Z会進学教室の2025年度高校合格実績は、都立高校対策における圧倒的な強さを示す一方、私立中高一貫校では課題が見られます。13校舎という少数精鋭の体制の中で、特に日比谷高校や西高校などの都立最難関校で突出した成果を上げており、国立・私立最難関校でも一定の実績を維持しています。しかし、早慶ICU系やMARCH系では減少傾向が顕著です。本記事では、Z会進学教室の2023年から2025年にかけての高校合格実績を詳細に分析し、その指導の特徴と強みを検証します。
Z会進学教室の最難関国立・私立高校の合格実績|2025年度版

最難関国立(お茶附・筑駒・筑附・学大附)の合格実績|2025年度版

- お茶の水女子大附属:2023年25名→2024年24名→2025年16名(36%減少)
- 筑波大付属駒場:2023年2名→2024年2名→2025年0名(100%減少)
- 筑波大付属:2023年23名→2024年19名→2025年23名(変化なし)
- 東京学芸大附属:2023年42名→2024年31名→2025年43名(2.4%増加)
最難関・難関私立進学校(開成・城北・巣鴨・桐朋)の合格実績|2025年度版

- 開成高校:2023年8名→2024年4名→2025年8名(変化なし)
- 城北高校:2023年55名→2024年42名→2025年29名(47.3%減少)
- 巣鴨高校:2023年22名→2024年15名→2025年16名(27.3%減少)
- 桐朋高校:2023年37名→2024年28名→2025年11名(70.3%減少)
最難関国立(お茶附・筑駒・筑附・学大附)・私立高校(開成・城北・巣鴨・桐朋)の合格実績の全体傾向
- 国立附属高校:2023年92名→2024年76名→2025年82名(10.9%減少)
- 難関私立高校:2023年114名→2024年85名→2025年56名(50.9%減少)
- 全体合計:2023年206名→2024年161名→2025年138名(33%減少)
- Z会進学教室の最難関校全体の合格者数は、2023年から2025年にかけて33%と大幅に減少しています。特に難関私立高校での減少(50.9%減)が著しいです。
- 城北高校(47.3%減)と桐朋高校(70.3%減)で大幅な減少が見られ、私立難関校対策が課題となっています。
- 国立附属高校では2024年に一時的に減少した後、2025年は若干回復し、特に東京学芸大附属高校は2024年から2025年にかけて38.7%増加しています。
- お茶の水女子大附属高校は3年間で36%減少している一方、筑波大付属は最終的に2023年と同水準を維持しています。
- 開成高校は2024年に減少した後、2025年は2023年と同水準の8名に回復しています。
Z会進学教室の最難関国立・私立高校への合格実績は、3年間で全体的に減少傾向にありますが、学校種によって異なる傾向を示しています。国立附属高校は10.9%の減少に留まっているのに対し、難関私立高校は50.9%と大幅に減少しています。
特に城北高校と桐朋高校での減少が顕著で、私立難関校対策が大きな課題となっています。一方、東京学芸大附属高校は2025年に回復し、43名と最も多くの合格者を輩出しています。
13校舎という規模で138名の合格者を出していることから、1校舎あたりの合格効率は約10.6人となり、校舎数を考慮すると比較的高い効率を示しています。特に、最難関校については、1校舎あたり約6.9人の合格者を輩出しており、この点は高く評価できます。
Z会進学教室の2025年度合格実績は全体的に減少傾向にありますが、特に国立附属高校、中でも東京学芸大附属高校では安定した合格実績を維持していることが特徴的です。私立難関校での合格者数回復が今後の課題となるでしょう。
Z会進学教室の早慶ICU附属・系属高校の合格実績|2025年度版


大学別の附属・系属高校合格者数の推移
- 早稲田附属・系属:2023年44名→2024年38名→2025年26名(40.9%減少)
- 慶應義塾附属:2023年11名→2024年10名→2025年13名(18.2%増加)
- ICU附属:2023年32名→2024年23名→2025年15名(53.1%減少)
- 全体合計:2023年87名→2024年71名→2025年54名(37.9%減少)
個別高校の合格者数推移
早稲田系列
- 早大学院:2023年18名→2024年21名→2025年15名(16.7%減少)
- 早稲田実業:2023年11名→2024年10名→2025年5名(54.5%減少)
- 早大本庄:2023年15名→2024年7名→2025年6名(60%減少)
慶應系列
- 慶應義塾:2023年4名→2024年1名→2025年6名(50%増加)
- 慶應湘南藤沢:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
- 慶應志木:2023年5名→2024年4名→2025年7名(40%増加)
- 慶應女子:2023年2名→2024年5名→2025年0名(100%減少)
ICU
- 国際基督教大学高校:2023年32名→2024年23名→2025年15名(53.1%減少)
早慶ICU附属・系属高校の合格実績の全体傾向
- Z会進学教室の早慶ICU系列全体の合格者数は、2023年から2025年にかけて37.9%と大幅に減少しています。特に2024年から2025年にかけての減少(23.9%減)が目立ちます。
- 早稲田系列全体で40.9%減少しており、特に早大本庄(60%減)と早稲田実業(54.5%減)で大幅な減少が見られます。
- 慶應系列では、慶應義塾本校(50%増)と慶應志木(40%増)で増加が見られる一方、慶應女子は2025年に0名となっており、学校によって傾向が分かれています。
- 国際基督教大学高校への合格者数は3年間で53.1%と大幅に減少していますが、それでも2025年は15名と一定の実績を維持しています。
- 全体として見ると、早稲田系列と国際基督教大学高校での減少が全体の減少に大きく影響しています。
Z会進学教室の早慶ICU附属・系属高校への合格実績は、3年間で全体的に減少傾向にあります。特に早稲田系列と国際基督教大学高校での減少が顕著で、早稲田系列全体で40.9%、国際基督教大学高校で53.1%の減少となっています。
一方、慶應系列では全体として18.2%増加しており、特に慶應義塾本校と慶應志木で成長が見られます。しかし、絶対数としては早稲田系列の方が多く、全体としては減少傾向にあります。
13校舎という規模で54名の合格者を出していることから、1校舎あたりの合格効率は約4.2人となり、2023年の6.7人から減少しています。特に早稲田系列と国際基督教大学高校での合格者数の回復が今後の課題となるでしょう。
Z会進学教室の早慶ICU系列指導は、2025年に大きく減少しており、特に早稲田系列での対策強化が求められる状況です。慶應系列での成長は明るい材料ですが、全体としては大幅な減少傾向が懸念されます。
Z会進学教室のMARCH附属・系列高校の合格実績|2025年度版


大学別の附属・系列高校の合格者数の推移
- 明治系列:2023年18名→2024年12名→2025年13名(27.8%減少)
- 青山学院:2023年14名→2024年12名→2025年8名(42.9%減少)
- 立教系列:2023年16名→2024年11名→2025年7名(56.3%減少)
- 中央系列:2023年72名→2024年52名→2025年46名(36.1%減少)
- 法政系列:2023年5名→2024年9名→2025年4名(20%減少)
- 全体合計:2023年125名→2024年96名→2025年78名(37.6%減少)
個別学校の合格者数推移
明治大学系列
- 明大中野:2023年8名→2024年7名→2025年9名(12.5%増加)
- 明大明治:2023年10名→2024年5名→2025年4名(60%減少)
- 明大八王子:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
青山学院系列
- 青山学院:2023年14名→2024年12名→2025年8名(42.9%減少)
立教大学系列
- 立教池袋:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
- 立教新座:2023年16名→2024年11名→2025年7名(56.3%減少)
中央大学系列
- 中大杉並:2023年37名→2024年27名→2025年27名(27%減少)
- 中大附属:2023年16名→2024年9名→2025年10名(37.5%減少)
- 中央大学:2023年19名→2024年16名→2025年9名(52.6%減少)
- 中大横浜:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
法政大学系列
- 法政大学:2023年5名→2024年9名→2025年4名(20%減少)
- 法政国際:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
- 法政第二:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
MARCH附属・系列高校の合格実績の全体傾向
- Z会進学教室のMARCH系列全体の合格者数は、2023年から2025年にかけて37.6%と大幅に減少しています。
- 中央系列が最も多くの合格者数を誇っていますが、3年間で36.1%減少しており、特に中大杉並(27%減)と中央大学(52.6%減)で大きな減少が見られます。
- 立教新座も56.3%と大幅に減少しており、3年間で16名から7名へと減少しています。
- 明大中野のみが3年間で12.5%増加しており、唯一増加傾向を示している学校です。
- 明大八王子、立教池袋、中大横浜、法政国際、法政第二は3年間を通じて合格者が0名となっています。
Z会進学教室のMARCH系列高校への合格実績は、3年間で全体的に大きく減少しています。特に中央系列と立教系列での減少が顕著で、唯一明大中野のみがわずかに増加しています。
中大杉並が最も多くの合格者数(27名)を維持していますが、2023年の37名からは大きく減少しています。また、中央大学や中大附属などの中央系列の学校でも全体的に減少傾向が見られます。
13校舎という規模で78名の合格者を出していることから、1校舎あたりの合格効率は約6.0人となり、早稲田アカデミー(28.7人)やSAPIX(12.9人)と比較すると低い水準にあります。特にMARCH系列全体の合格者数の回復が今後の大きな課題となるでしょう。
Z会進学教室のMARCH系列指導は、2023年から継続的に減少しており、特に2023年から2024年にかけての減少(23.2%減)が顕著です。全体的にMARCH系列への対策が課題となっていると言えるでしょう。
Z会進学教室の東京都立最難関・難関高校(進学指導重点校・進学指導特別推進校)の合格実績|2025年度版



都立校グループ別合格者数の推移
- 日比谷:2023年47名→2024年45名→2025年47名(変化なし)
- 西・国立・戸山:2023年168名→2024年129名→2025年116名(31%減少)
- 青山・立川・八王子東:2023年87名→2024年71名→2025年69名(20.7%減少)
- 特別推進校:2023年106名→2024年92名→2025年89名(16%減少)
- 全体合計:2023年408名→2024年337名→2025年321名(21.3%減少)
進学指導重点校の合格者数推移
- 日比谷:2023年47名→2024年45名→2025年47名(変化なし)
- 西:2023年82名→2024年59名→2025年50名(39%減少)
- 国立:2023年35名→2024年27名→2025年27名(22.9%減少)
- 戸山:2023年51名→2024年43名→2025年39名(23.5%減少)
- 青山:2023年33名→2024年31名→2025年27名(18.2%減少)
- 立川:2023年35名→2024年29名→2025年31名(11.4%減少)
- 八王子東:2023年19名→2024年11名→2025年11名(42.1%減少)
進学指導特別推進校の合格者数推移
- 国分寺:2023年20名→2024年14名→2025年18名(10%減少)
- 国際:2023年12名→2024年11名→2025年9名(25%減少)
- 新宿:2023年31名→2024年35名→2025年30名(3.2%減少)
- 小山台:2023年17名→2024年21名→2025年10名(41.2%減少)
- 駒場:2023年26名→2024年11名→2025年22名(15.4%減少)
- 小松川:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
- 町田:2023年0名→2024年0名→2025年0名(変化なし)
都立難関高校(進学指導重点校・進学指導特別推進校)合格実績の全体傾向
- Z会進学教室の都立高校全体の合格者数は、2023年から2025年にかけて21.3%減少していますが、2024年から2025年にかけては4.7%減と減少幅が縮小しています。
- 最難関の日比谷高校への合格者数は3年間で変化がなく、47名の安定した合格者数を維持しています。これは他塾と比較しても非常に高い水準です。
- 西高校は39%と大幅に減少していますが、それでも2025年に50名の合格者を出しており、絶対数としては高い水準を維持しています。
- 進学指導特別推進校では新宿(30名)や駒場(22名)などで比較的高い合格者数を維持していますが、小松川と町田は3年間を通じて合格者がいない状況です。
- 進学指導重点校全体では23.8%減少していますが、日比谷は変化なく、立川はわずか11.4%の減少に留まっています。
Z会進学教室の都立高校合格実績は、3年間で全体的に減少傾向にありますが、特に日比谷高校では47名という高い合格者数を安定して維持しています。これは他塾と比較しても突出した成果であり、Z会進学教室の都立トップ校対策の強さを示しています。
西高校や戸山高校などでは減少が見られるものの、依然として高い合格者数を維持しており、進学指導重点校全体での指導力の高さが伺えます。一方、進学指導特別推進校では新宿や駒場などで一定の成果を上げていますが、小松川や町田では課題が見られます。
13校舎という規模で321名の合格者を出していることから、1校舎あたりの合格効率は約24.7人となり、これは早稲田アカデミー(5.0人)やSAPIX(2.9人)と比較して非常に高い効率を示しています。特に都立進学指導重点校については、1校舎あたり約17.8人と圧倒的な効率を誇っています。
Z会進学教室の都立高校対策は、特に日比谷高校を含む進学指導重点校で高い成果を上げており、都立トップ校対策における強みが際立っています。全体的な減少傾向はあるものの、2025年も321名という多くの合格者を輩出しており、都立高校対策における高い指導力を維持していると言えるでしょう。
Z会進学教室の指導効率と特徴分析
Z会進学教室は13校舎を展開する少数精鋭の進学塾であり、他塾との比較データからは独自の強みと特徴が読み取れます。
校舎あたりの合格効率
Z会進学教室の1校舎あたりの合格者数は以下の通りです。
- 最難関(国立附属+開成):6.9人
- 早慶ICU附属:4.2人
- MARCH附属:6.0人
- 都立進学指導重点校:17.8人
- 都立御三家:9.5人
- 都立特別推進校:6.8人
他塾との比較分析
- 都立高校対策における圧倒的な強み:都立進学指導重点校では1校舎あたり17.8人と、早稲田アカデミー(5.0人)や臨海セミナー(4.0人)を大きく上回る効率を示しています。特に日比谷高校(47名)や西高校(50名)などの最難関校で突出した成果を上げています。
- 最難関国立・私立高校での高い効率:国立附属・開成では1校舎あたり6.9人と、早稲田アカデミー(5.7人)やSAPIX(0.4人)を上回る効率を示しており、特に東京学芸大附属高校や城北高校などで成果を上げています。
- 早慶ICU系とMARCH系の課題:早慶ICU附属では1校舎あたり4.2人、MARCH附属では6.0人と、早稲田アカデミー(27.4人、28.7人)と比較すると効率が低い傾向にあります。特に2025年はこれらの分野で減少が見られます。
- 校舎規模の特徴:13校舎という最も少ない校舎数で、特に都立高校で高い合格者数を生み出しており、少数精鋭体制で質を重視した指導を行っていることが伺えます。
Z会進学教室は、都立高校対策と最難関国立・私立高校対策に特化した指導に強みを持ち、特に日比谷高校や西高校などの都立最難関校では圧倒的な合格実績を誇っています。一方、早慶ICU系とMARCH系では相対的に課題があり、特に2025年は両分野で減少傾向が見られます。
13校舎という少数精鋭の体制は、都立高校対策では非常に効果的に機能している一方、中高一貫校対策では課題も見られます。しかし、1校舎あたりの総合的な合格効率は他塾と比較しても高く、質の高い指導が行われていると言えるでしょう。
Z会進学教室の最大の強みは都立高校対策の高い指導力にあり、特に日比谷高校への47名という合格者数は他塾を大きく引き離しています。今後は早慶ICU系とMARCH系での合格者数の回復が課題となりますが、都立高校対策における圧倒的な強みは大きな魅力となっています。
少数精鋭で都立トップ校合格に圧倒的強み
Z会進学教室の2025年度高校合格実績は、校種によって明確なコントラストが見られます。国立・私立最難関校では138名の合格者を出し、東京学芸大附属高校(43名)や開成高校(8名)で一定の成果を上げつつも、全体では前年比14.3%減となっています。特に私立難関校では3年間で50.9%と大幅に減少しています。
早慶ICU系では54名(前年比23.9%減)、MARCH系では78名(前年比18.8%減)と中高一貫校全体で減少傾向が顕著です。一方、都立高校では321名と高い水準を維持し、特に日比谷高校(47名)では3年間変わらず圧倒的な合格者数を誇ります。西高校(50名)や新宿高校(30名)など他の難関校でも高い実績を示しています。
校舎あたりの合格効率では、都立進学指導重点校(17.8人)と都立御三家(9.5人)で他塾を圧倒する効率を示す一方、最難関校(6.9人)でも高い効率を維持しています。Z会進学教室の特徴は13校舎という少数精鋭の体制で質の高い指導に特化していることであり、特に都立トップ校への指導に卓越した強みを持っています。今後は早慶ICU系とMARCH系での合格者数の回復が課題となりますが、都立高校対策における圧倒的な強みは最大の魅力となっています。