都立園芸高等学校の進路・進学実績(大学・短大・専門学校・就職)

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東京都立園芸高等学校は、園芸科・食品科・動物科の3学科を擁する農業系専門高校です。各学科では専門性の高い実践的な教育が行われており、生徒たちは学んだ知識と技術を活かして多様な進路を選択しています。本資料では、2021年度から2023年度までの3年間における卒業生の進路状況を分析し、学科ごとの特徴や全体的な傾向をまとめています。

進学率約83%、就職率約13%という結果から、専門高校でありながら高等教育進学への強い指向性が見られる一方、専門性を活かした就職も一定数存在することが特徴です。各学科の専門性を反映した進路選択の実態と、年度ごとの変化から見える傾向を以下に詳細に報告します。

目次

都立園芸高校の令和5年度(2023年度)の進路状況

学科別進路状況

学科人数大学・短大専修学校等就職その他
園芸科68名37%41%18%4%
食品科32名40%41%16%3%
動物科34名79%21%0%0%

詳細内訳(2023年度)

進路区分園芸科食品科動物科合計割合
民間就職11名5名0名16名12.0%
公務員1名0名0名1名0.7%
大学23名9名27名59名44.0%
短大2名4名0名6名4.5%
専門学校等28名13名7名48名35.8%
その他(受検準備など)3名1名0名4名3.0%
卒業生総数68名32名34名134名100.0%

主な進学先・就職先

  • 大学
    ・国立大学:宮崎大学(応用生物科学科)
    ・私立大学:明治大学(農学部)、日本大学、東京農業大学、麻布大学、北里大学など
  • 短期大学女子栄養大学短期大学部、神奈川歯科大学短期大学部、東京立正短期大学など
  • 専門学校東京栄養食糧専門学校、中央動物専門学校、国際動物専門学校など
  • 就職先(株)東京會舘、(株)千疋屋総本店、(株)虎屋、東光園緑化(株)、(株)大森造園建設など

2023年度の進路状況を見ると、全体で44.0%の生徒が大学に進学しており、特に動物科では27名(約79%)が大学進学を選択しています。この傾向は、動物科の専門性の高さと、獣医学や動物科学分野での高等教育の重要性を反映しています。一方、園芸科と食品科では専門学校等への進学も多く、より実践的な技術習得を求める傾向が見られます。

就職においては、園芸科の生徒が最も多く、造園業や園芸関連企業に就職する傾向があります。食品科からは高級飲食店やホテルなどへの就職が見られ、専門性を活かした職業選択をしています。公務員就職は1名と少数ですが、農業や環境関連の公的機関への就職の道も開かれています。

都立園芸高校の過去3年間(2021年~2023年度)の進路推移

3年間の進路状況集計(2021-2023年度):学科別

園芸科(3年間合計)

進路区分人数合計比率
就職(民間)29名14.5%
就職(公務員)3名1.5%
大学進学73名36.5%
短大進学15名7.5%
専門学校等73名36.5%
その他7名3.5%
合計200名100.0%

食品科(3年間合計)

進路区分人数合計比率(%)
就職(民間)15名15.2%
就職(公務員)0名0.0%
大学進学31名31.3%
短大進学11名11.1%
専門学校等36名36.4%
その他6名6.0%
合計99名100.0%

動物科(3年間合計)

進路区分人数合計比率(%)
就職(民間)3名2.9%
就職(公務員)0名0.0%
大学進学59名57.8%
短大進学3名2.9%
専門学校等34名33.4%
その他3名2.9%
合計102名100.0%

学科別3年間累計の特徴

学科学科特性進路傾向
園芸科最も人数が多い
実習・研修が充実
・大学と専門学校への進学がほぼ同数
・就職率が3学科中最も高い
・造園関連企業への就職が多い
食品科製菓・調理技術を習得
食品開発も学ぶ
・専門学校への進学が最も多い
・飲食・ホテル業界への就職が多い
・短大進学率が3学科中最も高い
動物科獣医学・畜産分野に特化
高い進学率
・大学進学率が際立って高い(約58%)
・獣医・動物科学系の学部進学が主流
・就職率は非常に低い(約3%)

3年間の進路傾向分析

大学進学の傾向

  • 進学率の上昇傾向
    ・3年間全体で約41%の生徒が大学に進学
    ・2021年度(38.5%)から2023年度(44.0%)へと上昇
    ・特に動物科では57.8%と極めて高い大学進学率
  • 主な進学先大学
    ・東京農業大学が最多(各学科の専門性に合わせた学部・学科)
    ・日本大学生物資源科学部への進学も多数
    ・麻布大学、日本獣医生命科学大学など専門分野の大学が人気
  • 学科別の特徴
    ・園芸科:造園科学科、地域創成科学科、森林総合科学科などへの進学
    ・食品科:食品関連学科への進学が中心
    ・動物科:動物科学科、獣医保健看護学科などへの集中

専門高校としての教育が大学教育への確かな基盤となっていることが確認できます。特に注目すべきは、国公立大学への進学者が継続的に存在することで、宮崎大学、高知大学、帯広畜産大学など農学系の国立大学に合格者を輩出しています。動物科の大学進学率の高さは、より専門的な知識を求める分野の特性を反映していると言えるでしょう。近年の大学進学率の上昇は、専門教育と普通教育のバランスが取れた指導の成果と考えられます。

専門学校進学の傾向

  • 安定した進学割合
    ・全体で約35%が専門学校等に進学
    ・3年間を通じて34〜37%と安定した比率を維持
    ・園芸科と食品科からの進学が中心
  • 学科別の進学先
    ・園芸科:園芸専門学校、フラワーデザイン関連の専門学校
    ・食品科:調理師専門学校、製菓専門学校が主流
    ・動物科:動物看護や動物トレーニング系の専門学校
  • 教育内容との関連性
    ・高校での学びをさらに実践的に発展させる進路選択
    ・即戦力となる技術者養成を目指す傾向

専門学校への進学は、高校での専門教育をさらに発展させ、より実践的な技術習得を目指す生徒たちの選択として重要な位置を占めています。特に園芸科と食品科では大学進学とほぼ同率での専門学校進学があり、理論より実践を重視する生徒たちのニーズに応えています。食品科では専門学校進学率が36.4%と最も高く、調理や製菓などの技術を直接習得できる環境を求める傾向が強いことがわかります。

就職状況の詳細分析

  • 全体的な就職傾向
    ・3年間で約13%の生徒が就職を選択
    ・学科による就職率の差が顕著(園芸科>食品科>動物科)
    ・園芸科の就職率16%に対し、動物科はわずか3%
  • 業種別の就職先
    ・園芸科:造園業、園芸関連企業、農業関連企業
    ・食品科:高級飲食店、ホテル調理部門、食品製造業
    ・動物科:牧場、競走馬育成施設など(就職者は少数)
  • 就職先の特徴
    ・専門性を直接活かせる職場への就職が主流
    ・公務員就職は少数だが園芸科から継続して輩出
    ・高級店やブランド企業への就職実績あり

就職を選択する生徒は少数ながらも、学んだ専門性を直接活かせる職場への就職が多いことが特徴です。特に園芸科からの造園業や園芸関連企業への就職、食品科からの高級飲食店やホテルへの就職は、専門教育の成果が職業選択に直結していることを示しています。3年間のデータから、園芸科では毎年10名以上の生徒が民間企業に就職しており、業界からの一定の信頼と評価を得ていることがわかります。

学校全体の傾向と特徴

  • 高い進学率
    ・全体で約83%が進学(大学・短大・専門学校)
    ・専門高校でありながら高等教育指向が強い
    ・専門分野に関連した学部・学科への進学が多数
  • 学科別の特色ある進路選択
    ・動物科:大学進学が主流(58%)
    ・園芸科:大学と専門学校が同率、就職も一定数
    ・食品科:専門学校進学が中心、短大進学率も高い
  • 専門教育と進路の一貫性
    ・高校での学びと進路選択の強い関連性
    ・分野別の専門性を活かした進路実現
    ・実践的技術と理論の両面をカバーする教育成果

専門教育と多様な進路選択 – 園芸高校の教育成果

東京都立園芸高等学校は、農業・園芸・食品・動物といった専門分野に特化した教育を行いながらも、高い進学率を維持している点が大きな特徴です。3年間のデータを分析すると、学科ごとに異なる進路傾向が明確に表れており、各分野の特性や必要とされる教育レベルの違いを反映しています。

園芸科では大学進学と専門学校進学がともに36.5%と同率で、就職も16%と一定数存在することから、多様な進路選択が可能な環境が整っていることがわかります。食品科では専門学校進学が36.4%と最も多く、実践的な技術習得を重視する傾向が強いですが、大学進学も31.3%と一定の割合を占めています。また、短大進学率が11.1%と3学科中最も高いことも特徴的です。動物科では大学進学が57.8%と他学科より著しく高く、獣医学や動物科学分野でより高度な専門知識が求められていることを示しています。

3年間のデータから見えるのは、専門高校としての確かな教育基盤と、それを活かした多様な進路実現の実績です。園芸高校の卒業生は、大学での学術研究、専門学校でのさらなる技術習得、あるいは専門分野での就職など、それぞれの志望に合わせた進路を実現しています。この多様性こそが、専門高校としての園芸高校の強みであり、今後も社会のニーズに応じた人材育成の場として重要な役割を果たしていくことが期待されます。


<参照元>
ページ内の大学合格実績は各高校のホームページやパンフレットを参照しています。しかしながら、参照したタイミングによっては速報データであったり、年度をまたぎ変更となっている場合もありますので、正確なデータは各都立高校の最新データをご確認ください。

・園芸高校公式サイト https://www.metro.ed.jp/engei-h/

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この記事を書いた人

教員免許保有(小学校教諭1種、中学校・高校保健体育)の40代サラリーマン。現在高校生の息子の高校受験時に生来のオタク気質をこじらせ首都圏の私立・都立高校を調べた結果、都立高校のコスパの良さに驚愕。現在小学生の娘の高校受験に備えての備忘録がてら、都立高校の魅力を発信していくために「都立高のトリセツ」を開設。

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