【都立入試】都立高校専門科・総合科の校長会(第一志望)・推薦入試・一般入試の応募倍率6カ年推移(2020年~2025年)

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2020年から2025年の東京都立高校入試の専門高校の倍率データを、商業・ビジネス、工業、農業、その他専門学科、総合学科の5つの学科系統に分けて分析しました。各校の一般入試、推薦入試、第一志望(校長会調査)の3つの時点の志願動向について、推移と特徴を見ていきます。

ここ数年で一般入試倍率では低下傾向の学校もあり、地域や学科ごとの志願傾向が浮き彫りとなっています。本記事では、傾向を詳細に分析し、全体の動きを総括します。

目次

都立高校の商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科の志望・応募倍率推移(2020年~2025年)

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|校長会第一志望倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|校長会第一志望倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|推薦入試応募倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|推薦入試応募倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|一般入試応募倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|一般入試応募倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|一般入試最終応募倍率

商業・ビジネスコミュニケーションに関する学科|一般入試最終応募倍率

主な学校の特徴

芝商業高校(ビジネス科)
  • 一般入試は0.5~0.9倍台で推移し、全体的に定員割れ傾向
  • 推薦入試は1.1~1.9倍台で推移、2025年は1.53倍
  • 第一志望倍率は0.7~0.9倍台で推移、2025年は0.93倍
第三商業高校(ビジネス科)
  • 一般入試は0.8~1.4倍台で推移、2024年は1.42倍と上昇
  • 推薦入試は1.3~1.7倍台で推移、2025年は1.30倍
  • 第一志望倍率は0.7~1.3倍台と変動が大きい
千早高校(ビジネスコミュニケーション科)
  • 一般入試は1.1~1.5倍台と比較的安定も逓減傾向
  • 推薦入試は1.9~3.3倍台と高い水準を維持、2025年は1.90倍
  • 第一志望倍率は1.0~1.2倍台で推移、2025年は1.10倍

全体的なトレンド

一般入試
  • 多くの学校が1倍を下回る状況が続いています
  • 千早高校は比較的安定した倍率を維持しています
  • 2024年は複数の学校で若干の倍率上昇が見られます
推薦入試
  • 一般入試と比べて高い倍率を維持しています
  • 2025年は多くの学校で1.0~2.0倍台の間で推移しています
  • 千早高校は特に高い倍率を維持しています
第一志望倍率
  • ほとんどの学校が1倍前後で推移しています
  • 年度による変動が比較的大きい学校が多くなっています
  • 2025年は全体的に若干の上昇傾向が見られます

特徴的な点

  • 商業・ビジネス系学科全体として、推薦入試の人気が一般入試を上回っています
  • ビジネスコミュニケーション科を設置する千早高校の人気が比較的高くなっています
  • 従来型の商業科よりも、新しい名称や教育内容を打ち出している学科の方が人気傾向にあります
  • 一般入試での定員割れが課題となっている学校が多く見られます

商業・ビジネス系学科は、推薦入試では一定の人気を維持している一方で、一般入試では定員割れが課題となっています。特に、新しい教育内容や名称を採用している学科の方が比較的高い人気を集めており、今後の商業教育の方向性を示唆しているとも考えられます。

都立高校の工業に関する学科の志望・応募倍率推移(2020年~2025年)

工業に関する学科|校長会第一志望倍率

工業に関する学科|校長会第一志望倍率

工業に関する学科|推薦入試応募倍率

工業に関する学科|推薦入試応募倍率

工業に関する学科|一般入試応募倍率

工業に関する学科|一般入試応募倍率

工業に関する学科|一般入試最終応募倍率

工業に関する学科|一般入試最終応募倍率

学科系統別の特徴

アート・デザイン系(工芸高校)
  • インテリア科、アートクラフト科、グラフィックアーツ科とも高い倍率を維持
  • 特に推薦入試では3~5倍台と極めて高い人気
  • 2025年も推薦入試で2.20~5.80倍と高水準を維持
機械系
  • 全般的に1倍前後で推移する学校が多い
  • 一般入試では多くの学校で定員割れの状況
  • 府中工科の機械科は比較的安定した志願状況
電気・電子系
  • 多くの学校で定員割れが継続
  • 推薦入試でも1倍を下回る学科が増加
  • 多摩工科の電気科は比較的良好な志願状況

全体的なトレンド

一般入試
  • ほとんどの学科で定員割れが継続
  • アート・デザイン系を除き、1倍を下回る学科が多い
  • 2024年は一部の学科で若干の改善傾向
推薦入試
  • アート・デザイン系が突出して高倍率
  • 機械系、電気系は1~2倍台で推移
  • 2025年は学科による格差が更に拡大
第一志望倍率
  • 多くの学科が1倍前後もしくは下回る状況
  • 工芸高校の芸術系学科は比較的高い水準を維持
  • 年度による変動が大きい学科が多い

特徴的な点

  • デザインや芸術系学科と従来型の工業系学科で人気に大きな差
  • 推薦入試での倍率が一般入試を大きく上回る傾向
  • 工業科全体として志願者確保に課題を抱える学校が多い
  • デュアルシステムなど新しい教育システムを導入する学科でも苦戦
  • 地域による志願動向の差が顕著

工業系学科全体としては、アート・デザイン系を除いて志願者確保に苦戦している状況が続いています。特に一般入試での定員割れが課題となっており、今後は産業界のニーズに応える新たな教育内容の展開や、中学生への効果的なアピールが求められる状況となっています。

都立高校の農業に関する学科の志望・応募倍率推移(2020年~2025年)

農業に関する学科|校長会第一志望倍率

農業に関する学科|校長会第一志望倍率

農業に関する学科|推薦入試応募倍率

農業に関する学科|推薦入試応募倍率

農業に関する学科|一般入試応募倍率

農業に関する学科|一般入試応募倍率

農業に関する学科|一般入試最終応募倍率

農業に関する学科|一般入試最終応募倍率

学校・学科別の特徴

園芸高校
  • 園芸科は一般入試で1倍前後、推薦入試で2~2.5倍台を維持
  • 食品科は一般入試で1.2~1.4倍と比較的安定
  • 動物科は推薦入試で3.6~5.2倍と極めて高い人気を維持
農芸高校
  • 園芸科学科は一般入試では0.8~1.3倍で推移
  • 食品科学科は推薦入試で1.7~2倍前後を維持
  • 緑地環境科は全体的に1倍前後で推移
農産高校
  • 園芸デザイン科は推薦入試で1.1~1.7倍台
  • 食品科は一般入試、推薦入試とも1倍前後
  • 都市園芸科は推薦入試で2~3倍台と人気が高い
瑞穂農芸高校
  • 畜産科学科は推薦入試で3~4倍台と人気
  • 園芸科学科は第一志望倍率で0.8~1倍前後
  • 食品科は全体的に安定した志願状況

全体的なトレンド

一般入試
  • 多くの学科が0.8~1.4倍の間で推移
  • 食品科系の学科が比較的安定した倍率を維持
  • 年度による変動が大きい学科が多い
推薦入試
  • 園芸高校の動物科が突出して高倍率
  • 都市園芸科も安定して人気
  • 2025年は多くの学科で前年より倍率上昇
第一志望倍率
  • ほとんどの学科が0.8~1.3倍の間で推移
  • 年度による変動が比較的小さい
  • 2025年は若干の上昇傾向

特徴的な点

  • 環境やデザイン関連の学科の人気が高い
  • 推薦入試の倍率が一般入試を大きく上回る
  • 食品関連学科は比較的安定した志願状況
  • 都市型農業に関連する学科への関心が高い
  • 学校による志願動向の差が顕著

農業系学科全体としては、環境やデザイン、都市農業など新しい分野の学科で人気が高く、従来型の農業分野でも一定の志願者を確保しています。特に推薦入試では高い倍率を維持している学科も多く、専門性を活かした進路選択を考える生徒の関心を集めている状況が見られます。

都立高校のその他専門学科の志望・応募倍率推移(2020年~2025年)

その他専門学科|校長会第一志望倍率

その他専門学科|推薦入試応募倍率

その他専門学科|一般入試応募倍率

その他専門学科|一般入試応募倍率

その他専門学科|一般入試最終応募倍率

その他専門学科|一般入試最終応募倍率

学科系統別の特徴

芸術系
  • 総合芸術高校は推薦入試で音楽科が5.08倍、美術科が3.00倍と高倍率
  • 舞台表現科も推薦入試で3.33倍と人気が高い
  • 体育科は駒場は倍率が高いが野津田は比較的低め
福祉・介護系
  • 介護福祉科は推薦入試で2.5倍前後を維持
  • 福祉科は全般的に1倍前後で推移
国際系
  • 国際関係に関する学科は一般入試で2.5~3.0倍と高倍率
  • 推薦入試でも2.9倍と安定した人気を維持
  • 第一志望倍率も1.5倍前後と比較的高水準

全体的なトレンド

一般入試
  • 国際系、福祉系が比較的高い倍率を維持
  • 芸術系は学科により大きな差がある
  • 福祉系は定員割れの学科も見られる
推薦入試
  • 芸術系学科が極めて高い倍率を示す
  • 服飾、介護系も2~3倍台を維持
  • 2025年は多くの学科で前年より上昇
第一志望倍率
  • 国際系、芸術系が比較的高い水準
  • 年度による変動が大きい学科が多い
  • 2025年は若干の上昇傾向

特徴的な点

  • 芸術系学科の推薦入試での極めて高い人気
  • 医療・福祉系の安定した志願状況
  • 国際系学科への継続的な高い関心
  • 学科による倍率の二極化が顕著
  • 新設された創造理数科への注目度の高さ

その他専門学科では、芸術系や国際系など、特色ある教育内容を持つ学科で高い人気が見られます。特に推薦入試では芸術系学科が極めて高い倍率を示しており、専門性の高い進路選択を考える生徒の強い関心を集めています。また、福祉系も安定した志願状況を維持しており、将来の職業選択を見据えた専門教育への需要の高さが伺えます。

都立高校の総合学科の志望・応募倍率推移(2020年~2025年)

総合学科|校長会第一志望倍率

総合学科|校長会第一志望倍率

総合学科|推薦入試応募倍率

総合学科|推薦入試応募倍率

総合学科|一般入試応募倍率

総合学科|一般入試応募倍率

総合学科|一般入試最終応募倍率

総合学科|一般入試最終応募倍率

主な学校の特徴

晴海総合高校
  • 一般入試は1.8~2.2倍台と高い水準を維持
  • 推薦入試は2.5~3.3倍と高倍率で、2025年は2.88倍
  • 第一志望倍率も1.4~1.7倍と比較的高い水準
青梅総合高校
  • 一般入試は1.0~1.5倍台で推移
  • 推薦入試は2.4~2.9倍台を維持、2025年は2.86倍
  • 第一志望倍率は1.2~1.4倍で安定的
杉並総合高校
  • 一般入試は0.8~1倍前後で推移
  • 推薦入試は1.7~2.1倍台を維持
  • 第一志望倍率は0.8~1倍台で推移

全体的なトレンド

一般入試
  • 学校間で0.8~2.2倍と倍率の差が大きい
  • 都心部の学校が比較的高い倍率を維持
  • 2024年は多くの学校で若干の上昇傾向
推薦入試
  • 全般的に1.8~3.3倍台と高い水準
  • 2025年は多くの学校で前年より若干低下
  • 都心部の学校を中心に高い人気を維持
第一志望倍率
  • 多くの学校が0.7~1.4倍台で推移
  • 年度による変動が比較的小さい
  • 2025年は全体的に若干の低下傾向

特徴的な点

  • 都心部と郊外で志願動向に大きな差
  • 推薦入試の人気が一般入試を上回る傾向
  • 学校による志願状況の二極化が進行
  • 立地条件が志願動向に大きく影響
  • 定員割れの学校も一部に見られる

総合学科全体としては、都心部の学校を中心に一定の人気を維持している一方で、地域による志願動向の差が顕著になっています。特に推薦入試では高い倍率を維持している学校が多く、多様な進路選択が可能な総合学科の特徴が評価されていると考えられます。

都立専門高校、特色化と実績で明暗 ─ デザイン・芸術系は人気高く、従来型は苦戦

専門高校全体の傾向として、学科による志願状況の二極化が進んでいます。デザインや芸術系の学科、国際関係の学科などは高い人気を維持している一方で、従来型の工業や商業系学科では定員割れが続いています。推薦入試では多くの学科で一般入試を上回る高倍率となっており、特に2025年度は上昇傾向が目立ちます。

また、環境やデザイン、福祉・看護など、社会ニーズに対応した新しい分野の学科への関心が高まっています。一方で、機械や電気など従来型の工業系学科では志願者確保に苦戦しており、今後は産業界のニーズに応える新たな教育内容の展開や、中学生への効果的なアピールが求められる状況となっています。総合学科についても、都心部の学校は安定した人気を維持していますが、地域による志願動向の差が顕著になっています。


<参照元>
ページ内のデータは東京都教育委員会発表資料・各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ修正・変更となっている場合もありますので、正確なデータは東京都教育委員会、各都立高校の最新データをご確認ください。

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この記事を書いた人

教員免許保有(小学校教諭1種、中学校・高校保健体育)の40代サラリーマン。現在高校生の息子の高校受験時に生来のオタク気質をこじらせ首都圏の私立・都立高校を調べた結果、都立高校のコスパの良さに驚愕。現在小学生の娘の高校受験に備えての備忘録がてら、都立高校の魅力を発信していくために「都立高のトリセツ」を開設。

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