
都立調布北高校の歴史と伝統
東京都立調布北高等学校は、1973年(昭和48年)に創立され、翌1974年(昭和49年)に開校した全日制普通科の都立高校です。当初は都立世田谷工業高校校舎で授業が開始され、同年12月に現在の校舎へ移転しました。創立から50年以上の歴史を持ち、現在は51年目を迎えています。
学校のシンボルマークである「おほむらさき」(校章や校歌、文化祭の名称にも使用)は、初代学校長・春田俊郎氏に由来します。春田氏は東京大学農学部出身で、高校教諭を務めながら蝶の研究を続け、海外からも鑑定を依頼されるほどの権威でした。この「おほむらさき」は学校の伝統として今も大切に受け継がれています。
2010年には進学指導推進校に指定され、MARCHや早慶レベルの私立大学および国公立大学への進学を目標とした教育体制が確立されました。また、2013年度からは第2・3学年で難関私大や国公立大学への進学を強く希望する生徒を集めた特進クラスを設置し、進学校としての性格を強めています。
歴代の校長は、初代の春田俊郎氏から始まり、13代目の上野勝敏氏を経て、現在は令和6年4月に着任した梅原章司氏が14代目校長を務めています。半世紀にわたる歴史の中で培われた伝統を守りつつ、新しい時代に対応する教育を推進しています。
都立調布北高校の立地と最寄り駅、周辺環境
都立調布北高校は東京都調布市深大寺北町5-39-1に位置しています。緑豊かな環境の中にあり、静かな学習環境に恵まれた立地です。
住所 | 東京都調布市深大寺北町5-39-1 |
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最寄り駅 | ・調布駅調布駅北口12番乗り場から「三鷹駅行き」(鷹56) 所要時間約15分 ・調布駅北口12番乗り場から「吉祥寺駅行き」(吉06) 所要時間約15分 ・吉祥寺駅吉祥寺駅4番乗り場から「調布駅北口行き」(吉06) 所要時間約20分 ・三鷹駅(南口)2番乗り場から「調布駅北口行き」(鷹56) 所用時間約15分 ・武蔵境駅南口2番乗り場から「境南循環経由 武蔵境駅南口行き」(境92) 所要時間約10分 |
最寄り駅からのアクセスは複数のルートがあり、JR中央線の武蔵境駅からはバスで10分、JR中央線・総武線の三鷹駅からはバスで15分、京王線・京王相模原線の調布駅からもバスで15分、JR中央線・総武線・京王井の頭線の吉祥寺駅からはバスで20分の距離にあります。最寄りバス停は「調布北高校前」または「野崎八幡」(徒歩3分)で、主なバス路線は吉06、鷹56、境92などです。
周辺は深大寺の自然に近く、落ち着いた住宅地に囲まれています。校内から見える緑豊かな景観は、生徒たちの学習環境としても良好です。
このような立地条件から、調布市だけでなく三鷹市や武蔵野市など、複数の地域から生徒が通学しています。バスの本数も比較的多く、通学の利便性は確保されています。
また、近隣には電気通信大学、東京学芸大学、東京農工大学、東京外国語大学などの高等教育機関があり、高大連携の取り組みも行われています。大学の授業を受講することで単位認定される制度もあり、進学校としての環境が整っています。
都立調布北高校の校風と教育方針
調布北高校は「自主自律」「文武両道」「文理両眼」「グッドトライ」の4つを教育目標に掲げています。特に「自主自律」では、意図的・計画的な教育活動を組織的に実施し、生徒の自主性を育む環境づくりに力を入れています。教員が一丸となって優秀な生徒を導くという考え方を共有し、生徒の主体性を重視しています。
「文武両道」では学校行事や部活動を通じて帰属意識を高め、チームとして一体感を育てる教育を行っています。「文理両眼」では、AI時代に向けて5教科すべてをバランスよく学ぶ意義を指導し、その結果として国公立大学合格者を増やす取り組みを進めています。「グッドトライ」では、新時代に力強く生きるための挑戦精神を育み、失敗を恐れず前向きに挑む姿勢を重視しています。
校長の梅原章司氏は「これからの時代を担える人材の育成」を目指し、情報化や国際化など急速に変化する社会を主体的・創造的に生き抜く力を育てることを重視しています。具体的には、幅広い教養と専門的知識・技能の習得、生涯にわたって自ら学び考え行動できる資質の育成に取り組んでいます。
また、同校は「進学指導推進校」「英語教育推進校」「理数研究校」「アクティブラーニング推進校」として指定を受け、高大接続や様々な教育プログラムを通じて進学実績を伸ばしています。国際理解教育にも力を入れており、台湾への修学旅行やオーストラリアへの短期語学留学など、グローバルな視点を養う取り組みも行われています。
【2024年度】都立調布北高校の大学合格実績と進路指導
合格者総数の推移
- 2024年度: 1,062名(現役のみ)、1,119名(既卒含む)
- 過去5年間: 747名~1,062名(現役のみ)
国公立大学合格実績
- 2024年度: 国立26名、公立21名、準大学3名、合計50名(前年36名から増加)
- 過去5年間の累計:
東京一科(東大・京大・一橋・東工大): 2名
旧帝国大学(東大・京大除く): 4名
TOCKY(筑波・お茶の水・千葉・神戸・横国): 14名
関東近郊の国公立大学: 101名(東京都立大学に例年10名前後)
私立大学合格実績
- 難関私立大学(2024年度):
・早稲田大学: 34名(前年7名から大幅増)
・慶應義塾大学: 4名
・上智大学: 12名
・東京理科大学: 4名
・合計: 54名(前年17名から大幅増) - MARCH(2024年度):
・明治大学: 71名
・青山学院大学: 23名
・立教大学: 48名
・中央大学: 62名
・法政大学: 87名
・合計: 291名(前年185名から大幅増)
傾向
- 国公立大学合格者数の回復(特に2024年度)
- 首都圏国公立大学への安定した実績
- 早稲田大学への合格者数の飛躍的増加
- MARCH全体での合格者数の大幅増加
- 2024年度は全体的な進学実績の向上が顕著

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都立調布北高校のイベント・学校行事
調布北高校では、生徒が主体となって企画・運営する様々な行事が年間を通して行われています。最大の行事は伝統行事「おほむらさき祭」で、体育部門、合唱部門、文化部門の3部から構成されています。
体育部門は最初に行われ、学年の枠を超えた6つの団に分かれて競います。学年を超えたチームワークが試される応援合戦や色別対抗リレーは大いに盛り上がります。合唱部門では、外部から招いた音楽科の先生方による審査のもと、1年生から3年生まで金賞を目指して混声四部合唱を披露します。文化部門では3年生が演劇を、1・2年生が飲食部門と娯楽部門に分かれて文化祭を作り上げ、多くの来場者で賑わいます。
その他の主な行事としては、4月の入学式と新入生歓迎会、5月の生徒総会、6月の宿泊防災訓練、9月のTokyo Global Gateway(2年)、10月の修学旅行(2年)、12月の国際理解講演会、2月のロードレース、3月のスポーツ大会や球技大会などがあります。3月には学年の枠を超えたクラス対抗の2日間にわたるスポーツ大会と球技大会が行われ、後輩クラスが先輩クラスに勝利することも珍しくないという熱戦が繰り広げられます。
国際理解教育にも力を入れており、台湾への修学旅行では現地交流を行い、オーストラリアへの短期語学留学も実施しています。また、海外留学を奨励しており、毎年数名が海外に留学し単位も認定される制度があります。留学生の受け入れも行われています。
これらの行事は生徒の主体性や協調性を育む重要な機会となっており、調布北高校の「自主自律」「文武両道」という教育目標を体現するものとなっています。
都立調布北高校の部活動や課外活動
調布北高校では多彩な部活動が活発に行われており、運動系と文化系を合わせて約30の部・同好会があります。運動系の部活動には、陸上競技部、硬式野球部、バスケットボール部、バレーボール部、ハンドボール部、サッカー部、水泳部、剣道部、硬式テニス部、バドミントン部、卓球部、なぎなた部、ダンス部などがあります。特になぎなた部は都内に6校しかない部活として知られています。
文化系では、音楽部、写真部、放送部、漫画イラスト部、美術部、軽音楽部、書道部、華道同好会、文芸同好会、科学同好会、家庭科同好会、競技かるた同好会などがあります。音楽部は都内で唯一、吹奏楽と合唱の両方を行っている部活として特色があります。
部活動は「文武両道」の理念のもと、学業と両立しながら活発に活動しています。多くの部活動では週5日程度の活動日があり、公式大会や練習試合なども積極的に行われています。
生徒会活動も盛んで、会長1名、副会長2名、書記2名、会計2名、監査3名の役員体制で運営されています。生徒会は学校説明会や学校見学会での案内、新入生歓迎会や生徒総会などの学校行事の企画・運営を担当しています。また、デジタル目安箱の設置や生徒会公式インスタグラムの運用、コンタクトレンズケース回収などのボランティア活動も行っています。
学校独自の取り組みとして、「江戸の遊び・くらし」という科目を設置し、写し絵などの伝統文化を学ぶ機会も提供しています。これらの課外活動を通じて、生徒たちは学術的知識だけでなく、協調性やリーダーシップ、創造性など、社会で必要とされる様々な能力を身につけています。
都立調布北高校の施設と環境
調布北高校は充実した施設環境を備えており、学習や部活動に適した環境が整っています。校内には広々としたグラウンドとテニスコートがあり、運動系部活動の活動場所として活用されています。硬式野球部は、平日は両翼約95m、中堅約118mの関東村グラウンドを使用しています。
校内の施設としては、体育館、武道場(剣道場)、図書室、パソコン教室、語学室、理科実験室(物理室・化学室・生物室)、自習室などがあります。特に図書室は蔵書が充実しており、学習環境として整備されています。自習室は放課後や長期休暇中に多くの生徒が利用し、受験勉強などに活用されています。
高大連携の取り組みの一環として、近隣の電気通信大学、東京学芸大学、東京農工大学、東京外国語大学などの施設や設備を利用した実習・模擬授業も行われています。特に電気通信大学とは2013年から連携協定を結んでおり、大学の最新設備を使った実験・実習が可能です。
情報教育環境も整備されており、パソコン教室ではICTを活用した授業が行われています。また、英語教育推進校として、英語の4技能をバランスよく学習するための施設・設備も充実しています。
校内には部室棟もあり、各部活動の専用スペースが確保されています。文化系部活動の活動場所として、音楽室、美術室、書道室なども整備されています。
これらの充実した施設と、静かで緑豊かな周辺環境は、学業と部活動の両立を目指す調布北高校の生徒たちの成長を支える重要な基盤となっています。
都立調布北高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
調布北高校の偏差値は下記のとおりであり、都立高校の中では上位に位置しています。2010年に進学指導推進校に指定されて以降、進学実績の向上とともに偏差値も徐々に上昇しています。
- みんなの高校情報:63(東京96位、都立24位)
- 市進教育グループ(80%合格基準):61(都立21位)
- V模擬(60%合格基準):58(東京112位、都立23位)
国公立大学合格者数が近年増加し、特に筑波大学への合格者が多いことや、2024年3月卒の年度には早稲田大学への合格者が34名に急増するなど、進学実績の向上が見られることから、受験生からの注目度も高まっています。
入試倍率推移
校長会調査時倍率 | 応募倍率(推薦) | 応募倍率(一般) | 最終応募倍率(一般) | 受検倍率(一般) | 合格倍率(一般) | |
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2025年 | 1.34倍 | 1.85倍 | 1.74倍 | 1.73倍 | 1.60倍 | 1.58倍 |
2024年 | 1.31倍 | 1.79倍 | 1.54倍 | 1.59倍 | 1.44倍 | 1.41倍 |
2023年 | 1.53倍 | 2.22倍 | 1.53倍 | 1.53倍 | 1.36倍 | 1.34倍 |
調布北高校の最新の入試倍率データによると、直近3年間で倍率が上昇傾向にあることがわかります。特に2025年度入試では、最終的な合格倍率が1.58倍と、前年から0.17ポイント上昇しています。推薦入試の倍率も1.85倍と高く、学校への評価が高まっていることがうかがえます。
また、一般入試においては応募倍率が1.74倍と過去3年で最も高くなり、受験生からの人気が高まっていると考えられます。
調布北高校の入試倍率の推移からは、以下のような傾向と背景が考えられます。
- 進学実績の向上による影響: 2024年卒にて国公立大学合格者50名、難関私立大学合格者54名と大幅に増加したことで、進学校としての評価が高まり、それが2025年度入試の倍率上昇に反映されたと考えられます。
- 推薦入試の競争激化: 推薦倍率は常に一般入試よりも高い傾向にあり、特に2023年度は2.22倍と非常に高い競争率でした。内申点重視の生徒や部活動に力を入れたい生徒が推薦入試を志望する傾向が強いことが推測されます。
- 地域的な需要: 調布市、三鷹市、武蔵野市など複数の地域からアクセスしやすい立地条件が、安定した応募者数の確保につながっています。
- 選抜の厳格化: 受検倍率と合格倍率の差が小さいことから、実際に試験を受けた生徒の中から厳選して合格者を決定していることがわかります。
- 近年の上昇傾向: 2023年から2025年にかけて合格倍率が1.34倍から1.58倍へと上昇していることから、調布北高校の人気と評価が年々高まっていると言えます。特に2025年度入試では、応募倍率も受検倍率も合格倍率もすべて上昇していることから、全体的な競争の激化が見られます。
この傾向から、調布北高校は進学校としての地位を確立し、今後も安定した人気を保つと予想されます。受験生にとっては、より高い学力と準備が求められる学校となっていくでしょう。
伝統と進化を続ける進学校「調布北高校」
都立調布北高校は、1973年の創立以来50年以上の歴史を持ち、「自主自律」「文武両道」「文理両眼」「グッドトライ」を教育目標に掲げた進学校です。静かな環境の中にある充実した施設と、進学指導推進校としての手厚い指導体制が特徴です。
大学合格実績は近年着実に向上しており、2023年度には国公立大学50名、難関私立大学54名、MARCH291名と大幅な増加を見せています。特に筑波大学への合格者が18名、早稲田大学への合格者が34名と突出した実績があります。
生徒主体の学校行事や30以上の部活動も充実しており、「おほむらさき祭」をはじめとする伝統行事は生徒の主体性や協調性を育む重要な機会となっています。高大連携や国際理解教育にも力を入れており、近隣大学との連携や海外留学の奨励など、幅広い教育プログラムが展開されています。
進学校としての実績向上と、生徒の人間的成長の両立を目指す調布北高校は、これからの時代を担う人材育成に取り組んでおり、今後もさらなる発展が期待されます。



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