東京都立戸山高等学校は、長い歴史と伝統を持つ進学校で、「自主自立」の精神に基づいた自由で厳格な校風を特徴としています。文理分けをしない幅広い教養教育や、SSHを活用した理数系教育の強化により、生徒は多方面にわたる学びと経験を積むことができ、将来のリーダーとしての資質を育てています。充実した設備と恵まれた環境の中で、生徒は日々学業や部活動に励んでいます。本コラムでは、戸山高校の魅力を詳しくご紹介します。都立戸山高校の歴史と伝統東京都立戸山高等学校は、1888年に創立された130年以上の歴史を持つ名門校です。前身は東京府立第四中学校で、東京で2番目に古い都立高等学校として、長い間、多くの優秀な人材を輩出してきました。特に戦前から戦後にかけて、東京大学など旧制高等学校への進学実績が非常に高く、都立進学校の代表として名を馳せてきました。学制改革を経て現在の形となった後も、進学指導重点校やスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、難関国公立大学や医療・理系分野でのトップ人材を育成することに力を注いでいます。都立戸山高校の立地と最寄り駅戸山高校は、新宿区の都心部に位置し、アクセスが非常に便利です。最寄り駅は東京メトロ副都心線の西早稲田駅で、学校から徒歩すぐの場所にあり、通学には便利な立地です。また、JR高田馬場駅も徒歩圏内にあり、多くの生徒がこの駅から通学しています。学校周辺には、早稲田大学や学習院女子大学があり、文教地区としての雰囲気が漂います。さらに、隣接する広大な戸山公園は、緑豊かで落ち着いた環境を提供しており、生徒たちは自然の中でリフレッシュすることができます。この立地の良さと静かな学びの環境が、学業に集中できる要因となっています。戸山高校の最寄り駅まで、池袋駅から5分、新宿駅から5分、中野駅から5分、渋谷駅から13分、練馬駅から19分、西日暮里駅から24分、東京駅から25分、錦糸町駅から32分、品川駅から34分とさまざまなエリアからのアクセスが便利な立地となっています。住所東京都新宿区戸山3丁目19−1最寄り駅①東京メトロ副都心線「西早稲田」駅下車 徒歩1分②JR山手線、西武新宿線、東京メトロ東西線「高田馬場」駅下車 徒歩12分③都営大江戸線「東新宿」駅下車 徒歩13分%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fmaps%2Fembed%3Fpb%3D!1m18!1m12!1m3!1d3239.7949847332065!2d139.70777207578888!3d35.70666237257908!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x60188d22fda29eb1%253A0xcf72d123960477dc!2z5p2x5Lqs6YO956uL5oi45bGx6auY562J5a2m5qCh!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1726921755450!5m2!1sja!2sjp%22%20width%3D%22600%22%20height%3D%22450%22%20style%3D%22border%3A0%3B%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20loading%3D%22lazy%22%20referrerpolicy%3D%22no-referrer-when-downgrade%22%3E%3C%2Fiframe%3E都立戸山高校の校風と教育方針戸山高校の校風は「自主自立」が根本にあり、生徒一人ひとりが自らの責任で行動することが重んじられています。特筆すべきは、私服校でありながら校則が存在しない点です。その代わり、生徒会が学校運営に深く関わり、生徒自らが学校のルールを定めていることが、戸山高校の独自性を際立たせています。また、同校の教育方針は「教養主義」に基づいており、文理分けをせずに幅広い教科を学ぶことを重視しています。1年生と2年生では全員が共通のカリキュラムを履修し、科学、社会、歴史といった多岐にわたる科目を深く学びます。さらに、理数系教育にも力を入れており、スーパーサイエンスハイスクールとして、最先端の科学教育を実践しています。このような教育方針は、生徒の探究心を育み、将来に向けた総合的な学力の向上に寄与しています。都立戸山高校の大学合格実績と進路指導戸山高校は、国公立大学、特に東京大学や京都大学をはじめとする難関大学への進学実績が豊富です。進学指導重点校として、現役合格を目指した指導が行われており、特に理系進学に力を入れています。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としてのプログラムや、医学部進学を目指す生徒を支援する「チーム・メディカル(TM)」といった取り組みを通じて、生徒は高い学問的志向を持ち、学びを深めています。戸山高校は過去に東大合格者を20〜30名輩出しており、近年はやや少なくなっているものの、再び2桁の合格者を輩出するなど進学実績は徐々に回復しています。進路指導は個々の目標に合わせて手厚く行われ、生徒が自己の能力を最大限に発揮できるような指導が行われています。都立戸山高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)上記の表は戸山高校の2020年から2024年までの現役生の大学合格実績です。大学受験の最難関と言われる東京一工医(東大・京大・一橋大・東京工業大・国公立医学部)に2024年は現役で46人合格しています。4年前は27人でしたから、そこから毎年数を増やし続けています。また、私立大学についても2024年は最難関の早慶医(早稲田・慶應義塾・私立医学部)に、115名の現役合格を出しています。上智大・東京理科大・GMARCHを合わせると450人を超える現役合格者を出しています。SSH指定やチームメディカル発足など、理系の取り組みが多い戸山高校ですが、理系に限らず全方位的に最難関・難関大学への合格実績を高めてきています。都立戸山高校の2024年度 難関大学現役合格者数東京一工医(46人):東京大学(8人)、京都大学(7人)、一橋大学(15人)、東京工業大学(6人)、国公立大学医学部(10人)旧帝国大学(21人):北海道大学(11人)、東北大学(5人)、名古屋大学(2人)、大阪大学(1人)、九州大学(2人)TOCKY(25人):筑波大学(3人)、お茶の水女子大学(2人)、千葉大学(12人)、神戸大学(0人)、横浜国立大学(8人)早慶上理医(218人):早稲田大学(73人)、慶應義塾大学(42人)、上智大学(35人)、東京理科大学(61人)、私立大学医学部(7人)GMARCH(263人):学習院大学(12人)、明治大学(107人)、青山学院大学(24人)、立教大学(44人)、中央大学(45人)、法政大学(31人)<こちらの記事もオススメ>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftokyo-metropolitan-high-school.com%2Fcontents%2Ftoyama-private-university-admission-results%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2F7wi0tvd%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftokyo-metropolitan-high-school.com%2Fcontents%2Ftoyama-national-and-public-university-admission-results%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FzXWdnzi%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E都立戸山高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)戸山高校の現役生の国公立・私立すべての大学への延べ合格者数に占める各大学群の合格者数の割合を出してみました。最難関の東京一工医で全体の約6%、旧帝大+早慶医を加えるとその比率は約22%と、現役合格者の内、5分の1強の学生が日本最難関の大学に合格していることになります。また現役合格者のうち、難関大の基準と言われるGMARCH以上に合格している戸山高生は74%以上(1学年の約4分の3)という非常に高い比率を誇っています。私立大学の合格者数が同レベル帯の国立や西よりも多い(=1人あたり受験・合格大学が多い)ため、比率は同2校より低めに出ていますが、最難関大学・難関大学の合格実数を見ると実態はほぼ同じ程度すなわち御三家に比肩する実績となっているのではないでしょうか。都立戸山高校のイベント・学校行事戸山高校では、年間を通じて多彩な学校行事が開催され、生徒の自主性とチームワークを育む機会が豊富にあります。特に5月に行われる運動会は、赤、青、緑、黄の4つのチームに分かれて競うもので、全校生徒が一丸となって競技に取り組む伝統行事です。6月には新宿高校との「戸山新宿対抗戦」が行われ、60年以上にわたる伝統行事として多くの生徒が参加し、運動部の対抗戦や開会式・閉会式のパフォーマンスなどが盛り上がりを見せます。また9月の文化祭「戸山祭」は、生徒が主体となって準備し、クラスごとに映画制作や演劇、展示などを行います。3年生は自主制作映画、2年生は演劇、1年生は展示発表に取り組み、問題提起型の発表が特徴的です。さらに、これらの行事は、生徒の創造性やリーダーシップを育む重要な機会となっています。月イベント4月入学式5月運動会、宿泊防災訓練(一年)6月新宿戸山対抗戦7月部活動合宿8月部活動合宿、SSH海外研修9月戸山祭10月HR合宿(1年)/クラスマッチ(2・3年)11月地学城ヶ島巡検(1年)、SWR(Symposium of Women Reseachers)12月ー1月SSH海外研修2月TSS(Toyama Science Symposium)3月卒業式/修学旅行(2年)/クラスマッチ(1年)/校外学習(1年)都立戸山高校の部活動や課外活動戸山高校では、運動部と文化部を合わせて30以上の部活動が活発に活動しています。運動部では、アメリカンフットボール部が都大会で複数回優勝するなど、競技レベルが高く、陸上競技部や柔道部も全国大会での活躍を見せています。柔道部はインターハイでの準優勝実績もあり、運動部全体が高い成果を上げています。一方、文化部も盛んで、特に囲碁将棋部やブラスバンド部が実績を誇ります。囲碁将棋部は全国大会で複数回の優勝を果たしており、ブラスバンド部も音楽活動を通じて多くのミュージシャンを輩出しています。また、SSHプログラムの一環として、化学部や天文気象部など理系のクラブが活発に活動しており、科学的探究を深める場が提供されています。生徒たちは、部活動や課外活動を通じて、学業以外のスキルも磨いています。都立戸山高校の施設と環境戸山高校の校舎は、2003年に新築されたモダンなデザインが特徴的です。5階建ての校舎は白を基調とし、中央部には2階から吹き抜けの「階段広場」や「階段庭園」があり、開放的で明るい空間が広がっています。理科系の設備が非常に充実しており、物理、化学、生物、地学の各実験室が揃っているほか、SSH専用の天文台も設置されています。また、講義室は大学の教室のような階段式で、学問探究に最適な環境が整っています。運動施設としては、グラウンドやテニスコート、多目的コート、プール、体育館、格技棟があり、各部活動が活発に利用しています。校門を入るとすぐ目に入る「ラジアン池」や、卒業生の寄贈によるビオトープがあり、自然との調和も大切にした校舎設計となっています。また、那須には広大な敷地を持つ「那須寮」があり、合宿や教育プログラムに活用されています。都立戸山高校の入試と偏差値入学難易度(偏差値)戸山高校は、日比谷・西・戸山などと並び、東京都内の公立高校の中でもトップレベルの偏差値を誇ります。その偏差値は各情報サイトを確認すると下記のようになっています。みんなの高校情報:71(東京17位、都立5位)市進教育グループ:68(都立3位)V模擬(60%合格基準):66(東京9位、都立4位)都立高校では日比谷、西・立川(創造理数)・国立に次いで、非常に高い入試難易度となっています。毎年のように最難関大学への現役合格人数を更新してきていますので、今後さらに難易度が高くなることが想定されます。都立高校ですので、高校入試時点でも高い学力と内申点が求められます。入試方式都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は昨年度は推薦入試が1月26日(土)と1月27日(日)、一般入試が2月21日(金)になります。<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトを確認ください都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。尚、戸山高校は日比谷・西・国立・青山・立川・八王子東とともに進学指導重点校に指定されています。入試時の試験は、理科社会は他の都立高校受験と同じく共通問題ですが、英国数の3教科は戸山高校独自の難易度の高い、いわゆる自校作成問題となっています。<こちらの記事もオススメ>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftokyo-metropolitan-high-school.com%2Fcontents%2Fentrance-examination-oriented-schools%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fmoqm2tP%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E入試倍率(一般)応募倍率受検倍率2024年1.98倍1.59倍2023年男子:1.97倍、女子:1.90倍男子:1.61倍、女子:1.70倍2022年男子:2.14倍、女子:1.98倍男子:1.89倍、女子:1.84倍2021年男子:2.19倍、女子:1.99倍男子:1.89倍、女子:1.80倍戸山高校は、例年非常に高い倍率となっている人気校です。2024年度も応募時点では例年並みの約2倍、受検倍率(私立に進路を決めた学生は受検せずのため応募時より低くなる)は約1.6倍となりました。2024年の都立入試では、これまでと大きく異なる2つの変化がありました。1つ目は「男女合同定員化」の導入です。2023年までは男女別に定員が設定され、合否も性別ごとに判定されていましたが、この制度が廃止され、性別に関係なく合否が判定される合同定員となりました。これにより、受験者全体での公平な合否判定が行われることが大きな特徴です。2つ目は、東京都が「私立高校の授業料無償化」を発表したことです。この影響で、私立の難関高校を受験する層が例年より増加したと考えられています。これらの変化により、都内の高校受験環境全体に新たな動きが見られました。都心にあり立地もアクセスも便利、かつ進学指導重点校でありSSHやチームメディカルなど理系教育に力を入れていることから例年非常に人気の高い高校です。理系や医療分野での大学進学を考えている層を囲いこむ戸山高校東京都立戸山高等学校は、130年以上の伝統を持つ都立進学校で、自由と自律を大切にする「自主自立」の校風のもと、幅広い教養教育を提供しています。文理を分けずに多様な学問に触れるカリキュラムや、SSHによる理数系教育を通じて、生徒は知的好奇心を刺激されながら学びを深めています。進学実績も高く、国公立大学や難関私立大学への合格者を多く輩出しており、特に理系分野や医療分野での活躍が期待されています。部活動や学校行事も豊富で、生徒たちは充実した学校生活を送りながら、学業以外の能力も伸ばしています。充実した設備と都心にありながら自然に囲まれた環境で、生徒たちは将来のリーダーとしての資質を育んでいます。都立高校ですので、当日テストだけではなく内申点も加味されての総合結果で入試の合否は決まります。また人気校ですので倍率も高く合格を勝ち取るのはなかなかハードでしょう。しかし、将来、医療や理系での大学進学、就職を考えている学生にとっては、非常に魅力的な高校ではないでしょうか。ぜひチャレンジしてみてください。