東京都日野市に位置する都立日野台高校は、「叡智・情操・健康」を教育目標に掲げ、「高いレベルでの文武両道」を実践する進学指導推進校です。国公立大学や難関私立大学への高い進学実績を誇りながらも、部活動や学校行事にも力を入れる総合的な教育で知られています。
校章に込められた「Liberty(自由)」の精神のもと、グローバル社会で活躍できるリーダーを育成する教育環境が整えられた学校です。本記事では、日野台高校の特色や進学実績、校風、部活動など、受験生や保護者が知りたい情報を詳しく解説します。
都立日野台高校の歴史と伝統
日野台高校は1979年12月19日に東京都立学校設置条例により設置され、翌1980年4月9日に東京都立拝島高等学校において第1回入学式が行われました。開校当初は東京都立館高等学校校舎が未完成だったため、一年間併置されていました。学校は神鋼電機(現:シンフォニア テクノロジー)東京工場の跡地に、隣接する日野市立大坂上中学校と一緒に建てられました。
同年に特別教室棟、体育館・格技棟(プール含む)が竣工し、1981年3月31日にグランド・外構工事が完了し、新設に伴う全工事が完了しました。同年10月30日には開校記念式典が挙行され、校歌も制定されました。
その後、1989年に創立10周年記念式典、1999年に創立20周年記念式典、2009年に創立30周年記念式典、2019年11月16日には創立40周年記念式典が挙行されるなど、着実に歴史を刻んできました。
2007年には東京都教育委員会より「進学指導推進校」に指定されました。2013年には海外帰国生徒・在京外国人生徒の募集を開始し、グローバル化にも対応しています。2014年から校舎の耐震性を強化する大規模改修工事が始まり、この間は校庭に仮設のプレハブ校舎を設置して授業を行いました。2018年10月31日には大規模改修工事が完了し、2021年には体育館のエアコン設置、2023年には格技棟のエアコン設置工事が完了するなど、施設面での充実も図られています。
校章は炎となって燃えさかる太陽を表す輪郭と、交差する縦横の矢印で構成され、自由の精神(Liberty)をかたどっています。この校章には「強い情熱をもって自らの力で向上・前進をめざす生徒の若々しい姿と、限りなく発展する学校」という意味が込められています。また、制服は2008年度に一新され、男女ともに濃紺を基調とした上品で洗練された印象のブレザースタイルとなっています。
都立日野台高校の立地と最寄り駅、周辺環境
日野台高校は東京都日野市大坂上四丁目に位置しています。最寄り駅はJR中央線の日野駅で徒歩約15分、豊田駅からは徒歩約20分です。バスを利用する場合は、八王子駅から京王電鉄バスの日50・八58系統で「日野自動車前」下車、徒歩4分となっています。また、豊田駅からは日05系統、高幡不動駅からは日02系統で「日野市役所」下車、徒歩15分でアクセスできます。
住所 | 東京都日野市大坂上4丁目16−1 |
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最寄り駅 | ①JR中央線「日野駅」下車 徒歩13分 ②JR中央線「豊田駅」下車 徒歩20分 |
日野市は多摩川や浅川が流れる水と緑の豊かな地域で、日野台高校の生徒たちは自然に恵まれた環境の中で学校生活を送っています。地域との連携も積極的に行っており、「ひのミラ(持続可能な日野の未来を創る高校生チーム)」という日野市や日野青年会議所と連携したグループ活動も実施されています。
公式キャラクターの「バティ君」は、校章の「Liberty」の読み「リバティ」からとった名前で、「日野台魂(日野台生の魂)」を「ひのだいこん」という言葉遊びから大根の形をしたキャラクターとなっています。2013年に突如として現れたこのキャラクターは、言葉の語尾に「バティ」をつける独特の言語体系を持ち、制服姿や走る姿、歌う姿など様々な姿で学校のマスコットとして親しまれています。美術部が作成したこのゆるキャラは、学校の公式キャラクターとして定着しています。
都立日野台高校の校風と教育方針
日野台高校は東京都教育委員会から「進学指導推進校」に指定されており、高い進学実績を誇ります。教育目標として「叡智・情操・健康」を掲げ、次のような人材育成を目指しています。
- 叡智: 深い知性と創造力を育成します。
- 情操: 思いやりのある豊かな人間性を育成します。
- 健康: 心身を鍛え、たくましい精神力と健康な体を育成します。
特徴として、「高いレベルでの文武両道」を実践し、学習・行事・部活動すべてに主体的に取り組む姿勢を重視しています。森田正男校長は生徒に向けて「自分に自信をもちなさい。ただし、天狗になるな。」「あなたがたを照らす光はあなたがたの中にある」という言葉を送り、生徒の夢の実現に向けて教職員一丸となって取り組む姿勢を示しています。
日野台高校は以下のような教育プログラムも特徴としています。
- 英語教育研究推進校(令和4年度から令和6年度):JET(英語等指導助手)が2名配置され、外部英語検定試験GTECの受験料支援も受けています。
- 海外学校間交流推進校(令和5年度):海外の学校との交流を通じてグローバルな視野を育成しています。
- 理数研究校(令和5年度):理数系科目に特化した教育プログラムを展開しています。
- 体育健康教育推進校(令和5年度から令和6年度):体育・健康教育に力を入れています。
- 文部科学省指定「高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」採択校:ICTを活用した教育に積極的に取り組んでいます。
また、SDGsを基本コンセプトとした探究活動も充実しており、地域社会やNPO法人との連携も積極的に行っています。生徒たちは17のゴールに関連した課題を自分たちで発見し、体験的な学習を通じて検証するという探究的な学びのサイクルを実践しています。
さらに、海外帰国生徒の受け入れも行っており、多様な文化背景を持つ生徒が在籍する国際色豊かな環境も魅力の一つです。1年次には国語・数学で取り出し授業(別途対応授業)を行うなど、海外からの帰国生徒へのサポート体制も整っています。
授業は平日の通常授業に加え、2009年度からは土曜授業も実施されています。授業時間は平日・土曜日ともに50分で、1日の授業数は基本的に6コマです。英語や数学では習熟度別の少人数授業を実施し、生徒の能力に応じた指導を行っています。また、1年次に芸術(美術・音楽・書道)の選択科目があり、3年次では大学進学を前提として、半分以上の授業が選択科目となっています。
都立日野台高校の大学合格実績と進路指導
日野台高校は進学指導に力を入れており、進路指導部・担任・教科担当・部活顧問が連携して一人ひとりの生徒の進路実現をきめ細かくサポートしています。2024年3月卒業生の主な合格実績は以下の通りです。
- 国公立大学:84名合格
- 早慶上理(早稲田、慶應、上智、東京理科大):延べ58名合格
- GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):延べ317名合格
2023年度の卒業生では、国公立大学に88名、早慶上理に延べ63名、GMARCHに延べ302名が合格するなど、さらに高い実績を残しています。
進路指導の特徴として、以下のような取り組みが行われています。
- 早期からのキャリア教育:1年次から様々な情報提供や説明会を実施し、計画的な進路指導を行っています。
- 個別指導の充実:本人のキャリア計画や各大学の入試改革の状況を踏まえ、一人ひとりに丁寧な指導・助言を行っています。
- 学習環境の整備:図書館や自習室は朝7時から夜7時まで開放され、受験問題集をはじめとする参考書も多数用意されています。
- 模擬試験の活用:定期的に模擬試験を実施し、実力チェックと弱点克服のための取り組みを行っています。
- 習熟度別指導:英語・数学では生徒の習熟度に応じて標準クラスと発展クラスに分かれた少人数指導を行っています。特に2年生の数学・英語、3年生の英語では習熟度別授業を実施しています。
- 補習・講習の実施:放課後や長期休業中に補習・講習を実施し、各階の廊下には自習スペースも設置されています。
これらの充実した進路指導体制により、国公立大学や難関私立大学への合格者を多数輩出しています。特に2024年度は、国公立大学の医学部への合格者も出ており、高いレベルでの進学実績を示しています。
都立日野台高校の現役生の大学合格実績推移(2020~2024)

2020年から2024年にかけての大学合格実績の傾向を詳しく分析してみましょう。
まず、一人あたりの合格大学数は2022年から2023年にかけて増加し、平均で3.6校程度の合格を得ていることがわかります。主要大学グループ別の合格者数推移は以下の通りです。
東京一工医(東大、京大、一橋、東工大(現東科大)など)
- 2020年:0名
- 2021年:1名
- 2022年:4名(ピーク)
- 2023年:2名
- 2024年:1名
旧帝大+TOCKY:
- 2020年:3名
- 2021年:3名
- 2022年:3名
- 2023年:2名
- 2024年:6名(大幅増加)
関東主要国公立:
- 2020年:26名
- 2021年:28名
- 2022年:30名
- 2023年:50名(大幅増加)
- 2024年:38名
早慶上理:
- 2020年:25名
- 2021年:38名
- 2022年:41名
- 2023年:63名(大幅増加)
- 2024年:58名
GMARCH:
- 2020年:226名
- 2021年:239名
- 2022年:303名
- 2023年:302名
- 2024年:317名(過去最高)
特筆すべき点として、2024年卒業生では旧帝大+TOCKYへの合格者が6名に増加し、トップ層の進学実績が向上していることが挙げられます。また、GMARCHへの合格者数も年々増加傾向にあり、2024年は過去最高の317名を記録しています。
難関大学への合格実績が安定して向上していることから、学校全体の学力水準が着実に高まっていることがうかがえます。
都立日野台高校の2024年度 難関大学現役合格者数
- 東京一工医(1人):東京大学(0人)、京都大学(0人)、一橋大学(1人)、東京工業大学(0人)、国公立大学医学部(0人)
- 旧帝国大学(3人):北海道大学(1人)、東北大学(0人)、名古屋大学(1人)、大阪大学(1人)、九州大学(0人)
- TOCKY(3人):筑波大学(1人)、お茶の水女子大学(1人)、千葉大学(0人)、神戸大学(0人)、横浜国立大学(1人)
- 早慶上理医(58人):早稲田大学(16人)、慶應義塾大学(1人)、上智大学(17人)、東京理科大学(24人)、私立大学医学部(0人)
- GMARCH(317人):学習院大学(8人)、明治大学(46人)、青山学院大学(33人)、立教大学(37人)、中央大学(94人)、法政大学(99人)
<日野台高校の詳しい大学合格実績はこちら>
都立日野台高校の延べ大学合格人数(現役)に占める各大学合格実績(2024)

2024年卒業生の延べ合格人数1029名の内訳を詳細に分析すると、
- GMARCH:317名(全体の30.8%) 明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学などの合格者が中心
- 日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学):201名(19.5%)
- その他私立:268名(26.0%)
- 成成明学國武(成蹊大学、成城大学、明治学院大学、國學院大学、武蔵大学):60名(5.8%)
- 早慶上理(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学):58名(5.7%) 早稲田大学17名、慶應義塾大学7名、上智大学6名、東京理科大学11名などの内訳
- 関東主要国公立:38名(3.7%) 東京学芸大学、東京農工大学、東京都立大学などが中心
- その他地方国公立:39名(3.8%)
- 旧帝大+TOCKY:6名(0.6%) 北海道大学、筑波大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学などの合格者
グラフから読み取れる傾向として、2020年から2024年にかけて、GMARCHや早慶上理などの難関私立大学への合格割合が着実に上昇しています。特に2020年から2024年にかけて、延べ合格者数に占める難関大学以上の割合が増加しており、学校全体の学力水準の向上を示しています。
また、国公立大学への合格者数も増加傾向にあり、進路指導の成果が表れていると言えるでしょう。

都立日野台高校のイベント・学校行事
日野台高校では「高いレベルでの文武両道」を実践するため、様々な学校行事が年間を通して実施されています。主な行事としては以下のようなものがあります。
- 5月 遠足:新入生の交流を深める機会となっています。
- 6月 合唱祭:各クラスがアカペラで合唱を競い合う行事です。コーラス部も参加し、クラスの団結力を高める重要な行事の一つとなっています。
- 9月 常盤樹祭:文化祭と体育祭を合わせた総合的な学校祭で、この時期に行われる行事の総称です。
文化祭:常盤樹祭のメインイベントで、来場者は毎年3000人ほどにのぼります。3年次は全クラスが演劇に取り組むのが伝統となっています。各クラスの出し物や部活動の展示・発表が行われ、美術部や写真部の作品展示、演劇部の公演、軽音楽同好会のライブなど多彩な催しがあります。
体育祭:団対抗形式で行われ、クラス対抗で様々な競技が実施されます。
後夜祭:文化祭の締めくくりとなるイベントです。 - 2月 マラソン大会:立川市・昭島市にある昭和記念公園で開催される体力向上と精神力鍛錬を目的としたイベントです。
その他特に特徴的なのが、海外研修ツアーです。2023年度はフィリピンのイロイロ島で5泊6日の研修が実施されました。このツアーでは以下のような活動が行われました。
- 現地の大学生がインストラクターとして全日同行し、英語を話す環境に身を置く経験
- ごみ処理場の見学とSDGsの観点からの問題点考察
- 現地のナプナパン公立高校の生徒たちとのスポーツ交流
- 「日本とフィリピンの文化の違い」についての共同プレゼンテーション
2024年度は8月5日から9日までの期間でシンガポールでの実施が計画されています。これらの研修は英語力の向上だけでなく、異文化理解や国際的視野を広げる貴重な機会となっています。
また、学校行事以外にも、日野市や日野青年会議所と連携した「ひのミラ」という活動があり、持続可能な地域社会を創るためのプロジェクトに高校生が参加しています。このような地域連携活動も日野台高校の特色の一つと言えるでしょう。
月 | イベント |
---|---|
4月 | 始業式/入学式/生徒会オリエンテーション/対面式/遠足/芸術鑑賞会教室 |
5月 | 生徒総会 |
6月 | 合唱祭 |
7月 | 終業式/部活動合宿 |
8月 | 部活動合宿/オープンスクール(学校見学会)/始業式 |
9月 | 常磐樹祭(文化祭)/常磐樹祭(体育祭)/地域防災訓練 |
10月 | ー |
11月 | ー |
12月 | 終業式 |
1月 | 始業式 |
2月 | マラソン大会(昭和記念公園) |
3月 | 球技大会/卒業式/修了式 |
都立日野台高校の部活動や課外活動
日野台高校は「高いレベルでの文武両道」を掲げており、部活動も非常に盛んです。近年では陸上部・水泳部・将棋同好会・卓球部が関東大会に出場するなど、高い実績を残しています。部活動は学習との両立を大切にしながら、それぞれが目標に向かって熱心に活動しています。
部活動は以下のような多様な活動が展開されています。
【運動部】
- 陸上競技部:関東大会や全国大会等の上位大会進出を目指して活動。平日は月・火・水・金、土曜日も活動しています。
- サッカー部:「全てを楽しむ」をモットーに、顧問4人、トレーナー3人、コーチ5人という充実した指導体制で活動しています。
- 硬式野球部:一人一人の野球動作を細かく分析し、こだわりを持って練習に取り組んでいます。
- ハンドボール部(男女):「仲良く、楽しく、まじめに」をモットーに、東京都ベスト8を目標に活動しています。
- バレーボール部(男女):練習試合も多く設定されており、学年を問わず仲の良い部活動です。
- バスケットボール部(男女):都ベスト32・新人戦本大会出場を目標に、切磋琢磨しながら活動しています。
- バドミントン部:部員同士の仲が良く、熱意ある顧問と2人の外部指導員のもとで練習に励んでいます。
- 卓球部:東京都ベスト8以上、関東大会・IHへの出場を目指して日々練習に励んでいます。関東大会出場の実績もあります。
- ソフトボール部:メリハリをつけて楽しく練習し、部員数は40人で東京都では最多を誇ります。9割が未経験者からのスタートという特徴があります。
- 硬式テニス部(男女):大会での本戦出場を目指して活動しています。女子部は都立校戦ベスト8を目標に、外部コーチの指導も受けながら質の高い練習が行われています。
- 剣道部:先輩後輩、初心者経験者、男女関係なく仲良く活動しています。
- 水泳部:活気溢れる部活で、一人ひとりが自己ベスト更新に向けて取り組んでいます。9月の文化祭では「ウォーターボーイズ」の公演も行っています。
- バトン部:バトン・チア・ダンスを校内公演や文化祭、地域のお祭りなどで披露しています。
【文化部】
- 美術部:自由度が高く、様々な画材を使用して創作活動を行っています。年に一度の中央展に向けた作品制作も行っています。
- 演劇部:都大会でも表彰された実績を持ち、演者としての演技だけでなく、裏方としての活動も行っています。
- 写真部:学校行事の撮影を中心に活動し、年に2回写真部門地区大会、中央大会に出品して入賞実績もあります。
- 吹奏楽部:コンクールだけでなく、音楽を通じて地域に貢献する活動も行っています。
- 将棋部:将棋を楽しみながら上達することを目指し、交流対局や大会に積極的に参加しています。関東大会出場の実績もあります。
- コーラス部:合唱祭、Nコン(7月~8月)、文化祭(9月)、定期演奏会(3月)などの公演に向けて練習しています。高文連地区大会(11月)、高文連中央大会(1月)での交流も行っています。
- 茶道部:毎年高尾山でお茶会を実施するなど、日本文化の継承に貢献しています。
- 家庭科部:調理実習、製菓実習、手芸製作などの活動を行い、週1回の活動で兼部も可能です。
- 生物部:水産生物・昆虫の飼育や研究を行い、その成果を学会で発表しています。
【同好会】
- 軽音楽同好会:音楽を通じて表現力を育む活動を行い、文化祭では熱いパフォーマンスで会場を盛り上げています。
- 外国語同好会:「英語を楽しく使う」をモットーに、JETの先生方とゲームや会話を楽しんでいます。
- 漫画同好会:文化祭の部誌発行に向けて作品作成に取り組んでいます。
- 文芸同好会:テーマ小説やリレー小説の執筆、相互批評などの活動を行っています。メンバーは全員他部活との兼部です。
各部活動は週3〜5日の活動が基本となっており、学習との両立を図りながらも充実した活動が展開されています。特に運動部では関東大会などの上位大会への出場を目指した熱心な練習が行われており、文化部でも各種コンクールや大会での入賞を目指した活動が行われています。
都立日野台高校の施設と環境
日野台高校は2018年に大規模な校舎改築および校庭改修が完了し、2021年には体育館へのエアコン設置、2023年には格技棟へのエアコン設置など、施設面での充実が図られています。現代の教育ニーズに対応した快適な学習環境が整備されています。
- 教室棟:明るく開放的な教室で、ICT機器も整備されています。
- 特別教室:理科室、美術室、音楽室などの専門教室が充実しています。
- 図書館:多数の蔵書を有し、朝7時から夜7時まで開放されています。受験問題集をはじめとする参考書も多数用意されています。
- 自習室:自主学習のための専用スペースで、図書館同様に朝7時から夜7時まで利用可能です。
- 体育館:エアコンが完備され、快適に体育の授業や部活動を行うことができます。
- 格技棟:柔道や剣道などの武道の授業や部活動で使用される施設で、エアコンも完備されています。
- グラウンド:2018年に改修工事が完了し、良好なコンディションで運動ができる環境が整っています。
- プール:水泳の授業や水泳部の活動で使用されています。
- トレーニングルーム:1996年に竣工し、体力向上のための設備が整っています。
- 各階廊下の自習スペース:廊下に机と椅子が設置され、自学自習や質問などに対応するスペースとなっています。
ICT環境も充実しており、「高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校として、1人1台端末を活用した授業が展開されています。授業では自分の考えを伝えたり、他の生徒と考えを共有したりするためにICTが活用されています。
また英語教育にも力を入れており、JET(英語等指導助手)が2名配置され、週1回JETによるオールイングリッシュの授業が行われています。
理科系科目では実験を重視し、その目的を考えさせ、実験後の考察を繰り返すことで、興味関心を深め、さらなる学びへとつなげる工夫がなされています。
「探究」の授業では、SDGsを基本コンセプトに、生徒が他の生徒と一緒に考えながら課題発見力・課題解決力を育成する取り組みが行われています。
都立日野台高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
日野台高校の偏差値は、東京都から指定された進学指導推進校の1つであり東京都内の都立高校の中では入試難易度は上位に位置します。進学指導推進校として、難関大学を目指す生徒が多く集まり、入学時点から高い学力が求められます。多摩地区の進学指導指定校は重点校の国立高校、立川高校、八王子東高校、特別推進校の町田高校、国分寺高校、推進校の武蔵野北高校、日野台高校、小金井北高校、調布北高校、多摩科学技術高校、昭和高校と広いエリアにわずか11校しかないため、倍率も高くなりがちです。
- みんなの高校情報:64(東京76位、都立20位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):62(都立18位)
- V模擬(60%合格基準):58(東京112位、都立23位)
入試方式
都立高校ですから、推薦入試と一般入試の2つの入試方式があります。2025年度は推薦入試が1月26日(日)と1月27日(月)、一般入試が2月21日(金)になります。
<参考情報>詳細はこちらの東京都教育委員会のサイトをご確認ください
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
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2025年 | 1.10倍 | 1.57倍 | 1.17倍 | 1.20倍 | 1.12倍 | 1.10倍 |
2024年 | 1.41倍 | 2.52倍 | 1.42倍 | 1.39倍 | 1.34倍 | 1.32倍 |
2023年 | 1.44倍 | 2.78倍 | 1.44倍 | 1.44倍 | 1.32倍 | 1.32倍 |
入試倍率の特徴と傾向
日野台高校の入試倍率は、2023年から2024年にかけて若干の変動がある程度で比較的安定していましたが、2025年には全ての区分で大幅な低下を示しています。
2023年と2024年を比較すると、各倍率区分での変化は小さく、ほぼ横ばいの状態でした。推薦倍率は2.78倍から2.52倍へとやや低下したものの、合格倍率は両年とも1.32倍と変わりませんでした。
しかし、2025年になると全ての倍率区分で大幅な低下が見られます。特に推薦倍率は2024年の2.52倍から2025年には1.57倍へと約38%も低下しています。同様に、一般応募倍率も1.42倍から1.17倍へと約18%減少しています。
校長会調査時倍率の推移(1.44倍→1.41倍→1.10倍)からも、初期段階での志願意欲が大きく低下していることがわかります。
合格倍率も2023年・2024年の1.32倍から2025年には1.10倍へと低下しており、入試競争が大幅に緩和されています。1.10倍という数値は、ほぼ志願者全員が合格できる水準に近づいていることを示しています。
最終応募倍率と受検倍率の差も比較的小さく、出願後に受検を取りやめる受験生の割合が低いことがわかります。これは日野台高校を真剣に志望する受験生が多いことを示唆していますが、その絶対数は2025年に大きく減少しています。
2025年の全体的な倍率低下は、日野台高校の人気低下や、他校への志願者流出などが考えられます。また、地域の人口動態の変化や入試環境の変化なども影響している可能性があります。
全体として、日野台高校は2025年入試において競争率が大幅に緩和され、比較的入学しやすい状況になっていると言えるでしょう。
文武両道の伝統と実績が光る多摩地区を代表する進学指導推進校
都立日野台高校は「叡智・情操・健康」を教育目標に掲げ、「高いレベルでの文武両道」を実践する進学指導推進校です。1979年の創立以来、40年以上にわたって着実に発展を続け、現在では多摩地区を代表する進学校として高い評価を得ています。
国公立大学や難関私立大学への進学実績も高く、特にGMARCH以上の合格者数は年々増加傾向にあります。2024年には旧帝大+TOCKYへの合格者が6名に増加するなど、トップ層の進学実績も向上しています。この背景には、進路指導部を中心とした丁寧な進路指導体制や、予習・復習を前提とした授業、習熟度別少人数授業など、きめ細かな教育プログラムがあります。
また、SDGsをコンセプトとした探究活動や海外研修など、グローバル社会に対応できる人材育成にも力を入れています。英語教育研究推進校や海外学校間交流推進校としての取り組みも充実しており、国際的な視野を持った生徒の育成を目指しています。
部活動も盛んで、陸上部・水泳部・将棋同好会・卓球部が関東大会出場の実績を持つなど、まさに「文武両道」を体現している学校と言えるでしょう。学校行事も合唱祭や常盤樹祭(文化祭・体育祭)など多彩で、生徒の主体性や協調性を育む機会となっています。
2018年に完了した大規模改修工事により、施設環境も大幅に向上しました。図書館や自習室が朝7時から夜7時まで開放されているなど、学習環境も充実しており、生徒の自主的な学びをサポートしています。
入試倍率は安定しており、人気の高さがうかがえます。特に「高いレベルでの文武両道」という方針や、国公立大学をはじめとする優れた進学実績が、多くの中学生や保護者から支持されています。
都立日野台高校は、充実した学習環境と熱心な進路指導、活発な部活動や学校行事を通じて、グローバル社会において臆することなく自分の考えを述べることができる人間、社会のリーダーとして活躍できる人材の育成に努めています。高い目標を持ち、「文武両道」を実践したい生徒にとって、理想的な環境を提供している高校と言えるでしょう。