都立高校のエンカレッジスクールとは?特色や教育内容、チャレンジスクールとの違い

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目次

エンカレッジスクールとは?

エンカレッジ(encourage)とは「励ます」「力づける」「勇気づける」を意味します。エンカレッジスクールは、小・中学校で十分に能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、頑張りを励まし、応援しながら、勉強や学校行事・部活動などを通して学校生活を充実させる全日制の高校です。

エンカレッジスクールは、都立高校改革の一環として導入されました。1990年代後半から、高校生人口の減少を受けて東京都では都立高校の再編に取り組み、多様化する生徒のニーズに応えるために、中高一貫教育校、単位制高校、チャレンジスクールなど、新しいタイプの高校が導入される中で設置されました。

特徴的な教育システム

入試と評価方法

エンカレッジスクールでは、従来の学力検査によらない特別な入試制度を採用しています。調査書、面接、作文等により、学習意欲を重視した選考を行います。また、定期考査は実施せず、提出物や授業単元ごとの小テスト、日々の授業への取り組みなど、多様な観点から評価を行います。これにより、テストの点数だけでなく、日常的な努力や成長を適切に評価することができます。

きめ細かな学習支援

1年次には特に手厚い学習支援体制を整えています。

  • 主要科目(国語・数学・英語など)での30分授業実施により、生徒の集中力を維持
  • 二人担任制による個別指導の充実
  • 少人数制・習熟度別授業による、理解度に応じた指導
  • 朝学習による基礎学力の定着
  • 中学校までの内容に立ち返った学び直しの機会提供

体験学習とキャリア教育の充実

エンカレッジスクールでは、座学だけでなく、多くの体験的な学習機会を提供しています。これは、多様な人々との出会いを通じて、自己管理能力や他者との協調性、思いやりの心など、豊かな人間性を育むことを目的としています。

また、1年次から段階的なキャリア教育を実施し、職業観の育成と具体的な進路実現に向けた支援を行っています。体験学習では、職業体験やインターンシップなども含まれており、実社会での経験を通じて将来の進路選択に活かすことができます。

学習面のサポート体制

基礎学力の定着に向けた取り組み

エンカレッジスクールでは、生徒一人一人の学力に応じた丁寧な指導を行っています。少人数制や習熟度別の授業により、生徒の理解度に合わせた学習進度の調整が可能です。また、朝の時間を活用した基礎学力の定着や、中学校までの内容の学び直しなど、段階的な学習支援を実施しています。

個別指導の充実

二人担任制を採用することで、よりきめ細かな指導を実現しています。また、放課後の補習や個別指導など、生徒の必要に応じた支援体制を整えています。教員以外にも、外部講師や学習支援員による個別指導も実施され、多角的なサポートを受けることができます。

生活面のサポート

手厚い支援体制

生徒が安心して学校生活を送れるよう、複数の専門家による支援体制を整えています。

  • 二人担任制による日常的な生活指導
  • スクールカウンセラーによる心理面でのサポート
  • ユースソーシャルワーカーによる自立支援
  • 保護者との密接な連携による家庭との協力体制の構築

基本的生活習慣の確立

規則正しい生活リズムの確立や、社会性の育成を重視しています。挨拶の励行、身だしなみの指導、時間管理能力の育成など、社会人として必要な基本的習慣の確立を目指した指導を行っています。

進路支援

キャリア教育の充実

エンカレッジスクールでは、3年間を通じた体系的なキャリア教育を実施しています。

  • 1年次:自己理解と職業理解の基礎づくり
  • 2年次:職業体験やインターンシップによる実践的な学び
  • 3年次:具体的な進路選択と実現に向けた準備

多様な進路実現へのサポート

就職、進学それぞれの希望に応じた支援体制を整えています。

  • ハローワークと連携した就職支援
  • 個別の進路相談と指導
  • 各種検定・資格取得のサポート
  • 進学に向けた学習支援

エンカレッジスクールとチャレンジスクールの違い

課程の違い

エンカレッジスクールは全日制課程の高校です。毎日決まった時間に登校し、午前から午後まで通常の授業を受けます。一方、チャレンジスクールは定時制課程で、午前部・午後部・夜間部の三部制を採用しており、生徒は自分のライフスタイルに合わせて登校時間を選択できます。

対象となる生徒の違い

エンカレッジスクールは、毎日学校には通っていたものの、学習面で十分に力を発揮できなかった生徒を対象としています。学び直しをして基礎学力を身につけたいという意欲のある生徒のための学校です。一方、チャレンジスクールは、不登校経験者や中途退学者など、これまで毎日の通学が難しかった生徒を主な対象としています。

学習システムの違い

エンカレッジスクールでは、1年次に30分授業を導入するなど、基礎学力の定着に重点を置いた教育を行います。二人担任制や習熟度別授業により、きめ細かな指導を実施します。一方、チャレンジスクールは単位制を採用しており、生徒は自分のペースで必要な単位を修得していきます。また、普通科目と専門科目の両方を学べる総合学科となっています。

学習評価の違い

エンカレッジスクールでは、定期考査は実施せず、日々の授業態度や提出物、小テストなどで評価を行います。チャレンジスクールでは、単位制のため、各科目の単位修得要件を満たすことで評価されます。

卒業までの期間

エンカレッジスクールは通常の全日制高校と同じ3年間での卒業が基本です。チャレンジスクールは4年での卒業を基本としていますが、他部履修により3年間での卒業も可能です。また、最長6年まで在籍可能です。

このように、両校は異なる特徴を持ち、生徒の状況や必要に応じて選択できる環境が整えられています。どちらの学校も、生徒一人一人の状況に応じた支援を提供し、将来の自立に向けた教育を行っているという点では共通しています。

都内のエンカレッジスクール紹介

足立東高等学校

【学校URL】https://www.metro.ed.jp/adachihigashi-h/

【住所】東京都足立区大谷田2-3-5 

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この記事を書いた人

教員免許保有(小学校教諭1種、中学校・高校保健体育)の40代サラリーマン。現在高校生の息子の高校受験時に生来のオタク気質をこじらせ首都圏の私立・都立高校を調べた結果、都立高校のコスパの良さに驚愕。現在小学生の娘の高校受験に備えての備忘録がてら、都立高校の魅力を発信していくために「都立高のトリセツ」を開設。

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