指導推進校平均(1.66倍)は上回りました。受検倍率(2月下旬)では1.67倍となり、前年度の1.79倍と比較すると0.12ポイントの減少となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.65倍となり、前年度の1.77倍を下回る結果となりました。

文京区小石川に位置し、東京学芸大学附属学校群と校地を隣接する同校は、2024年度入試において新たな動きを見せました。2021年度の高い倍率(応募倍率2.06倍)には及ばないものの、進学指導推進校平均を一貫して上回る水準を維持しています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更の中で、前年度と比べて倍率は低下したものの、「自主自律」の校風と標準服(私服可)の自由な校風、理数研究校や英語教育推進校としての特色、また帰国生徒の受け入れや第二外国語(フランス語、ドイツ語)の設置など、独自の教育プログラムへの評価は依然として高いことがうかがえます。

倍率推移のパターンを見ると、各段階で緩やかな低下傾向が見られるものの、進学指導推進校平均を上回る水準を維持しており、竹早塾での現役OBによる学習支援など、同校の教育の特色が受験生とその保護者から一定の支持を得ていることを示しています。

北園高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

北園高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1928年に東京府立第九中学校として創立され、生徒の自主性を重視する校風で知られる都立北園高校の2024年度入試では、前年度を下回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.57倍で、前年度の1.75倍から低下したものの、進学指導推進校平均(1.57倍)と同水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.81倍まで上昇し、前年度の1.83倍とほぼ同水準となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.78倍と若干低下し、前年度の1.80倍をわずかに下回りましたが、進学指導推進校平均(1.66倍)は上回る水準を維持。受検倍率(2月下旬)では1.64倍となり、前年度の1.68倍と比較すると0.04ポイントの減少となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.62倍となり、前年度の1.66倍を若干下回る結果となりました。

創立以来制服のない私服校として、細かな校則を持たない自由な校風を持つ同校は、2024年度入試において変化を見せました。2022年度の高い倍率(応募倍率2.16倍)には及ばないものの、進学指導推進校平均を上回る水準を維持しています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更の影響は見られるものの、信州大学と連携した「信州北園プロジェクト」や第二外国語教育(特にドイツ語)の充実、国公立大学・難関私立大学への進学実績など、同校の特色ある教育内容に対する評価は引き続き高いレベルを保っています。

倍率推移のパターンを見ると、応募倍率から最終応募倍率にかけての低下幅は比較的小さく、志願者の意思が安定していることが特徴として挙げられます。JR埼京線板橋駅から徒歩8分という立地に加え、放課後や長期休業中の進学補習など充実した進学指導体制への評価が、安定した倍率水準の維持につながっているといえるでしょう。

上野高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

上野高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1924年に関東大震災後の学校不足解消のために創立され、上野公園の一角で東京芸術大学や上野動物園と隣接する都立上野高校の2024年度入試では、前年度を上回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.66倍で、前年度の1.61倍からやや上昇し、進学指導推進校平均(1.57倍)を上回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では2.02倍まで大きく上昇し、前年度の1.85倍を大きく上回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.95倍と若干低下したものの、前年度の1.81倍を上回る水準を維持。受検倍率(2月下旬)では1.79倍となり、前年度の1.69倍と比較すると0.10ポイント高い結果となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.77倍となり、前年度の1.67倍を上回りました。

2023年4月に進学指導推進校の指定を受けた同校は、2024年度入試において新たな動きを見せました。立地の良さを活かした近隣文化施設との連携や、校訓「自主協調」「叡智健康」のもと進める進学指導が評価され、全ての段階で前年度を上回る倍率を記録。特に応募倍率での2.02倍という数字は、2021年度(2.12倍)に次ぐ高水準となりました。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更がある中でも、上野高校は倍率を上昇させています。日比谷線・銀座線上野駅から上野公園を通う立地の良さに加え、「かつての名門校の復活」を目指す同校の教育内容への期待が、着実な倍率上昇につながっているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、応募倍率での大幅な上昇が特徴的で、進学指導推進校としての新たなスタートに対する期待の高さがうかがえます。近年の進学実績向上と併せ、同校の教育の特色が受験生とその保護者から改めて評価された結果といえるでしょう。

江北高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

江北高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1938年に東京府立第十一中学校として創立され、「文武両道 質実剛健」を校是に掲げる都立江北高校の2024年度入試では、前年度を下回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.44倍で、前年度の1.85倍から大きく低下し、進学指導推進校平均(1.57倍)を下回る結果となりました。応募倍率(2月初旬)では1.52倍まで上昇したものの、前年度の1.98倍には及ばない結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.53倍とわずかに上昇し、前年度の1.90倍を下回りながらも、進学指導推進校平均(1.66倍)に近づく水準となりました。受検倍率(2月下旬)では1.43倍となり、前年度の1.84倍と比較すると0.41ポイントの減少となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.42倍となり、前年度の1.82倍を大きく下回る結果となりました。

1950-60年代には第五学区で上野高校に次ぐ位置にあり、早慶に数十名、東京大学に十数名を輩出していた同校は、2010年より進学指導推進校の指定を受け、教員公募制の実施や駿台予備学校と提携したオンデマンドサテネットシステムの導入など、進学実績向上への取り組みを進めています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更の影響は大きく見られたものの、JR常磐線綾瀬駅からのアクセスの良さや、新入生合宿、勉強合宿、土曜授業など充実した進学指導体制への一定の評価は保たれているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、応募倍率から最終応募倍率にかけて若干の上昇が見られ、志願者の関心が徐々に高まったことが特徴として挙げられます。全体としては前年度を大きく下回る結果となりましたが、2021年度と比較すると上昇傾向にあり、同校の教育改革への期待は依然として継続しているといえるでしょう。

城東高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

城東高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1978年に開校し、「スポーツの城東」の愛称で知られる都立城東高校の2024年度入試では、前年度を上回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は2.01倍で、前年度の1.91倍から上昇し、進学指導推進校平均(1.57倍)を大きく上回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.96倍となり、前年度の1.86倍を上回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.91倍と若干低下したものの、前年度の1.81倍を上回る水準を維持。受検倍率(2月下旬)では1.81倍となり、前年度の1.68倍と比較すると0.13ポイント高い結果となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)も1.81倍となり、前年度の1.66倍を上回る結果となりました。

1990年代半ばまで毎年東京大学に複数の合格者を輩出し、2007年より進学指導推進校の指定を受けている同校は、2024年度入試において新たな動きを見せました。土曜授業や補習体制の充実に加え、都立校で唯一甲子園に2度出場した野球部をはじめとする運動部の活躍も、志願者の関心を集めています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更がある中でも、城東高校は倍率を上昇させています。東京メトロ東西線西大島駅からのアクセスの良さや、スポーツ特別推薦枠の設置、2019年に完成した新校舎など、充実した教育環境への評価が高まっているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、校長会調査時から高い水準を維持しており、進学とスポーツの両立を掲げる同校の教育方針が、受験生とその保護者から強く支持されていることを示しています。

江戸川高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

江戸川高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1940年に東京府立第十六中学校として創立され、「江戸高」の愛称で親しまれる都立江戸川高校の2024年度入試では、前年度を上回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.57倍で、前年度の1.46倍から上昇し、進学指導推進校平均(1.57倍)と同水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.72倍まで上昇し、前年度の1.51倍を大きく上回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.71倍とほぼ横ばいを維持し、前年度の1.52倍を上回る水準となりました。受検倍率(2月下旬)では1.62倍となり、前年度の1.45倍と比較すると0.17ポイント高い結果となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.60倍となり、前年度の1.44倍を上回る結果となりました。

2010年より進学指導推進校、2011年より部活指導推進校の指定を受ける同校は、標準服で私服登校も可能な自由な校風のもと、運動部の活躍も目覚ましく、特に硬式野球部は都大会で好成績を収めています。スポーツ特別推薦枠を設けており、硬式野球、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボールなど多くの部活動が活発に活動しています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更がある中で、江戸川高校は倍率を上昇させています。JR総武線新小岩駅からのアクセスの良さに加え、隔週土曜授業の実施など充実した進学指導体制への評価が高まっているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、応募倍率から最終応募倍率まで安定した水準を維持しており、進学と部活動の両立を図る同校の教育方針が、受験生とその保護者から強く支持されていることを示しています。

墨田川高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

墨田川高校の入試倍率推移分析(2021年~2024年)

1921年に東京府立第七中学校として創立され、「墨高(すみこう)」「七高(ななこう)」の愛称で親しまれる都立墨田川高校の2024年度入試では、前年度を下回る倍率推移を示しました。

校長会調査時(12月中旬)の倍率は1.13倍で、前年度の1.10倍とほぼ同水準となりましたが、進学指導推進校平均(1.57倍)を大きく下回る水準となりました。応募倍率(2月初旬)では1.26倍まで上昇したものの、前年度の1.35倍を下回る結果となりました。

最終応募倍率(2月中旬)は1.28倍とやや上昇したものの、前年度の1.37倍を下回りました。受検倍率(2月下旬)では1.20倍となり、前年度の1.30倍と比較すると0.10ポイントの減少となっています。最終的な合格倍率(3月初旬)は1.19倍となり、前年度の1.29倍を下回る結果となりました。

2007年に進学指導推進校の指定を受けた同校は、2024年度入試において前年を下回る結果となり、進学指導推進校平均を大きく下回る水準で推移しています。2021年度の低調な倍率(校長会調査時0.86倍)からは回復傾向にあるものの、さらなる改善が課題となっています。

2024年度入試からの男女合同定員化と私立高校授業料の実質無償化という制度変更の中でも、2000年からの進学重視型単位制高校としての実績や、自校作成問題の導入、土曜授業、特進クラスの設置など、特色ある教育活動への基本的な評価は保たれているといえます。

倍率推移のパターンを見ると、12月の校長会調査時から2月初旬の応募倍率にかけての上昇が見られ、同校の伝統と進学実績への評価は維持されています。文豪・幸田露伴による校歌や軽井沢の七生寮、館山の楽水寮など、100年以上の歴史に裏付けられた教育資産は、23区東部における進学校としての魅力を支える要素となっています。

進学指導推進校、志願動向に多様化|上野・城東高は上昇、江北は大幅減、特色出る各校の明暗

2024年度入試における進学指導推進校の志願動向からは、各校の教育特性がより鮮明に表れる結果となりました。特に、城東高校は校長会調査時から2.01倍と高い倍率を維持し、スポーツと進学の両立を図る教育方針への支持が示されました。また、2023年4月に進学指導推進校に指定された上野高校も、応募倍率2.02倍を記録するなど、着実な進学実績向上への期待が反映されています。

一方で、江北高校では前年度の1.98倍から1.52倍へと応募倍率が大きく低下するなど、制度変更の影響を強く受けた学校も見られました。三田高校や豊多摩高校、竹早高校は比較的安定した倍率を維持し、北園高校は進学指導推進校平均を上回る水準を保っています。

今回の入試結果は、進学指導推進校における志願動向の多様化を示すとともに、各校の持つ伝統や校風、教育方針への評価がより明確に表れる結果となりました。地域特性を活かした教育活動や、進学指導とその他の特色ある取り組みとの両立が、志願倍率により強く影響を与えるようになってきたといえるでしょう。

今後は、各校がこの結果をどのように受け止め、さらなる教育活動の充実にどう活かしていくのか。また、制度変更による影響がどのように推移していくのか、引き続き注目されます。

<データ参照元>
各段階における倍率は、以下の公表されているデータを参照・加工し(2023年以前データは男女別の数値を男女合計数値に加工)算出しています。

◆令和3~6年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果について
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2021/release2021010701.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2022/release2022010701.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2023/release2023010601.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2024/release2024010903.html

◆令和3~6年度 東京都立高等学校入学者選抜応募状況(学力検査入学願書受付)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2021/release2021020904.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2022/release2021020802.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2023/release2023020903.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2024/release2024020803.html

◆令和3~6年度 東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/past/firstapplication/release20210215.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/past/firstapplication/release20220214_01.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/past/firstapplication/release20230214_02.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/past/firstapplication/release20240214_02.html

◆令和3~6年度 東京都立高等学校入学者選抜受検状況
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2021/release2021022102.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2022/release2022022106.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2023/release2023022107.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2024/release2024022108.html

◆令和3~6年度 東京都立高等学校入学者選抜合格発表
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2021/release2021030202.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/highschool/archives/application/release2022030102.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2023/release2023030105.html
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/pressrelease/2024/release2024030103.html

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この記事を書いた人

教員免許保有(小学校教諭1種、中学校・高校保健体育)の40代サラリーマン。現在高校生の息子の高校受験時に生来のオタク気質をこじらせ首都圏の私立・都立高校を調べた結果、都立高校のコスパの良さに驚愕。現在小学生の娘の高校受験に備えての備忘録がてら、都立高校の魅力を発信していくために「都立高のトリセツ」を開設。

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