都立南多摩中等教育学校の偏差値・倍率は?進学実績・部活・校風もまとめて解説!

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都立南多摩中等教育学校は、東京都八王子市にある都立の完全中高一貫校です。その歴史は、1908年(明治41年)に「東京府立第四高等女学校」として開校したことに始まり、117年の伝統を誇ります。1950年に「東京都立南多摩高等学校」と改称し、2010年に中等教育学校に改編されました。

完全中高一貫校のため、高校からの生徒募集は行っていません 1年生(中学1年生相当)から6年生(高校3年生相当)までの160名が、6年間一貫教育のもとで学びを深めていきます。

「人間力の南多摩―心・知・体の調和―」を教育理念とし、学力・突破力・協働力・探究力の4つの力を育成。南多摩中等教育学校最大の特色である「フィールドワーク活動」では、1年生の地域調査から始まり、2年生で「モノ語り」、3年生で科学的検証活動、4・5年生では個人で4000字の論文を執筆するなど、6年間かけて段階的に探究力を磨きます。

文部科学省「DXハイスクール」指定校として、プログラミングやAIを活用した授業を展開。また、「Global Education Network20」や「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)」にも指定され、国際理解教育にも力を入れています。

2025年3月卒業生は、東京大学4名、国公立大学に58名(合格率36.3%)、早慶に41名が合格するなど、研究開発型大学への進学を目指す教育で着実な成果を上げています。

この記事では、都立南多摩中等教育学校の偏差値や倍率、進学実績、部活動、校風など、受験を検討される皆様に役立つ情報を詳しくご紹介します。

目次

都立南多摩中等教育学校の入試倍率と偏差値

入学難易度(偏差値)

偏差値59~65、都立中高一貫校の中でも人気の難関校

都立南多摩中等教育学校の入学難易度(偏差値)は、各模試で以下のように示されています。

  • 首都圏模試センター:65
  • 日能研(R4:80%水準):61
  • 四谷大塚(Aライン80):59

首都圏模試センターでは偏差値65と、都立中高一貫校10校の中でも上位に位置する難関校です。117年の伝統とフィールドワーク活動を中心とした独自の教育で、高い人気を誇っています。

都立中高一貫校の適性検査について

都立中高一貫校の入試は、入学者決定にあたって学力検査は行わず、各校の特色、育てたい生徒像などに照らし合わせた”適性検査”という形式であり、同偏差値帯の難関私立中学受験とは性質が異なる点に注意が必要です。

南多摩中等教育学校では、以下のような2つの検査を実施しています。

  • 適性検査Ⅰ(独自問題):与えられた文章等を的確に分析・考察するとともに、課題に対する考えや意見を明確かつ論理的に表現する力をみる。
  • 適性検査Ⅱ(共同作成問題):資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力をみる。

私立中学受験の偏差値とは単純比較できないため、都立中高一貫校に特化した模試を受験し、適性検査形式に慣れることが重要です。また適性検査だけではなく調査書の内容とともに複合的に合否判定がなされるため、上記偏差値は参考値として捉える必要があります

入試倍率

2025年度は3.66倍、近年は落ち着いた倍率で推移

都立南多摩中等教育学校の過去10年間の入試倍率の推移は以下の通りです。

【全体】入試倍率の推移(過去10年間)

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年度応募倍率受検倍率受検辞退率入学辞退率
2016年度5.59倍5.48倍2.0%3.8%
2017年度4.92倍4.83倍1.9%1.9%
2018年度5.26倍5.19倍1.3%2.5%
2019年度5.68倍5.54倍2.4%1.3%
2020年度5.39倍5.33倍1.3%1.9%
2021年度5.06倍4.94倍2.5%1.3%
2022年度4.24倍4.14倍2.4%3.8%
2023年度4.14倍4.04倍2.3%3.8%
2024年度3.73倍3.67倍1.5%3.8%
2025年度3.74倍3.66倍2.2%2.5%

※2025年度から男女合同定員となりました

参考:【男子】入試倍率の推移(過去5年間)

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年度応募倍率受検倍率受検辞退率入学辞退率
2020年度5.00倍4.93倍1.5%2.5%
2021年度4.68倍4.60倍1.6%1.3%
2022年度4.14倍4.01倍3.0%6.3%
2023年度3.85倍3.79倍1.6%2.5%
2024年度3.54倍3.46倍2.1%3.8%

参考:【女子】入試倍率の推移(過去5年間)

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年度応募倍率受検倍率受検辞退率入学辞退率
2020年度5.79倍5.73倍1.1%1.3%
2021年度5.45倍5.28倍3.2%1.3%
2022年度4.35倍4.28倍1.7%1.3%
2023年度4.43倍4.30倍2.8%5.0%
2024年度3.91倍3.88倍1.0%3.8%

倍率の推移から見えること

  1. 2016~2020年度は高倍率:受検倍率5.3~5.5倍台と高い人気を維持
  2. 2021年度以降は緩やかに低下:受検倍率が5倍台→4倍台→3倍台と推移
  3. 2025年度は3.66倍:過去10年間で最も低い倍率となりましたが、依然として狭き門
  4. 女子の倍率が男子より高い傾向:2020~2024年度まで、一貫して女子の倍率が男子を上回っていました
  5. 受検辞退率・入学辞退率が低い:都立中高一貫校10校平均と比べて辞退率が低く、第一志望として受験する家庭が多い

都立中高一貫校全体(10校平均)との比較

年度南多摩(受検倍率)10校平均(受検倍率)
2020年度5.33倍5.47倍
2021年度4.94倍4.87倍
2022年度4.14倍4.40倍
2023年度4.04倍4.22倍
2024年度3.67倍3.82倍
2025年度3.66倍3.41倍

南多摩は都立中高一貫校全体の平均とほぼ同水準で推移しており、安定した人気を保っています。

入学辞退率について

南多摩の入学辞退率は2.5%(2025年度)と、都立中高一貫校の中では非常に低い水準です。これは、南多摩中等教育学校を第一志望として受験する家庭が多いことを示しています。

都立南多摩中等教育学校の歴史と伝統

117年の伝統、女学校から始まる歴史ある名門校

横川楳子が築いた礎

都立南多摩中等教育学校の前身は、1908年(明治41年)に設立された「東京府立第四高等女学校」です。117年の歴史を持つ伝統校です。

この女学校設立にあたり、以前より八王子にて八王子女学校を運営していた横川楳子は、八王子女学校の資産のすべてと在校生を新設の高等女学校に寄付・移管し、東京府立第四高等女学校創立の礎を築きました。

その功績を記念し、敷地内には横川楳子の胸像が設置されています。

主な沿革

東京府立第四高等女学校時代(1908年~1948年)

  • 1908年(明治41年):東京府立第四高等女学校として開校、初代校長 長尾松三郎着任
  • 1920年(大正9年):昭和天皇陛下(当時皇太子)が本校に臨幸
  • 1945年(昭和20年)8月2日:未明空襲により校舎全焼
  • 1946年(昭和21年)3月1日:昭和天皇陛下が三多摩地区御視察の際、本校に臨幸、激励のお言葉を賜る
  • 1946年(昭和21年):空襲で焼け焦げたオオクスノキが若芽を芽吹かせる
  • 1946年(昭和21年)6月15日:第1期校舎落成

東京都立第四女子新制高等学校時代(1948年~1950年)

  • 1948年(昭和23年):東京都立第四女子新制高等学校と改称し、新制中学を併設
  • 1949年(昭和24年):男女共学実施

東京都立南多摩高等学校時代(1950年~2015年)

  • 1950年(昭和25年)東京都立南多摩高等学校と改称
  • 1958年(昭和33年):創立50周年記念式典挙行
  • 1982年(昭和57年):海外帰国生徒学級開設
  • 2008年(平成20年)10月11日:創立100周年記念式典挙行
  • 2010年(平成22年)3月31日:定時制課程閉課程
  • 2015年(平成27年)3月31日:東京都立南多摩高等学校閉校

東京都立南多摩中等教育学校時代(2010年~)

  • 2008年(平成20年)4月1日:八王子地区中高一貫6年制学校開設準備室設置
  • 2009年(平成21年)10月2日:東京都立南多摩中等教育学校設置認可
  • 2010年(平成22年)4月1日東京都立南多摩中等教育学校開校、初代校長 小林幹彦着任
  • 2010年(平成22年)11月6日:開校記念式典挙行
  • 2019年(令和元年)10月31日:創立10周年記念式典挙行(中等教育学校として)
  • 2025年(令和7年)4月1日:第4代校長 富川麗子着任

シンボルに込められた精神

オオクスノキ:再生と希望の象徴

校舎の正門前にある樹齢100年を超すオオクスノキの大木は、昭和20年(1945年)の空襲で焼け焦げながらも、翌年には若芽を芽吹かせ復活を遂げました。

「いかなる困難の中でも、再び立ち上がり未来へ歩む力」を体現する象徴として、今も校庭で生徒たちを見守り続けています。

オオルリ:世界に羽ばたく人材

南多摩中等教育学校のシンボルマークである「オオルリ」は、透き通る歌声で知られる鳥ですが、それと同時に「世界に羽ばたく」というイメージが込められています。また、その背景を囲む三角形は、「心・知・体の調和」を象徴するものです。

校章:女子教育の伝統と八王子の象徴

校章は、明治41年開校の母体校である東京府立第四高等女学校の校章を引き継いでいます。

  • 外周の図柄:三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)を意味し、母体校が女子教育を行う学校であったことを示す
  • 内部の図案:桑の葉と南多摩という文字を組み合わせており、養蚕業、生糸の生産が盛んな土地柄である「桑の都八王子」を表現

都立南多摩中等教育学校の立地と最寄り駅、周辺環境

八王子駅から徒歩圏内、京王八王子駅から徒歩3分の好アクセス

所在地とアクセス

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