
都立江戸川高校の歴史と伝統
東京都立江戸川高等学校(通称:江戸高)は、1940年(昭和15年)に東京府立第十六中学校として創立された80年以上の歴史を持つ伝統校です。第二次世界大戦中の1943年に現在の江戸川区松島二丁目の校地に移転し、戦時中には校舎の一部が焼失するなど困難な時期も乗り越えてきました。
1948年の学制改革により新制高等学校となり、1950年には「東京都立江戸川高等学校」と改称され、同時に男女共学がスタートしました。以来、江戸川区の教育の中心として多くの卒業生を社会に送り出してきました。同窓会(蓮葉会)や保護者OB会(江友会)、地域住民に支えられながら発展を続けています。
平成22年(2010年)からは東京都教育委員会より「進学指導推進校」の指定を受け、進学実績の向上に取り組んでいます。平成30年(2018年)には「スポーツ特別強化校」の指定も受けており、創立以来の「文武両道」の校風を現代に受け継いでいます。
都立江戸川高校の立地と最寄り駅、周辺環境
最寄り駅からのアクセス
江戸川高校は東京都江戸川区松島2-38-1に位置しています。最寄り駅はJR総武線「新小岩駅」で、南口から徒歩約15分の距離にあります。バスを利用する場合は、新小岩駅から都営バス(新小21・新小22系統)で「江戸川高校前」下車、徒歩2分でアクセスできます。
また、東京メトロ東西線「葛西駅」「西葛西駅」や都営地下鉄新宿線「船堀駅」からも都営バス(新小岩駅行き)で「江戸川高校前」下車となります。
住所 | 東京都江戸川区松島2-38-1 |
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最寄り駅 | ・JR「新小岩」駅南口より徒歩15分 ・JR「新小岩」駅より都バス(葛西駅・西葛西駅・船堀駅ゆき)江戸川高校前下車(徒歩2分) ・地下鉄・東西線「葛西・西葛西」駅より都バス(新小岩駅ゆき)江戸川高校前下車(徒歩2分) ・地下鉄・都営新宿線「船堀」駅より都バス(新小岩駅ゆき)江戸川高校前下車(徒歩2分) |
周辺環境
学校は3万3千2百平方メートルの広大な敷地を持ち、閑静な住宅街に位置しています。周辺には江戸川区の住宅地が広がり、落ち着いた環境で学習に集中できる立地です。近隣には荒川と中川に挟まれた地域特有の水辺環境もあり、自然も感じられます。
学校から少し足を延ばせば、タワーホール船堀や江戸川区総合文化センターといった文化施設もあり、吹奏楽部の演奏会などでも利用されています。
都立江戸川高校の校風と教育方針
校訓
江戸川高校では「合理性、積極性、自主性、協調性の4資質を備えた人格陶冶」を目指しています。
教育目標
同校の教育目標は以下の4点に集約されています。
- 多様な知識と高い読解力を持ち、それらを生かして主体的に課題解決を図ることができる人物を育成する。
- キャリア教育の視点に立ち、自ら目標を設定し、振り返りながら計画的に行動できる人物を育成する。
- 高い規範意識を持ち、自他を尊重しながら協働することにより、自己有用性を体得できる人物を育成する。
- 学習と特別活動を高レベルで両立できる総合知を持ち、学びを人生に生かすことができる人物を育成する。
特色ある教育活動
江戸川高校では「進学指導推進校」としての特色を活かし、以下のような教育活動に力を入れています。
- 土曜授業(年間18回実施)による学習時間の確保
- 英語・数学の習熟度別授業(2・3年次)
- 長期休業中の講習、スタディマラソンなどの学習支援
- 自習室の設置(週3回・19:30まで)
- 朝学習による基本的生活習慣の確立
また、長野県小諸市にある「菱野山荘」を利用した自然体験合宿(1年生)や、沖縄への修学旅行(2年生)など、体験的な学びも重視しています。
独自の校風
創立以来の「文武両道」の精神を大切にし、学習と部活動の両立を目指しています。また、生徒の自主性を尊重する校風があり、学校行事は生徒会や実行委員会の生徒を中心に運営されています。
制服はなく標準服であるため私服登校も可能というのも特徴的で、生徒の個性が尊重される校風となっています。
都立江戸川高校の大学合格実績と進路指導
合格者総数の推移
江戸川高校は高い大学進学率(86.7%)を維持しています。私立大学の延べ合格者数は、令和5年度(2024年3月卒)は831名となっており、1人あたりの合格数は2.7件です。これは戦略的で効率的な受験指導が行われるようになった成果と言えます。
国公立大学合格実績
国公立大学への合格者は令和5年度で7名(2.3%)となっています。内訳としては、東京都立大学に4名、埼玉県立大学に2名、千葉大学に1名の合格があります。特に東京都立大学への4名の合格は素晴らしい成果です。
過去5年間の国公立大学合格実績を見ると、令和1年度(2020年3月卒)には東北大学への合格者も出ており、難関国公立大学への道も開かれています。
私立大学合格実績
私立大学合格実績では、令和5年度は以下のような結果となっています。
- 早慶上理:5名(慶應義塾大学1名、東京理科大学4名)
- GMARCH:86名(法政大学35名、明治大学20名、立教大学13名など)
- 成成明学國武:69名(成蹊大学24名、國學院大学18名、武蔵大学16名など)
- 四理工大+東農大:48名(東京電機大学16名、芝浦工業大学14名など)
- 日東駒専:250名(日本大学105名、東洋大学72名、専修大学44名、駒澤大学29名)
特に日東駒専グループへの合格者数は圧倒的な実績を誇り、江戸川高校の進学実績の中核となっています。過去5年間の推移では、日東駒専グループの占有率が18.9%から30.1%へと大きく増加しています。
進路指導の特徴と傾向
江戸川高校の進路指導は、生徒一人ひとりの特性や志望に合わせた丁寧なサポートが特徴です。具体的な取り組みとしては下記のようなものがあります。
- 「ようこそ先輩」(1年生):様々な職業に就いた卒業生の話を聞く機会
- スタディマラソン(2年生):3時間連続で集中して学習に取り組む行事
- 長期休業中の補習:令和5年度は54の講座が開講
- 自習室の開放:週3回、19:30まで。現役大学生による学習相談も
- 土曜授業:年間18日×3年間で216時間の学習時間確保
- 受験体験発表会:大学入試を終えた先輩から体験談を聞く機会
- 校内模試と振り返り:希望進路に向けた対策を担任と考える
- 校内予備校:外部予備校講師による無料講義
こうした多角的なアプローチにより、生徒それぞれの進路実現を支援しています。近年は効率的な受験校選びが行われるようになり、生徒の負担を減らしながらも確実に合格を勝ち取る進路指導が実現しています。

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都立江戸川高校のイベント・学校行事
主な年間行事
江戸川高校の主な年間行事は以下の通りです。
- 4月:入学式、新入生歓迎会
- 5月:体育祭
- 6月:「ようこそ先輩」(1年生)
- 7月:球技大会、自然体験合宿(1年生)
- 9月:文化祭(江戸高祭)
- 12月:修学旅行(2年生)
- 1月:スタディマラソン(2年生)
- 2月:マラソン大会、合唱祭
- 3月:卒業式、球技大会
特色ある行事
- 体育祭(5月):「紅団」「青団」「黄団」「白団」の4色対抗で行われ、江戸川高校ならではの「江戸川下り」「騎馬戦」「大縄跳び」などの競技や各団の応援合戦が白熱します。
- 自然体験合宿(7月):1年生が長野県小諸市の菱野山荘で2泊3日を過ごし、牧場体験やハイキングなど自然と触れ合う活動を通してクラスの絆を深めます。
- 文化祭(9月):1年生は演劇、2年生は展示・イベント、3年生は模擬店を企画します。中庭では吹奏楽部やミュージック部のライブも行われ、多くの地域住民が訪れる盛大な行事です。
- 修学旅行(12月):2年生が沖縄を訪れ、平和学習や沖縄文化・自然について学びます。
- 合唱祭(2月):江戸川区総合文化センターで1・2年生が参加し、課題曲と自由曲を発表します。合唱を通じてクラスの団結力を高める伝統行事です。
学校行事は生徒の自主性を重んじる校風から、生徒会や実行委員会の生徒を中心に運営されており、生徒の主体性や協働性を育む機会となっています。
都立江戸川高校の部活動や課外活動
運動部
江戸川高校の部活動は非常に活発で、約9割の生徒が部活動に参加しています。運動部では以下の部活動があります。令和7年度入試では、硬式野球、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボールにて文化・スポーツ等特別推薦入試が実施されています。
- 硬式野球部:毎年都大会で活躍し、過去には早実高も破った戦績を持ちます。 ※スポーツ推薦枠あり(男4)
- 陸上競技部
- 女子バレーボール部:関東大会出場の実績もあります。 ※スポーツ推薦枠あり(女3)
- 男女バスケットボール部 ※スポーツ推薦枠あり(女3)
- 卓球部
- バドミントン部
- 硬式テニス部
- ソフトテニス部
- ソフトボール部 ※スポーツ推薦枠あり(女3)
- サッカー部
- ダンス部:日本高校ダンス部選手権出場の実績があります。
- 水泳部:関東大会出場の実績もあります。
- ハンドボール部 ※スポーツ推薦枠あり(男3)
- 弓道部:関東高等学校弓道個人選手権選抜大会出場など優秀な実績があります。
- 剣道部
文化部
文化部も活発に活動しており、以下のような部が活動しています。
- 吹奏楽部:タワーホール船堀や江戸川総合文化センターで定期演奏会を開催
- 放送部
- 料理部
- 書道部
- イラストコミック部
- 美術部
- 演劇部
- 茶道部
- 華道部
- 写真部
- コンピュータ部
- 科学部
- ミュージック(軽音楽)部
特色ある活動
江戸川高校はかつて全国高等学校クイズ選手権で優勝した実績があります(第3回大会)。一時期は優勝メンバーを中心にクイズ同好会も存在していました。
また、「Sport-Science Promotion Club」の指定校として、スポーツ科学の視点からの活動も行われています。部活動の活発さは学校の特色の一つで、多くの部活が都大会や関東大会に出場するなど高い実績を持っています。
都立江戸川高校の施設と環境
主な施設
江戸川高校は3万3千2百平方メートルの広大な敷地に、充実した施設を有しています。
- 4階建ての校舎
- グラウンド
- アリーナ(体育館)
- プール
- 柔道場
- 剣道場
- 弓道場
- テニスコート
- コンピュータ室
- 図書室
- 和室
特色ある施設・環境
- 菱野山荘:長野県小諸市にある学校所有の施設で、1年生の自然体験合宿などに利用されています。
- 広々とした中庭:文化祭では中庭ライブが行われるなど、学校行事の中心となる憩いの場です。
- ランニングロード:校内にランニングコースが整備されており、体育の授業や部活動で活用されています。
- 自習室:放課後19:30まで開放されており、現役大学生も在室して学習相談ができる環境です。
校舎や設備は改修工事や耐震補強工事なども行われており、安全で快適な学習環境が整っています。また、すべての普通教室に冷暖房が完備されているのも特徴です。
都立江戸川高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
- みんなの高校情報:57(東京208位、都立48位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):56(都立37位)
- V模擬(60%合格基準):53(東京234位、都立37位)
江戸川高校の偏差値は53~57とされており、都立高校の中では中堅~やや上位に位置しています。進学実績が着実に向上していることから、学校の評価も高まっています。
入試倍率推移
2024年度入試から男女合同定員化、また私立高校の授業料の実質無償化といった東京都の政策がある中、近年の入試倍率は下記のような倍率で推移しており、安定した人気を誇っていると言えるでしょう。令和6年度(2024年度)入試では9学級の募集となっており、地域からの信頼も厚いことがうかがえます。
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1.44倍 | 2.88倍 | 1.50倍 | 1.47倍 | 1.43倍 | 1.42倍 |
2024年 | 1.57倍 | 3.64倍 | 1.72倍 | 1.71倍 | 1.62倍 | 1.60倍 |
2023年 | 1.46倍 | 3.70倍 | 1.51倍 | 1.51倍 | 1.45倍 | 1.44倍 |
推薦入試も行われており、一般推薦のほかスポーツ特別推薦枠もあります。スポーツ特別推薦では硬式野球、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボールなどの競技で生徒を受け入れています。
文武両道の精神で輝く伝統校、江戸川高校
東京都立江戸川高等学校は、80年以上の歴史と伝統を持ち、「文武両道」の精神を大切にする学校です。「進学指導推進校」として生徒の進路実現を支援しながら、部活動や学校行事も非常に活発な、バランスのとれた教育を提供しています。
特に日東駒専を中心とした私立大学への進学実績が充実しており、GMARCHなどの準難関大学への合格者も増加傾向にあります。学習支援体制も充実しており、土曜授業や習熟度別授業、長期休業中の講習など様々な取り組みが行われています。
部活動の活躍も目覚ましく、多くの部が都大会や関東大会に出場するなど高い実績を誇ります。体育祭や文化祭、合唱祭などの学校行事も生徒主体で運営され、自主性や協働性を育む機会となっています。
江戸川高校は、学習と特別活動を高レベルで両立できる「総合知」を持った人材育成を目指し、これからも地域に根ざした教育を提供し続けることでしょう。地域や卒業生、保護者に支えられながら、新たな歴史と伝統を築いていく学校として、今後も注目されます。



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