東京都墨田区に位置する都立墨田川高校は、進学指導推進校として指定され、高い進学実績と活発な部活動・学校行事で知られる伝統校です。本記事では、墨田川高校の歴史から校風、進学実績、部活動まで、あらゆる角度から学校の特徴を紹介します。
都立墨田川高校の歴史と伝統
墨田川高校は、1921年(大正10年)10月4日に東京府立第七中学校として創立されました。1922年4月に東京府立第一高女内で第1回入学式が行われ、280名が入学しています。
その後、1943年に都制施行により東京都立第七中学校、1948年に東京都立第七高等学校と改称され、1950年に東京都立墨田川高等学校と現在の校名になりました。同年には男女共学制が開始され、女子69名が入学しています。
2022年には創立百周年を迎えた歴史ある学校で、「隅田の川は吾が師なり」で始まる校歌は、作詞が幸田露伴、作曲が弘田龍太郎という錚々たる顔ぶれによるものです。
校章は墨堤の桜をモチーフにしており、桜花の中に「七高」の文字が入っています。「發刺(はつらつ)として、常に向上発展をつづける」という意味が込められています。
都立墨田川高校の立地と最寄り駅、周辺環境
最寄り駅からのアクセス
墨田川高校は東京都墨田区東向島3-34-14に位置しており、複数の駅からアクセス可能です。
住所 | 東京都墨田区東向島3-34-14 |
最寄り駅 | 東武スカイツリーライン 東向島駅 徒歩6分 東武亀戸線・スカイツリーライン 曳舟駅 徒歩8分 京成押上線 京成曳舟駅 徒歩10分 |
通学する生徒は葛飾区・足立区・江戸川区・墨田区・江東区からが多く、通学時間は30分未満の生徒が約3割、1時間未満の生徒が約6割です。通学方法は東武線利用者が約4割、自転車通学が約3割、京成線利用者が約1.5割となっています。
周辺環境
墨田川高校の周辺には、東京スカイツリーや向島百花園などの観光スポットが位置しています。東向島という下町情緒が残る地域にありながら、最先端の観光施設にも近いという恵まれた環境です。
かつては文人墨客に愛された向島の地に設立されたことから、優秀な国語教師が多く在籍し、校歌も近隣に居住していた幸田露伴による作詞であるなど、文化的な環境の影響を受けた学校となっています。
都立墨田川高校の校風と教育方針
校訓
墨田川高校の校訓は以下の3つです。
- 「質実剛健」:飾り気のない、実質を重んじる健全さ
- 「親和協力」:互いに親しみ、力を合わせること
- 「至誠力行」:誠意をもって力の限り実行すること
教育目標
墨田川高校では以下の3つを教育目標として掲げています。
- 「知性」:明澄な知性
- 「創造」:創造への努力
- 「自主」:自他の敬愛と自律の精神
特色ある教育活動
墨田川高校の特色ある教育活動には以下のものがあります。
- 進学重視型単位制高校および進学指導推進校
- 2000年度から進学重視型単位制高校となり、2007年度から進学指導推進校に指定
- 大学受験科目に応じた多彩な選択科目や習熟度別・少人数授業の実施
- 国公立大学や難関私立大学への合格を目指した指導
- 45分7時間授業(月~金)の実施
- 2022年度より実施
- 土日祝日は家庭学習や部活動に充てる時間を確保
- 大学入学共通テストや難関私立大学の受験に対応できる授業時間を確保
- 特別進学クラスの設置
- 1年次は入学前のクラス編成テストの成績を基に、2・3年次は日頃の学業成績を基に編成
- 成績による入れ替え制で向上心を養成
- 総合的探究の時間での3年間計画の探究スキル養成
- 1年次:マンダラートによる自己分析、リサーチクエスチョン設定、個人調査と論文作成
- 2年次:グループ研究とポスターセッション
- 3年次:進路に直結する総合的個人研究
- 朝学習の実施
- 午前8時20分から朝学習を実施
- 基本的学習習慣や生活習慣の確立
- 豊富な講習や補習
- 放課後や長期休業中の講習・補習
- 夏期講習は約100講座開講
独自の校風
墨田川高校の最大の特徴は「文武不岐」の精神です。大学進学に必要な高い学力獲得だけでなく、部活動や学校行事と両立できる力を育み、主体性や自主性、協調性を養うことを目指しています。
また、体育祭では「族」と呼ばれる1年生からのクラスのメンバーが3年間引き継がれ、クラスではなく族対抗で競う独特の伝統があります。これは戦後まもない頃に男女共学化を経て、自然発生的にできたものだと言われています。
都立墨田川高校の進路・進学実績
合格者の推移
墨田川高校の大学合格者数の推移を見ると、いくつかの特徴が見られます。
国公立大学合格者数推移
入試年度 | 令和2(2020.3) | 令和3(2021.3) | 令和4(2022.3) | 令和5(2023.3) | 令和6(2024.3) |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 28名 | 39名 | 31名 | 21名 | 26名 |
うち現役 | 26名 | 37名 | 28名 | 20名 | 21名 |
早慶上理ICU合格者数推移
入試年度 | 令和2(2020.3) | 令和3(2021.3) | 令和4(2022.3) | 令和5(2023.3) | 令和6(2024.3) |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 29名 | 25名 | 36名 | 20名 | 14名 |
うち現役 | 29名 | 22名 | 35名 | 16名 | 10名 |
GMARCH合格者数推移
入試年度 | 令和2(2020.3) | 令和3(2021.3) | 令和4(2022.3) | 令和5(2023.3) | 令和6(2024.3) |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 110名 | 88名 | 122名 | 109名 | 56名 |
うち現役 | 99名 | 75名 | 109名 | 84名 | 53名 |
日東駒専合格者数推移
入試年度 | 令和2(2020.3) | 令和3(2021.3) | 令和4(2022.3) | 令和5(2023.3) | 令和6(2024.3) |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 213名 | 230名 | 221名 | 196名 | 149名 |
うち現役 | 163名 | 166名 | 185名 | 150名 | 129名 |
全体的に令和6年度(2024年3月卒)はGMARCHや日東駒専の合格者数が減少していますが、国公立大学への合格者数は前年度から増加しています。また、現役合格率は各大学群で高水準を維持しており、特にGMARCHでは94.6%と高い現役合格率を達成しています。
2024年度(令和6年3月卒)の主な合格実績
2024年3月卒業生の主な合格実績は以下の通りです。
国公立大学:24名(うち現役19名)
- 東京学芸大学:4名
- 埼玉大学:4名
- 東京都立大学:3名
- 筑波大学:1名
- 東京農工大学:1名
- 横浜国立大学:1名 など
早慶上理:14名(うち現役10名)
- 早稲田大学:3名
- 慶應義塾大学:2名
- 上智大学:2名
- 東京理科大学:7名
GMARCH:56名(うち現役53名)
- 明治大学:6名
- 青山学院大学:9名
- 立教大学:4名
- 中央大学:12名
- 法政大学:19名
- 学習院大学:6名
成成明学國武:79名(うち現役64名)
- 成蹊大学:5名
- 成城大学:11名
- 明治学院大学:13名
- 獨協大学:30名
- 國學院大学:10名
- 武蔵大学:6名
日東駒専:149名(うち現役129名)
- 日本大学:52名
- 東洋大学:54名
- 駒澤大学:19名
- 専修大学:24名

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進路指導の特徴
墨田川高校の進路指導の特徴は以下の通りです。
- 計画的な進路指導カリキュラム
- 3年間を通した系統的な進路指導プログラム
- 1年次:自己分析と進路探索
- 2年次:進路の方向性の具体化
- 3年次:進路実現に向けた集中的な取り組み
- 第一志望宣言(3年次6月)
- 早い段階から高い目標を立てる意識づけ
- 自己の決意を固め、受験対策に集中できるようにする
- 定期的な適性検査と模試の実施
- 「学びみらいPASS」などの適性検査
- 進研模試による定点観測
- 集団と個人の検査結果や成績分析を定期的に実施
- 多様な講習の実施
- 夏期講習約100講座開講
- 長期休業中および受験直前期を中心に実施
- 自主学習支援の質問受付サポート
- キャリア教育の充実
- キャリア講座の実施(企業役員や大学教員を招聘)
- 「総合的探究の時間」での専門的な指導
都立墨田川高校のイベント・学校行事
主な年間行事
墨田川高校の主な年間行事は以下の通りです。
- 4月:始業式、入学式
- 5月:体育祭、第一回定期考査
- 6月:生徒総会、1年次校外学習、2年次校外学習、セーフティ教室
- 7月:第2回定期考査、スマホミーティング、大学入試説明会、勉強合宿
- 8月:夏期講習、部活動合宿
- 9月:七高祭(文化祭)
- 10月:第3回定期考査、修学旅行
- 11月:墨田区防災訓練
- 12月:第4回定期考査、合唱祭
- 1月:推薦入試
- 2月:一般入試
- 3月:第5回定期考査、球技大会、芸術鑑賞教室、卒業式
特色ある行事
- 体育祭
- 「族」と呼ばれる縦割りグループでの対抗戦
- 各族が伝統の「型」や応援パフォーマンスを披露
- A族からH族まで8つの族があり、それぞれ独自の特色を持つ
- 七高祭(文化祭)
- クラスや部活動による展示や発表
- フォークソング部による音楽ライブなど多彩な催し
- 合唱祭
- クラス対抗の合唱コンクール
- 音楽部が所属する全国高等学校総合文化祭の実績もある高い音楽レベル
- 勉強合宿
- 特別進学クラスを中心とした集中的な学習機会
- 2019年度までは埼玉県、2022年度は都内の施設で実施
都立墨田川高校の部活動や課外活動
運動部
墨田川高校には18の運動部があり、インターハイ出場を果たした部もあります。主な運動部の活動状況は以下の通りです。
- 水泳部:インターハイ出場の実績あり、夏季は校内プール、冬季は体育館と外部プールで活動
- ボート部:東京アスリート育成推進校に指定、関東大会準決勝進出などの実績
- サッカー部:創部95年の歴史、インターハイ支部予選ブロック決勝進出
- 柔道部:インターハイ東京都大会女子ベスト8、カナダの柔道クラブとの国際交流も
- 女子バレーボール部:インターハイ予選東京都ベスト80、夏季大会第3位など好成績
- 軟式野球部:関東大会東京都予選出場、春季東京都大会ブロック決勝進出
その他、剣道部、ハンドボール部、バスケットボール部、テニス部、バドミントン部、卓球部、陸上競技部、ダンス部などが活動しています。
文化部
17の文化部があり、全国大会出場や入賞の実績を持つ部活動もあります。主な文化部の活動は以下の通りです。
- 吹奏楽部:部員数100名以上の大所帯、シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会金賞、東京都コンクール金賞など多数の受賞歴
- 音楽部:全国高等学校総合文化祭合唱部門に東京都代表として出場
- 天文部:日本学生科学賞東京都大会最優秀賞受賞、全国大会出場
- 写真部:東京都高等学校文化祭写真部門中央大会入賞
- 書道部:全国硬筆コンクール入選、高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会日本武道館賞など
その他、演劇部、生物部、文芸部、美術部、パソコン部、物理・化学部、漫画部、英語部、クッキング部、邦楽部、茶道部、フォークソング部などが活動しています。
特色ある活動
- 族活動
- 体育祭のために編成される縦割りグループ
- A族からH族まで8つの族があり、それぞれ独自の伝統と特色を持つ
- 学年を超えた交流と団結力の育成
- フォークソング部
- 部員数119名(男子51名、女子68名)の大所帯
- バンドを組み、ライブを目標に活動
- 文化祭ライブ・校内ライブ・卒業ライブなど多数開催
- 国際教育プログラム
- ネイティブスピーカーとの交流
- 大使館訪問
- シンガポール研修と現地の学校との交流
都立墨田川高校の施設と環境
主な施設
墨田川高校の主な施設は以下の通りです。
- 第1校舎:1・2年次のHR教室、図書室、理科の特別教室など
- 第2校舎:3年次のHR教室、視聴覚室、プールなど
- 体育館:冷暖房完備、各種部活動で使用
- グラウンド:水はけが良く、すぐに乾く特性
- 図書室:約3万冊の蔵書、自習スペースとしても利用可能
- プール:校内にあり、水泳部の活動や授業で使用
- 普通教室:プロジェクター完備で多様な授業に対応
- 視聴覚室:映像視聴や説明会など様々な用途で使用
- トレーニングルーム:部活動での体力強化に活用
- 剣道場・柔道場:武道系部活動の練習場所
- テニスコート:テニス部の活動場所
- 購買:昼休みに設営され、安価で多様な食品を提供
特色ある施設・環境
- 七生寮と楽水寮
- 軽井沢に「七生寮」、千葉の館山に「楽水寮」を所有
- 学校行事などで利用(寮の所有・運営管理は一般財団法人七星会)
- スカイツリーが見えるプール
- 青を基調とした造りのプール
- スカイツリーが見え、水に映る景色が美しい
- 中庭のある第一校舎
- 開放感のある中庭
- 休み時間などにくつろげるスペース
- 墨田川高校の環境
- 東京スカイツリーや向島百花園など文化的・観光的スポットに近接
- 下町情緒が残る東向島の地域性と最先端の観光施設が共存する環境
都立墨田川高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
- みんなの高校情報:60(東京137位、都立30位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):54(都立43位)
- V模擬(60%合格基準):53(東京234位、都立37位)
墨田川高校は東京都の進学指導推進校として、比較的難易度の高い高校であることがわかります。進学実績から見ても、国公立大学や早慶上理などの難関大学への合格者を輩出しており、学力水準は高いと考えられます。
入試情報と特別推薦
墨田川高校の入試には以下の特徴があります。
- 2004年より学力検査問題(国語・数学・英語)を自校作成
- 2007年より文化・スポーツ等特別推薦導入
- 推薦入試と一般入試の2種類の入試を実施
特別推薦では、文化活動やスポーツ活動で顕著な実績を持つ生徒を対象に選考が行われます。
入試倍率
年度 | 校長会調査時 | 推薦応募 | 一般応募 | 一般最終応募 | 受検 | 合格 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 0.90倍 | 1.81倍 | 1.03倍 | 1.10倍 | 1.05倍 | 1.04倍 |
2024年 | 1.13倍 | 3.11倍 | 1.26倍 | 1.28倍 | 1.20倍 | 1.19倍 |
2023年 | 1.35倍 | 2.55倍 | 1.35倍 | 1.35倍 | 1.30倍 | 1.29倍 |
男女合同定員化や私立高校の授業料の実質無償化の影響を受けているからか、入試倍率は徐々に下がり、最新の2025年度入試では合格倍率が1.04倍と比較的挑戦しやすい数字になっています。特に推薦入試は競争率が高い傾向がありますが、一般入試は比較的安定した倍率を維持しています。これは、墨田川高校の教育の質と進学実績の高さを考えると、受験生にとって魅力的な選択肢となっているでしょう。
進学実績と活気ある校風が魅力の百年伝統校
都立墨田川高校は1921年の創立以来、100年以上の歴史と伝統を持つ進学指導推進校です。2000年度から進学重視型単位制高校となり、大学受験科目に応じた多彩な選択科目や習熟度別授業を提供しています。
「文武不岐」を掲げ、高い学力の獲得と部活動・学校行事の両立を目指す教育方針が特徴的で、国公立大学や難関私立大学への合格実績も着実に積み上げています。特に2022年3月卒業生の現役進学率は93.1%と高水準です。
体育祭での「族」対抗や吹奏楽部・水泳部などの全国レベルの部活動も墨田川高校の魅力の一つです。「質実剛健」「親和協力」「至誠力行」の校訓のもと、明澄な知性、創造への努力、自他の敬愛と自律の精神を育む教育を実践しています。
東京スカイツリーや向島百花園に近い立地環境も魅力で、文化的・歴史的背景を感じながら学べる環境が整っています。進学校としての高い実績と活発な校風を持つ墨田川高校は、勉強と部活動の両立を目指す意欲的な生徒にとって、理想的な選択肢と言えるでしょう。



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