東京都立高校の入試倍率データ(校長会調査時、推薦入試、一般入試)の地域別動向をまとめました。今年度(2025年度)は、学校や地域ごとに特色ある倍率の変化が見られ、特に推薦入試では引き続き高倍率が目立っています。
2025年の一般入試を見ると、ここ数年で一般入試倍率では低下傾向の学校もあり、地域ごとの志願傾向が浮き彫りとなっています。本記事では、各地域の傾向を詳細に分析し、全体の動きを総括します。
23区都心部の都立高校(普通科)の志望・応募倍率推移|2020年~2025年)
23区都心部|校長会第一志望倍率

23区都心部|推薦入試応募倍率

23区都心部|一般入試応募倍率

23区都心部|一般入試最終応募倍率

全体的なトレンド
- 多くの学校で年度によって倍率の変動が見られますが、特に推薦入試では変動幅が大きい傾向にあります。
- 2024年から2025年にかけて、第一志望倍率、推薦入試倍率で多くの学校が倍率下降となっています。
学校別の特徴
日比谷高校
- 一般入試は2020年から2023年まで2.1~2.3倍台で推移し、2024年に1.84倍に低下
- 推薦入試は2020年の3.39倍から徐々に低下し、2024年は2.55倍、2025年は3.17倍に上昇
- 第一志望倍率は1.4~1.6倍台で安定的に推移
戸山高校
- 一般入試は1.95~2.35倍の間で推移
- 推薦入試は4倍前後の高い倍率を維持、2025年は3.55倍
- 第一志望倍率は1.6~2.0倍台で推移
新宿高校
- 一般入試は近年上昇傾向で、2024年は2.56倍
- 推薦入試は特に高倍率で、2024年は7.66倍を記録、2025年は5.31倍
- 第一志望倍率は変動が大きく、1.4~2.3倍の間で推移
三田高校
- 推薦入試は新宿高校と並び特に高倍率で2021年は6倍を超えた
- 第一志望倍率は2倍前後で安定して高人気
注目すべきポイント
- 新宿高校の推薦入試倍率が他校と比べて特に高い水準で推移
- 全体的に2024年から2025年にかけて推薦入試倍率が下降傾向
- 第一志望倍率は比較的安定的に推移している学校が多い
この地域の高校は全般的に高い人気を維持しており、特に推薦入試での競争率が高いことが特徴的です。一般入試では日比谷、戸山以外の高校の倍率は下がりましたが、依然として他地域に比べ高い傾向にあります。
23区東部の都立高校(普通科)の志望・応募倍率推移|2020年~2025年)
23区東部|校長会第一志望倍率

23区東部|推薦入試応募倍率

23区東部|一般入試応募倍率

23区東部|一般入試最終応募倍率

注目すべき高校の特徴
上野高校
- 一般入試は2020年の2.10倍から徐々に低下傾向、2024年は2.02倍
- 推薦入試は2.5~3.8倍台で推移し、2025年は3.11倍
- 第一志望倍率は1.6~1.8倍台で比較的安定
日本橋高校
- 一般入試は1.5~1.8倍台で安定的に推移
- 推薦入試は3倍前後で推移していたが、2025年は1.96倍に大きく低下
- 第一志望倍率は近年低下傾向で、2025年は0.91倍
小岩高校
- 一般入試は1.6~1.9倍台で推移
- 推薦入試は4.2~5倍台の高い水準で推移し、2025年は3.83倍
- 第一志望倍率は1.7倍台で安定的
全体的なトレンド
一般入試
- 多くの学校が1.0~2.0倍の間で推移
- 上野高校が比較的高い倍率を維持
- 全体的に緩やかな変動で急激な倍率の変化は少ない
推薦入試
- 学校間で倍率の差が大きい
- 2025年は多くの学校で前年より倍率が変動
- 小岩、上野など一部の学校は3倍以上の高い倍率を維持
第一志望倍率
- ほとんどの学校が0.8~1.8倍の間で推移
- 年度による変動は比較的小さい
- 2025年は多くの学校で1倍前後の倍率
特徴的な点
- 推薦入試での競争率が一般入試より総じて高い
- 学校によって人気度の差が大きく、特に推薦入試でその差が顕著
- 近年、一部の学校で推薦入試倍率の大きな変動が見られる
この地域は、上野、日本橋、小岩といった伝統校を中心に、安定した志願状況を維持している学校が多い一方で、推薦入試を中心に競争率の変動が大きい学校も見られます。全体的に見ると、一般入試は比較的安定した倍率を保っていることが特徴的です。
23区西部の都立高校(普通科)の志望・応募倍率推移|2020年~2025年)
23区西部|校長会第一志望倍率

23区西部|推薦入試応募倍率

23区西部|一般入試応募倍率

23区西部|一般入試最終応募倍率

注目すべき高校の特徴
大崎高校
- 一般入試は1.5倍前後で安定的に推移
- 推薦入試は3.2~3.6倍台で高い水準を維持、2025年は3.66倍
- 第一志望倍率は1.3倍前後で安定
駒場高校
- 一般入試は2024年度1.9倍台と比較的高い水準
- 推薦入試は2.5~3.5倍台で推移し、2025年は4.07倍と上昇
- 第一志望倍率も1.5~2.0倍と高めで、2025年は1.95倍
千歳丘高校
- 一般入試は0.9~1.5倍台で変動
- 推薦入試は1.8~2.8倍台で推移し、2025年は2.50倍
- 第一志望倍率は0.9倍前後で推移
全体的なトレンド
一般入試
- 多くの学校が0.8~2.0倍の間で推移
- 国際高校が2.5倍前後と比較的高い倍率を維持
- 2024年は多くの学校で倍率が低下傾向
推薦入試
- 2025年は多くの学校で前年より倍率が上昇
- 学校間での倍率の差が大きい(0.8倍台~4.0倍台)
- 大崎、駒場、鷺宮、板橋、大泉桜、石神井などが高い倍率を維持
第一志望倍率
- 大半の学校が0.7~1.8倍の間で推移
- 年度による変動は比較的小さい
- 2025年は多くの学校で若干の上昇傾向
特徴的な点
- 地域内での学校間の人気度の差が大きい
- 推薦入試の倍率が一般入試より全般的に高い
- 2025年の推薦入試で多くの学校が倍率上昇を示している
- 国際関係のコースを持つ学校(国際高校)の人気が安定的に高い
この地域は、伝統校や特色ある学校(国際高校、駒場高校など)を中心に、比較的安定した志願状況を維持していますが、学校間での志願動向の差が大きいことが特徴的です。また、2025年に向けて推薦入試での競争率が上昇傾向にあることも注目すべき点です。
多摩地区(北多摩)の都立高校(普通科)の志望・応募倍率推移|2020年~2025年)
多摩地区(北多摩)|校長会第一志望倍率

多摩地区(北多摩)|推薦入試応募倍率

多摩地区(北多摩)|一般入試応募倍率

多摩地区(北多摩)|一般入試最終応募倍率

注目すべき高校の特徴
立川高校
- 一般入試は1.3~1.8倍台で推移。2025年は創造理数科で4.57倍、普通科で1.6倍(創造理数科不合格者の普通科の併願を考慮すると最大2.16倍)と高倍率
- 推薦入試は3倍前後で推移し、2025年は3.43倍に上昇
- 第一志望倍率は1.6倍前後で安定的に推移、2025年は1.88倍
昭和高校
- 一般入試は1.4~2.0倍台で推移
- 推薦入試は3.0~3.8倍台の高い水準を維持、2025年は3.22倍
- 第一志望倍率は1.5~2.0倍台で推移、2025年は1.75倍
東大和高校
- 一般入試は1.4~1.5倍台で安定的
- 推薦入試は2025年に3.45倍と高い倍率を示す
- 第一志望倍率は1.2~1.5倍台で推移、2025年は1.24倍
全体的なトレンド
一般入試
- 多くの学校が1.0~2.0倍の間で推移
- 2024年は比較的安定した倍率を示す
- 府中高校が2023年に2.08倍と地域内で高い倍率を記録
推薦入試
- 2025年は多くの学校で前年より倍率が上昇
- 立川、昭和、東村山、東大和などが3倍以上の高い倍率を維持
- 学校間での倍率の差が大きい(1.13~3.88倍)
第一志望倍率
- ほとんどの学校が0.8~1.8倍の間で推移
- 年度による変動は比較的小さい
- 2025年は多くの学校で若干の上昇傾向
特徴的な点
- 地域全体として安定した志願状況を維持
- 推薦入試での競争率が一般入試より全般的に高い
- 都心部に比べると倍率の変動が小さい傾向
- 一部の学校(立川、昭和など)が継続的に高い人気を維持
- 専門学科・コースの倍率も比較的安定
多摩地区北部は、立川や昭和などの進学校を中心に、比較的安定した志願状況を維持しています。特に推薦入試では高い競争率を示す学校が多く、2025年に向けて更なる上昇傾向が見られます。また、地域内での学校間の倍率の差が大きいことも特徴的です。
多摩地区(南・西多摩)+島しょ部の都立高校(普通科)の志望・応募倍率推移|2020年~2025年)
多摩地区(南・西多摩)|校長会第一志望倍率

多摩地区(南・西多摩)|推薦入試応募倍率

多摩地区(南・西多摩)|一般入試応募倍率

多摩地区(南・西多摩)|一般入試最終応募倍率

注目すべき高校の特徴
片倉高校
- 一般入試は1.2~1.6倍台で推移
- 推薦入試は3.0~5.2倍と高い水準で推移、2025年は3.42倍
- 第一志望倍率は1.1~1.6倍台で推移、2025年は1.15倍
日野高校
- 一般入試は1.2~1.9倍台で推移、2024年は1.91倍と地域内で高い水準
- 推薦入試は2.4~4.3倍台で推移、2025年は3.38倍
- 第一志望倍率は1.0~1.8倍台で推移、2025年は1.45倍
福生高校
- 一般入試は1.0~1.2倍台で安定的に推移
- 推薦入試は2025年に3.29倍と上昇傾向
- 第一志望倍率は1.1倍台前後で推移、2025年は1.11倍
全体的なトレンド
一般入試
- 多くの学校が0.5~1.5倍の間で推移
- 日野高校が比較的高い倍率を維持
- 八王子北、松が谷などは年度による変動が大きい
推薦入試
- 2025年は学校間で大きな倍率差(0.75~3.42倍)
- 片倉、日野、松が谷、福生などで高い倍率を維持
- 専門コース(片倉・造形美術、松が谷・外国語)も一定の人気
第一志望倍率
- 多くの学校が0.5~1.5倍の間で推移
- 地域内での学校間格差は比較的小さい
- 2025年は全体的に安定または若干の低下傾向
特徴的な点
- 地域内で学校間の倍率差が大きい
- 推薦入試の倍率が一般入試より総じて高い
- 一部の学校(五日市、八丈など)で低い倍率が継続
- 専門コースを設置する学校の人気に変動が見られる
- 日野高校など一部の学校で安定した人気を維持
この地域は、片倉、日野などの一部の学校で高い人気を維持している一方で、地域による志願動向の差が大きいことが特徴です。特に推薦入試では学校間の倍率差が顕著で、地域による教育ニーズの違いが表れています。また、2025年に向けて一部の学校で推薦入試の倍率が上昇傾向にあることも注目されます。
都立高入試、人気校と苦戦校の二極化が進む ─ 地域差や入試形態で志願動向に特徴
全体的な傾向として、人気校と苦戦校の二極化が顕著になっています。23区内では日比谷、戸山、新宿といった伝統校が安定した人気を維持する一方、郊外では一部の学校で定員割れが発生しています。推薦入試は多くの学校で一般入試を上回る高倍率となっており、特に2025年度は上昇傾向が目立ちます。地域別では23区内の方が総じて倍率が高く、多摩地区では学校間の格差が大きくなっています。
また、国際関係のコースや創造理数科など、特色ある教育を提供する学校への関心も高まっています。一方で、地域による教育ニーズの違いも明確になっており、都心部と郊外での志願動向に大きな差が見られます。今後は少子化の影響も予想される中、各校の特色を活かした魅力づくりがより重要になっていくと考えられます。
<参照元>
ページ内のデータは東京都教育委員会発表資料・各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ修正・変更となっている場合もありますので、正確なデータは東京都教育委員会、各都立高校の最新データをご確認ください。

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